2026年3月13日金曜日

ニコリノ・ローチェ(Nicolino Locche)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBA世界J・ウェルター級王者。世界王座防衛戦のカルロス・エルナンデス戦、ジョアン・エンリケ戦ほかを紹介します。


ニコリノ・ローチェ(アルゼンチン)

身長168cm:オーソドックス(右構え)

ニコリノ・ローチェ(Nicolino Locche)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ニコリノ・ローチェ 15R 判定 カルロス・エルナンデス

(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1969年)

ローチェ:左ジャブ、右ストレート、フック

エルナンデス:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

2R:右フックでローチェがダウン

(感想:ローチェがタイトル初防衛。アルゼンチン・トゥヌヤン出身のローチェ。ニックネームは「El Intocable」(「触れることができない」「接近できない」の意。ディフェンスの巧さなどで相手を寄せ付けない試合ぶりを例えているのだろう)。アマチュアでは何と122戦5敗。1958年、プロ転向。以後、判定負けやドローはあったが、好調。アルゼンチン王座、南米王座(いずれもライト級)を獲得。1965年、イスマエル・ラグナ(パナマ)とドロー。1966年、サンドロ・ロポポロに3-0の勝利。デビューからほとんどの試合をアルゼンチンで行ってきたが、東京蔵前国技館で藤猛に勝利してWBA王者に(藤はWBA・WBC王者だったが、ローチェ戦の前にWBC王座は剥奪されてしまっていた)。挑戦者エルナンデスはベネズエラ・カラカス出身。身長178cmの長身。「ベネズエラ初の世界王者」で、かつてこの王座を保持していたことがある。エディ・パーキンスを破って世界J・ウェルター級王座獲得。三度目の防衛戦でロポポロに王座を奪われた(1966年)。それから時が経ったが王座奪回なるか、といったところ。アルゼンチン・ブエノスアイレスでの一戦。なかなか面白いボクシングをするローチェ。あまり動かず、ディフェンスしながら左のテクニック(左ジャブ、意表を突くタイミングで踏み込んで左フック、ワンツー)。しかし、攻めるときは連打(左フックからの右ストレートなど。ただし、KOを狙うような攻めではない)。緩急自在の動きを見せる。エルナンデスはスラリとした身体から伸びのある左ジャブ、右ストレート、接近戦では長い腕を器用に使ってフック連打(近年の選手に例えるならマーク・ブリーランドのようなボクシング)。接近戦ではクリンチになるシーンが多く、クリンチ中のパンチにレフェリーは両者に警告。2R、右フックが効いたローチェ。追加の右フックでダウン。その後もローチェはディフェンスしながら隙を突くパンチ。エルナンデスはフックを当てるシーンもあるが、パンチの振りが大きいためか、やや打たれる。15R終了。判定は3-0。ローチェが当てる巧さで勝利。モハメド・アリのように派手に動いて勝つ選手もいれば、ローチェのように必要最小限的な動きで勝つ選手もいる。地味な勝ち方だったが、パワーやタフネスを感じるシーンもあった。エルナンデスも良い選手。しかし、長いパンチは隙も大きい。やや相手に接近しすぎたような気がする。アウトボクシングで手数を出せば勝っていたかも。その後、エルナンデスはベネズエラで試合。ラストファイトは1971年、ロンドン。世界ライト級王者ケン・ブキャナンとのノンタイトル戦でTKO負けだった。)


ニコリノ・ローチェ 15R 判定 ジョアン・エンリケ

(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1969年)

ローチェ:左ジャブ、右ストレート、フック

エンリケ:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:ローチェがタイトル防衛。ノンタイトル戦もやりながらローチェが二度目の防衛戦。挑戦者エンリケはブラジル・ジュアゼイロ出身。デビューから無敗。ブラジル王座(J・ウェルター級)を獲得している。ただ、これまでの試合は全てブラジルで、海外試合はこれが初めて。ブエノスアイレスでの一戦(ハイライト映像で観戦)。動きがゆっくりな二人。エンリケがゆるやかなダッキング、そして伸びのある左ジャブ。ローチェは例によって緩急自在。頭を少し動かして相手の攻撃をかわして左フック。攻めるときはワンツーからの左フック、左右フック連打などをまとめる。終盤になって手数を出して攻めるエンリケ。ワンツーからの左フックを出すが、勢いは続かず。15R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ローチェがエルナンデス戦の時のような試合ぶりで勝利。エンリケはスロースターターだったうえに特別な強さは感じられず。南米の選手は試合数が多く、好戦績だったりするが、だからといって強いとは限らない。その後、エンリケは南米王座を奪取して世界J・ウェルター級王座に三度挑戦したが、全て敗北。ラストファイトは1979年で、判定勝ち。1982年3月11日、36歳で死去。死因は肺出血だった。)


ニコリノ・ローチェ 10R 判定 ヘラルド・フェラト

(J・ウェルター級戦、1972年)

ローチェ:左ジャブ、右ストレート、フック

フェラト:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:エンリケ戦後もノンタイトル戦をこなしながらアントニオ・セルバンテスらを相手に五度目の防衛に成功したローチェ。アルフォンソ・フレーザーに敗れ、王座陥落。フェラトと再起戦。フェラトはメキシコ・メヒカリ出身で、経験ある選手。デビューから連勝だったが、KOで初黒星。カルロス・エルナンデスに判定勝ち、フランキー・クロフォードに判定負け、カルロス・オルチスにTKO負け。そこから三連勝でローチェ戦。ブエノスアイレスでの一戦(10Rのみの映像で観戦)。ワンツーからの左フックに強さがあるフェラト(フックの打ち方が良く、バズーカ・リモンに似た雰囲気)。ローチェはディフェンスしながら右ストレート、フック。当てる巧さは健在で、クリンチ中に「ポカリ」と相手を叩くシーンはどこかユーモラス。ローチェがフェラトの攻めをかわして10R終了。共に健闘を讃え、判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ローチェがテクニックで勝利。フェラトはゴツいパンチを打っていたが、巧くかわされた。その後の二人。フェラトはロベルト・デュラン、エステバン・デ・ヘススにKO負け、メキシコ王座(ライト級)獲得。トップクラスにはなれなかったが、名のある選手と対戦したキャリアだった。ローチェは連勝後、かつて下したアントニオ・セルバンテスのWBA世界J・ウェルター級王座に挑戦したが、TKO負けで王座返り咲きならず。この試合後、ブランク。カムバックしてノンタイトル戦で連勝して引退。通算戦績117勝(14KO)4敗14分。KO勝ちがたったの「14」。KOを狙わないことでむしろ個性的な試合ぶりとなった。)


