2024年4月26日金曜日

カリー・ノエツ(Kallie Knoetze)①「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

南アフリカの白人ヘビー級。後に世界王者になる選手とも対戦。ゲリー・コーツィー戦、リチャード・ダン戦、デュアン・ボビック戦を紹介します。

カリー・ノエツ(Kallie Knoetze)①「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

カリー・ノエツ(南アフリカ)

身長185cm:オーソドックス(右構え)

ゲリー・コーツィー 10R 判定 カリー・ノエツ

(ヘビー級戦、1976年)

ノエツ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

コーツィー:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

3R:左フックでノエツがダウン

(感想:「南アフリカのボクシング」と言えばJ・フェザーで世界王者になったウェルカム・ニシタのような黒人の軽量級選手、コーツィーのような白人の重量級選手を思い出すが、ノエツは白人のヘビー級。アマチュアからプロへ。デビューから連勝だったが、反則で初黒星。その再起戦でコーツィーと対戦。コーツィーもまた南アフリカの白人ヘビー級(後にWBA王座を獲得)。ノエツとコーツィーはアマチュアでも対戦(三勝三敗だそうだ)。プロではどんな内容となるか? 南アフリカ・ヨハネスブルグでのライバル対決。この頃の流行りなのか、ヒゲを生やしているノエツ(コーツィーはヒゲ&モミアゲ)。やや前傾姿勢でガードをしながらしっかりしたジャブ、右ストレート、左フックで前進。コーツィーはアップライトな姿勢で足を使いながらジャブ。軽快な動きを見せるコーツィーだが、パワーはノエツか。3R、コーツィーが踏み込んで打った左フックがヒットしてノエツがダウン。その後、コーツィーは右を当てようと狙う。ノエツはプレッシャーを強めるが、かわされてしまう。8R、ノエツの右ストレートがヒット。10R終了。判定はPTS。力強いパンチを打っていたノエツだが、コーツィーがジャブで先手を取って手数で勝利。試合運びの巧みさで決着。)


カリー・ノエツ 5R KO リチャード・ダン

(ヘビー級戦、1977年)

ノエツ:左ジャブ、右ストレート、右フック

ダン:右ジャブ、左ストレート、左フック

(ダウンシーン)

5R:右フックでダンがダウン

(感想:コーツィー戦後、連勝のノエツ。決定戦で南アフリカ王座を獲得し、このダン戦。ダンは英国のヘビー級。身長は191cmと大柄。しかもサウスポー。モハメド・アリの世界ヘビー級王座に挑戦したこともある(KO負け)。直前の試合ではジョー・バグナーにKO負け。それから約1年のブランクがあり、勢いがある状況ではない。ヨハネスブルグで行われた白人ヘビー級同士の一戦。ボクサータイプのダン。右ジャブが中心で、左ストレートはショートな打ち方。ノエツはサウスポーの左パンチを警戒しているのか慎重にディフェンス。右ストレートをボディに伸ばす。互いにディフェンス。接近戦ではノエツの右フックが有効。離れて戦いたいダンはクリンチ。4R終了間際、ノエツがダンをコーナーに詰めて連打。5R、右フックを食って後退したダンが強烈な右フックを打たれてうつぶせにダウン、KO。ノエツが右強打で快勝。サウスポーを上手く仕留めた。一方、これが最後の試合となったダン。「強さ」よりも「やりにくさ」で勝負するタイプ。その分、決め手に欠けるところがあった。)


カリー・ノエツ 3R TKO デュアン・ボビック

(ヘビー級戦、1978年)

ノエツ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ボビック:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

3R:右フックでボビックがダウン

(感想:ダン戦の次の試合。ボビックはミネソタ州出身で、戦績が良いタフな白人。デビュー以来、連戦連勝。マイク・ウィーバーに勝利したり、ミネソタ州ヘビー級王座を獲得したり。しかし、ケン・ノートンのフック連打の嵐に1RでKO負け、初黒星。その後、二連続KO勝利で南アフリカ入り。ヨハネスブルグでの一戦(ハイライト映像で観戦)。体格や戦い方が似ている両者。ジャブ、接近戦でフック攻撃。3R、斜め上から打ち下ろすような右フックでボビックがダウン。立ったが、レフェリーに背を向けてストップされた。ノエツがパワフルに勝利。ボビックはタフだが、耐えられる以上のパンチを食ったらそれっきり。ディフェンスができればもっと上に行けたはず。その後、連勝したが、ジョン・テートらに敗れて引退。一度も世界戦のチャンスは無かった。)


①「Heavyweight 

Kallie Knoetze vs. Gerrie Coetzee」

②「Heavyweight 

Kallie Knoetze vs. Richard Dunn」

③「Heavyweight 

Kallie Knoetze vs. Duane Bobick」


ゲリー・コーツィー(Gerrie Coetzee)のページ 

2024年4月24日水曜日

シーマス・マクドナー(Seamus McDonagh)&セシル・コフィー(Cecil Coffee)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

