レオン・スピンクス（Leon Spinks）「世界の強豪ボクサー：ボクシング・ブログ」

 「アリを破った男」レオン・スピンクス。モハメド・アリ戦（初戦）、アルフレド・エバンヘリスタ戦、ホセ・リバルタ戦を紹介します。

レオン・スピンクス（アメリカ）
身長185cm：オーソドックス（右構え）

①レオン・スピンクス 15R 判定 モハメド・アリ
（世界ヘビー級タイトル戦、1978年）
スピンクス：左ジャブと左右フック
アリ：左ジャブと右ストレート

（感想：スピンクスがタイトル獲得。スピンクスは「兄弟ボクサー」（弟マイケルは世界Ｌ・ヘビー、ヘビーの二階級制覇王者）。ミズーリ州セントルイス出身。いわゆる「ゲットー」で育ったスピンクス兄弟。ボクシングで劣悪な環境から脱出しようと試みる。アマチュアで優秀な成績。1976年のモントリオールオリンピックではライトヘビー級で金メダル。プロ入り後はこれまで無敗（一つの引き分け）。といってもこれまで七試合しか経験しておらず、「グレーテスト」アリに挑戦するにはまだ早い、という印象。ラスベガスで行われた一戦。1R開始早々、ジャブと左右フックでアリを押しまくるスピンクス。アリは両腕を高く上げてガードしたり、ジャブで距離を取ろうとするがスピンクスを止めることができない。しかもスピンクスは伸びのあるジャブを打ち、ジャブの打ち合いでもアリに負けていない。最終ラウンドも激しく打ち合って15R終了。ダウンシーンは無し。２－１でスピンクス。アリも打ち返していたがパワーが無かった。ケン・ノートンも同じように世界戦でアリを攻めたことがあったが手数が少なくなる場面もあって、アリが何とか判定でタイトルを防衛したが、スピンクスは最初から最後まで攻め続けた。２－１は意外な感じもする。スピンクスはオリンピックで金メダルを獲得。プロでアリを破って世界ヘビー級タイトルを獲得。ボクサーが夢見る「最高のもの」を手に入れて大満足だっただろう。）

②レオン・スピンクス 5R KO アルフレド・エバンヘリスタ
（ヘビー級、1980年）
スピンクス：左ジャブと左右フック
エバンヘリスタ：左ジャブと左右フック
（ダウンシーン）
5R：右フックでエバンヘリスタがダウン

（感想：アリとの再戦でイマイチな負け方をしたスピンクス。再起戦では南アフリカのゲリー・コーツィー（後、WBA王者に）に1RでKO負け。これが再起戦。エバンヘリスタはスペインの選手。欧州ヘビー級王座を獲得するなど、ヨーロッパでは実力者ではあるが、モハメド・アリ、ラリー・ホームズの世界王座への挑戦は失敗に終わっている。アトランチックシティで行われた一戦。スピンクスが積極的に攻め、エバンヘリスタが応戦。エバンヘリスタはパンチの打ち方は粗いが、大きく振るうフックには迫力がある。「レオン・スピンクス」と言えばアリに勝った試合でも有効だった「斜め上から叩きつける右フック」。5R、そのパンチがヒットし、エバンヘリスタはダウン。立てなかった。「パワーはもう一つ」という評価のスピンクスが珍しく力強いKO勝ち。エバンヘリスタはタフな選手だが、相手の一番得意なパンチを喰ってしまった。）

③ホセ・リバルタ 1R KO レオン・スピンクス
（ヘビー級、1987年）
スピンクス：左ジャブと左右フック
リバルタ：左ジャブと左右フック
（ダウンシーン）
1R：左フック、左フック、連打で３度、スピンクスがダウン

（感想：アリに負けて以来、サッパリのスピンクス。エバンヘリスタ戦のように良い勝ち方をした試合もあったが、ラリー・ホームズのWBC王座に挑戦した試合では「ドカンドカン」打たれて3RでTKO負け。階級を下げてドワイト・ムハマド・カウイのWBA世界クルーザー級王座に挑戦したときは押しまくられてストップ負け。そしてこのリバルタ戦。リバルタは長身のキューバ人。マイク・タイソンに負けたことがあるが、実力はある（最終的に名のある選手と多く試合。世界王者にはなれなかったが、充実したキャリアだったのでは？）。マイアミで行われた一戦。スピンクスが先制攻撃。リバルタが応戦。リバルタは長いリーチで大きな左フックを豪快に打つ。最初のダウンが効いて、スピンクスが立て続けにダウン（最後のダウンはアッパーからのストレート）。スピンクスが惨敗。彼はこういう負け方をすることがよくあったが、勝っても負けても逃げたりせずに前に出て行こうをする姿勢は勇敢で立派だった（と思う）。この後もリングに上がり続けたスピンクス。二線級の相手に勝ったり負けたり。引退後は破産したり、試合の後遺症に悩まされたり。最期はガンで死去（67歳）。息子コーリーが世界チャンピオンになる嬉しい出来事もあったが、レオンは「破滅型」の人生だった。）

レオン・スピンクス
（「アリに勝った男」で客を呼ぶことができた選手。それ以外の試合を調べてみた。モハメド・アリとは一勝一敗。ラリー・ホームズ、カルロス・デ・レオン、ドワイト・ムハマド・カウイ、ランドール・コッブ、と名のある相手には負けている。）

①「World Heavyweight Title       
Muhammad Ali vs. Leon Spinks」       
②「Heavyweight 　　　　　　　　　
Leon Spinks vs. Alfredo Evangelista」
③「Heavyweight 　　　　　　　　　　　　　
Leon Spinks vs. Jose Ribalta」 

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