ケン・ノートン(アメリカ)
身長191cm:オーソドックス(右構え)
①ケン・ノートン 5R TKO ジェリー・クォーリー
(北米ヘビー級王座決定戦、1975年)
ノートン:左ジャブと左右フック
クォーリー:左右フック
(感想:ノートンがタイトル獲得。イリノイ州ジャクソンビル出身のノートン。高校、大学ではフットボールで活躍。その後、海兵隊に入隊し、ボクシングを始める。アマチュアではタイトルも獲得し、プロ入り(「ボクサーになっていなかったら教師か警官になるつもりだった」と語っていたとか)。連戦連勝で、あの有名な「アリのアゴを割った試合」。これで名を上げたが、アリとの再戦に惜敗。ジョージ・フォアマンの世界ヘビー級王座への挑戦は惨敗。後に映画「マンディンゴ」にも出演。そういった経歴からニックネームは「The Black Hercules」「The Jaw Breaker」「The Fighting Marine」と複数。クォーリーはタフな白人選手。器用さに欠けるため、ジミー・エリス、ジョー・フレージャーとの世界戦では敗北。アリのカムバック戦の相手を務めたが敗戦している。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」で行われた一戦。クォーリーはいきなり左フックを打つなど粗い試合運び。ノートンを左右フックでロープ際に追い込むシーンもあったが、ノートンの強打を続けて喰い、5R、レフェリーにストップされた。ダウンシーンは無し。ノートンはフォアマンに惨敗後、これで三連勝。クォーリーのような白人選手はタフだがディフェンスが下手なことが多い。打たれ強さを過信しているのかも知れない。後、クォーリーはパンチの後遺症で亡くなった。)
(世界ヘビー級タイトル戦、1976年)
ノートン:左ジャブと左右フック
アリ:左ジャブと右ストレート
(感想:アリがタイトル防衛。フォアマンから王座を奪回したアリ。体重が増え、かつてのような動きの速さは落ちてきているが、王座を防衛中。ノートンはフォアマンには惨敗したが、アリとは相性が良い。ノートンがアリと戦うのはこれで三度目。初戦ではアリがアゴを割られ、再戦ではアリが勝ってこれまで一勝一敗。ニューヨーク「ヤンキースタジアム」で行われた一戦。アリはパワーが落ちた。ジャブでノートンを止められない。腕をぐるぐる回したり、観客にアピールしたりしながら、ジャブ・ストレート・クリンチでしのごうとする。ノートンは叩きつけるような左右フックで前に出る。アリがいつもの「フットワーク&ジャブ」を使うが、ノートンが大きなフックでアリの動きを止めてしまう。ノートンが押し気味に試合を進め、最終ラウンド終了時には「自分が勝った」といった感じで叫ぶ。アリが3-0で防衛(ダウンシーンは無し)。判定のアナウンスに頭をかかえるノートン。パワーでは勝っていたのに負けてしまった。ノートンは相手を見てしまって手数が少なくなる欠点がある。そうやって休んだ分、ジャッジはアリのジャブを評価することになってしまったのではないか? これは世界ヘビー級タイトル戦。しかも相手はモハメド・アリ。逃がした魚はあまりにも大きかった。)
(世界ヘビー級王座挑戦者決定戦、1977年)
ノートン:左ジャブと左右フック
ヤング:左ジャブと右ストレート
(感想:ノートンにとって重要な試合。勝てば世界挑戦。ヤングはモハメド・アリの世界王座に挑戦したこともあるボクサータイプの選手。ラスベガス「シーザースパレス」で行われた一戦。リングサイドで世界王者のアリが観戦。ノートンが左右フックで前に出て、ヤングがジャブ・ストレートで応戦する展開。ヤングは良いストレートを打つが、自分からはあまり攻めない。ノートンが前に出ればヤングが下がる、というパターンが多い。判定は2-1でノートン。ダウンシーンは無し。ヤングはせっかく良いストレートを持っているのにもったいない負け方をした。ここぞという時に攻めない選手は世界王者にはなれない。この試合の後、アリがレオン・スピンクスにまさかの敗北。スピンクスがアリとの再戦を選んだため、WBCはスピンクスのタイトルを剥奪してノートンに与えた(世界ヘビー級王座がWBAとWBCに分裂。マイク・タイソンがジェームス・スミスを下すまで分裂状態が続いた)。その王座は初防衛戦でラリー・ホームズに奪われた。ビジネスマンとしても活躍したノートン。しかし、引退後に交通事故。身体の不調に悩まされ、70歳で死去。人間としてもボクサーとしても起伏が激しい人生だった。)
(良いストレートを生かすことができずに世界王者になれなかった男。記録を調べてみた。アーニー・シェイバース、モハメド・アリ、オジー・オカシオ、マイケル・ドークス、ゲリー・クーニー、グレグ・ペイジ、トニー・タッブス、トニー・タッカーに負け、ロン・ライル、ジョージ・フォアマンに勝っている。ファイタータイプではなくボクサータイプだったため、パワー負けすることが多かった印象。)
Ken Norton vs. Jerry Quarry」
②「World Heavyweight Title
Muhammad Ali vs. Ken Norton」
③「Heavyweight
Ken Norton vs. Jimmy Young」
ジェリー・クォーリー(Jerry Quarry)のページ
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ジョージ・フォアマン(George Foreman)のページ
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モハメド・アリ(Muhammad Ali)のページ
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