「トム・ヒーニー vs. ジャック・デラニー」「ハリー・ジェフラ vs. シクスト・エスコバル」「ラルフ・デュパス vs. デニス・ブラディ」ほかを紹介します。
①トム・ヒーニー 10R 判定 ジャック・デラニー
(ヘビー級戦、1928年3月)
ヒーニー:左ジャブ、右ストレート、フック
デラニー:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:ヒーニーはニュージーランド・ギズボーン出身の白人(鍛冶屋だそうだが、ボクサーになる前なのか、引退後なのかは不明)。1920年にデビューしてTKO勝ち。ニュージーランド王座(ヘビー級)獲得。オーストラリア王座(ヘビー級)に挑戦して判定で初黒星。英国で英連邦王座(ヘビー級)に挑戦したが、判定負け。南アフリカで連勝。アメリカ上陸。パウリノ・ウズクドゥン、後の世界王者ジャック・シャーキーとドロー。シャーキー戦の次の相手はデラニー。デラニーはカナダ・ケベック州出身の白人。本名は「オヴィラ・シャプデレーヌ」。1919年10月にアメリカでプロデビュー(新聞判定で勝利)。カナダで数試合やって主戦場をアメリカに。判定で初黒星後、連勝。TKO負け、判定負けはあったが、トミー・ローランに判定勝利(1924年)、タイガー・フラワーズにKO勝ち(1925年)。世界ライトヘビー級王座に挑戦して2-0の敗北。そこから連勝でニューヨーク州公認世界ライトヘビー級王座に挑戦。判定で王座奪取。初防衛に成功。ヘビー級に挑戦するため、王座返上。このところ五連続KO勝ちでヒーニー戦。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦。モノクロの映像で選手の顔がよく見えないうえに同じ色(黒?)に見えるトランクス。身長も同じぐらい。正直なところ、どちらがヒーニーなのかわからない。ただ、同じようなタイプ。ガードを下げた構えで相手に接近し、ストレート、フックを荒っぽく放つ。タフな殴り合いだが、その分、もみ合いからのクリンチになるシーンが多い。互角のように見え、時折互いの強打がヒット。15R終了。判定は3-0。ヘビー級のヒーニー。ライトヘビー級から上がってきたデラニー。その差があったのではないだろうか。その後の二人。デラニーは再起戦でジャック・シャーキーに1RでKO負け。ブランクを挟んで四連勝で引退。1948年11月27日、心臓発作のため48歳で死去。ヒーニーは次の試合でジーン・タニーのNBA世界ヘビー級王座に挑戦したが、TKO負け。更に二連敗。マックス・ベアにKOされるなど多くの敗北。タニー戦後はサッパリだったが、1933年までリングに上がった。)
②ハリー・ジェフラ 15R 判定 シクスト・エスコバル
(世界バンタム級タイトル戦、1937年9月)
ジェフラ:左ジャブ、右ストレート、左フック
エスコバル:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ジェフラがタイトル獲得。王者エスコバルはプエルトリコ・バルセロネタ出身。ルー・サリカと世界王座をめぐる攻防の末、王者に。挑戦者ジェフラはメリーランド州ボルチモア出身の白人。連勝の勢いで初の世界挑戦。ニューヨーク「ポロ・グラウンズ」での一戦(短いハイライト映像で観戦)。フットワーク&ジャブのジェフラ。打ち合いを避けながら左フックからの右ストレートといったコンビネーション。エスコバルはジャブを使いながらジェフラを追い掛ける。判定は3-0。アウトボクシングでジェフラが新王者に。エスコバルの右ストレート、左右フックはしっかりした打ち方ではあったが、空転させられてしまった。再戦はエスコバルが勝ち、王座奪回。ジェフラは後、世界フェザー級王座を獲得し、二階級制覇。しかし、この王座も奪回されてしまった。パワーがあるタイプではなかったのが原因か?)
③ラルフ・デュパス 10R 判定 デニス・ブラディ
(ライト級戦、1954年4月)
デュパス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ブラディ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ライト級の白人選手同士の一戦。デュパスはルイジアナ州ニューオーリンズ出身。1950年、プロデビュー(ドロー)。以来、月に三試合するなど多くの試合。判定負けをするなど、まだ経験が足りないところもありそう。ブラディはニューヨーク州ブロンクス出身。1944年、デビュー(KO勝ち)。デュパスと似たようなところがあり、階級を徐々に上げながら多くの試合。連勝しては判定負け(連敗したことも。1944年、サンディ・サドラーに判定負け)。共に一定の実力はあるが、それ以上になれないところがある。ニューオーリンズでの一戦。あまり器用ではない二人。開始から接近戦を展開するが、フックの振りが大きく、クリンチしながら互いに相手のボディをボカボカとオープンブロー気味のパンチで打つ(思わず笑ってしまうような小競り合いだった)。中間距離では良いストレート、フックをヒットさせる。4R、デュパスが足を使いながらジャブを連打する。10Rはこれまで雑なフック連打が多かったブラディも足を使ってジャブ。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。結局のところ似た者同士だった二人。共にタフだったが、デュパスの中間距離からのジャブが評価されたと思われる。後、ブラディは勝ったり負けたり。中堅選手としてキャリアを終えた。)
④ラルフ・デュパス 10R 判定 ギル・ターナー
(ウェルター級戦、1958年10月)
デュパス:左ジャブ、右ストレート、フック
ターナー:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:ブラディ戦後のデュパス。判定負けはあったが、ガスパー・オルテガを2-0の判定で下すなど概ね好調。しかし、ジョー・ブラウンの世界ライト級王座への挑戦はTKO負け。再起二連勝でターナー戦。ターナーはペンシルベニア州フィラデルフィア出身の黒人。アマチュアではウェルター級で全米王者に。1950年、プロデビュー(KO勝ち)。ベテランのボー・ジャック、アイク・ウィリアムスらに勝利。満を持しての世界初挑戦で世界ウェルター級王者キッド・ギャビランにTKOで初黒星。再起戦でボビー・ダイクスにも敗北。連勝後、ジョーイ・ジャーデロに3-0の敗北。ジーン・フルマー、カーメン・バシリオ、ヤマ・バハマらに敗北。このところ勝ったり負けたり。カナダ・モントリオールでの一戦(ハイライト映像で観戦)。似た体格、戦い方。接近戦でのストレート、フックの打ち合い。激しい攻防だが、デュパスはワンツーからの左フックに良さがあり、右ストレートを当てる。ターナーはフックの振りが大きく、隙があるようだ。10R終了。デュパスが当てる巧さ、思い切りのいい右ストレートで勝利。攻めるときのディフェンスに差があった。その後の二人。ターナーは再起戦に判定負けで引退。デュパスはエミール・グリフィスの世界ウェルター級王座に挑戦して敗れるなど苦労したが、世界J・ミドル級王者に。しかし、在位期間は短かった。)
①「Heavyweight
Tom Heeney vs. Jack Delaney」
②「World Bantamweight Title
Sixto Escobar vs. Harry Jeffra」
③「Lightweight
Ralph Dupas vs. Dennis Brady」
④「Welterweight
Ralph Dupas vs. Gil Turner」










