2024年4月12日金曜日

エルネスト・マルセル(Ernesto Marcel)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBA世界フェザー級王者。シャープなパンチが武器。ロベルト・デュラン戦、アントニオ・ゴメス戦(初戦)、アレクシス・アルゲリョ戦を紹介します。

エルネスト・マルセル(Ernesto Marcel)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

エルネスト・マルセル(パナマ)

身長168cm:オーソドックス(右構え)

ロベルト・デュラン 10R TKO エルネスト・マルセル

(J・ライト級戦、1970年)

マルセル:左ジャブ、右ストレート、左右フック

デュラン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:パナマの黒人マルセル。デビューから連勝だったが、判定で初黒星。さらに判定負けで二敗目。その後、パナマ王座(バンタム級)獲得。ベルナルド・カラバリョ(コロンビア。ファイティング原田の世界バンタム級王座に挑戦して判定負け)を2RでKO。連勝中の勢いで実力者と対戦。デュランは説明不要。後に「石の拳」で世界ライト級王座を統一し、最終的に四階級制覇。当時は世界王座を目指す若手。パナマシティで行われた(後に世界王者になる)パナマ人同士の一戦。マルセルがフットワーク&ジャブで距離を取りながら時折右ストレート、左フックをヒットさせるなど、パンチを当てるテクニックを見せる。「石の拳」デュランはタフ。エネルギッシュに前進し、速いジャブ、右ストレート、左フックで攻める。接近戦ではフックでの打ち合い。互いに譲らず、といった展開。10R、突然レフェリーが試合を止めてデュランの手を上げた(マルセルはダウンもしておらず、劣勢にもなっていなかったがTKO負けを宣告された。ただその時、デュランの手をマルセルはホールドしていた。それを「戦意喪失」と見なされたのかもしれない)。デュランが体格差で勝利。勢いで押し切った。マルセルは負けたが巧さを見せるなど、あのデュランといい勝負をした。)


エルネスト・マルセル 15R 判定 アントニオ・ゴメス

(WBA世界フェザー級タイトル戦、1972年)

マルセル:左ジャブ、右ストレート、左フック

ゴメス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:マルセルがタイトル獲得。デュラン戦後、パナマ王座(フェザー級)を獲得するなど連勝のマルセル。柴田国明の持つWBC世界フェザー級王座に挑戦したが、引き分け。今度はゴメスのWBA王座を狙う。ゴメス(ベネズエラ)は西城正三をKOして王座を獲得したことで日本でもおなじみ。これが二度目の防衛戦。ベネズエラ・マラカイでの一戦。共に相手を警戒しながらジャブ。両者とも良いジャブを打つが、ゴメスは受け身の姿勢で応戦。マルセルがシャープな右ストレートを主に使いながら、キレのある左フックでボディを叩き、テンポの良い連打でゴメスをロープ際に追い込むなど優勢。右ストレートからの左ジャブといった小技も使う。11R、頭から突っ込んで減点されるマルセル。15R終了。判定は2-0。ダウンシーンは無かったが、3-0が妥当と思われるほどマルセルがスピードのある連打で試合をリードした。残念だったゴメス。良いジャブ、力強い右フックのボディ打ちを見せていたが全体的に守勢だった。再戦もマルセルが勝利し、王座防衛。)


エルネスト・マルセル 15R 判定 アレクシス・アルゲリョ

(WBA世界フェザー級タイトル戦、1974年)

マルセル:左ジャブ、右ストレート、左フック

アルゲリョ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:マルセルがタイトル防衛。三度目の防衛戦をパナマシティで行い、スパイダー根本をKOしたマルセル。四度目の相手は最強の挑戦者。アルゲリョ(ニカラグア)は後の三階級制覇王者。これが初の世界戦。パナマシティでの一戦。アルゲリョがジャブを連打して長い右ストレート、左フック、ボディ打ち。マルセルは足を使いながら得意の右ストレート、左フックを意表を突くタイミングで打ち込む。アルゲリョの端正なボクシングをディフェンスするマルセル。逆にアルゲリョをロープ際、コーナーに追い込む。中盤はアルゲリョ。コンビネーションで勢い良く攻撃し、KO寸前というところまでマルセルを攻撃。しかし、終盤はマルセル。アルゲリョは距離が空くと強い、と考えたか、マルセルが接近戦を仕掛けて序盤のように右ストレートをヒットさせる。15R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。マルセルがパンチを当てる巧さとディフェンスで勝利。アルゲリョはマルセルを強打するシーンもあったが受け身の姿勢になるシーンが多く見られ、この試合の時点ではやや経験不足だったか。試合後、マルセルはアルゲリョに「君は世界王者になれる」と声を掛けたとか。四度目の防衛に成功したマルセルだが、王座返上、引退。「それは母の希望だった」とのこと。ハードパンチャーではなかったため人気選手というわけではなかったが、パンチを当てるテクニックを持つ好選手であった。)


①「Junior Lightweight 

Roberto Duran vs. Ernesto Marcel」

②「WBA World Featherweight Title 

Antonio Gomez vs. Ernesto Marcel」

③「WBA World Featherweight Title 

Ernesto Marcel vs. Alexis Arguello」


ロベルト・デュラン(Roberto Durán)のページ

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柴田国明(Shibata Kuniaki)①のページ

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西城正三(Saijo Shozo)③&門田新一のページ

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アレクシス・アルゲリョ(Alexis Argüello)のページ 

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