フランク・テート(アメリカ)
身長183cm:オーソドックス(右構え)
①フランク・テート 10R KO トニー・シブソン
(IBF世界ミドル級タイトル戦、1988年)
テート:左ジャブ、右ストレート、左右フック
シブソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
10R:右ストレートでシブソンがダウン
(感想:ミシガン州デトロイト出身のテート。子供の頃は不良だったらしいが、あの「クロンクジム」でボクシングに打ち込む。1984年のロサンゼルスオリンピックではライトミドル級で金メダルを獲得。プロ入りの際に「クロンクジム」とは別れたが、IBFタイトルをマイケル・オラジデとの決定戦で手に入れ、これが初防衛戦。挑戦者シブソンは英国の白人選手でマービン・ハグラーの世界ミドル級タイトルに挑戦したこともあるタフ男。英国で行われた試合。ジャブとフックを使うファイタータイプのシブソン。テートがジャブで距離を取り、右ストレートでシブソンを痛めつける。シブソンはジャブを打たれて得意の接近戦ができないうえに出血。10RのダウンでKO。最後の右ストレートはかなり強烈なものだった。テートはこれで22戦全勝(13KO)。次の防衛戦の相手はマイケル・ナン。)
(北米L・ヘビー級タイトル戦、1992年)
テート:左ジャブ、右ストレート、左右フック
メイナード:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
11R:右フックでメイナードがダウン
(感想:テートがタイトル獲得。マイケル・ナンに敗れ、IBF王座を失ったテート。さらにリンデル・ホームズと空位のIBF世界S・ミドル級タイトルを争って2-0の判定負け。再び世界を目指すのであればここが踏ん張りどころ。王者メイナードは1988年ソウルオリンピックのL・ヘビー級金メダリスト。元IBF世界L・ヘビー級王者ボビー・チェズにKO負けした以外はキレイに勝ってきた。ニューヨークで行われたオリンピック金メダリスト同士のライバル対決。年齢は同じ27歳。会場では俳優のジーン・ハックマンが観戦。接近してボディを狙うメイナード。テートはジャブで応戦。クリンチ状態で互いにボディをドカドカ打ち合う。試合は全体的にテートのストレート、フックが有効で、右アッパーでカウンターを取る名人芸も見せる。11R、右フックでメイナードがダウン。立ったが、再開後に自らヒザをついてリタイア。メイナードは接近戦を仕掛けていたが、あまり巧くなかった。得意のジャブ・ストレートで勝負すべきだったのでは?)
(WBA世界L・ヘビー級王座決定戦、1992年)
テート:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ヒル:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:ヒルがタイトル奪回。これもオリンピックに縁がある対決。ヒルは1984年のロサンゼルスオリンピック・ミドル級銀メダリスト(マイケル・ナンに勝ってオリンピック代表に選ばれた)。プロでは全勝でWBA世界L・ヘビー級王座を獲得し防衛を続けたが、トーマス・ハーンズに敗北。ハーンズがアイラン・バークレーに敗れ、バークレーが王座返上。そして、この王座決定戦。ジャブの打ち合い。押し出すような打ち方で細かいジャブを連打するヒル。テートは長いジャブ。パンチはあまり無いがジャブを数多く出すヒルがポイントを取っていく。しかし11R、テート得意の右アッパーのカウンターでヒルがダウン寸前に。観客が盛り上がる中、最終ラウンド終了。判定は3-0でヒル。ダウンシーンは無し。見せ場を作ったテートだが、ヒルが細かいパンチを重ねて勝利。重量級の試合にしては「迫力」という点で少し残念な内容だったような気もするが、11Rは迫力があって良かった。再戦もこの王座を懸けて行われ、ヒルが3-0で勝利。テートが獲得できたのは結局、IBF世界ミドル級タイトルのみ。実力はあったが、それを巧く生かすことができなかった印象。)
Frank Tate vs. Tony Sibson」
②「NABF Light Heavyweight Title
Andrew Maynard vs. Frank Tate」
③「WBA World Light Heavyweight Title
Frank Tate vs. Virgil Hill」
トニー・シブソン(Tony Sibson)のページ
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マイケル・ナン(Michael Nunn)のページ
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アンドリュー・メイナード(Andrew Maynard)のページ
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バージル・ヒル(Virgil "Quicksilver" Hill)のページ
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