①「WBA World Junior Welterweight Title

Nicolino Locche vs. Carlos Hernandez」

②「WBA World Junior Welterweight Title

Nicolino Locche vs. Joao Henrique」

③「Junior Welterweight 

Nicolino Locche vs. Gerardo Ferrat」


藤猛(Fuji Takeshi)のページ 

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アントニオ・セルバンテス(Antonio Cervantes)のページ


2026年3月11日水曜日

ロデル・マヨール(Rodel Mayol)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBC世界ライトフライ級王者。ピグミー・ゴーキャットジム戦、イーグル京和戦、フリオ・セサール・ミランダ戦を紹介します。


ロデル・マヨール(フィリピン)

身長163cm:オーソドックス(右構え)

ロデル・マヨール(Rodel Mayol)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ロデル・マヨール 5R KO ピグミー・ゴーキャットジム

(ライトフライ級戦、2001年8月)

マヨール:左ジャブ、右ストレート、フック

ピグミー:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:ワンツーでピグミーがダウン

2R:ワンツーでピグミーがダウン

3R:左フックでピグミーがダウン

5R:右ボディ、左ボディで2度、ピグミーがダウン

(感想:フィリピンのマヨール。アマチュアで活躍(大会で優勝したことも)。4戦目でフィリピン王座(ミニマム級)を獲得したり、後に世界挑戦する中島健を下したりするなどプロデビュー以来、連勝中。タイのピグミーは来日経験あり。フィリピンでジョマ・ガンボアにTKO負けしたことも。フィリピン・アンティポロでの一戦。小さいながらもガッチリした体のピグミー。しかしながら、1Rからマヨールが素晴らしいパンチ。速いワンツーでピグミーがダウン。その後も伸びのあるワンツー、パワーのある左フックを自在に使いこなすマヨール。ピグミーはブロックしながらジャブで応戦。2R、マヨールが右アッパーからの左アッパー。後退したピグミーにワンツーで二度目のダウンを奪う。それでも接近戦を挑む勇敢なピグミー。右ストレート、左フックに強さが感じられるが、攻めが単発で試合の主導権を握ることができない。3R、左フックでピグミーがダウン。しかし、これは引っかけたようなパンチで大したことはなさそう。4R、ボディが効いたピグミー。5Rにボディで二度ダウンして試合終了。マヨールは実に素晴らしい選手。パンチに伸びとパワー、そして正確さ。ワンツーからの左フックが特に良かった。ピグミーはパンチは強そうだったが、単発で当てさせてもらえず。後にミニマム級で世界挑戦したが、勝てなかった。)                     


イーグル京和 12R 判定 ロデル・マヨール

(WBC世界ミニマム級タイトル戦、2006年)

マヨール:左ジャブ、右ストレート、フック

イーグル:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

12R:右フックでマヨールがダウン

(感想:イーグルがタイトル防衛。ピグミー戦後も好調のマヨール。東洋太平洋ミニマム級王座を三度防衛し、ロレンソ・トレホをKOしてWBC世界ミニマム級王座挑戦権も獲得。その次の試合で「三迫ジム所属」として待望の世界初挑戦。これまで22連勝(17KO)、WBC1位。王者イーグルは日本を拠点とするタイ人。肩の負傷で一度王座を手放したが、奪回。初防衛戦を中島健と行い、TKO勝ち。マヨール戦は奪回した王座の二度目の防衛戦となる。「後楽園ホール」での一戦(TV解説席にファイティング原田、浜田剛史、セレス小林)。1Rから激しい強打の応酬。ディフェンスしながら互いに右ストレート、左右フックを打ち合うスリリングな展開。2R、イーグルの右目が早くも腫れる。3R、マヨールの左フックがヒット。5R、バッティングでイーグルが負傷し、ドクターチェック(この時、レフェリーは「試合ストップ」と一瞬勘違いして試合終了のゼスチャーをしかけた。日本のドクターと外国人レフェリーは言葉が通じるのだろうか、と以前から思っていたが、伝わりにくい時もあるようだ)。その後もパワフルにフックを振るうマヨール。イーグルはワンツー、右カウンター、ボディ打ちなどで隙を狙う攻め。12R、右目下のキズを負ったマヨールが右フックで痛恨のダウン。12R終了。判定は僅差の3-0。一進一退の攻防だった試合。イーグルが王者のアドバンテッジで何とか勝利。マヨールは最後までパワーがあったが、やや攻め方が単調だったか。その後もイーグルはロレンソ・トレホ、八重樫東を相手に防衛。オーレイドン・シスサマーチャイに敗れて王座陥落。それが最後の試合となった。)   


その後のマヨール 

ウリセス・ソリスのIBF世界ライトフライ級王座に挑戦したが、8RでTKO負け。再起戦のアドリアン・エルナンデス戦は4RでのKO負け。フィリピン王座(ライトフライ級)を決定戦で獲得(ただし、2-1の負傷判定勝ち)。イバン・カルデロンのWBO世界ライトフライ級王座に二度挑戦したが、いずれも負傷判定でドロー、敗北。その次の試合でWBC世界ライトフライ級王者エドガル・ソーサ(メキシコ)を破ってついに世界王者に。しかし、初防衛戦はオマール・ニーニョ・ロメロと妙なドロー(反則打で決着)。再戦でロメロに判定負け、王座陥落。その強さに見合わないキャリアとなってしまった感がある。