90年代のヘビー級中堅選手。「マクドナー vs. コフィー、ホリフィールド」「コフィー vs. クーパー、デビッド・トゥア」を紹介します。

シーマス・マクドナー(アイルランド)

身長183cm:オーソドックス(右構え)

シーマス・マクドナー(Seamus McDonagh)&セシル・コフィー(Cecil Coffee)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

セシル・コフィー(アメリカ)

身長183cm:オーソドックス(右構え)

シーマス・マクドナー(Seamus McDonagh)&セシル・コフィー(Cecil Coffee)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シーマス・マクドナー 6R KO セシル・コフィー

(ヘビー級戦、1989年)

マクドナー:左ジャブ、右ストレート、左右フック

コフィー:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

6R:左フック、連打で2度、コフィーがダウン

(感想:白人ヘビー級のマクドナーとコフィー。白人の重量級選手には「タフだが不器用」というイメージがあるが、この二人はなかなか良いパンチを打つ。マクドナーは英国出身。主戦場はアメリカ。1985年デビュー。これまで中堅どころを相手に16勝(12KO)1敗1分。コフィーはケンタッキー州出身。1982年デビュー。19勝(17KO)2敗2分で、ホセ・リバルタと引き分けたことがある。ただ、このところTKOで二連敗中。アトランチックシティでの一戦(レフェリーはスティーブ・スモーガー)。マクドナーが先制攻撃。前進して右ストレート、左右フック連打。コフィーはジャブをしっかりと使いながら、右ストレート、左フック。左のボディ打ちが巧い。マクドナーはパワーを込めた右ストレート、ワンツー、コフィーはジャブ、右ストレートがそれぞれ印象的であるが、器用さではコフィーか。6R、ジャブで先手を取るコフィーだが、マクドナーがワンツーからの左フックでダウンを奪う。残り時間が少ない状況で連打でコフィーが二度目のダウン。ダウンと同時にレフェリーは試合を止めた。コフィーはジャブをよく出し、ディフェンスもできていたが、マクドナーがコンビネーションで良い勝ち方をした。) 


イベンダー・ホリフィールド 4R KO シーマス・マクドナー

(WBC米大陸ヘビー級タイトル戦、1990年)

マクドナー:左ジャブ、右ストレート、左フック

ホリフィールド:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

4R:左フックでマクドナーがダウン

(感想:ホリフィールドがタイトル防衛。コフィー戦後、二連勝のマクドナー。トップ選手と対戦。当時ホリフィールドは世界ヘビー級王座を目指している状況で、マクドナー戦は保持する米大陸王座の防衛戦。アトランチックシティ「コンベンション・ホール」での一戦(レフェリーはジョー・コルテス)。ホリフィールドが肩でリズムを取りながらジャブを連打し、右ストレート、左フック、ディフェンス。マクドナーはジャブは何とか出せるが得意の右ストレートをディフェンスされ、ジャブを打たれて押され気味。4R、打ち合いの中、左フックでマクドナーがダウン。立てず、KO。ホリフィールドの左フックが凄まじかった試合。マクドナーも腕っぷしは強いが、ディフェンスされ、ほぼいいところ無し。決して弱い選手ではないが、トップ中のトップのホリフィールドとはスピード、パワー、身のこなしなど様々な点で違いがあった。ホリフィールドは次の試合でジェームス・ダグラスを3RでKOして統一世界ヘビー級王座獲得。マクドナーは次の試合もKOで敗れ、それがラストファイトに。引退後は俳優に転向した。)


バート・クーパー 2R TKO セシル・コフィー

(ヘビー級戦、1992年)

コフィー:左ジャブ、右ストレート、左右フック

クーパー:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:右フックでコフィーがダウン

2R:右アッパーでコフィーがダウン

(感想:マクドナー戦後、二連勝のコフィー。危険な相手と勝負。クーパーは強打の黒人ファイター。これまで26勝(23KO)8敗、WBA9位、IBF12位。ホリフィールドの世界ヘビー級王座に挑戦してダウンを奪ったが、TKO負け。コフィー戦はその再起戦となる。ラスベガス「ミラージュ」での一戦。コフィーはヒゲを剃ってスッキリした感じの顔に。TV映像の選手紹介テロップに「INSTANT」の文字(どうやら名前の「コフィー」に掛けて「インスタントコーヒー」というニックネームを付けたか、あるいは付けられたらしい。ボクサーのニックネームには合わないような気がする)。1R、コフィーが足を使いながらジャブ、得意の左ボディ打ち。クーパーはジャブを入れながら前進し、左右フックを振るう。右ストレートをヒットさせたコフィーだが、強烈な右フックでダウン。2R、クーパーがマイク・タイソンばりの右ボディからの右アッパーでコフィーを倒す。立ったコフィーだが、鼻を負傷し、ドクターストップ。このところ自信を付けてすっかり強打に目覚めたクーパーが圧勝。コフィーには気の毒なマッチメークであった。クーパーは次の試合で強打者マイケル・モーラーとWBO世界ヘビー級王座決定戦。モーラーをダウンさせたが、強打でKO負け。タフで鳴らしたが、世界王者にはなれなかった。)


