2020年9月4日金曜日

カークランド・レイン(Kirkland Laing)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ロベルト・デュランに勝ったこともあるレイン。多くの人に見てもらいたい、と思うほどの個性的キャラ。ロベルト・デュラン戦、シルベスター・ミッティ戦、ジョージ・コリンズ戦を紹介します。

カークランド・レイン(Kirkland Laing)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

カークランド・レイン(イギリス)
身長 cm:オーソドックス(右構え)

カークランド・レイン 10R 判定 ロベルト・デュラン
(ウェルター級戦、1982年)
レイン:左ジャブと右ストレート
デュラン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ジャマイカ出身でイギリス国籍のレイン。ニックネームは「The Gifted One」(「才能ある者」の意)。憧れのヒーローはモハメド・アリ。オリンピック出場を目指したが叶わず。プロ入り後、連戦連勝。英国ウェルター級王座を獲得したが、コリン・ジョーンズ(後、ミルトン・マクローリー、ドナルド・カリーと世界王座を争ったが果たせず)にTKO負けし、王座陥落、初黒星。ジョーンズとの再戦にも敗北。そしてこのデトロイトでのデュラン戦。パナマの「石の拳」デュランは説明不要。この試合はウィルフレド・ベニテスのWBC世界J・ミドル級王座に挑戦して判定負けした再起戦となる。ガードを下げた状態でジャブ・ストレートを打つ個性的なスタイルのレイン。デュランが攻めてきてもフットワークでかわしてクリンチ。レインの速いストレートが時折ヒット。判定は2-1。ダウンシーンは無し。レインが勝った、というよりも、接近戦でのデュランの攻めが雑だった、という印象。ライト級時代のデュランとは別人と考えた方がいいかもしれない。)

カークランド・レイン 5R TKO シルベスター・ミッティ
(英国ウェルター級王座決定戦、1987年)
レイン:左ジャブと右フック
ミッティ:左ジャブ、右ストレート、右フック
(感想:レインがタイトル奪回。ミッティは実力者。英国王座、英連邦王座(いずれもウェルター級)を保持していたことがあるが、ロイド・ハニガンに敗れ、王座陥落(ハニガンはその後、ドナルド・カリーに大番狂わせのTKO勝ちで世界を驚かせた)。かつて保持していた王座を奪回できるかどうか、といったところ。なかなかバランスが良いミッティ。ジャブ・ストレートを使い、時折、大振りの右フック。面白い髪型のレインはいつものようにガードを下げた状態で、ジャブと妙なフットワーク。ミッティはやや焦りがあるのか、1Rにはレインを持ち上げたり、3Rにはスベったレインにパンチ。5R、右フックのカウンターでグラついたミッティにレインが右を連打。レフェリーストップ(レフェリーの止め方がちょっとわかりにくかった)。ダウンシーンは無し。ミッティはいい選手だったが一発で負けた。レインは押され気味だったように見えたが余裕があったのかも。)

カークランド・レイン 5R TKO ジョージ・コリンズ
(英国ウェルター級タイトル戦、1989年)
レイン:左ジャブ、右ストレート、左フック
コリンズ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
2R:右ストレートでコリンズがダウン
5R:右ストレートでコリンズがダウン
(感想:レインがタイトル防衛。イタリアの実力者ニノ・ラロッカには負けてしまったが、英国王座を守り続けるレイン。今回の挑戦者はコリン・ジョーンズではなく、ジョージ・コリンズ(ちょいとややこしい)。ジャブから入っていく正統派のコリンズ。レインはフットワークというよりも、ヨチヨチ歩きで足踏みする妙な動き。1R終了時にもヘンな動き。2Rのダウンは左ジャブからの右ストレートでかなり速いパンチ。コリンズは良いジャブ・ストレートを持っているがかわされてしまい、手数も減っていく。5R、右ストレートでコリンズがよろめきながらダウン。立ったが、左フック連打でストップ。レインが面白い動きを見せながら快勝。試合後、ベルトを逆さまに腰に巻いて、満足そうな表情(本当に愉快な選手。同じ英国のクリス・ユーバンクもこのタイプ。あまりにも過酷でシリアスなボクシングの世界。レインやユーバンクのような選手も楽しくていいもんだ)。後、レインは欧州王座も獲得。世界は獲得できなかったが、その個性で世界王者に匹敵するほどの存在。試合のプレッシャーに負けてアルコールや薬物に逃げたこともあったそうだが、リングではそういった雰囲気が感じられなかったほど個性が強い選手だった。)

①「Welterweight
Kirkland Laing vs. Roberto Duran」
②「British Welterweight Title
Kirkland Laing vs. Sylvester Mittee」
③「British Welterweight Title
Kirkland Laing vs. George Collins」

ロベルト・デュラン(Roberto Durán)のページ
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ミルトン・マクローリー(Milton McCrory)のページ
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ロイド・ハニガン(Lloyd Honeyghan)のページ
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ニノ・ラロッカ(Nino La Rocca)のページ

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