ロデル・マヨール 10R 判定 フリオ・セサール・ミランダ

(スーパーフライ級戦、2012年)

マヨール:左ジャブ、右ストレート、フック

ミランダ:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:左フックでミランダがダウン

2R:左アッパー連打でミランダがダウン

5R:連打でミランダがダウン

(感想:世界王座陥落後、連勝のマヨール。再び世界を目指す状況。ミランダはメキシカンで、元WBO世界フライ級王者。コチラもまた世界王座返り咲きを目指す状況。フィリピン・パシッグでのサバイバル戦。1R、ワンツーで攻めるミランダ。マヨールは距離を取ってジャブ。右ストレートからの左フックでミランダがダウン。それでも前進するファイターのミランダ。マヨールはディフェンスしながら左フックからの右ストレートなどで応戦。2R、左アッパー連打でミランダがダウン。しかしながら、実にしぶといミランダ。サウスポーにスイッチしたりしながら接近戦を仕掛ける。5R、右ボディが効いたミランダ。連打でダウン。その後は接近戦。互いに振りが大きめのフック。そのためパンチの正確さに欠け、クリンチ、もみ合い。10R終了。判定は3-0。似たタイプの二人。ダウンを奪ったマヨールが勝利したが、大きな力量差は感じられなかった。その後の二人。ミランダはメキシコ王座(バンタム級)を獲得したが敗北もあり、世界戦はなかった。マヨールはこの次の試合でIBF世界スーパーフライ級王者ファン・カルロス・サンチェス・ジュニアに挑戦。KO負けで二階級制覇ならず。それが最後の試合となった。)


①「Light Flyweight 

Rodel Mayol vs. Pigmy Kokietgym」

②「WBC World Minimumweight Title

Eagle Den Junlaphan vs. Rodel Mayol」

③「Super Flyweight 

Rodel Mayol vs. Julio Cesar Miranda」


イーグル・デン・ジュンラパン(Eagle Den Junlaphan)のページ
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オーレイドン・シスサマーチャイ(Oleydong Sithsamerchai)のページ


2026年3月6日金曜日

マイケル・ドミンゴ(Michael Domingo)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

フィリピン・バンタム級王者。タイトル戦のプーンサワット戦、フレデリック・パトラック戦ほかを紹介します。


マイケル・ドミンゴ(フィリピン)

身長160cm:オーソドックス(右構え)

マイケル・ドミンゴ(Michael Domingo)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

プーンサワット・クラティンデーンジム 12R 判定 マイケル・ドミンゴ

(PABAバンタム級タイトル戦、2004年)

ドミンゴ:左ジャブ、右ストレート、フック

プーンサワット:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:プーンサワットがタイトル防衛。ドミンゴはフィリピン・レバク出身。フィリピン・バンタム級王者になったことがあるが、日本でホルヘ・リナレスに判定で敗れるなど勝ったり負けたり。直前の試合もタイで行い、IBFパンパシフィック王座(バンタム級)に挑戦して判定負け。王者プーンサワットは勢いに乗るパワフルなタイ人で、これまで全勝。これが15度目の防衛戦。タイ・ナコーンパノムでの一戦。いつものようにディフェンスしながら精力的にジャブ、ワンツーからの左フックで攻めるプーンサワット。ドミンゴもまたディフェンスができる選手で、ジャブで応戦。接近戦。互いにパワフルなワンツー、フック。左フックに良さがあるドミンゴだが、プーンサワットが手数と攻めの姿勢でポイント上、優勢か? 12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。プーンサワットはハイレベルで、最後まで攻め続けるスタミナ。ドミンゴはよく頑張ったが、相手の勢いに押された。その後、プーンサワットはWBA世界バンタム級暫定王座、WBA世界S・バンタム級王座を獲得する活躍を見せた。)


フレデリック・パトラック 9R KO マイケル・ドミンゴ

(WBFバンタム級王座決定戦、2006年10月)

ドミンゴ:左ジャブ、右ストレート、フック

パトラック:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

9R:連打でドミンゴがダウン

(感想:パトラックがタイトル獲得。プーンサワット戦後のドミンゴ。経験を積んだ結果なのか、好調。フィリピン・バンタム級王座を取り戻し、連続防衛。ベテランのアレハンドロ・モンティエルにTKO勝ち。これまで26勝(11KO)14敗3分。パトラック(29歳)はフランス・ベジエ出身で、19勝(10KO)7敗1分。勝ったり負けたりの後、欧州王座(バンタム級)に挑戦して引き分け。フランス王座(バンタム級)獲得。欧州王座も獲得できたが、防衛ならず。このところ連勝中。フランス・アグドでの一戦。互いにガードを上げてジャブ。手数が多いパトラック。ジャブ連打、右ストレートからの左ジャブといったテクニック、接近してフック連打。ドミンゴは悪くはないが、攻撃が単発。手数でポイント上、パトラックが優勢の中、9R。連打でドミンゴがダウン。うつぶせに倒れたまま10カウントを聞いた。パトラックが手数で勝利。ドミンゴは細かく打たれ続け、ギブアップするかのような負け方だった。ただ、共に「一発のパワー」はあまり感じられず。その後のパトラック。連勝(WBF王座の防衛戦はしなかったようだ)。アンセルモ・モレノのWBA世界バンタム級王座に挑戦してTKO負け、引退。)


マイケル・ドミンゴ 2R KO マデ・ロビンソン・ムタンビ

(スーパーバンタム級戦、2012年10月)