デビッド・トゥア 1R KO セシル・コフィー

(ヘビー級戦、1994年)

コフィー:左ジャブ

トゥア:左ジャブと左右フック

(ダウンシーン)

1R:左フックでコフィーがダウン

(感想:クーパー戦後のコフィー。中堅どころを相手に連勝。南アフリカで判定負け、トニー・タッカーにTKO負けで二連敗。トゥア(サモア出身)は売り出し中のハードパンチャーで、これまで全勝。戦い方、後ろ姿、身長・体格がマイク・タイソンによく似ている。1R開始、ジャブを使うコフィー。トゥアは強打で前進。左フック一撃でコフィーがダウン、KO。29秒で終わってしまった。ヘビー級は想像を超えた「パワーの世界」。1Rで終わってもおかしくはないが、早すぎるような気も。これがコフィーのラストファイト。トゥアは後にレノックス・ルイスの世界ヘビー級王座に挑戦して判定負け。地域王座を獲得したり、マイケル・モーラーを30秒でKOしたりするなどの活躍を見せたが、世界王者にはなれなかった。)


①「Heavyweight 

Cecil Coffee vs. Seamus McDonagh」

②「WBC Americas Heavyweight Title 

Evander Holyfield vs. Seamus McDonagh」

③「Heavyweight 

Cecil Coffee vs. Bert Cooper」

④「Heavyweight 

Cecil Coffee vs. David Tua」


イベンダー・ホリフィールド②(Evander Holyfield)のページ

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バート・クーパー(Bert Cooper)のページ

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デビッド・トゥア(David Tua)のページ 

2024年4月19日金曜日

ロドルフォ・マルチネス(Rodolfo Martinez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBC世界バンタム級王者。多彩な左。世界王者になる前の試合。ホセ・ルイス・メサ戦、ビーバー梶本戦。「エレラ vs. ボーコーソー」を紹介します。

ロドルフォ・マルチネス(メキシコ)

身長166cm:オーソドックス(右構え)

ロドルフォ・マルチネス(Rodolfo Martinez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ロドルフォ・マルチネス 2R TKO ホセ・ルイス・メサ

(バンタム戦、1971年)

マルチネス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

メサ:左ジャブと左フック

(ダウンシーン)

2R:連打でメサがダウン

(感想:メキシカンのマルチネス。本名は「ロドルフォ・マルチネス・エストラーダ」(メキシカンは両親の名を受け継ぐため名前が長い。本当はもっと長いのかも)。デビューから連勝。ラウル・クルス(後、柴田国明のWBC世界フェザー級王座に挑戦)、金沢和良ら日本人選手を下すなど好調だったが、ラファエル・エレラとの北米バンタム戦王座決定戦に判定負けして初黒星。メサ戦はその再起戦となる。メサは中堅選手。勝ったり負けたりだったが、このところ連勝中。メキシコシティでの一戦。メキシカンファイター同士の一戦。同じような体格。相手を見ながら慎重にジャブを連打するマルチネス。メサもジャブを出すが、一発狙いなところがあり、いきなり左フックを振ったりする。2R、手数を増やすマルチネス。流れるようなワンツー、左ボディ打ち。時折サウスポーにスイッチ。左フックからの右ストレートを食ってグラつくメサ。マルチネスがコーナーにメサを追い込んで連打でダウンを奪う。メサは立ったが、戦意喪失気味。試合ストップ。一見似たようなタイプの選手に見えたが、ジャブとコンビネーションでマルチネスが圧勝。ボディ打ちも巧く、迫力があった。その後、メサはクレメンテ・サンチェス、バズーカ・リモンらに敗北。トップどころには敵わなかった。)


ロドルフォ・マルチネス 10R 判定 ビーバー梶本

(バンタム戦、1972年)

マルチネス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

梶本:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

2R:右フックでマルチネスがダウン

(感想:メサ戦後、連勝のマルチネス。決定戦で北米バンタム戦王座獲得。その次の相手は日本選手。梶本は1969年度全日本フライ級新人王。これが初のアメリカでの試合。カリフォルニア「フォーラム」での一戦。梶本はKO勝ちは少ないが思い切った攻撃をする。開始からいきなり左右フックでボディ攻撃を仕掛け、ジャブも巧い。左のテクニックを使うマルチネスはジャブ、アッパー気味の左フック。2R、強烈な右フックでマルチネスがダウン。しかしこれで気合いが入ったか、マルチネスはペースを上げる。慎重にディフェンスしながら左でボディを叩いたり、サウスポーにスイッチして左ストレート、右フックを打ち込むなど、相手のガードの隙を突く。攻める梶本だが細かいジャブを食い、ボディを打たれて勢いが落ちていく。10R、打ってこい、といった感じで相手を挑発する梶本だが、マルチネスは無理をせず。10R終了。判定は3-0。梶本はダウンを奪ったが、それ以降はマルチネスが左で試合を優位に進めた。マルチネスは次の試合でラファエル・エレラと空位のWBC世界バンタム級王座を争ったが敗北。再戦で世界王者に。三度の防衛後、カルロス・サラテにKOされて王座陥落。それが最後の世界戦に。梶本は日本フライ級王座に挑戦したが、勝てず。しかし、後の世界王者マルチネスをダウンさせたことでボクシング史に名を残した。) 

