2020年1月16日木曜日

アイラン・バークレー(Iran "The Blade" Barkley)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ブロンクス出身の三冠王。「ザ・ブレイド(刃)」。トーマス・ハーンズ戦、ダーリン・バン・ホーン戦を紹介します。

アイラン・バークレー(Iran "The Blade" Barkley)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

アイラン・バークレー(アメリカ)
身長185cm:オーソドックス(右構え)

アイラン・バークレー 3R KO トーマス・ハーンズ
(WBC世界ミドル級タイトル戦、1988年)
バークレー:左右フック
ハーンズ:左ジャブと右ストレート
(ダウンシーン)
3R:右フック、右ストレートで2度、ハーンズがダウン
(感想:バークレーが初の世界タイトル獲得。ニューヨーク・ブロンクス出身のバークレー。ストリートギャングだったがアマチュアでリングに上がる(マイク・タイソンと試合及びストリートファイトをやったミッチ・グリーンも同じギャング団のメンバーだったとか)。プロ入りして、ロビー・シムズ(マービン・ハグラーの実弟)には敗れたが、ウィルフォード・シィピオン、ジェームス・キンチェンに勝利。スンブ・カランベイと空位のWBA世界ミドル級王座を争ったが、判定負け。 マイケル・オラジデをKO。実力者との勝負で自信とパワーを付けてきている状況。「ヒットマン」ハーンズは説明不要。ボクシング界のスターで、四階級制覇王者。このバークレー戦はファン・ドミンゴ・ロルダンをぶっ倒して獲得したWBC世界ミドル級王座の初防衛戦。シュガー・レイ・レナード、マービン・ハグラーに負けたことがどうしても忘れられないハーンズとしては、この防衛戦をクリアして因縁の二人に雪辱したいところ。キレのある速いジャブを飛ばすハーンズ。バークレーは荒っぽいケンカ殺法。ハーンズの動きは悪くはなかったが、3Rにバークレーの無器用なパワーが爆発。右フック、左フックからの右ストレートでハーンズが二度ダウン、KO。バークレーがハーンズを番狂わせでKO。確かにバークレーの戦いぶりは粗いケンカのような雰囲気があったが、タフでパンチにはパワーとキレが。番狂わせではあるが、バークレーの実力による勝利。ハーンズはキレイなボクシング。ボクシングとケンカは別ものだが、腕力が勝つこともよくある。) 

アイラン・バークレー 2R KO ダーリン・バン・ホーン
(IBF世界S・ミドル級タイトル戦、1992年)
バークレー:左右フック
バン・ホーン:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
2R:左フック、連打、左フックで3度、バン・ホーンがダウン
(感想:バークレーが二階級制覇。バン・ホーンは二階級制覇王者。ロバート・ハインズを破ってIBF世界J・ミドル級タイトルを獲得。しかし、初防衛戦で「クセ者」ジャンフランコ・ロッシ(イタリア)に敗北、初黒星。実力者リンデル・ホームズをKOしてIBF世界S・ミドル級タイトル獲得、二階級制覇。初防衛戦をクリアし、これが二度目の防衛戦。ファイトぶりは正統派で、見た目が大学のスポーツマンのような男。バークレーはハーンズを破って手に入れた王座の初防衛戦をロベルト・デュランと行って、ダウンを奪われて判定負け、王座陥落。さらにマイケル・ナンのIBF世界ミドル級王座に挑戦して判定負け、ナイジェル・ベンのWBO世界ミドル級王座に挑戦して、何と1RでKO負け。復活のためには、是非ともバン・ホーンを倒したいところ。1R早々、左フックでグラつくバン・ホーン。バークレーのケンカファイトになすすべ無し。まるで「大学生 vs. 街のケンカ屋」のような展開。2R、バン・ホーンが強烈なパンチで三度ダウン、KO。バークレーが狙い澄ましたパンチでKO勝利。こういうバークレーみたいな打たれ強くてパンチのある危険な男とは、ナイジェル・ベンやロベルト・デュランのようなバークレーに負けないくらいパンチがあるかタフでなければ打ち合いをすべきではない(そういう意味ではマイケル・ナンは正しかった)。バン・ホーンも打ち合いたくはなかっただろうが、バークレーの凄まじい圧力をかわすことはできなかった。) 

アイラン・バークレー 12R 判定 トーマス・ハーンズ
(WBA世界L・ヘビー級タイトル戦、1992年)
バークレー:左右フックで前に出る
ハーンズ:左ジャブ、右ストレート、左ボディフックで応戦
(ダウンシーン)
4R:左フックでハーンズがダウン
(感想:バークレーが三階級制覇。全勝の王者バージル・ヒルを判定で下してWBA世界L・ヘビー級タイトルを獲得したハーンズ(「世界L・ヘビー級タイトル」はかつてデニス・アンドリュースを倒してWBC王座を獲得したことがある)。IBF世界S・ミドル級王者バークレーと再戦。前回KO勝ちしているバークレーは迷うことなく左右フックで1Rから突進。ハーンズは左ジャブ、右ストレート、左ボディフックで応戦。ハーンズのテクニックか、バークレーのラフファイトか、といった展開で、4R、左フックでハーンズがダウン。腕っぷしに自信があるバークレーが攻め続ける。ハーンズはロープを背負うシーンが多い。判定は2-1。またしてもハーンズ敗れる。4Rのダウンを奪ったバークレーの左フックはタイミングの良い一発で、「バークレーはただ振り回すだけの選手ではない」ことを証明。個人的にはバークレーのようなケンカ・スタイルの戦い方は好みではなく、ハーンズの方を応援していたが、二連敗となるとさすがにバークレーを認めざるをえない。もし、ハーンズが最初にタイトル挑戦した相手がクエバスではなくバークレーだったら? もし、ハーンズがミドル級王座決定戦で戦った相手がロルダンではなくバークレーだったら?  もしそうだったらハーンズは一度も世界王者になっていなかったかも知れない。ハーンズのファンだけにこの二連敗の扱いには戸惑う。ただ、バークレーは世界L・ヘビー級タイトルを防衛せずに返上。IBF世界S・ミドル級タイトルは初防衛戦でジェームズ・トニーに奪われた。バークレーは「三階級制覇」したが一度も防衛に成功していない。)

①「WBC World Middleweight Title
Thomas Hearns vs. Iran Barkley」
②「IBF World Super Middleweight Title
Darrin Van Horn vs. Iran Barkley」
③「WBA World Light Heavyweight Title
Thomas Hearns vs. Iran Barkley」

トーマス・ハーンズ(Thomas "The Hit Man" Hearns)のページ
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ダーリン・バン・ホーン(Darrin Van Horn)のページ

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