ドミンゴ:左ジャブ、右ストレート、フック

ムタンビ:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

2R:左ボディでムタンビがダウン

(感想:パトラック戦後、活躍するドミンゴ。フィリピン王座を防衛、WBOオリエンタル王座(バンタム級)獲得、防衛。しかし、メジャー団体の世界王座挑戦は無し。これまで44勝(19KO)15敗3分。ムタンビはウガンダ・カンパラ出身の黒人。地元中心のキャリアで、19勝(7KO)2敗1分。デビューから連勝。TKOで初黒星。マイナー団体のスーパーフライ級王座獲得、アフリカ王座(バンタム級)は判定で獲得ならず。フィリピン・パサイでの一戦。非常に良いボクサーになったドミンゴ。足でリズムを取りながら左のガードを下げた構えからジャブ連打、ワンツー、フック。実にリズミカルなボクシング。ムタンビはガードを上げてジャブで応戦するが、ガチャガチャしたボクシング。2R、右ストレートが効いたムタンビ。左ボディでダウン。うずくまったままカウントアウト。ドミンゴが流れるような攻撃で快勝。ディフェンスもできていた。しかし、残念なことにこれで引退。ムタンビは現役続行。WBOのアフリカ王座(フェザー級)に挑戦してKOされるなどあまりよくない状況。)


①「PABA Bantamweight Title

Poonsawat Kratingdaenggym vs. Michael Domingo」

②「vacant WBF Bantamweight Title

Frederic Patrac vs. Michael Domingo」

③「Super Bantamweight 

Michael Domingo vs. Mudde Robinson Ntambi」


プーンサワット・クラティンデーンジム(Poonsawat Kratingdaenggym)①のページ

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プーンサワット・クラティンデーンジム(Poonsawat Kratingdaenggym)②のページ


 

2026年3月4日水曜日

ショーン・ポーター(Shawn Porter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

世界ウェルター級王者。世界を取る前のパトリック・トンプソン戦、フリオ・ディアス戦(初戦・再戦)を紹介します。


ショーン・ポーター(アメリカ)

身長170cm:オーソドックス(右構え)

ショーン・ポーター(Shawn Porter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ショーン・ポーター 6R TKO パトリック・トンプソン

(スーパーウェルター級戦、2012年)

ポーター:左ジャブ、右ストレート、フック   

トンプソン:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:ポーターはオハイオ州アクロン出身の黒人。ウェルター級にしては小柄で、ニックネームは「Showtime」。オリンピックを目指したが代表選考会で敗れ、出場ならず。プロではこれまで18連勝(13KO)、24歳。決定戦で北米ウェルター級王座獲得、防衛にも成功。トンプソン戦はノンタイトル戦。トンプソン(39歳)はネブラスカ州の黒人で、18勝(8KO)17敗1分。2002年に遅めのプロデビュー。タイトル戦の経験は無し。勝ったり負けたりだが戦い続けており、根性はありそう。直前の試合はKO勝ち。アトランチックシティでの一戦。リズムを取りながらジャブ連打、右ストレート、フックのポーター(打ち方、後ろ姿がレイ・マーサーに似ている)。中間距離では良いが、接近戦では雑な攻め。ただし、左ボディ打ちに迫力。トンプソンは左のガードを下げた構えで応戦。接近されてクリンチ。2Rにハプニング。大きな左フックを空振りしたポーターが転倒。その後も攻めるポーター、応戦するトンプソン。6R、左フックが効いたトンプソン。攻められ、左フックが入ったところでレフェリーストップ(ダウンシーンは無し)。ポーターが勢いで勝利。しかし、接近戦に難あり。距離を上手く取る戦い方をマスターする必要がある。トンプソンは特別な強味が無い選手だった印象。これが事実上のラストファイト。ブランク後にカムバックしたが、判定負けだった。)


ショーン・ポーター 10R 引分 フリオ・ディアス

(ウェルター級戦、2012年)

ポーター:左ジャブ、右ストレート、フック   

ディアス:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:トンプソン戦後、決定戦でNABOウェルター級王座を獲得して20連勝(14KO)のポーターが元世界王者と対戦。40勝(29KO)7敗のディアスはメキシカンで、元IBF世界ライト級王者。シャープなパンチ、左のテクニックに定評があるが、パワーはそこそこ。世界王座から陥落後はTKO負けするなどピークを過ぎている印象だが、どんな動きを見せるか? ロサンゼルス「スポーツ・アリーナ」での一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。ポーターが左ジャブ、右ストレート、斜め下からの左フック、コンビネーション(ワンツーからの左フックなど)。ディアスは慎重姿勢。ディフェンスしながらワンツー、振りの大きい左フック。接近戦。相手のガードを崩そうとするポーターだが、パワー不足。しかも残念なことに攻めと守りが分かれる攻防分離型のボクシング。ディアスは打ち返すが、元々パンチがある方ではない。次第に手数を増やすディアス。互いにディフェンスしながら連打。時折パンチを当てるポーター、左のテクニックのディアス。10R終了。勝ったような表情のディアス陣営。ポーターは不安な表情。判定は僅差のドロー(ダウンシーンは無し)。連勝記録が止まったポーター。パワー不足、攻防分離型の戦い方が災い。この欠点は解消しなければならない。ディアスは惜しかった。序盤から攻めれば結果は逆だったかも。後、両者は再戦。)   


ショーン・ポーター 10R 判定 フリオ・ディアス

(NABOウェルター級タイトル戦&IBF北米ウェルター級王座決定戦、2013年)

