2024年4月10日水曜日

ヤキ・ロペス(Yaqui Lopez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

L・ヘビー級のパワーファイター。強豪と激闘。マイク・ロスマン戦、マシュー・フランクリン戦(初戦)、マイケル・スピンクス戦を紹介します。

ヤキ・ロペス(Yaqui Lopez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ヤキ・ロペス(メキシコ)

身長188cm:オーソドックス(右構え)

ヤキ・ロペス 7R TKO マイク・ロスマン

(L・ヘビー級戦、1978年)

ロペス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ロスマン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

6R:連打でロスマンがスタンディングダウン

(感想:左右ボディフック攻撃が強烈だったことでおなじみのロペス。タフでパワーはあるが、ジョン・コンテのWBC世界L・ヘビー級王座、ビクトル・ガリンデスのWBA世界L・ヘビー級王座に挑戦して判定負け。これまで41勝(28KO)6敗。再び世界を目指す状況。ロスマンはペンシルベニア州フィラデルフィア出身で、ニックネームは「Jewish Bomber(ユダヤの爆撃機)」。マット・ドノバン(輪島功一の世界J・ミドル級王座に挑戦してKO負け)に判定勝ち、マイク・クォーリー(ジェリー・クォーリーの弟)に敗北&雪辱。32勝(19KO)3敗3分。このところ連勝中だが、王座戦の経験はまだ無い。ニューヨークでの一戦。赤いトランクスのロペス。ロスマンは爽やかな水色。共にジャブ、右ストレート、左ボディ打ち。ジャブを打ち合う慎重な試合ぶり。接近戦ではフック連打。ロペスは得意の左フック、ロスマンは正確なジャブが印象的。6R、ラッシュするロペス。連打でロスマンがスタンディングカウントを聞く。6R終了後、ロスマンが棄権。ロペスが攻撃力で勝利。6Rにレフェリーがわかりにくい動きをしたことによりロスマンはよりダメージを受けることになったが、パワーとスタミナに差があった。後、ロペスは再びガリンデスの王座に挑戦して判定負け。ロスマンはガリンデスを下して世界王者に。)


マシュー・フランクリン 11R TKO ヤキ・ロペス

(北米L・ヘビー級タイトル戦、1978年)

ロペス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

フランクリン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:フランクリンがタイトル防衛。これまで43勝(28KO)7敗のロペスが北米王座に挑戦。王者のフランクリンは後に「マシュー・サアド・ムハマド」と改名する選手で、21勝(14KO)3敗2分。タフな打撃戦をやることで有名。フィラデルフィア(フランクリンの地元)での伝説の一戦。ゴング前、WBA王者マイク・ロスマンが両選手を静かに激励。1R、端正なボクシングをするフランクリンがガードを上げ、ジャブ連打。ロペスは得意の左フックを使おうとするが、相手のディフェンス&ジャブに邪魔されて思うように攻められない。フランクリンがワンツー、打ち下ろすような独特の右ストレートからの左フックといったコンビネーションで優勢。3R、ロペスが左フックでよろめく。その後もボディを攻めるロペスだが、フランクリンはブロックで耐える。そしてボクシング史上に残る8R。ロペスが右ストレートをヒットさせたのをキッカケに左右フックの嵐。しかし逆にフランクリンが連打で反撃。その後、攻めるロペス、距離を取って応戦するフランクリン、といった展開。11R、ロペスが強打を浴び、レフェリーは試合を止めた。フランクリンが正確な強打とジャブで勝利。かなり激しい打ち合いであったがダウンシーンは無かった。この試合はロペスの特徴が出ていたような気がする。爆発力があるにもかかわらず受け身になってしまうところ。ジャブも少なく、後手に回ってしまった。後、フランクリンはWBC世界ライトヘビー級王者に。激しい試合の連続。にもかかわらず、引退後は無一文でホームレスに。2014年、59歳で死去。勇敢だったが、悲しい話が多い男だった。)


マイケル・スピンクス 7R TKO ヤキ・ロペス

(L・ヘビー級戦、1980年)

ロペス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

スピンクス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

7R:左フック、右フックで2度、ロペスがダウン

(感想:WBC王者になったマシュー・サアド・ムハマドに挑戦して敗北したロペス。スピンクスと再起戦。スピンクスはオリンピック金メダリストで、(当時)世界王座を目指す期待のホープ。アトランチックシティ「コンベンション・センター」での一戦(リングサイドでスピンクスの兄レオン、ジョー・ウォルコット(共に元世界ヘビー級王者)が観戦)。積極的なロペス。ジャブを連打し、右ストレートからの左ボディといったコンビネーションで攻める。スピンクスもジャブ。そして得意の右でワンツー。4R、スピンクスの右フックがヒットし、激しい打ち合いに。6R、左フック、連打でスピンクス優勢。打ち合いながらもスピンクスはディフェンス。7R、ロープ際での強烈な左フックでロペスがダウン。右フックで二度目。立ったが、レフェリーストップ。かなりの激戦。ロペスは力強く、手数も多かったが、スピンクスが連打とディフェンスで快勝。特にディフェンスのテクニックに差があった。その後の二人。スピンクスは世界L・ヘビー級王座を統一し、ラリー・ホームズを破ってIBF世界ヘビー級王座も獲得(二階級制覇)。マイク・タイソンにKOされるまで連戦連勝だったが、このロペス戦はキツい試合の一つだったのではないだろうか? ロペスはカルロス・デ・レオンのWBC世界クルーザー級王座にも挑戦したが敗北。結局、世界王者にはなれなかった。実力は確かにあったが、やや慎重な試合をするところがあったことと、ライバルが強すぎたのが王者になれなかった原因であろう。)


①「Light Heavyweight 

Yaqui Lopez vs. Mike Rossman」

②「NABF Light Heavyweight Title 

Matthew Franklin vs. Yaqui Lopez」

③「Light Heavyweight 

Yaqui Lopez vs. Michael Spinks」


マシュー・サアド・ムハマド(Matthew Saad Muhammad)のページ

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マイケル・スピンクス(Michael Spinks)のページ 

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