ジェリー・クォーリー（Jerry Quarry）「世界の強豪ボクサー：ボクシング・ブログ」

アリ、フレージャーら有名選手と戦ったタフなヘビー級、クォーリー。ジミー・エリス戦、ジョー・フレージャー戦（初戦）、モハメド・アリ戦（初戦）を紹介します。

ジェリー・クォーリー（アメリカ）

身長183cm：オーソドックス（右構え）

①ジミー・エリス 15R 判定 ジェリー・クォーリー

（WBA世界ヘビー級王座決定戦、1968年）

クォーリー：左ジャブ、右ストレート、左フック

エリス：左ジャブと右ストレート

（感想：エリスがタイトル獲得。カリフォルニア出身のクォーリー。ニックネームは「The Bellflower Bomber」（「Bellflower」はロサンゼルスにある町）。5歳でボクシングを始める。アマチュアの大会で優勝したことも。プロ入り。ロサンゼルスでデビュー（勝利）。無敗を続けたがエディ・マッチェン（当時の実力者）に判定負け、初黒星。フロイド・パターソンと引き分け、再戦で勝利。そしてこの王座戦。エリスはモハメド・アリと同じケンタッキー州ルイビル出身の選手。アリとは親友で、スパーリングをしたこともある。カリフォルニアでの試合。ファイタータイプのクォーリー。ジャブを使わずにいきなり左フックを当てようとする。エリスは左のガードを下げた構えからジャブを打ち、右ストレートが速く、強い。クォーリーは前に出るが、ジャブを使わないため空振りが多い。エリスがジャブを出すだけでポイントを取っている印象。判定は意外にも２－０。ダウンシーンは無し。リングサイドのジャッジにはクォーリーの左フックが効果的に見えたらしい。）

②ジョー・フレージャー 8R TKO ジェリー・クォーリー

（ニューヨーク州公認世界ヘビー級タイトル戦、1969年）

クォーリー：左ジャブ、右ストレート、左右フック

フレージャー：左ジャブと左右フック

（感想：フレージャーがタイトル防衛。エリス戦後、連勝のクォーリー。バスター・マシスを下して二度目の王座戦。王者フレージャーは東京オリンピック金メダリスト。プロ入り以来全勝で、バスター・マシスを決定戦で下してこの王座を獲得。これが四度目の防衛戦となる。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン」での一戦。共にファイタータイプで左フックが自慢。開始からフックで接近戦。一歩も引かない打ち合い。次第にクォーリーが押され気味に。ひたすら前進するフレージャー、ジャブとストレートで応戦するクォーリー。7R終了でクォーリーが棄権。キズが原因らしい。ダウンシーンは無し。同じようなファイター同士の対決だったため、かなりかみ合った試合になり、エキサイティングだった。負けてとっても悔しそうな表情のクォーリー。エリス戦とは違ってジャブ、ストレートをよく打っていただけに残念。フレージャーは次の試合でWBA王者エリスを倒して統一王者に。）

③モハメド・アリ 4R TKO ジェリー・クォーリー

（ヘビー級戦、1970年）

クォーリー：右ストレートと左フック

アリ：左ジャブ、右ストレート、左フック

（感想：クォーリーが大物と対戦。社会的な注目を集めた試合。ベトナム戦争の兵役を拒否してブランクを作ってしまったアリが復帰。アリは白人社会から目の敵にされているため、「黒人の町」でもあるジョージア州アトランタで試合が行われることに。軽快なフットワークからキレのあるジャブ、ストレートを飛ばすアリ。クォーリーの左フック、右ストレートは当たらない。3R終了でクォーリーが棄権。キズによるもの。ダウンシーンは無し。スピードがあったアリ。パワーもあった。クォーリーはどうやらアウトボクサーが苦手の様子。フレージャーのように「同じように打ち合ってくれる相手」じゃないといい試合にならない。しかしながらフレージャー、アリのパンチを食っても倒れなかったタフネスは見事なものだった（後のフレージャーとの再戦ではボディで倒されてしまったが）。名のある相手と試合したこととそのタフネスのため、クォーリーは世界チャンピオン並に記憶に残るボクサーとなった。しかしながら、悲しい人生。引退したが金銭的な理由でカムバック、敗北。「世界ボクシング殿堂」入りの名誉を得ると同時にボクシングの後遺症に悩まされた。介護が必要な状態になり、1999年、53歳で死去。ボクシングはエキサイティングなものであるため、いつの時代も人々を熱狂させてきたが、引退後、つらい状況で晩年を過ごすボクサーは多い。）

①「WBA World Heavyweight Title

Jimmy Ellis vs. Jerry Quarry」

②「NYSAC World Heavyweight Title

Joe Frazier vs. Jerry Quarry」

③「Heavyweight 

Muhammad Ali vs. Jerry Quarry」

モハメド・アリ（Muhammad Ali）のページ

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ジョー・フレージャー（"Smokin'" Joe Frazier）のページ