2020年1月4日土曜日

ドワイト・ムハマド・カウィ(Dwight Muhammad Qawi)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBC世界L・ヘビー級、WBA世界クルーザー級王者。刑務所出身の岩石男、カウィ。マシュー・サアド・ムハマド戦(初戦・再戦)、レオン・スピンクス戦を紹介します。

ドワイト・ムハマド・カウィ(Dwight Muhammad Qawi)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ドワイト・ムハマド・カウィ(アメリカ)
身長170cm:オーソドックス(右構え)

ドワイト・ブランクストン 10R TKO マシュー・サアド・ムハマド
(WBC世界L・ヘビー級タイトル戦、1981年)
ブランクストン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ムハマド:左ジャブと右ストレート
(ダウンシーン)
10R:右ストレートでムハマドがダウン
(感想:ブランクストンがタイトル獲得。ブランクストンはフィラデルフィア出身。兄弟が10人以上いる大家族。犯罪で刑務所へ。そこでボクシングを習い、出所後プロ入り。L・ヘビーにしては背が低く(170cm)、器用な選手という印象はあまり無い。タフネスと左右フック強打でグイグイ攻めるタイプ。王者のムハマドも「過去」のある男。捨て子だった彼は、それにめげずに努力。天才的な素質を持ちながら、「激闘王」と呼ばれるほど身体にダメージを与える激しい試合をする。ジャブ、ストレートで距離を取ろうとするムハマド。タフな「岩石男」ブランクストンはジャブと左右フックで前に出る。ムハマドは文句無しの天才ボクサーであり、この試合でも特に調子が悪かったわけではなかったが、しぶといブランクストンに参ったのか後退していく。ブランクストンがひるむことなく前進し、10R、右ストレートでダウンを奪う。ムハマドは立ち上がったが、連打を喰ったところでセコンドがリングインして試合終了。勢いの差でブランクストンの勝利。しかし、何ともタフなブランクストン。打たれても打たれても倒れない、まさに「岩石男」。ムハマドが絶好調だったとしても勝てたかどうか。ブランクストンはこの試合の後ムスリムになり「ドワイト・ムハマド・カウィ」に改名。)

ドワイト・ムハマド・カウィ 6R TKO マシュー・サアド・ムハマド
(WBC世界L・ヘビー級タイトル戦、1982年)
カウィ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ムハマド:左ジャブと右ストレート
(ダウンシーン)
3R:左フックでムハマドがダウン
(感想:カウィがタイトル防衛。二度目の防衛戦。挑戦者ムハマドは前王者で、これは再戦。初戦はカウィがKO勝ちで王座奪取。ムハマドは「激闘王」などと呼ばれ、これまでかなり激しい試合をしてきた男だが、その分、ダメージも心配される状況。ムハマドの地元フィラデルフィアで行われた試合。両者速いジャブを打ち合う。カウィは左右フック、ムハマドはジャブと打ち下ろすような右ストレートが印象的。しかし、試合は前回の続きのようになっていく。ロープ、コーナーに追い込まれて打たれるムハマド。かつてのムハマドなら打たれても「ニヤリ」と笑って打ち返したものだが、激しいキャリアのダメージが大きいのか、打たれっぱなしに。3Rにダウンを喫し、最後は連打を喰らってレフェリーストップ。カウィがタフネスとパワーで快勝。ムハマドは引退した方がいいと思うような負け方。しかし、この後もリングに上がり続け、ダメージを重ねていく。)

ドワイト・ムハマド・カウィ 6R TKO レオン・スピンクス
(WBA世界クルーザー級タイトル戦、1986年)
カウィ:左ジャブと左右フック
スピンクス:左ジャブと右ストレート
(感想:カウィがタイトル防衛。WBA王者マイケル・スピンクスに統一戦でWBC世界L・ヘビー級タイトルを奪われたカウィ。カムバックしてWBA世界クルーザー級タイトル獲得、二階級制覇。スピンクス戦は初防衛戦。スピンクスは元世界ヘビー級王者。モハメド・アリを破って王座に就いたが初防衛戦でアリに敗北。その後はサッパリ(どうやらオリンピック金メダル、世界ヘビー級王座を獲得して、「もうこれ以上のことはやりようがない」と思うほど満足したのだと思われる)。カウィとしては兄のレオンを負かすことでマイケルに敗れた雪辱を果たすことができるかどうか、といったところ。カウィがいきなり攻める。左右フックでスピンクスをロープ際、コーナーに押し込んで連打。スピンクスはジャブで応戦するが押されっぱなし。6R、打たれ続けるスピンクスをレフェリーが救った。ダウンシーンは無し。元々ヘビー級で、しかも王者になったことがあるレオンが階級を下げて挑戦したが、相手のパワーに押されて敗北(元々ヘビー級の選手が階級を下げて挑戦するのは珍しいと思う。他にもこういう試合があっただろうか? ボブ・フィッシモンズがミドル級、ヘビー級、ライトヘビー級の順に王者になったことはあるが)。しかし、勝ったカウィもここまで。「新しい時代」の到来。イベンダー・ホリフィールド。ホリフィールドに判定で王座を追われ、再戦ではKO負け。ヘビー級にも挑戦したが、ジョージ・フォアマンに重いジャブを「ドカンドカン」と打たれ、ギブアップ負け。ホリフィールド戦後、世界王座に返り咲くことはなかったが、WBCの米大陸王座を獲得するなど、クルーザー級で活躍し続けた。)

①「WBC World Light Heavyweight Title       
Matthew Saad Muhammad vs. Dwight Braxton」
②「WBC World Light Heavyweight Title       
Dwight Muhammad Qawi vs. Matthew Saad Muhammad」
③「WBA World Cruiserweight Title       
Dwight Muhammad Qawi vs. Leon Spinks」

マシュー・サアド・ムハマド(Matthew Saad Muhammad)のページ
---------------
マイケル・スピンクス(Michael Spinks)のページ
---------------
レオン・スピンクス(Leon Spinks)のページ

0 件のコメント:

コメントを投稿