コンスタンチン・チュー(ロシア)
身長170cm:オーソドックス(右構え)
①コンスタンチン・チュー 6R TKO ジェイク・ロドリゲス
(IBF世界J・ウェルター級タイトル戦、1995年)
チュー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ロドリゲス:右ジャブと左ストレート
(ダウンシーン)
1R:右フックでロドリゲスがダウン
6R:右フック、連打、右フック、右フックで4度、ロドリゲスがダウン
(感想:チューがタイトル獲得。ロシア出身のチュー(綴りは「Tszyu」。「ズー」「ジュー」とも読むらしい)。子供の頃からパワフルで父親がボクシングジムに彼を連れていったのが始まり。アマチュアで優秀な成績。シドニーで行われた大会がキッカケでオーストラリアに移住。プロ入り後は全勝。ファン・ラポルテ、サミー・フエンテス、リビングストン・ブランブルといった相手に勝利している。サウスポーのロドリゲスはチャールズ・マレーを番狂わせで破って王者になった男で、これが三度目の防衛戦となる。ラスベガス「MGMグランド」で行われた一戦。リングサイドではジェームス・トニー、リディック・ボウが観戦。1R、独特のファイトスタイルのチュー。フットワークを使うこともなく、ジリジリと相手を強打で追い詰める。ロドリゲスがいきなりの右フックを食ってダウン。その後、パンチがあまりないロドリゲスはダウンのダメージもあって腰が引けた感じに。動きが乏しいチューにロドリゲスのジャブ、ストレートが当たるシーンもあったが、最後はまるで公開処刑のようにロドリゲスが打ちのめされて試合終了。腕っぷしが強いチュー。こういう足をあまり使わないタイプは珍しい(とても古い時代の選手の映像を見ているようだった)。)
(WBC世界J・ウェルター級王座決定戦、1999年)
チュー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ゴンザレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:チューがタイトル獲得。ゴンザレスはWBC世界ライト級王座を10回も防衛したメキシカン。日本で「東京三太」のリングネームで試合をしたこともある。オスカー・デラ・ホーヤに判定負け、フリオ・セサール・チャベスと引き分け。勢いのある状態ではない。チューはロドリゲスから奪ったIBF王座を防衛し続けたが、ビンス・フィリップスの強打に王座陥落。巻き返しを図っている最中。マイアミで行われた一戦。ジリジリと強打で前に出るチュー。チューの強打を警戒してジャブで距離を取ろうとするゴンザレスは打ち合いを避けるためクリンチが多い。さらにクリンチの際にチューの後頭部を打ったり、ローブローを打ったり。チューに肩をぶつけて減点(4R)。右の強打でグラつくゴンザレス(5R)。チューの強打にほとんど何もできず、最後はゴンザレスのセコンドが棄権を申し入れた(ように映像では見えた)。ダウンシーンは無し。チューが強打で圧倒。リングに上がってはじめてわかる相手の強さ。世界王座を10回も防衛した選手でも強い相手にはこんな試合をやってしまうのか、という印象が残った。)
(WBC世界J・ウェルター級タイトル戦、2000年)
チュー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
チャベス:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
6R:右ストレートでチャベスがダウン
(感想:チューがタイトル防衛。かつては全勝で、ボクシング界の頂点にいたチャベス。できれば全盛を過ぎてまでリングに上がってほしくないところ。アメリカ・フェニックスで行われた試合。1Rから打撃戦。いつものファイトスタイルのチュー。チャベスは少し強引で、体とパンチのキレが無い。6R、右ストレートでチャベスがヒザを着くダウン。ロープ際での連打でレフェリーストップ。チャベスは引退すべきだ、と思うような内容。二線級の相手なら勝てるだろうが、トップクラスとやるのは危険すぎるコンディションだった。ボクシング界にはこういう試合がよくある。古くは「ジョー・ルイス vs. ロッキー・マルシアノ」「モハメド・アリ vs. ラリー・ホームズ」など。名のあるベテランを若手が倒して新旧交代を印象づけるパターン。興行的には良いかも知れないが、打たれるばかりの選手のダメージを考えると、ファンが「NO」と言うべき試合。チューはその後も勝ち続け、WBA・WBC・IBFの統一王者に。最後の試合は2005年。マンチェスターでリッキー・ハットンに敗北、王座陥落。「腕っぷしが強ければどこに行っても戦える」という感じのキャリアだった。)
Jake Rodríguez vs. Konstantin Tszyu」
②「WBC World Super Lightweight Title
Konstantin Tszyu vs. Miguel Ángel González」
③「WBC World Super Lightweight Title
Konstantin Tszyu vs. Julio Cesar Chavez」
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