パナマスタイルでWBA世界S・ミドル級王座を獲得したコルドバ。クリストフ・ティオゾ戦、マイケル・ナン戦(初戦・再戦)を紹介します。
ビクトル・コルドバ(パナマ)
身長185cm:サウスポー
①ビクトル・コルドバ 9R KO クリストフ・ティオゾ
(WBA世界S・ミドル級タイトル戦、1991年)
コルドバ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ティオゾ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
9R:フック連打でティオゾがダウン
(感想:コルドバがタイトル獲得。WBA1位コルドバはスラリとして背が高い。しかもサウスポー。相手からすれば懐が深くてやりにくいタイプ。プロデビューは1981年。WBAの地域王座を獲得したが、南米では対戦相手がいないため丸一年以上ブランクを作るなど、無駄に過ごした時間が長い。主戦場をベルファストに移し、そしてフランスで二連勝。この世界挑戦のチャンスを得た。ティオゾはフランスのスター。ロス五輪ではライトミドル級で銅メダル。WBA世界S・ミドル級タイトルは韓国の白仁鉄を地元で破って獲得したもので、これまで全勝。フランス・マルセイユでの一戦。ティオゾがジャブ、ストレートで前に出る。ジャブを使いながらカウンターを取るコルドバ。2R、左ストレートのカウンターでグラつくティオゾ。その後もティオゾが攻めていったところをカウンターされるパターン。コルドバがディフェンスして相手の隙を突く。9R、ロープ際でティオゾを滅多打ち。ダウンと同時にレフェリーストップ。序盤から打たれていたティオゾは動きのスピード・キレに欠けていた。この試合でのコルドバの戦い方。サウスポースタイルでディフェンスしながら相手に攻めさせて隙をつく、というもの。どこかで見たことがあると思ったら、イラリオ・サパタ、(山中慎介と戦った)アンセルモ・モレノと同じスタイル。パナマ人ボクサーが得意とする戦法だった。)
②マイケル・ナン 12R 判定 ビクトル・コルドバ
(WBA世界S・ミドル級タイトル戦、1992年)
コルドバ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ナン:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
10R:左ストレートでナンがダウン
(感想:ナンが二階級制覇。ビンチェンツオ・ナルディエロを相手に初防衛に成功したコルドバ(ナルディエロは後、WBC世界S・ミドル級王者に)。ラスベガス「Thomas & Mack Center」で二度目の防衛戦。挑戦者ナンは元IBF世界ミドル級王者でWBA1位。共に背が高いサウスポー。コルドバがパワーを乗せた打ち方で、左ストレート、左右フックを力強く打っていく。ナンはいつものように軽い連打。フックでボディを叩くコルドバ。2Rにはコルドバの左ストレートがヒット。10R、実に見事なタイミングの左ストレートでナンがダウン。その後、これまでパワー全開で攻撃してきたコルドバはさすがに疲れたのか、ナンの連打を浴びる。判定は2-1。勝利に喜ぶナンだが、コルドバは判定に不満そう。ナンが優勢のラウンドもあったが、パワーはコルドバの方があった。しかもダウンを奪っている。納得できないのは当然だろう。)
(WBA世界S・ミドル級タイトル戦、1993年)
コルドバ:右ジャブ、左ストレート、右フック
ナン:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:連打、左ストレートで2度、コルドバがダウン
(感想:ナンがタイトル防衛。テネシー州メンフィスでの再戦(ダイレクト・リマッチ)。初戦とは違ってカウンター狙いのコルドバ(WBA1位)。ティオゾ戦のときのような試合運び。ナンはディフェンスしながら連打。2R、左を食ってグラついたコルドバが連打を浴びてダウン。左ストレートで再びダウン。コルドバはジャブは悪くないが、1Rからローブローを連発し、マズイ試合ぶり。11R、濡れた青コーナー付近で滑ってバランスを崩すナン。チャンスとばかりに攻めたコルドバが滑って転倒。そしてまたローブロー。判定は3-0。コルドバは初戦のときのような積極さに欠けていた上にローブロー。反則負けでもよかったぐらいのひどさ(ナンより強いパンチを持っているのにもったいない)。これが最後の世界戦となったコルドバ。その後、ブランクを作りながら数試合やって引退。)
Christophe Tiozzo vs. Victor Cordoba」
②「WBA World Super Middleweight Title
Victor Cordoba vs. Michael Nunn」
③「WBA World Super Middleweight Title
Michael Nunn vs. Victor Cordoba」
クリストフ・ティオーゾ(Christophe Tiozzo)のページ
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マイケル・ナン(Michael Nunn)のページ
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