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ラファエル・エレラ(メキシコ)

身長163cm:オーソドックス(右構え)

ロドルフォ・マルチネス(Rodolfo Martinez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ラファエル・エレラ 15R 判定 ベニス・ボーコーソー

(WBC世界バンタム級タイトル戦、1973年)

エレラ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ボーコーソー:右ジャブ、左ストレート、左右フック

(感想:エレラがタイトル防衛。エレラはあのルーベン・オリバレスをKOして世界バンタム級王者になったことがある。この試合はロドルフォ・マルチネスとの決定戦に勝って奪回した王座の初防衛戦。ボーコーソーはタイの選手で、元WBC世界フライ級王者。二階級制覇を目指す状況。カリフォルニア「フォーラム」での一戦。ボーコーソーは小柄。そのため体格差を感じるが、共にパワーのあるパンチを打つ。エレラは右ストレート、フックで攻めの姿勢。サウスポーのボーコーソーは右ジャブ、左ストレートでカウンターを狙う。エレラは右ストレートをボディに打ち込むなど器用さもあるが、ディフェンシブなボーコーソーを捕らえることができない。14Rに左ストレートを決めたボーコーソー。しかし残念なことに自分から攻めない受け身の戦い方。15R終了。判定は2-1。ダウンシーンは無かったが、エレラの攻める姿勢が評価されたと思われる。ボーコーソーはチャレンジャーらしくもっと攻めるべきだった。後、ボーコーソーは新王者となったマルチネスに挑戦して判定負け。どんな試合だったのかはわからないが、この試合のようなパターンだったのかもしれない。)


①「Bantamweight 

Rodolfo Martinez vs. Jose Luis Meza」

②「Bantamweight 

Rodolfo Martinez vs. Beaver Kajimoto」

③「WBC World Bantamweight Title 

Rafael Herrera vs. Venice Borkhorsor」


カルロス・サラテ(Carlos Zarate)のページ 

2024年4月17日水曜日

ギレルモ・リゴンドウ(Guillermo Rigondeaux)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

世界バンタム級、スーパーバンタム級王者。キューバ出身。パワー&ディフェンス。リカルド・コルドバ戦、ノニト・ドネア戦、天笠尚戦を紹介します。

ギレルモ・リゴンドウ(Guillermo Rigondeaux)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ギレルモ・リゴンドウ(キューバ)

身長161cm:サウスポー

ギレルモ・リゴンドウ 12R 判定 リカルド・コルドバ

(WBA世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦、2010年)

リゴンドウ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

コルドバ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

4R:左ストレートでコルドバがダウン

6R:右ジャブでリゴンドウがダウン

(感想:リゴンドウがタイトル獲得。キューバのリゴンドウ(1980年生まれ)。小柄ながらパワーがあり、サウスポーのテクニックでキッチリ勝つタイプ。アマチュアで活躍(2000年シドニー、2004年アテネ・オリンピックではバンタム級で金メダル。世界選手権での優勝も)。キューバから亡命しようとして失敗した苦い経験。その後、アメリカに亡命。プロ入り後、これまで6連勝(5KO)。暫定王座決定戦に出場のスピード出世(年齢的には若くないため急ぐ必要があった)。コルドバはパナマの選手で37勝(23KO)2敗2分。元WBA世界スーパーバンタム級王者でもある。テキサス州での一戦(「マニー・パッキャオ vs. アントニオ・マルガリート」の前座試合)。共にサウスポー。使う武器も似ているが、コルドバは足を使ってリゴンドウのパワーを警戒。リゴンドウは攻めの姿勢で左ストレートに伸びがあり、右フックもパワフル。踏み込みも速い。4R、左ストレートがボディに入ってコルドバが一瞬間を置いてダウン。立ったコルドバにリゴンドウは力強くラッシュし、ロープ際に追い込む。そして問題の6R。タイミングのいい右ジャブでリゴンドウがダウン。それですっかり慎重になったリゴンドウ。足を使ってジャブ。それまで受け身だったコルドバがジャブで先手を取るシーンも。12R終了。判定は2-1。「ギレルモ・リゴンドウ」という選手の特徴がよく出ていた試合。「強いボクサーの条件」にはいろいろあるが、「タフネス」はその一つ。リゴンドウの打たれ弱さはプロとしては致命的。ダウン後は大観衆の前で「逃げるボクシング」。コルドバが序盤から攻めていれば勝敗は逆だったかも。コルドバはリゴンドウ戦が事実上のラストファイトとなった。)


ギレルモ・リゴンドウ 12R 判定 ノニト・ドネア

(WBA・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦、2013年)

