2024年6月5日水曜日

ジェームス・スコット(James Scott)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

世界王者レベルのL・ヘビー級。刑務所で行われたエディ・グレゴリー戦、リー・ロイスター戦(再戦)、ドワイト・ブラクストン戦を紹介します。

ジェームス・スコット(James Scott)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ジェームス・スコット(アメリカ)

身長184cm:オーソドックス(右構え)


ジェームス・スコット 12R 判定 エディ・グレゴリー

(L・ヘビー級戦、1978年)

スコット:左ジャブ、右ストレート、左右フック

グレゴリー:左ジャブと左右フック

(感想:黒人スコットはニュージャージー州ニューアーク出身。これまで12勝(7KO)1分の有望選手だが「ワケあり」。強盗で服役中の囚人。刑務所の更生プログラムでボクシングを習ったという。誰が指導したのかは不明だが、なかなか優秀なコーチと弟子。スコットは基本的なパンチの打ち方が良く、パンチにはキレとパワーがある。相手のグレゴリーは28勝(23KO)3敗1分。後(1980年)に世界王座を獲得して「エディ・ムスタファ・ムハマド」に改名する男で、引退後はトレーナーとしても活躍。刑務所で行われた試合。スキンヘッドで見た目が強そうなスコット。ブロックしながらジャブで前に出て、パワフルな右ストレート、左右フック。距離を取りたいグレゴリーはジャブ、クリンチで接近戦での打ち合いを避けようとする消極的な試合ぶり。ボディを攻めるスコットだが、次第にもみ合い、互いにクリンチが多くなる。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。中盤以降はクリンチばかりの凡戦になってしまったが、観客(囚人)はスコットの勝利を大いに喜んでいた。)


ジェームス・スコット 7R TKO リー・ロイスター

(L・ヘビー級戦、1981年)

スコット:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ロイスター:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

3R:左フック(?)でロイスターがダウン

6R:左フックでロイスターがダウン

7R:左フックでロイスターがダウン

(感想:ジェリー・マーチンに初黒星を喫してしまったスコット。これまで18勝1敗1分。ロイスターは36勝12敗2分。スコットの「1分」はロイスター戦でのもので、これは再戦となる。ガードを固めたスタイルから正確なジャブを飛ばすスコット。ロイスターは積極的にパワーで前進。共に速いジャブを打ち、左フックにパワーを込める。3R、左フック(?)でロイスターがダウン。映像ではスリップダウンに見えたが、その後、ロイスターは距離を取って応戦する受け身の姿勢に(相当効いていた?)。4Rにも左フックでロイスターをグラつかせるなど、ジャブ、フックでスコット優勢。6R、左フックでロイスターがうつぶせにダウン。7Rのダウンも左フック。立ったが、右フックで食って後退したところでレフェリーストップ。スコットがパンチの正確さで勝利。ロイスターはなかなかパワフルだったが、3Rのダウン以降は劣勢に。負け数の多さから、この試合だけではなく過去の試合のダメージもあったのかもしれない。その後、敗北を重ねていった。)


ドワイト・ブラクストン 10R 判定 ジェームス・スコット

(L・ヘビー級戦、1981年)

スコット:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ブラクストン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:ブラクストンは「岩石男」のニックネームを持つタフな黒人。後に世界王座を獲得し「ドワイト・ムハマド・カウィ」に改名。この男も強盗で服役した過去。同じような経験を持つ二人の対戦。背は低いが非常に好戦的なブラクストン。ジャブを連打しながら相手を追い掛け、左右フックを叩きつける。スコットは足を使いながらジャブ、右ストレート、ワンツー、左右フック。しかしながら、スコットはブラクストンの精力的な攻めに押され気味で、フットワークが多い。10R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ブラクストンが攻める姿勢で勝利。これが最後の試合となったスコット。囚人であり、本来ならプロと試合することはなかったはず。ボクサーとして良いセンスを持ち、WBAのランキングにも入っていたこともあったようだが結局はここまで。その後、28年の刑期を終え、釈放(2005年)。介護が必要な状態に陥り、2018年に71歳で亡くなった。)


①「Light Heavyweight 

James Scott vs. Eddie Gregory」

②「Light Heavyweight 

James Scott vs. Lee Royster」

③「Light Heavyweight 

James Scott vs. Dwight Braxton」


エディ・ムスタファ・ムハマド(Eddie Mustafa Muhammad)のページ

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ドワイト・ムハマド・カウィ(Dwight Muhammad Qawi)のページ 

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