50年代のヘビー級実力者。「レイン vs. セサール・ブリオン」「ノークス vs. ダニー・ナルディコ(初戦・再戦)」を紹介します。
レックス・レイン(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)
チャーリー・ノークス(アメリカ)
身長177cm:オーソドックス(右構え)
①レックス・レイン 10R 判定 セサール・ブリオン
(ヘビー級戦、1951年2月)
レイン:左ジャブ、右ストレート、フック
ブリオン:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:レインはユタ州ルイストン出身の白人。第二次大戦中は日本でも従軍。ボクシングを始めたのは軍隊で。アマチュアのリングに上がりながら農業。大会で優勝する実績を上げたが、1948年のロンドン・オリンピックには出場ならず。1949年、プロデビュー(TKO勝ち)。ローカル試合で連勝後、判定で初黒星。その相手に判定で雪辱したり、ローカル王座を獲得したり。1950年11月24日、後に世界王者になるジャージー・ジョー・ウォルコットに3-0の勝利。勢いのある状況でブリオン戦。ブリオンはアルゼンチン・ビヤマリア出身。1946年、プロデビュー(KO勝ち)。連勝後、主戦場をニューヨークに。更に連勝したが、判定で二連敗。直前の試合は元世界王者ジョー・ルイスに判定負け。ロッキー・マルシアノとトレーニングを積んだきたということだが、その実力はいかほどか? ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦。攻めるレイン。ワンツーに威力とキレ。左フックからの右ストレート。単発のフックはやや粗い打ち方。ブリオンもワンツー、左フックを出すが、動きのキレがもう一つ。そのため接近戦ではボディの打ち合い、もみ合い、クリンチ。正確なジャブで試合をリードするレイン。ブリオンは右ストレートをかわされる。クリンチが増えていくが、レインはあくまで攻めの姿勢。10R終了。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。勢いでレイン勝利。連打されるシーンもあったが、タフさでカバー。ブリオンはパンチ自体は良かったが、動きの機敏さに欠けていたのが惜しい。その後の二人。ブリオンはルイスにまたしても判定負け。エザード・チャールズに判定負けするなど勝ったり負けたりに。レインはボブ・サタフィールドらを相手に連勝。しかし、ロッキー・マルシアノ、エザード・チャールズに連続KO負け。その後も多くの試合。チャールズと判定で一勝一敗。しかし、負けが込むようになっていった。)
②チャーリー・ノークス 9R TKO ダニー・ナルディコ
(ヘビー級戦、1954年1月)
ノークス:左ジャブ、右ストレート、フック
ナルディコ:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
2R:右カウンターでナルディコがダウン
3R:右カウンター、左フック、右カウンターで3度、ナルディコがダウン
4R:右ストレートでノークスがダウン
7R:右フックでノークスがダウン
9R:右カウンター、左フックで2度、ナルディコがダウン
(感想:ニューヨーク州ベルローズ出身の白人ノークス。ニックネームは「爆撃機」。1948年のプロデビュー戦は判定負け。「ジョージ・ワシントン」なる選手にはTKO負け。慣れてきたか、連勝。ワシントンにKOで雪辱したが、セサール・ブリオンに負傷TKO負け。連敗、連勝。安定しないキャリアだが、どんな動きを見せるか? ナルディコはオハイオ州ペインズヴィル出身の白人。身長は177cmで、ヘビー級としては小さめ。しかし、高校時代にフットボールで鍛え、アメリカ海兵隊に所属して過酷な経験(結果的に第二次世界大戦と朝鮮戦争の両方に従軍)。ウィリー・ペップの指導を受け、1949年にプロデビュー(引き分け)。勝ったり負けたり後、ライトヘビー級で中堅相手におおむね好調。1952年12月31日、ベテランのジェイク・ラモッタからダウンを奪ってTKO勝ち。(後年、ラモッタの人生を描いた映画『レイジング・ブル』が制作されたが、ナルディコはこの試合のことが映画に出てこなかったため不愉快な気分になったという)。その次の試合は前世界ライトヘビー級王者ジョーイ・マキシムとの対戦で、3-0の敗北。四連勝でノークス戦。フロリダ州マイアミ・ビーチでの一戦。フックがパワフルなノークス。ガードを下げた構えからジャブ、フック。特に斜め下からの右フック、右アッパーに迫力。ナルディコは足で軽くステップを踏みながら左ジャブ、右ストレート、接近して左フック。共に動きのスピードはまずまず。2Rに大きな動き。ノークスの強烈な右フックカウンターがヒット。さらに右フックカウンターでナルディコがダウン。3R、ノークスが右アッパーからの左フック。そして右フックカウンター(&フォローの左フック)でナルディコが三度もダウン。それでも前に出るナルディコ。4Rに左フックを決め、右ストレートでノークスを倒す。これが完全に効いたノークス。以後はディフェンスしながら右パンチで対抗。ナルディコは攻めるが、攻めが正直すぎてディフェンスされがち。7R、右フックでノークスがダウン。その後、耐えるノークス、攻めるナルディコ。9R、右フックカウンター、左フックでナルディコが二度ダウン。それでも立ち上がるナルディコだが、強いフックを連続して食らってレフェリーストップ。なかなかの激戦だった試合。共にパワー。ガードに甘さがあるノークス、正直に攻めるナルディコ。互いのパンチが当たり、熱い試合となった。全体的なパワーはノークス、タフネスはナルディコだった印象。両者は二ヶ月後にダイレクト・リマッチ。ダメージはどうなのか?)
③チャーリー・ノークス 10R 判定 ダニー・ナルディコ
(ヘビー級戦、1954年3月)
ノークス:左ジャブ、右ストレート、フック
ナルディコ:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:再戦。試合地は前回と同じ、フロリダ州マイアミ・ビーチ。開始から攻めるナルディコ。相変わらず真っ直ぐ攻めるが、相手の右カウンターを肩と腕を使ってディフェンス。左フックを当てようとする。ノークスは前回の右が当たらず。しかし、パワー&意外な器用さを披露。打ち下ろす右ストレート、コンビネーション(右アッパーからの左フック。初戦でも見せた)に迫力があり、インサイドからパンチ、隙を突く左フック連打。接近戦ではもみ合いも多い。10R、ノークスの右フックカウンターがヒット。10R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。再戦はノークスが器用さで勝利。ナルディコは前回の試合をよく研究したのだろうが、真っ正直に攻めるクセ。一流ボクサーは同じ手は二度食わないものだが、ナルディコは少し食った。その後の二人。ナルディコは三試合やって引退。引退後はプロレスにも挑戦。ノークスはブリオンに判定で雪辱したが、エザード・チャールズ、ウィリー・パストラーノ、アーチー・ムーアに判定負け。中堅どころでキャリアを終えた。)
①「Heavyweight
Rex Layne vs. Cesar Brion」
②「Heavyweight
Charley Norkus vs. Danny Nardico」
③「Heavyweight
Charley Norkus vs. Danny Nardico」






















