2021年4月9日金曜日

イラリオ・サパタ(Hilario Zapata)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

J・フライ級とフライ級で世界二階級制覇のパナマ人、サパタ。ジョーイ・オリボ戦、穂積秀一戦、ドディ・ボーイ・ペニャロサ戦を紹介します。

イラリオ・サパタ(Hilario Zapata)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

イラリオ・サパタ(パナマ)

身長169cm:サウスポー

イラリオ・サパタ 14R TKO ジョーイ・オリボ

(WBC世界J・フライ級タイトル戦、1981年)

サパタ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

オリボ:左ジャブ、右ストレート、左フック

(感想:サパタがタイトル防衛。パナマシティ出身のサパタ。「軟体動物」と呼ばれたほど柔軟な動きだった男。子供の頃はケンカ好き。あのロベルト・デュランからボクシンググローブをプレゼントされたこともあるとか。プロデビュー以来、実力者と対戦。五戦目でファン・グスマン(具志堅用高に王座を奪われた男)に判定勝ち。七戦目でアルフォンソ・ロペス(元WBA世界フライ級王者)に敗北、初黒星。10戦目でフレディ・カスティーリョ(後、WBC世界フライ級王者に)に判定勝ち。12戦目で中島成雄を判定で下し、WBC世界J・フライ級王座を獲得。これが五度目の防衛戦となる。相手は後にWBA世界J・フライ級タイトルを獲得するオリボ(アメリカ)。左右の構えの違いはあるが、共にスラリとして背が高く、シャープなパンチを打ち、ディフェンスもできる者同士の一戦。試合地はパナマシティ。会場ではサパタと同じパナマのロベルト・デュラン、エウセビオ・ペドロサが観戦。手数が多い打ち合い。しかし、オリボの右ストレートは空振りが多い。ボディを叩くサパタ。13R終了でオリボが棄権。キズが原因か? ダウンシーンは無し。この二人には大きな実力の差は無かったと思うが、打ち合いの中でちょこっと当てる巧さがサパタにはあった。この当時の世界戦は15R制。共にハイパースでスピーディーなパンチを多く出した(かなりのスタミナ)。オリボが後に王者になったのも当然、と思うようなレベルの高い試合だった。)


イラリオ・サパタ 15R 判定 穂積秀一

(WBA世界フライ級タイトル戦、1986年)

サパタ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

穂積:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

13R:左ストレートで穂積がダウン

(感想:サパタがタイトル防衛。オリボ戦後も王座を守り続けたサパタだが、アマド・ウルスアに「ドカン」とやられ、王座陥落。ウルスアを破った友利正から王座を奪回したが、今度は張正九に王座を追われた。サントス・ラシアルのWBA世界フライ級王座への挑戦は判定負け。王座決定戦で同王座獲得。穂積戦は二度目の防衛戦。挑戦者の穂積はWBA7位。サントス・ラシアルが王者だった頃にもこのタイトルに挑戦したことがある(2回KO負け)。これまで28勝(8KO)3敗。日本で行われた試合。サパタがジャブ、ストレートを基本として、1Rから左右フックで力強いところを見せる。穂積は接近して連打するが、サパタはディフェンス。ジャブで先手を取るサパタはボディも攻める。13R、左ストレートがカウンターとなって穂積がダウン。判定は3-0。一生懸命攻めた穂積。右ストレートは悪くなかったが、ディフェンスされて空転。またしてもサパタにしてやられた日本ボクシング界。しかしサパタはかなりの実力者。後に活躍するパーネル・ウィテカーばりの防御力を持っていた。)


イラリオ・サパタ 15R 判定 ドディ・ボーイ・ペニャロサ

(WBA世界フライ級タイトル戦、1986年)

サパタ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

ペニャロサ:右ジャブ、左ストレート、左右フック

(感想:サパタがタイトル防衛。フィリピンでの三度目の防衛戦。挑戦者ペニャロサ(フィリピン)はIBF世界J・フライ級王者で、かなりのハードパンチャー。サウスポー同士の一戦。共に速いジャブからのストレート。強打で前にでるペニャロサ。サパタはフットワークとジャブ。ディフェンシブなサパタ。ペニャロサのパンチは空を切る。サパタは足を止めて打ち合いに応じるなど、力強いところも見せる。ジャブで左目が腫れるペニャロサ。判定は3-0。サパタのジャブが評価されたか。ダウンシーンは無し。サパタには「テクニシャン」というイメージがあるが、かなりのパワーを持ったファイター。速いパンチをビシビシ叩き込む姿は迫力があった。ペニャロサは負けたが、後にIBF世界フライ級タイトルを獲得して二階級制覇。その後も王座を防衛し続けたサパタだが、フィデル・バッサに敗北、王座陥落。リングに上がり続けたが世界王座返り咲きならず。ラストファイトは韓国。ソウルで文成吉のWBC世界J・バンタム級王座に挑戦して、何と1RでKO負け。全盛を過ぎており、文はハードパンチャーであるため、この結果は驚くようなものではないかもしれないが、日本人ボクサーが勝てなかったサパタを韓国人は攻略した、というのは何か差を付けられたような気分になってくる。どちらかと言うと地味な選手だったサパタ。実力を評価され、引退後「国際ボクシング殿堂」入りを果たした。)

①「WBC World Light Flyweight Title

Hilario Zapata vs. Joey Olivo」

②「WBA World Flyweight Title

Hilario Zapata vs. Hozumi Shuichi」

③「WBA World Flyweight Title

Hilario Zapata vs. Dodie Boy Penalosa」

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