2020年8月5日水曜日

渡辺雄二(Watanabe Yuji)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

世界に挑戦したJ・ライト級のハードパンチャー。植田龍太郎戦、赤城武幸戦、スティーブ・クルス戦、ウィルフレド・バスケス戦を紹介します。

渡辺雄二(Watanabe Yuji)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

渡辺雄二(日本)
身長172cm:オーソドックス(右構え)

渡辺雄二 4R KO 植田龍太郎
(ライト級戦、1991年)
渡辺:左ジャブ、右ストレート、左フック
植田:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
3R:連打で植田がスタンディングダウン
4R:左フックで植田がダウン
(感想:渡辺はこれまで4連勝(全KO)のハードパンチャーで日本ライト級5位。俳優の松田優作に似ている。対戦相手の植田もパンチがある選手。17勝(11KO)5敗1分で日本J・ライト級2位。1R、共に速いジャブ、思い切りのいいストレート、左フック。右フックでグラついた渡辺だが、1R終了間際には右ストレートで反撃。激しい打撃戦。2R、左フックで植田のマウスピースが落下。渡辺は左ボディ攻撃は力強いが空振りも多い。3R、連打で植田がスタンディングカウントを聞く。4R、右ストレートからの左フックで植田がダウン。立ったがレフェリーストップ。お互いに強打を浴びた試合。最後は渡辺がパワーで押し切った。共に思い切りのいいボクシングで、いかにも「プロボクシング」という感じの実に濃い内容だった。)

渡辺雄二 2R KO 赤城武幸
(日本J・ライト級タイトル戦、1991年)
渡辺:左ジャブ、右ストレート、左フック
赤城:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
2R:左フックで3度、赤城がダウン
(感想:渡辺がタイトル獲得。フットワークとジャブのチャンピオン、赤城。アマチュアでも実績があった選手。一度は王座を奪われたが奪回。世界挑戦のためにはこれ以上負けられない、といった状況。タイトル初挑戦となる渡辺は狙いすぎなのか手数が少ない。2R、赤城の右ストレートがヒット。しかし攻めたところを左フックでカウンターされ、赤城がダウン。足に来ており、スリーノックダウンで終了。最初のダウンを奪った左フック一撃で決まった試合。渡辺は勝ったが、ややラッキーパンチ気味だった印象。赤城がもっとジャブ中心に距離を取り続けていたら、勝敗は逆になっていたかも。その後、赤城は王座を取り戻し、三度目の戴冠。しかし、東洋太平洋J・ライト級タイトル戦でTKO負け、引退。世界挑戦ならず。)

渡辺雄二 2R KO スティーブ・クルス
(J・ライト級戦、1992年)
渡辺:左ジャブ、右ストレート、左右フック
クルス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:左ボディフックで2度、クルスがダウン
(感想:デビュー以来、9連続KO勝ちの渡辺。名のある相手と対戦。クルスは元WBA世界フェザー級王者(アイルランドの英雄バリー・マクギガンから王座奪取)。小気味の良いボクシングをする男。よく伸びるジャブ・ストレートを打つクルス。渡辺はやや力んだ感じだが、ジャブをよく出し、強打で押していく。そして、あのクルスがボディでKO負け。わずか2Rで。渡辺は手数が多かった。個人的にはこれが渡辺のベストファイトだと思う。)

ウィルフレド・バスケス 5R TKO 渡辺雄二
(WBA世界フェザー級タイトル戦、1997年)
渡辺:左ジャブ、右ストレート、左右フック
バスケス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:右フック、左フックで2度、渡辺がダウン
5R:右フックで渡辺がダウン
(感想:バスケスがタイトル防衛。ヘナロ・エルナンデスのWBA世界J・ライト級王座に挑戦してTKO負けした渡辺(エルナンデスの懐の深いボクシングを崩せなかった)。ベネズエラのマルコス・ゲバラにも敗北。東洋太平洋フェザー級王座を獲得、防衛して二度目の世界挑戦のチャンスを得た。三階級王者のバスケスはプエルトリコの強打者。あのエロイ・ロハスを粉砕して王座獲得。WBA世界J・フェザー級王者時代には葛西裕一を1RでKOしており、日本でもおなじみ。動きのスピードはそれほど速くはないが、パンチが強いバスケス。渡辺はジャブを使うが、バスケスはディフェンスもできる。2Rのダウン。5R、右フックで渡辺がゆっくりとダウン。立ったがストップされた。バスケスは正確に当てさえすれば相手を倒せる頑丈なコブシの持ち主。渡辺は顎を骨折したという。渡辺はヘナロ・エルナンデスへの挑戦に続いて世界獲りならず。エルナンデスは長身で長いリーチを持っており、相手からすれば「やりにくい」という武器があったが、バスケスなら体格で劣っていないため渡辺には勝つチャンスがある、という期待があった。別格だったバスケスの強さ。渡辺は結局世界王者にはなれなかったが、プロボクシングの魅力である「パワー」を見せてくれた。)

①「Lightweight 
Ueda Ryutaro vs Watanabe Yuji」
②「Japanese Super Featherweight Title
Akagi Takeyuki vs Watanabe Yuji」
③「Super Featherweight 
Steve Cruz vs Watanabe Yuji」
④「WBA World Featherweight Title
Wilfredo Vazquez vs Watanabe Yuji」

ヘナロ・エルナンデス(Genaro Hernandez)のページ
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ウィルフレド・バスケス(Wilfredo Vazquez)のページ

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