ポーター:左ジャブ、右ストレート、フック   

ディアス:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:ポーターがタイトル防衛&獲得。初戦後、共に一試合。ポーターは判定勝ち。ディアスは判定負けだったが、実力者アミール・カーンを追い込んでの敗北。タイトルを懸けた再戦はどんな内容となるか? ラスベガス「MGM Grand」での一戦。基本的な動きは同じだが、今回のポーターはパワーを込めて連打。左のガードを下げた構えからジャブ、ワンツー、アッパー気味のフック、左右フックボディ連打。ディアスはやはり当てる巧さがあり、左フックなどを合わせる。しかし、ポーターの攻めの勢いを止めるほどではない。互いにディフェンスしながら接近戦での攻防。力強さのポーター、テクニックのディアス。10R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。やや粗いが、ポーターが攻撃力で勝利。ディアスもよくやったが、パワー不足なのが残念。その後の二人。ディアスは次の試合でキース・サーマンにTKO負けで引退。ポーターは次の試合でIBF世界ウェルター級王座獲得。初防衛に成功。しかし、ケル・ブルックに判定負けで初黒星と共にIBF王座陥落。キース・サーマンのWBA世界ウェルター級王座に挑戦したが、判定負け。WBC世界ウェルター級王座を獲得したが、IBF王者エロール・スペンスとの王座統一戦に2-1で敗北。ラストファイトはテレンス・クロフォードのWBO世界ウェルター級王座への挑戦でTKO負け。ディフェンスにやや甘さ。王者にはなれたが、安定王者にはなれなかった。)


①「Super Welterweight 

Shawn Porter vs. Patrick Thompson」

②「Welterweight 

Shawn Porter vs. Julio Diaz」

③「NABO Welterweight Title & vacant IBF North American Welterweight Title

Shawn Porter vs. Julio Diaz」


フリオ・ディアス(Julio "The Kid" Díaz)のページ

2026年2月27日金曜日

ホルヘ・リナレス②(Jorge Linares)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

世界三階級王者。世界王者になる前の試合&世界戦。アヨン・ナランホ戦、ハビエル・プリエト戦ほかを紹介します。


ホルヘ・リナレス(ベネズエラ)

身長173cm:オーソドックス(右構え)

ホルヘ・リナレス②(Jorge Linares)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ホルヘ・リナレス 6R 判定 アヨン・ナランホ

(スーパーフェザー級戦、2005年)

リナレス:左ジャブ、右ストレート、フック   

ナランホ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

6R:右カウンターでナランホがダウン

(感想:これまで16連勝(10KO)のリナレス。日本をベースに地元ベネズエラ、パナマ、アルゼンチンでも勝利し、フェザー級で世界ランク上位(WBA4位、WBC3位)。ナランホはフィリピン人で、13勝(5KO)5敗。フィリピン王座(スーパーバンタム級)に挑戦して判定負けしている中堅どころ。直前の試合は8回戦で判定勝ちで、現在フィリピン・スーパーバンタム級2位。横浜での一戦。上半身がゴツくなったリナレス。ワンツーからの左フックにパワーを込める。ナランホは厄介な男。相手から距離を取ってジャブ、接近して大きなフック。攻めるときのバランスは悪いが、タフでしぶといタイプ。トリッキーな動きを入れながら、打たれても反撃。試合はリナレスがブロック&コンビネーションで優勢。4Rに左右フックでボディ連打を決め、6Rには長い右ストレートカウンターでナランホをダウンさせる。6R終了。判定はフルマークの3-0。KOできなかったが、リナレスはパンチが良かった。ナランホはタフなうえに微妙にディフェンスの巧さ。「フィリピン人はボディ攻撃に弱い」とよく言われるが、ナランホはそうではなかった。しかし、これが最後の試合に。) 


ホルヘ・リナレス 10R 判定 サオヒン・シリタイコンドー

(スーパーフェザー級戦、2006年)

リナレス:左ジャブ、右ストレート、左フック   

サオヒン:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:これまで19連勝(12KO)のリナレス。サオヒンはタイ・サコンナコーン出身で、49勝(33KO)11敗。元世界王者ローランド・パスクワに判定負けするなど勝ったり負けたりだったが、開眼。連戦連勝でPABAバンタム級王者に。連続防衛。ポーリー・アヤラのWBA世界バンタム級王座に挑戦したが、3-0で敗北(1999年)。エイディ・モヤとWBA世界バンタム級暫定王座決定戦を行ったが、3-0で敗北(2000年)。日本で石井広三に3-0の敗北。決定戦でPABAフェザー級王者に。連続TKO勝ちで防衛中。背は低いが(163cm)、その分、エラいガッチリした身体(いかにもタフそう)。後楽園ホールでの一戦(TV解説席にファイティング原田、浜田剛史、粟生隆寛(世界王者になる前))。互いに警戒しながらダッキング&ジャブ。リナレスがジャブ連打、右ストレートからの左フック。サオヒンはタフネスにまかせて乱打するのかと思ったら、さにあらず。伸びる右ストレートでワンツー、ゴツいフックで比較的丁寧な試合ぶり。実に慎重な二人。リナレスはディフェンス&ジャブ連打の軽いボクシング(右拳を痛めている?)。サオヒンの大きなパンチは空を切る。7Rに右カウンターを決めたリナレスだが、軽いパンチを出すばかりで10R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。盛り上がらなかった試合(リングサイドは静かな状態が続いた)。強打者も不発に終われば魅力無し、といったところ。サオヒンは雑な攻め方。思い切りの良さがもっとあればよかったが。その後、サオヒンは再起戦でPABA王座防衛。ブランク。カムバックしたが、WBOアジア王座戦(フェザー級)でTKO負けして引退。)


フアン・カルロス・サルガド 1R TKO ホルヘ・リナレス

(WBA世界スーパーフェザー級タイトル戦、2009年)

