2020年1月17日金曜日

ホルヘ・パエス(Jorge "El Maromero" Páez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

サーカス出身の軽業師、ホルヘ・パエス。カルビン・グローブ戦、スチーブ・クルス戦、トロイ・ドーシー戦(初戦)を紹介します。

ホルヘ・パエス(Jorge "El Maromero" Páez)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ホルヘ・パエス(メキシコ)
身長165cm:オーソドックス(右構え)

ホルヘ・パエス 15R 判定 カルビン・グローブ
(IBF 世界フェザー級タイトル戦、1988年)
パエス:左ジャブと左右フック
グローブ:速い左ジャブと右ストレート
(ダウンシーン)
15R:連打、右アッパー、右フックで3度、グローブがダウン
(感想:パエスがタイトル獲得。サーカスで生まれたパエス。子供の頃からアクロバットを習い、身体能力が高い。派手なガウン、トランクス、髪型でリングに上がり、腰を振って相手を挑発するなど、いちいち個性的。デビュー初期に判定負けを喫したが、それ以降、連勝中。王者グローブは「Silky(「絹のようになめらかな動きをする選手」の意)」と呼ばれる男で、シャープなパンチを打つ、スピードが売り物のボクサータイプ。これまで全勝。グローブの速いジャブにパエスが巧く攻められない展開が続く。パエスはサウスポーにスイッチしたりしながら流れを変えようとするが、グローブは速いだけでなく打ち合いでも負けないパワーと度胸も見せる。何とかパンチを当てたいパエスは相手の頭を押さえて打ったり(反則)しながら前に出て、ついにグローブを捕まえる。最終15ラウンドに三度ダウンを奪い、ポイント差を逆転。判定は2-0。12回戦だったらグローブが防衛していたであろう。運の良さもあったと思うが、最後まで諦めなかったパエスは立派だった。後、グローブは階級を上げて世界挑戦したが、王座返り咲きならず。スピードもパワーもあったが、フェザー級以上では厳しかったようだ。)

ホルヘ・パエス 12R 判定 スチーブ・クルス
(IBF 世界フェザー級タイトル戦、1989年)
パエス:左ジャブ、右ストレート、左フック
クルス:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
2R:右ストレートでパエスがダウン
(感想:パエスがタイトル防衛。パエスの三度目の防衛戦。クルスは前WBA王者。バリーマクギガンに番狂わせで勝利してWBA世界フェザー級タイトル獲得。しかし、初防衛戦の相手が強すぎた。アントニオ・エスパラゴサにKO負けで王座陥落。その後、WBC米大陸フェザー級タイトルを獲得したり、新鋭のトレーシー・ハリス・パターソン(あのフロイド・パターソンの養子)を下したりし、パエスに挑戦するチャンスを得た。変則的なスタイルのパエス。端正なファイトスタイルのクルス。2R、クルスが見事なカウンターの右ストレートでパエスからダウンを奪うがその後は何故か手数が少なくなり、逆にパエスが左右フックで押す展開に。フットワークとジャブだけで前に出てこないクルスに対して、パエスは腕組みしたり、腰を振ったりして挑発(8R)。判定は3-0。勝利のアナウンス後、パエスはバク転を連発し、懐かしのブレークダンス。パエスは勝ったがあまりデキは良くなかった印象。ダウンを奪ったにもかかわらず消極的になったクルス。拳を痛めてしまったのかも。)

ホルヘ・パエス 12R 判定 トロイ・ドーシー
(IBF 世界フェザー級タイトル戦、1990年)
パエス:左右フック
ドーシー:左右フック
(ダウンシーン)
2R:右ストレートでドーシーがダウン
(感想:パエスがタイトル防衛。強打者のドーシー。プロでの試合数は少な目ではあるが、キックボクシングでの経験があり、戦うことには慣れている様子。直前の試合では北米フェザー級タイトルを獲得している。パンチに自信があるドーシーが最初からひたすら前進し、互いに頭をくっつけて打ち合う展開が12Rに渡り続いた。足を使わない超接近戦で、ドーシーは頭をこすり上げるようにぶつけたり、肩をぶつけたりといった反則を交えながら攻めるが、パンチを当てるテクニックはパエスの方が上の印象。採点が難しそうな内容のまま最終ラウンド終了。ドーシーは勝利を確信したようなポーズ。判定は2-1。「パエス防衛」のアナウンスに頭を抱えるドーシー。あれだけ前に出て攻めたのに負けにされたらドーシーが困ってしまうのも無理はない。ドーシーは接近しすぎて逆にパンチが当たらなかった。後に衝撃的な一発でこの王座を決定戦で獲得するが、もう少し距離を取れば強いパンチを生かすことができたのではないか?  パワフルながらちょいと不器用だったドーシー。パエスはそれに助けられた形。再戦も際どい内容でドロー。パエスのフェザー級時代の最大のライバルはドーシーだったと言ってもいいかも。その後、パエスは王座を返上し、次のステージへ。「人気者」としてパーネル・ウィテカーやオスカー・デラ・ホーヤらと対戦したが、世界王座は獲得できず。獲得した世界王座はカルビン・グローブと同様、フェザー級のみにとどまったが、100戦近いキャリアを誇る「名物男」だった。)

①「IBF World Featherweight Title
Calvin Grove vs. Jorge Páez」
②「IBF World Featherweight Title
Jorge Páez vs. Stevie Cruz」
③「IBF World Featherweight Title
Jorge Páez vs. Troy Dorsey」

カルビン・グローブ(Calvin Grove)のページ
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トロイ・ドーシー(Troy Dorsey)のページ

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