リゴンドウ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

ドネア:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

10R:左ストレートでリゴンドウがダウン

(感想:リゴンドウがタイトル統一。コルドバを破って暫定王座を獲得したリゴンドウ。その後、正規王者を下して正規王者に昇格。そして、興味深い相手と対戦。WBO王者ドネア(フィリピン)は説明不要のハードパンチャー。多くの王座を獲得し、西岡利晃をKOしたこともある。ニューヨークでの注目の一戦。パンチがある者同士の対戦ではあるが、戦い方には大きな違いが。リゴンドウはガードを上げてフットワーク&ジャブ。そして踏み込みの速い左ストレート、ワンツー。ドネアは一発一発にパワーを込めるタイプで、リゴンドウと比べると手数は少な目。ジャブが多いリゴンドウ。ドネアの左フックをダッキングなどでかわし、左でカウンターを取る。10R、サウスポーの構えにチェンジしたドネアが左ストレートでリゴンドウを倒す。しかし、その後もそれまでと同じようにリゴンドウがフットワーク&ジャブ。12R終了。判定は3-0。リゴンドウが手数とディフェンスで勝利。ドネアは狙いすぎ。独特の角度で打つ左フックはほぼ不発に終わり、右目の下が腫れていた。しかし、その後もドネアは世界戦を中心にリング活動。ビック・ダルチニアンを強打で沈めるなど猛威を振るった。) 


ギレルモ・リゴンドウ 12R TKO 天笠尚

(WBA・WBO世界スーパーバンタム級タイトル戦、2014年)

リゴンドウ:右ジャブ、左ストレート、右フック

天笠:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

7R:右ストレート、フックで2度、リゴンドウがダウン

10R:ワンツーで天笠がダウン

(感想:リゴンドウがタイトル防衛。これまで14戦全勝(9KO)の統一王者リゴンドウが来日(軽量級としては破格のファイトマネーが支払われたとか)。WBA10位、WBO6位の天笠は28勝(19KO)4敗2分。何と身長が179cm(161cmのリゴンドウと大きな差。違う階級によるハンディキャップ戦のよう)。大阪での一戦。開始から天笠がショート連打。リゴンドウはパワーとキレがある右ジャブ、左ストレート。そして、右フックからの左ストレートといったコンビネーション。5R、リゴンドウの強打が連続ヒット。天笠は攻めるが、かわされてしまう。7R、右ストレートがちょこっと当たってリゴンドウがダウン。さらにフックで二度目のダウン。しかし、試合展開は変わらず。10R、非常に速いワンツーで天笠がダウン。右目と左ホホが腫れていく天笠。11R終了後、棄権。ハプニングはあったが、定評のある強打とディフェンスでリゴンドウが防衛。天笠はダウンを奪ったが、パンチ力はそれほどではなかった印象。後、リゴンドウは階級を上げてワシル・ロマチェンコのWBO世界スーパーフェザー級王座に挑戦したり(初黒星)、階級を下げてWBA世界バンタム級王座を獲得したり。そのしぶといディフェンスのテクニックでリングに上がり続けたが、2022年に目を負傷したというニュース。復帰後に二連勝しているが、40歳を過ぎている。今後の活躍があるのかどうか。)


①「vacant WBA Interim World Super Bantamweight Title 

Guillermo Rigondeaux vs. Ricardo Cordoba」

②「WBA & WBO World Super Bantamweight Title Unification Match

Guillermo Rigondeaux vs. Nonito Donaire」

③「WBA & WBO World Super Bantamweight Title

Guillermo Rigondeaux vs. Amagasa Hisashi」


ノニト・ドネア(Nonito Donaire)のページ

2024年4月12日金曜日

エルネスト・マルセル(Ernesto Marcel)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBA世界フェザー級王者。シャープなパンチが武器。ロベルト・デュラン戦、アントニオ・ゴメス戦(初戦)、アレクシス・アルゲリョ戦を紹介します。

エルネスト・マルセル(Ernesto Marcel)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

エルネスト・マルセル(パナマ)

身長168cm:オーソドックス(右構え)

ロベルト・デュラン 10R TKO エルネスト・マルセル

(J・ライト級戦、1970年)

マルセル:左ジャブ、右ストレート、左右フック

デュラン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:パナマの黒人マルセル。デビューから連勝だったが、判定で初黒星。さらに判定負けで二敗目。その後、パナマ王座(バンタム級)獲得。ベルナルド・カラバリョ(コロンビア。ファイティング原田の世界バンタム級王座に挑戦して判定負け)を2RでKO。連勝中の勢いで実力者と対戦。デュランは説明不要。後に「石の拳」で世界ライト級王座を統一し、最終的に四階級制覇。当時は世界王座を目指す若手。パナマシティで行われた(後に世界王者になる)パナマ人同士の一戦。マルセルがフットワーク&ジャブで距離を取りながら時折右ストレート、左フックをヒットさせるなど、パンチを当てるテクニックを見せる。「石の拳」デュランはタフ。エネルギッシュに前進し、速いジャブ、右ストレート、左フックで攻める。接近戦ではフックでの打ち合い。互いに譲らず、といった展開。10R、突然レフェリーが試合を止めてデュランの手を上げた(マルセルはダウンもしておらず、劣勢にもなっていなかったがTKO負けを宣告された。ただその時、デュランの手をマルセルはホールドしていた。それを「戦意喪失」と見なされたのかもしれない)。デュランが体格差で勝利。勢いで押し切った。マルセルは負けたが巧さを見せるなど、あのデュランといい勝負をした。)