リナレス:左ジャブ   

サルガド:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

1R:左フック、連打で2度、リナレスがダウン

(感想:サルガドがタイトル獲得。サオヒン戦後も連勝でオスカー・ラリオスとWBC世界フェザー級王座決定戦を行ったリナレス。TKO勝ちで世界王者に。初防衛に成功後、決定戦でWBA世界スーパーフェザー級王座獲得、二階級制覇。初防衛に成功し、二度目の防衛戦。WBA6位の挑戦者サルガドはメキシコシティ出身。これまで21勝(15KO)1分。WBC、次いでWBAの地域王座を獲得するなど挑戦者の資格は充分。東京での一戦。共にスリムで似た体型。速いジャブを使う。ブロックするリナレスだが、キレ味鋭い左フックを食ってダウン。完全に効いており、再開後に連打を浴びて二度目のダウン。立ったが、フラついてレフェリーストップ。何と全勝のリナレスが1Rで初黒星。衝撃の結末だが、最初のダウンの左フックはいいパンチだった。その後のサルガド。内山高志にKOされて初防衛ならず。後、決定戦でIBF世界スーパーフェザー級王座獲得。防衛にも成功。)


ホルヘ・リナレス 4R KO ハビエル・プリエト

(WBC世界ライト級王座決定戦、2014年)

リナレス:左ジャブ、右ストレート、左フック   

プリエト:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

4R:ワンツーでプリエトがダウン

(感想:リナレスが三階級制覇。サルガド戦後のリナレス。WBC世界ライト級王座決定戦に出場したが、TKO負け(リナレスは決定戦が多い。世界王者を倒して新旧交代するところにプロボクシングの醍醐味があるのだが)。挑戦者決定戦に勝利して、再びWBC世界ライト級王座決定戦に出場。これまで37勝(24KO)3敗。WBC1位で、年齢は29。2位のプリエト(27歳)はメキシコ・アパツインガン出身で、24勝(18KO)7敗2分。身長はリナレスと同じ173cm。2006年にデビューし、WBCの地域王座(ウェルター級)、WBCアメリカ王座、メキシコ王座(いずれもスーパーライト級)、WBCシルバー王座(ライト級)を獲得してきた。ただ、このところシルバー王座戦で二連続ドロー。「勢い」という点でどうか? 東京体育館での一戦。互いにジャブ。動きのスピードはそこそこ。プリエトはフックが武器で、左フックからの右フックなど。リナレスはデビュー当初の原点に戻ったかのようにワンツーからの左フック。互いにディフェンス。 リナレスはジャブ、プリエトは左フックに良さ。4R、フックで攻めるプリエトだが、ワンツーが効いて(少し間を置いて)ダウン。横になったまま10カウントを聞いた。リナレスがジャブを丹念に突いて念願の三階級制覇。日本で達成でき、大いに喜んでいた。プリエトはやや物足りない。スピード感、攻撃の鋭さに欠けた。その後の二人。プリエトは試合間隔が長くなり、勝ったり負けたり。リナレスは日本を離れ、英国、アメリカでWBC王座を防衛(WBCからダイヤモンド王者に認定された)。WBA世界ライト級王座も獲得。ワシル・ロマチェンコには敗れたが、世界のトップ選手として活躍した。)


①「Super Featherweight 

Jorge Linares vs. Ayon Naranjo」

②「Super Featherweight 

Jorge Linares vs. Saohin Srithai Condo」

③「WBC World Super Featherweight Title

Jorge Linares vs. Juan Salgado」

④「vacant WBC World Lightweight Title

Jorge Linares vs. Javier Prieto」

 

2026年2月25日水曜日

ホルヘ・リナレス①(Jorge Linares)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

世界三階級王者。デビュー当初の試合、チャワン戦、アリエル・オーストリア戦、パク・ジョンフン戦ほかを紹介します。


ホルヘ・リナレス(ベネズエラ)

身長173cm:オーソドックス(右構え)

ホルヘ・リナレス①(Jorge Linares)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ホルヘ・リナレス 6R 判定 チャワン・ソーウォラピン

(スーパーバンタム級戦、2003年)

リナレス:左ジャブ、右ストレート、フック   

チャワン:ジャブ、ストレート、フック   

(ダウンシーン)

1R:右フックでチャワンがダウン

2R:右フックでリナレスがダウン

(感想:ベネズエラ・バリナス出身のリナレス。本名は「ホルヘ・ルイス・リナレス・パレンシア」で、ニックネームは英語で言うところの「ゴールデンボーイ」。父がボクサーで、兄弟たちもボクサーに。アマチュアで活躍。何とベネズエラではなく、2002年に17歳で初来日して「帝拳ジム」に入門。デビュー戦は韓国人に1RでKO勝ち。チャワン戦はプロ二戦目。チャワンはタイ人だが、特筆すべき実績が見当たらない男(TVテロップには「5勝2敗」とあった)。直前の試合はインドネシア・ジャカルタでTKO負け。後楽園ホールでの一戦。1R、ガードを上げてジャブのリナレス。ワンツーからの左フック、左ボディ打ちなどロングのパンチを使用。チャワンはジャブ、右ストレートを出し、サウスポーにチェンジして左ストレート。ただ、動きのスピード感に欠け、右フックでダウン。その後も慎重にブロックしながら右ストレート、左フックを当てるリナレスだが、2Rに斜め下からの右フックを食ってダウン。さらに慎重になり、ブロック&ロングパンチのリナレス。6R終了。判定は3-0。後に大物になるリナレスだが、この試合では欠点。長いパンチに隙があり、「攻めるときは攻め、守るときは守る」という攻防分離型。ただ、ダウンは食ったが死角からのパンチであり、マイナス評価にはならないだろう。チャワンは動きの機敏さに欠けていたのが惜しい。)


ホルヘ・リナレス 3R KO シンダム・モンサイチョン

(スーパーバンタム級戦、2003年)

