2024年5月31日金曜日

スティーブ・クルス(Steve Cruz)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBA世界フェザー級王者。番狂わせで世界王者に。レニー・バルデス戦、バリー・マクギガン戦、ロヘール・アレバロ戦を紹介します。

スティーブ・クルス(Steve Cruz)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

スティーブ・クルス(アメリカ)

身長168cm:オーソドックス(右構え)


レニー・バルデス 1R TKO スティーブ・クルス

(フェザー級戦、1984年)

クルス:左ジャブ、右ストレート、左フック

バルデス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:左フック、連打で2度、クルスがダウン

(感想:テキサス出身のクルス。父や兄弟もボクサーの「ボクシング一家」。幼い頃からボクシングに親しみ、アマチュアではタイトルを獲得したことも。プロ入り後は相手を選びながら経験を積み、これまで全勝。ガードをしながら小気味よいジャブ、ストレート、左フックを打つ端正なボクシング。メキシカンのバルデスはファイター。ヒルベルト・ローマンに負けているが、戦績は悪くない。ラスベガスでの一戦(レフェリーはリチャード・スティール)。似た体格の二人。速いジャブ。クルスがストレート、左フック。バルデスは右ストレートを思い切り打ち、左フックは振りが大きい。攻めるクルスが左ショートフックでダウン。立ったが、連打で二度目。さらにロープ際で連打を浴びたところでレフェリーは試合を止めた。全勝のクルスが1RでKO負け。バルデスはパンチの振りが大きく、あまり器用な感じはなかったが、最初にダウンを奪った左ショートは見事だった。後、バルデスはあのマルコス・ビジャサナ(強打者。後のWBC世界フェザー級王者)に判定勝ちしたり、ローカル王座を獲得したり。しかし、世界王座に挑戦することはなかった。)


スティーブ・クルス 15R 判定 バリー・マクギガン

(WBA世界フェザー級タイトル戦、1986年)

クルス:左ジャブ、右ストレート、左フック

マクギガン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

10R:左フックでマクギガンがダウン

15R:連打で2度、マクギガンがダウン

(感想:クルスがタイトル獲得。バルデス戦後、連勝のクルスが大きなチャンス。王者マクギガンはエウセビオ・ペドロサを番狂わせで破って王者になったアイルランドの英雄。これが三度目の防衛戦。ラスベガス「シーザース・パレス」屋外リングで行われた試合(トーマス・ハーンズの防衛戦も行われた大きなイベント。レフェリーはリチャード・スティール)。共にジャブ連打。マクギガンが長いストレート、ワンツーを使うのに対し、クルスはショートストレート、左フック。手数が多いマクギガン。ジャブ、接近して連打、ボディ打ち。クルスはジャブで応戦。6R、クルスの左フックでマクギガンがピンチ。その後、ジャブで先手を取るマクギガンだが、正確なジャブ、右のカウンターを食ってダメージ。10R、攻めたマクギガンが逆に左フックでダウン。終盤はクルスのパンチの正確さが目立つ。12R、マクギガンがローブローで減点。13R、マクギガンがワンツー、左フックで攻める。15R、連打を浴びて後退するマクギガン。連打で二度ダウン。何とかKO負けを免れ、15R終了。判定は3-0。前半、中盤はマクギガンが手数でリードしていたと思うが、終盤はクルス。打たれながらもクルスが粘り強さと正確なパンチで勝利。クルスの横でトロイ・ドーシー(後にIBF世界フェザー級タイトルを獲得)が一緒に勝利を喜んでいた。マクギガンは手数が出ており、調子が悪かったわけではなさそう。長いパンチよりもショートパンチの方が効果的な場合があるが、その見本のような試合だった。この後、マクギガンはブランク。後、カムバックしたが、タイトル戦は無かった。)


スティーブ・クルス 10R 判定 ロヘール・アレバロ

(J・ライト級戦、1986年)

クルス:左ジャブ、右ストレート、左フック

アレバロ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:世界王者クルスがノンタイトル戦。アレバロはメキシカン。デビュー以来、無敗を続けていたが判定負けで初黒星。その再起戦でクルスと勝負。テキサス州フォートワースでの一戦。いつものようにジャブ連打、ショートストレート、左フックのクルス。アレバロは腕っぷしに自信があるのか、一歩も引くこともなくジリジリと距離を詰め、右ストレート、左フックを一発ずつ強く打つ。ディフェンスとパンチの正確さでクルスがややリード。左ボディ打ちがパワフルなアレバロだが、ローブローで警告・減点されるシーンも。終盤はアレバロが強打で優勢。クルスの左目が腫れていく。10R終了。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。クルスが手数で勝利。アレバロは強かった。序盤から終盤のような攻めをしていれば勝っていたかもしれない。その後の二人。アレバロは再起戦でタイロン・ダウンズにも敗れて三連敗。その再起戦でメキシコ王座(J・ライト級)獲得。二度の防衛成功。王座陥落後は勝ったり負けたり。クルスはアレバロ戦の次の試合でアントニオ・エスパラゴサの強打に屈して王座陥落、初防衛ならず。その後もホルヘ・パエス、ラファエル・ルエラス、ポール・ホドキンソン、渡辺雄二らに踏み台にされ、世界王座に返り咲くことはなかった。ショートパンチが得意な選手ということで地味な印象があるが、ベガスでマクギガンを破った番狂わせはこれからもファンに語り継がれるだろう。)


①「Featherweight 

Steve Cruz vs. Lenny Valdez」

②「WBA World Featherweight Title 

Barry McGuigan vs. Steve Cruz」

③「Super Featherweight 

Steve Cruz vs. Roger Arevalo」


バリー・マクギガン(Barry McGuigan)のページ

ホルヘ・パエス(Jorge "El Maromero" Páez)のページ

ラファエル・ルエラス(Rafael Ruelas)のページ

ポール・ホドキンソン(Paul Hodkinson)のページ

渡辺雄二(Watanabe Yuji)のページ 

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