エルネスト・マルセル 15R 判定 アントニオ・ゴメス

(WBA世界フェザー級タイトル戦、1972年)

マルセル:左ジャブ、右ストレート、左フック

ゴメス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:マルセルがタイトル獲得。デュラン戦後、パナマ王座(フェザー級)を獲得するなど連勝のマルセル。柴田国明の持つWBC世界フェザー級王座に挑戦したが、引き分け。今度はゴメスのWBA王座を狙う。ゴメス(ベネズエラ)は西城正三をKOして王座を獲得したことで日本でもおなじみ。これが二度目の防衛戦。ベネズエラ・マラカイでの一戦。共に相手を警戒しながらジャブ。両者とも良いジャブを打つが、ゴメスは受け身の姿勢で応戦。マルセルがシャープな右ストレートを主に使いながら、キレのある左フックでボディを叩き、テンポの良い連打でゴメスをロープ際に追い込むなど優勢。右ストレートからの左ジャブといった小技も使う。11R、頭から突っ込んで減点されるマルセル。15R終了。判定は2-0。ダウンシーンは無かったが、3-0が妥当と思われるほどマルセルがスピードのある連打で試合をリードした。残念だったゴメス。良いジャブ、力強い右フックのボディ打ちを見せていたが全体的に守勢だった。再戦もマルセルが勝利し、王座防衛。)


エルネスト・マルセル 15R 判定 アレクシス・アルゲリョ

(WBA世界フェザー級タイトル戦、1974年)

マルセル:左ジャブ、右ストレート、左フック

アルゲリョ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:マルセルがタイトル防衛。三度目の防衛戦をパナマシティで行い、スパイダー根本をKOしたマルセル。四度目の相手は最強の挑戦者。アルゲリョ(ニカラグア)は後の三階級制覇王者。これが初の世界戦。パナマシティでの一戦。アルゲリョがジャブを連打して長い右ストレート、左フック、ボディ打ち。マルセルは足を使いながら得意の右ストレート、左フックを意表を突くタイミングで打ち込む。アルゲリョの端正なボクシングをディフェンスするマルセル。逆にアルゲリョをロープ際、コーナーに追い込む。中盤はアルゲリョ。コンビネーションで勢い良く攻撃し、KO寸前というところまでマルセルを攻撃。しかし、終盤はマルセル。アルゲリョは距離が空くと強い、と考えたか、マルセルが接近戦を仕掛けて序盤のように右ストレートをヒットさせる。15R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。マルセルがパンチを当てる巧さとディフェンスで勝利。アルゲリョはマルセルを強打するシーンもあったが受け身の姿勢になるシーンが多く見られ、この試合の時点ではやや経験不足だったか。試合後、マルセルはアルゲリョに「君は世界王者になれる」と声を掛けたとか。四度目の防衛に成功したマルセルだが、王座返上、引退。「それは母の希望だった」とのこと。ハードパンチャーではなかったため人気選手というわけではなかったが、パンチを当てるテクニックを持つ好選手であった。)


①「Junior Lightweight 

Roberto Duran vs. Ernesto Marcel」

②「WBA World Featherweight Title 

Antonio Gomez vs. Ernesto Marcel」

③「WBA World Featherweight Title 

Ernesto Marcel vs. Alexis Arguello」


ロベルト・デュラン(Roberto Durán)のページ

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柴田国明(Shibata Kuniaki)①のページ

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西城正三(Saijo Shozo)③&門田新一のページ

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アレクシス・アルゲリョ(Alexis Argüello)のページ 

2024年4月10日水曜日

ヤキ・ロペス(Yaqui Lopez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

L・ヘビー級のパワーファイター。強豪と激闘。マイク・ロスマン戦、マシュー・フランクリン戦(初戦)、マイケル・スピンクス戦を紹介します。

ヤキ・ロペス(Yaqui Lopez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ヤキ・ロペス(メキシコ)

身長188cm:オーソドックス(右構え)

ヤキ・ロペス 7R TKO マイク・ロスマン

(L・ヘビー級戦、1978年)

ロペス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ロスマン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

