ベルギー領コンゴ出身の世界ミドル級王者、カランベイ。アイラン・バークレー戦、マイク・マッカラム戦(初戦)、ダグ・デウィット戦を紹介します。
スンブ・カランベイ(イタリア)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①スンブ・カランベイ 15R 判定 アイラン・バークレー
(WBA世界ミドル級王座決定戦、1987年)
カランベイ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
バークレー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:カランベイがタイトル獲得。ベルギー領コンゴ出身でイタリア国籍のカランベイ。若い頃にイタリアに移住し、そこでボクシングを始める。アマチュアで優秀な成績を収めた後、プロ入り。意外なことにプロ三戦目で敗北、四戦目はドロー。その後は連勝し、バスター・ドレイトンに勝利。しかしデュアン・トーマスに敗北(ドレイトンとトーマスは後に世界J・ミドル級王者に)。元世界王者アユブ・カルレにも敗北。へロール・グラハムに勝利して欧州ミドル級王座獲得。その次の試合がこのバークレーとの王座決定戦。バークレーは後に三階級制覇する「ブロンクスの暴れん坊」。WBC米大陸ミドル級王座を獲得したり、実力者ジェームズ・キンチェンに勝利したりといった実績。イタリアで行われた試合。リズミカルな動きで速いジャブを飛ばすカランベイ。連打の回転も速い。パワーファイターのバークレーはジャブを使いながら左フックを強打。カランベイのスピードとディフェンスにバークレーの荒っぽい左フックは空を切る。カウンターも取れるカランベイ。バークレーはボディ攻撃。判定は3-0。15Rに渡りキレのあるジャブを打ち続けたカランベイ、攻め続けたバークレー。ダウンシーンは無かったが、どちらも立派だった。バークレーは後にトーマス・ハーンズをKOしてWBC世界ミドル級王座を獲得。最終的に三階級制覇。カランベイには負けたが、後の活躍を予感させるようなパワーを感じた。)
②スンブ・カランベイ 12R 判定 マイク・マッカラム
(WBA世界ミドル級タイトル戦、1988年)
カランベイ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
マッカラム:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:カランベイがタイトル初防衛。カランベイの初防衛戦の相手は難敵。挑戦者マッカラムは「ボディ・スナッチャー」と呼ばれるボディ打ちの名人で、パンチを当てるのが器用な選手。前試合でドナルド・カリーに快勝し(5R KO)、WBA世界J・ミドル級王座を防衛。その王座を返上して二階級制覇を狙う。共に31歳。イタリアで行われた注目の試合。ジャブの打ち合いとディフェンス。スピードはカランベイ、パワーはマッカラム、といったところ。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。カランベイの速いジャブ連打が評価されたと思われる。マッカラムは後に三階級制覇。バークレー、マッカラムを連破したカランベイはこの二つの勝利で「一流ボクサー」であることを証明。)
③スンブ・カランベイ 7R KO ダグ・デウィット
(WBA世界ミドル級タイトル戦、1988年)
カランベイ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
デウィット:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
7R:左フックでデウィットがダウン
(感想:カランベイがタイトル防衛。ロビー・シムス(マービン・ハグラーの弟)に勝利して二度目の防衛に成功したカランベイ。三度目の相手はタフ男デウィット。トーマス・ハーンズの強打に耐えたことがある(12R判定負け)。モナコでの一戦。ジャブ・連打で前に出るデウィット。しかしながらパンチの回転の速さ・正確さはカランベイ。7R、強烈な左フックでデウィットがダウン、KO。テクニシャンのイメージが強いカランベイが豪快なKO防衛。最後の一撃は速くてパワフルな衝撃的なパンチだった。この後、カランベイはWBA王座を剥奪され、マイケル・ナンのIBF世界ミドル級タイトルに挑戦。何と1RでアッサリKO負け。これまでのテクニシャンぶりは何だったのか? と思うような敗北を喫してしまった。その後は欧州ミドル級王座を取り戻し、防衛を重ねたが、立場を入れ替えるような形でマッカラムのWBA世界ミドル級王座に挑戦して判定負け。ラストファイトは英国のクリス・ピアットとのWBO世界ミドル級王座決定戦。これに判定負け。引退後は若手の指導をしているとのこと。)
Sumbu Kalambay vs. Iran Barkley」
②「WBA World Middleweight Title
Sumbu Kalambay vs. Mike McCallum」
③「WBA World Middleweight Title
Sumbu Kalambay vs. Doug DeWitt」
アイラン・バークレー(Iran "The Blade" Barkley)のページ
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ダグ・デウィット(Doug DeWitt)のページ
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マイク・マッカラム(Mike McCallum)のページ
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マイケル・ナン(Michael Nunn)のページ
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