ジョージ・フォアマン(アメリカ)
身長192cm:オーソドックス(右構え)
①ジョージ・フォアマン 2R KO ケン・ノートン
(世界ヘビー級タイトル戦、1974年)
フォアマン:左ジャブと左右フック
ノートン:左ジャブ
(ダウンシーン)
2R:右アッパーの連打、右フック、左フックで3度、ノートンがダウン
(感想:テキサス出身のフォアマン。横幅がガッチリしており、相手からすると威圧感を覚える体格。少年時代はだらけていたらしいが、「コレではイカン」とばかりに努力。1968年のメキシコオリンピックではゴツゴツしたパンチで金メダル獲得(ヘビー級)。プロ転向。北米ヘビー級王座を獲得するなど、連戦連勝でKOの山を築く。対戦相手は「勝てる相手」が多かったようだが、「倒すコツ」を掴んでいった。そして全勝のままジャマイカのキングストンでジョー・フレージャーを粉砕し、王座獲得。初防衛戦は東京。ジョー・キング・ローマンを丸太ん棒のようなパンチで圧殺。二度目の防衛戦はベネズエラのカラカス。相手のノートンは「モハメド・アリのアゴを割った男」。番狂わせでアリを破ったが、再戦では判定負け。フォアマン戦はその再起戦にあたる。フォアマンが左ジャブと左右フックで荒っぽく圧力をかける(攻め方が雑な印象)。ノートンは後半に勝負をかけるつもりなのか、距離を取りながらフリッカージャブを使い、下がる一方。2R、フォアマンの強打炸裂。ノートンが三度ダウンして終了。結局、フォアマンが腕力にものを言わせて左フックでなぎ倒して勝利。ジャブだけであのノートンを追い込む、凄まじいパワーを見せた。また、ノートンが低い姿勢で戦うスタイルだったのも、フォアマンからすれば強打を当てやすく、好都合だった。)
(ヘビー級10回戦、1990年)
フォアマン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
クーニー:左ジャブ
(ダウンシーン)
2R:左ストレート、右ストレートで2度、クーニーがダウン
(感想:1974年10月30日、ザイールのキンシャサで元王者モハメド・アリと三度目の防衛戦を行ったフォアマン(70年代のフォアマンの世界戦は全て米国外。なぜ国内で防衛戦をしなかったのだろう?)。アリに敗れ、全てが終わったかのような状態に。引退したが牧師としての活動資金を得るため、10年ぶりにカムバック。無名、格下の相手をKOしながらビッグマネーを得られる試合を目指す状況。クーニーは「ホワイト・ホープ(白人の希望)」と呼ばれた男。黒人が優勢な世界ヘビー級で世界王座を獲るかもしれない、と期待されたのは遠い昔。ラリー・ホームズ、マイケル・スピンクスに負けたということではなく、集中力に欠けたような態度で負けたのが問題。アトランチックシティで行われた一戦。またしてもクーニーはやる気があるのか無いのか分からないような試合ぶり。左ジャブで距離を取ろうとする。フォアマンは正確なジャブと体重を乗せた重いパンチ。2R、連打からの左ストレートでクーニーがダウン。最後は強烈。左アッパーで動きが止まったクーニーに強烈な右ストレート。フォアマンが豪快なKO勝ち。クーニーは「もう引退した方がいい」と思うような倒され方だった(これで引退)。)
(WBA・IBF世界ヘビー級タイトル戦、1994年)
フォアマン:左ジャブ、右ストレート
モーラー:右ジャブ、左ストレート
(ダウンシーン)
10R:右ストレートでモーラーがダウン
(感想:フォアマンがタイトル奪回。王座に返り咲きたいフォアマン。しかし、統一世界ヘビー級王者イベンダー・ホリフィールドに判定負け。空位のWBO王座を懸けた試合ではトミー・モリソンに判定負け。ホリフィールドを番狂わせで破ったモーラーに挑戦。モーラー戦はモリソン戦の再起戦でもある。モーラーはヘビー級では珍しいサウスポー。これまで全勝でKO勝ちが多く、元WBO世界L・ヘビー級王者でもある二階級制覇王者であるが、元々の打たれ弱さもあり、ヘビー級ではダウンを喫したりする厳しい試合も。ラスベガス「MGM Grand」で行われた一戦。右ジャブ、左ストレートを器用に当てるモーラー。フォアマンはジャブ、右ストレートで応戦。モーラーがジャブを使いながら、細かい連打を時折ヒットさせる。フォアマンのパンチはなかなか当たらない。このまま判定になればモーラーの勝ちになっていたところだったが、10R、左ジャブからの右ストレートでモーラーがダウン、KO。フォアマンが奇跡の王座奪回。そのフィニッシュシーンは世界を驚かせた。結局、L・ヘビー上がりのモーラーにとってはフォアマンの打たれ強さとパンチ力は「ヘビー級の厚い壁」だったということか(「パウンド・フォー・パウンド」というものがあるが、ヘビーにはヘビーの、バンタムにはバンタムの戦い方があり、軽量級の理屈はヘビーには通用しない。「一番強いボクサー」はやはりヘビー級から選ぶべきだ)。王座を奪回したフォアマン。その後は日本で試合したり、マイナー団体の王座戦に出場したり。最後はシャノン・ブリッグス(後、WBO王座獲得)に判定負け、引退(1997年)。70年代に終わったと思われた男が最終的に1997年までリングに上がった。元々「象をも倒すパンチ」と言われたほどのパワーと体格を持っていたフォアマンだからこそできたことではないかと思われる。)
George Foreman vs. Ken Norton」
②「George Foreman vs. Gerry Cooney」
③「WBA・IBF World Heavyweight Title
Michael Moorer vs. George Foreman」
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