6R:連打でロスマンがスタンディングダウン

(感想:左右ボディフック攻撃が強烈だったことでおなじみのロペス。タフでパワーはあるが、ジョン・コンテのWBC世界L・ヘビー級王座、ビクトル・ガリンデスのWBA世界L・ヘビー級王座に挑戦して判定負け。これまで41勝(28KO)6敗。再び世界を目指す状況。ロスマンはペンシルベニア州フィラデルフィア出身で、ニックネームは「Jewish Bomber(ユダヤの爆撃機)」。マット・ドノバン(輪島功一の世界J・ミドル級王座に挑戦してKO負け)に判定勝ち、マイク・クォーリー(ジェリー・クォーリーの弟)に敗北&雪辱。32勝(19KO)3敗3分。このところ連勝中だが、王座戦の経験はまだ無い。ニューヨークでの一戦。赤いトランクスのロペス。ロスマンは爽やかな水色。共にジャブ、右ストレート、左ボディ打ち。ジャブを打ち合う慎重な試合ぶり。接近戦ではフック連打。ロペスは得意の左フック、ロスマンは正確なジャブが印象的。6R、ラッシュするロペス。連打でロスマンがスタンディングカウントを聞く。6R終了後、ロスマンが棄権。ロペスが攻撃力で勝利。6Rにレフェリーがわかりにくい動きをしたことによりロスマンはよりダメージを受けることになったが、パワーとスタミナに差があった。後、ロペスは再びガリンデスの王座に挑戦して判定負け。ロスマンはガリンデスを下して世界王者に。)


マシュー・フランクリン 11R TKO ヤキ・ロペス

(北米L・ヘビー級タイトル戦、1978年)

ロペス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

フランクリン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:フランクリンがタイトル防衛。これまで43勝(28KO)7敗のロペスが北米王座に挑戦。王者のフランクリンは後に「マシュー・サアド・ムハマド」と改名する選手で、21勝(14KO)3敗2分。タフな打撃戦をやることで有名。フィラデルフィア(フランクリンの地元)での伝説の一戦。ゴング前、WBA王者マイク・ロスマンが両選手を静かに激励。1R、端正なボクシングをするフランクリンがガードを上げ、ジャブ連打。ロペスは得意の左フックを使おうとするが、相手のディフェンス&ジャブに邪魔されて思うように攻められない。フランクリンがワンツー、打ち下ろすような独特の右ストレートからの左フックといったコンビネーションで優勢。3R、ロペスが左フックでよろめく。その後もボディを攻めるロペスだが、フランクリンはブロックで耐える。そしてボクシング史上に残る8R。ロペスが右ストレートをヒットさせたのをキッカケに左右フックの嵐。しかし逆にフランクリンが連打で反撃。その後、攻めるロペス、距離を取って応戦するフランクリン、といった展開。11R、ロペスが強打を浴び、レフェリーは試合を止めた。フランクリンが正確な強打とジャブで勝利。かなり激しい打ち合いであったがダウンシーンは無かった。この試合はロペスの特徴が出ていたような気がする。爆発力があるにもかかわらず受け身になってしまうところ。ジャブも少なく、後手に回ってしまった。後、フランクリンはWBC世界ライトヘビー級王者に。激しい試合の連続。にもかかわらず、引退後は無一文でホームレスに。2014年、59歳で死去。勇敢だったが、悲しい話が多い男だった。)


マイケル・スピンクス 7R TKO ヤキ・ロペス

(L・ヘビー級戦、1980年)

ロペス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

スピンクス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

7R:左フック、右フックで2度、ロペスがダウン

(感想:WBC王者になったマシュー・サアド・ムハマドに挑戦して敗北したロペス。スピンクスと再起戦。スピンクスはオリンピック金メダリストで、(当時)世界王座を目指す期待のホープ。アトランチックシティ「コンベンション・センター」での一戦(リングサイドでスピンクスの兄レオン、ジョー・ウォルコット(共に元世界ヘビー級王者)が観戦)。積極的なロペス。ジャブを連打し、右ストレートからの左ボディといったコンビネーションで攻める。スピンクスもジャブ。そして得意の右でワンツー。4R、スピンクスの右フックがヒットし、激しい打ち合いに。6R、左フック、連打でスピンクス優勢。打ち合いながらもスピンクスはディフェンス。7R、ロープ際での強烈な左フックでロペスがダウン。右フックで二度目。立ったが、レフェリーストップ。かなりの激戦。ロペスは力強く、手数も多かったが、スピンクスが連打とディフェンスで快勝。特にディフェンスのテクニックに差があった。その後の二人。スピンクスは世界L・ヘビー級王座を統一し、ラリー・ホームズを破ってIBF世界ヘビー級王座も獲得(二階級制覇)。マイク・タイソンにKOされるまで連戦連勝だったが、このロペス戦はキツい試合の一つだったのではないだろうか? ロペスはカルロス・デ・レオンのWBC世界クルーザー級王座にも挑戦したが敗北。結局、世界王者にはなれなかった。実力は確かにあったが、やや慎重な試合をするところがあったことと、ライバルが強すぎたのが王者になれなかった原因であろう。)


①「Light Heavyweight 

Yaqui Lopez vs. Mike Rossman」

②「NABF Light Heavyweight Title 

Matthew Franklin vs. Yaqui Lopez」

③「Light Heavyweight 

Yaqui Lopez vs. Michael Spinks」


マシュー・サアド・ムハマド(Matthew Saad Muhammad)のページ

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マイケル・スピンクス(Michael Spinks)のページ 

2024年4月5日金曜日

新垣諭(Shingaki Satoshi)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

IBF世界バンタム級王者。新興団体IBFの王座獲得。金龍鉉戦、エルマー・マガラーノ戦、「ピューマ渡久地 vs. ドディ・ボーイ・ペニャロサ」を紹介します。

新垣諭(Shingaki Satoshi)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

新垣諭(日本)