リナレス:左ジャブ、右ストレート、フック   

シンダム:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

3R:左ボディでシンダムがダウン

(感想:チャワン戦の次の試合(インターバルは丁度、一ヶ月)。シンダムはタイのバンタム級1位で、これまで15勝(11KO)12敗(TVテロップより)。タイ王座(バンタム級)に挑戦してKO負けしたことがある。後楽園ホールでの一戦(リナレスのセコンドに帝拳の葛西裕一)。共に相手を警戒しながらガードしてジャブ。足で距離を取るリナレス。この試合ではボディを狙うコンビネーションが目立つ(ワンツーからの左ボディ打ち、右フックからの左ボディ打ち)。アッパー気味の右フックにも迫力。シンダムはタイ人らしい一発一発を打ち込むタイプで、流れるような攻めができない欠点。ボディを打たれながらも前進し、右ストレート、接近してボディ打ち。3R、リナレスがワンツーからの左ボディ打ち。さらに左ボディでシンダムがダウン。大の字になったシンダムは立てず、KO。リナレスが快勝。コンビネーションがスムーズ。攻撃力は合格。シンダムは攻めが単発。動きのスピードもまずまず(ホントにタイ・バンタム級1位?)。その後、日本で三連敗。)


ホルヘ・リナレス 8R 判定 アリエル・オーストリア

(スーパーバンタム級戦、2003年)

リナレス:左ジャブ、右ストレート、フック   

オーストリア:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

5R:左ジャブでオーストリアがダウン

(感想:短期間で試合するリナレス。シンダム戦から約一ヶ月後に試合。オーストリアは「音楽の都」ウィーン出身の優雅なアウトボクサー、ではなく、フィリピン人ファイター。本名は「ロミエル・O・フローラン」(ヨーロッパのオーストリアと何か関係があるのだろうか?)。これまで17勝(7KO)20敗7分の歴戦の勇士。マニー・パッキャオにTKO負け、フィリピン王座に挑戦してドロー、TKOで同王座獲得、日本で佐藤修にTKO負け、タイでサムソン・ダッチボーイジムのWBFスーパーフライ級王座に挑戦してTKO負け。このところ勝ったり負けたりだが、経験は充分。後楽園ホールでの一戦(会場でWBC世界スーパーバンタム級王者オスカー・ラリオス、マッチメーカーのジョー小泉が観戦)。ジャブ、接近して大きなフックのオーストリア。リナレスはフットワーク&ジャブ連打。前に出るオーストリアをワンツー、左ボディ打ちなどで迎え撃つ。オーストリアは残念な選手。動きのスピードに欠け、雑な打ち方。しかしながら、パンチを微妙に巧くかわすテクニックがあり、しぶとく前に出る。5R、左ジャブでオーストリアがダウン。ところが逆にオーストリアの左フックがヒットしてリナレスがピンチ。その後、フットワーク&ジャブ、コンビネーション(左フックからの右ストレート、ワンツーなど)でリナレスが体勢を立て直して8R終了。判定はフルマークの3-0。タフなオーストリアを倒せなかったリナレス。良い経験になったのでは? その後、オーストリアはプーンサワット・クラティンデーンジムとPABAスーパーバンタム級王座を争ってKO負け。トップには立てなかった。)


ホルヘ・リナレス 1R KO パク・ジョンフン

(スーパーフェザー級戦、2004年)

リナレス:左ジャブ、右ストレート、フック   

パク:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

1R:連打でパクがダウン

(感想:これまで10連勝(4KO)のリナレス。地元ベネズエラでWBA中南米スーパーバンタム級王座を獲得し、再び日本で連勝を継続。パクは謎の韓国人。TVテロップには「9勝(5KO)12敗1分、元韓国フェザー級1位」とあるが、特筆すべき実績は見当たらない。後楽園ホールでの一戦(レフェリーは内田正一)。打ち方が微妙なパク。腰が入ったパンチではなく、ディフェンスも甘そう。リナレスはそんな相手でもしっかりガードしながら隙を突く右ストレート、左フック。ロープ際での連打(左フック、右ストレート、左フック)でパクがダウン。立てず、KO。リナレスにとって意味の無かった試合。キツい試合ばかりでも困るだろうが、基本ができていない相手と戦うのは無駄である。)  


①「Super Bantamweight 

Jorge Linares vs. Chawan Sor Vorapin」

②「Super Bantamweight 

Jorge Linares vs. Singdam Monsaichoni」

③「Super Bantamweight 

Jorge Linares vs. Ariel Austria」

④「Super Featherweight 

Jorge Linares vs. Sung Hoon Park」


オスカー・ラリオス(Oscar Larios)のページ

2026年2月20日金曜日

ジェイソン・パガラ(Jason Pagara)&アルバート・パガラ(Albert Pagara)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

フィリピンの「ボクシング兄弟」。「ジェイソン vs. コンデット、モントヤ(再戦)、エレラ」「アルバート vs. プーファ」戦を紹介します。


ジェイソン・パガラ(フィリピン)

身長173cm:オーソドックス(右構え)

ジェイソン・パガラ(Jason Pagara)&アルバート・パガラ(Albert Pagara)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

アルバート・パガラ(フィリピン)

身長168cm:オーソドックス(右構え)


ジェイソン・パガラ 4R TKO コンデット・シットラトラガーン

(ライト級戦、2008年8月)

パガラ:左ジャブ、右ストレート、左フック

コンデット:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

1R:左ボディでコンデットがダウン

(感想:新鋭パガラ。フィリピンは小さい階級の選手が多いが、パガラは重い階級。ミンダナオ島のカガヤン・デ・オロ出身。8歳でボクシングを始め、18歳でプロ入り。これまで14勝(8KO)1敗。フィリピン王座、WBOアジア・ユース王座(いずれもライト級)を獲得している。コンデットはタイ・バンコク出身。デビューから連敗(日本でも敗北)。二線級の選手(TVテロップには「17勝(6KO)15敗」とあるが、不正確なもののような気がする)。フィリピン・セブでの一戦。1R、共にガードを上げてジャブ、ストレート、フック。パガラはやや前傾姿勢で、ワンツーを主体とするボクサータイプ。コンデットはややアップライトで右ストレート、左フック。左ボディでコンデットがあっけなくダウン。2R、ワンツーでコンデットがダウン寸前。その後も慎重に攻めるパガラ。コンデットは反撃するが、打ち終わった後にバランスを崩すなどガードに隙がある。4R、コンデットが左ボディを打たれたところでレフェリーストップ。パガラが正統派スタイルで勝利。パワーはまずまずだが、ワンツー、左フックに良さがあった。その後のコンデット。次の試合でチャッチャイ・サーサクン(ユーリ・アルバチャコフとの試合で有名)にKO負け。「かませ犬」なキャリアだった。)


