2019年12月28日土曜日

ヘナロ・エルナンデス(Genaro Hernandez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

長身のテクニシャン、エルナンデス。ダニエル・ロンダ戦、渡辺雄二戦、ラウル・ペレス戦を紹介します。

ヘナロ・エルナンデス(Genaro Hernandez)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ヘナロ・エルナンデス(アメリカ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)

ヘナロ・エルナンデス 9R TKO ダニエル・ロンダ
(WBA世界J・ライト級王座決定戦、1991年)
エルナンデス:左ジャブ、右ストレート、左フック
ロンダ:左ジャブと右フック
(ダウンシーン)
7R:左フック、右アッパーで2度、ロンダがダウン
9R:右ストレートからの左フックでロンダがダウン
(感想:エルナンデスがタイトル獲得。メキシコ系アメリカ人のエルナンデス。本人によると「ヘナロ」ではなく「ジェナロ」と読むのが正しいとのこと。当時、日本では既に「ヘナロ・エルナンデス」という名で通っていたため、結局、今でも「ヘナロ」と呼ばれている。カリフォルニア州ロサンゼルス出身。兄弟もボクサーだったという。アマチュアで経験を積んでプロ入り。連戦連勝で、ここまで全勝。「帝拳ジム」とプロモート契約をしているため、日本のリングにも上がり、見事なパンチでKO勝利。ファンの前でレベルの高さを見せつけた。ただ、右の拳を痛めることが多く、本来のパワーをフルに出せないのがつらいところ。ロンダはフランスの黒人選手。欧州J・ライト級王座を獲得しているが、ブライアン・ミッチェルが王者だった頃にこの王座(WBA世界J・ライト級王座)に挑戦して15R判定負け。これが二度目の世界挑戦。フランスで行われた試合。共に左ジャブから入るなど似たような戦い方をするが、リーチの長さが違う。エルナンデスの懐に入っていけないロンダはディフェンスされ、強打を喰うばかり。7Rに二度のダウン。9R、右ストレートからの左フックでダウン。エルナンデスが圧勝。最後のダウンを奪ったパンチは「何が当たったか?」と思うぐらい速かった。残念な結果に終わったロンダだが、後にWBO王座を獲得。防衛はできなかったが、ようやく世界王者になれた。)


ヘナロ・エルナンデス 6R TKO 渡辺雄二
(WBA世界J・ライト級タイトル戦、1992年)
エルナンデス:左ジャブ、右ストレート、左フック
渡辺:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:エルナンデスがタイトル防衛。日本で行われた試合。渡辺はここまで全てKO勝ちの「KOキング」。そのパワーと顔立ちで「次期スーパースター候補」といったところ。左ジャブで前に出る渡辺。エルナンデスが左ジャブ、左フックで迎え撃つ。渡辺の攻撃をディフェンスし、長いリーチで器用に接近戦を有利に進めるエルナンデス。打たれる渡辺。鼻血を出し、6Rに連打されたところでレフェリーストップ。ダウンシーンは無し。エルナンデスが身体の長所を生かして快勝。左フックからの左アッパーのコンビネーションは芸術的だった。渡辺のローブローを「ボディが効いた」と観客が勘違いして興奮するシーンもあったが、渡辺の有効打は少な目。懐の深いエルナンデスを攻略することはできなかった。)

ヘナロ・エルナンデス 1R 負傷引分 ラウル・ペレス
(WBA世界J・ライト級タイトル戦、1993年)
(感想:エルナンデスがタイトル防衛。元世界バンタム、J・フェザー級王者のペレスが三階級制覇を狙ってエルナンデスに挑戦。共に背が高いが、ペレスはKOで勝つタイプではない。開始早々、頭をぶつけてペレスが流血。ドクターチェックであっさり試合終了。何とも言えない結果。ただ、頭をぶつけただけだった試合。再戦が行われることに。)

ヘナロ・エルナンデス 8R KO ラウル・ペレス
(WBA世界J・ライト級タイトル戦、1993年)
エルナンデス:左ジャブ、右ストレート、左フック
ペレス:左ジャブと右ストレート
(ダウンシーン)
8R:左ボディフックでペレスがダウン
(感想:エルナンデスがタイトル防衛。再戦。共に長身でジャブ、ストレートを使うタイプだが、エルナンデスの「パワー」「多彩な攻撃」「懐の深さ」によりペレスの攻撃が通用しない。8R、唐突なタイミングでエルナンデスがボディーへ左フック。前のめりにダウンしたペレスは立てなかった。エルナンデスがボディ一発でKO防衛。エルナンデスは右の拳を痛めがちで、この試合も左での攻撃がメインだった。ペレスは背の高さでは負けてはいなかったが、身体全体のパワーではエルナンデスには敵わなかった。その後も防衛を続けたエルナンデスは王座返上。以前からウワサされていたオスカー・デラ・ホーヤとの対戦が実現(WBO世界ライト級王座戦)。それには敗れてしまったが、老雄アズマー・ネルソンに勝利してWBC世界J・ライト級王座獲得。防衛にも成功したが、あのフロイド・メイウェザー・Jrに敗北。もし、エルナンデスの右の拳がもっと頑丈だったら、アレクシス・アルゲリョのような存在になっていたかも知れない。その場合、デラ・ホーヤやメイウェザーはエルナンデスに勝つことができただろうか? エルナンデスはメイウェザー戦後、歴戦のダメージがあることが判明し、引退。引退後はジムでトレーナーをやったり、ボクシング中継の解説をやったりしていたが、難病にかかってしまう。完治せず、2011年、45歳で死去。)

①「WBA World Super Featherweight Title
Genaro Hernández vs. Daniel Londas」
②「WBA World Super Featherweight Title
Genaro Hernández vs. Watanabe Yuji」
③「WBA World Super Featherweight Title
Genaro Hernández vs. Raúl Pérez」
④「WBA World Super Featherweight Title
Genaro Hernández vs. Raúl Pérez」

渡辺雄二(Watanabe Yuji)のページ
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ラウル・ペレス(Raul Perez)のページ

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