身長 cm:サウスポー

新垣諭 10R 引分 金龍鉉

(J・フライ級戦、1983年)

新垣:右ジャブ、左ストレート、左右フック

金:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:「日本人初のIBF王者」新垣。沖縄出身。アマチュアで活躍。高額の契約金で「奈良池田ジム」に所属。スラリとしたテクニシャンで、世界獲得が目標。金龍鉉(韓国)は具志堅用高のWBA世界J・フライ級王座に挑戦したことがある(15R判定負け)。奈良県橿原での一戦。アウトボクサーの新垣。フットワークで距離を取ってジャブ連打、左ストレート、右フック。右を当てようと攻める金だが、打った後のバランスが悪い。接近戦では互いにボディ攻撃。一発のパワーがある金は7Rにフック攻撃、9Rには右ストレートを決める。判定は引き分け(ダウンシーンは無し)。映像では新垣のアウトボクシングがポイントを取っているように見えたが、金のパワー、攻める姿勢も評価された。キレイなボクシングをする新垣。しかし、「パワー」の点で課題があるような感じがした試合ぶりだった。その後、金は次の試合に勝利して引退。)


新垣諭 8R TKO エルマー・マガラーノ

(IBF世界バンタム級王座決定戦、1984年)

新垣:右ジャブ、左ストレート、左右フック

マガラーノ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

6R:左ストレートでマガラーノがダウン

(感想:新垣がタイトルを獲得。当時、新興団体だったIBFに奈良池田ジムが参加。新垣はWBA世界J・フライ級王座を狙っていたが、渡嘉敷勝男とルペ・マデラが王座をめぐって何度も対戦。挑戦を待たされ続けるのにウンザリの新垣はIBF王座に照準。ドディ・ボーイ・ペニャロサとIBF世界J・フライ級王座決定戦を行ったが、減量苦のためTKO負け。階級を上げてバンタムで王座決定戦。相手はペニャロサと同じフィリピンのマガラーノ。マガラーノはどんな選手なのだろう? ペニャロサに判定負けしたことがあり、このところ連敗中。世界戦に出られるような実績が見当たらない。奈良県橿原での一戦。いつものようにフットワーク&ジャブの新垣。マガラーノは腕っぷしに自信があるのか、右のパンチを強く打ち込もうとし、接近して左右フック。攻めるマガラーノに新垣は速いパンチでカウンター、ボディ打ち。4R、新垣がラッシュ。6R、左ストレートでマガラーノがダウン。8R、連打でレフェリーストップ。テクニシャンの新垣が積極的な連打で快勝。ボディ攻撃にも迫力があった。その後の新垣。初防衛に成功。しかし、次の相手が悪すぎた。オーストラリアのジェフ・フェネック。KO負けで王座を手放す。その後もIBFのインタータイトル戦などに出場。しかし、身体の不調によりブランクがあり、通算戦績12勝(9KO)3敗1分。試合数は少な目だった。フェネックは豪腕で三階級制覇達成。マガラーノは新垣戦後、全敗だった。)


ピューマ渡久地 10R 判定 ドディ・ボーイ・ペニャロサ

(フライ級戦、1993年)

新垣諭(Shingaki Satoshi)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

渡久地:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ペニャロサ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

(感想:興味深い対戦。渡久地は沖縄出身のハードパンチャーで、元日本フライ級王者。ユーリ・アルバチャコフとの対戦をめぐって所属ジムとトラブル。ブランク後、復帰戦でヘスス・ロハスにTKO負け(初黒星)。ペニャロサ戦はその再起戦となる。ペニャロサは元IBF世界J・フライ級、フライ級の二階級制覇王者。ピークは過ぎているが、サウスポーのテクニックがある。後楽園ホールでの一戦。ファイターの渡久地。ジャブを使って前進。ペニャロサはガードを上げてジャブ、ストレートで応戦。接近戦ではフックでの打ち合い。攻める渡久地だが、ディフェンスされ空振りも多い。9R、互いに右フックがヒット。10R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ロープ際にペニャロサを追い込んで連打するなど、渡久地が手数で勝利。ペニャロサは伸びるジャブ、ストレートは良かったが、受け身の姿勢で押され気味だった。その後の二人。ペニャロサは次の試合がノーコンテストに終わり、それで引退。渡久地は日本王座を奪回したが、ユーリにKOされてWBC世界フライ級王座獲得ならず。世界は獲れなかったが、積極的に実力者と対戦した姿勢を高く評価したい。)  


①「Junior Flyweight 

Shingaki Satoshi vs. Yong Hyun Kim」

②「vacant IBF World Bantamweight Title 

Shingaki Satoshi vs. Elmer Magallano」

③「Flyweight 

Dodie Boy Penalosa vs. Puma Toguchi」


ドディ・ボーイ・ペニャロサ(Dodie Boy Penalosa)のページ

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ジェフ・フェネック(Jeff Fenech)のページ