ジェイソン・パガラ 6R TKO ロスベル・モントヤ

(WBOスーパーライト級インター王座決定戦、2012年8月)

パガラ:左ジャブ、右ストレート、フック

モントヤ:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:連打でモントヤがダウン

3R:左ボディ、連打で2度、モントヤがダウン

6R:右ストレートでモントヤがダウン

(感想:パガラがタイトル獲得。コンデット戦後も地元での地域王座戦などで勝ち続けたパガラ。WBOアジア・ユース王座戦(スーパーライト級)でモントヤに敗北。空位のインター王座を懸けてモントヤと再戦。モントヤはメキシカン。デビューから連勝だったが、WBC米大陸王座戦(ライト級)でTKO負け。パガラに勝利してユース王座獲得。しかし、直前の試合はKO負け。コンディションはどうか? セブでの一戦。1R、ジャブ、ストレート、左ボディ打ちにパワーがあるパガラ。モントヤはブロックしながらワンツー、左フック。連打でモントヤが早くもダウン。その後もモントヤはワンツー、パガラはボディ連打。3R、モントヤが二度ダウン。6R、右ストレートを腕に打たれたモントヤ。さらに腕に打たれてダウン。レフェリーはその姿を見て試合を止めた。パガラがパワーで快勝。ボディ攻撃が効果的だった。モントヤはパンチの振りが大きく、ブロックされた。その後のモントヤ。ブランク。カムバック後は負けてばかりで、タイトル戦は無し。)


③ジェイソン・パガラ 12R 判定 アーロン・エレラ

(WBOスーパーライト級インタータイトル戦、2013年5月)

パガラ:左ジャブ、右ストレート、フック

エレラ:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

2R:エレラがスタンディングダウン

(感想:パガラがタイトル防衛。二度目の防衛戦。挑戦者エレラはメキシカン(ユカタン出身)。デビューから連勝。判定で初黒星。再起戦にKO勝ちして、この挑戦。セブでの一戦。力強さ、安定感が増したパガラ。右ストレート、左ボディ打ちに迫力。ブロックもしっかり。エレラも良い選手。ワンツー、左ボディ打ちにパワー&キレ。2Rにハプニング。パガラの右アッパー。意表を突かれてバランスを崩したエレラがスタンディングカウントを取られる。その後は一進一退。互いにディフェンスしながら強いパンチの応酬。互角の内容のまま12R終了。パガラは両手を上げて自身の勝利を強く確信している様子。判定は3-0。最後まで勢いのあるパンチを互いに打ち続けた好試合。どうやらパガラの方がブロックしながら有効打を多く決めていたらしい。戦力的には大きな差は感じられなかったが、ディフェンスでちょっとずつ差が付いた。その後の二人。エレラは連勝したり連敗したり。WBCインター王座(ウェルター級)への挑戦は判定負け。王座には縁がなかった。パガラはインター王座を連続防衛。しかし、世界戦のチャンスはなぜか無かった。)


アルバート・パガラ 2R KO プーファ・ポーノブノム

(バンタム級戦、2012年2月)

ジェイソン・パガラ(Jason Pagara)&アルバート・パガラ(Albert Pagara)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

パガラ:左ジャブ、右ストレート、フック   

プーファ:左ジャブ、右フック   

(ダウンシーン)

2R:右ストレートで2度、プーファがダウン

(感想:パガラはフィリピン・レイテ島のマアシン出身。兄ジェイソンとは出生地と階級が違う。2011年1月にデビューし、これまで全勝。プーファはタイ・ペッチャブーン出身。PABA王座(バンタム級)に挑戦してTKO負けするなど勝ったり負けたり。フィリピン・セブでの一戦。攻めるパガラ。右ストレートにパワー。プーファは押され気味。ブロックしながら大きな右フックで打ち返すが、ディフェンスされる。2R、連打からの右ストレートでプーファがダウン。立ったが、右ストレートで二度目。ダウンと同時に試合ストップ。パガラが快勝。相手は二線級だったが、右パンチに強さがあった。プーファは「負け役」な気持ちでリングに上がったのだろう。勝てるような動きではなかった。その後の二人。プーファはマイケル・ダスマリナスらを相手に負けてばかり。ところが連勝。決定戦でタイ王座(バンタム級)獲得。その後は日本でKO負けするなど勝ったり負けたりだった(才能はあるが、頑張りが長続きしないタイプ?)。パガラは連勝。IBFインターコンティネンタル王座(スーパーバンタム級)獲得、連続防衛。WBOのインターコンティネンタル王座(スーパーバンタム級)も獲得したが、防衛戦でKO負け(初黒星であり、唯一の敗北)。WBOインターコンティネンタル王座奪回。しかし兄同様、好戦績にもかかわらず、一度も世界戦のチャンスは無かった。)


①「Lightweight 

Jason Pagara vs. Kondej Sithtrajtrakan」

②「vacant WBO International Super Lightweight Title

Jason Pagara vs. Rosbel Montoya」

③「WBO International Super Lightweight Title

Jason Pagara vs. Aaron Herrera」

④「Bantamweight 

Albert Pagara vs. Phupha Por Nobnom」