2024年2月23日金曜日

西城正三(Saijo Shozo)③&門田新一「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBA世界フェザー級王者西城のアントニオ・ゴメス戦(ラストファイト)。日本ライト級強豪、門田新一のジミー・ロバートソン戦、山龍義一戦を紹介します。

西城正三(日本)

身長171cm:オースドックス(右構え)

西城正三(Saijo Shozo)③「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

アントニオ・ゴメス 5R KO 西城正三

(WBA世界フェザー級タイトル戦、1971年)

西城:左ジャブ、右ストレート、左フック

ゴメス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:左ストレートで西城がダウン

3R:右フックで西城がダウン

5R:右フック、右ストレート、左フックで3度、西城がダウン

(感想:ゴメスがタイトル獲得。小林弘との世界王者同士のノンタイトル戦に敗れた西城。その再起戦でフランキー・クロフォードと五度目の防衛戦を行い、3-0で勝利。ノンタイトル戦に勝利して、この六度目の防衛戦。挑戦者ゴメスはベネズエラの選手(西城が初防衛戦で下したペドロ・ゴメスの弟)。あのエステバン・デ・ヘススやアントニオ・セルバンテスを判定で破ったことがある。北米フェザー級王座を獲得するなどこのところ連勝中。東京体育館での一戦。1R、共にジャブ。西城はスピード、ゴメスは重さを感じるジャブ。左ストレートで西城がダウン。その後、速い右ストレート、パワーの乗った左フックを打つ西城だが、ゴメスはディフェンスしながらジャブを正確に当てる。3R、左フックが効いた西城。右フックでダウン。激しい打ち合い。西城の右ストレート、連打が迫力。しかし5R、凄まじい右フックで西城がダウン。これが完全に効いたか、右ストレート、左フックでスリーノックダウン、KO。ゴメスが強いジャブを正確に当てる作戦で快勝。西城はタイトルを獲ったときと比べるとスピードが落ちていた印象。ただ、パンチにパワーはあった。西城はこれで引退。番狂わせで世界を獲得したことから「シンデレラ・ボーイ」などと呼ばれたが、しっかりとした実力(特にパワフルな右ストレート、左フック)を持っていた強豪だった。ゴメスはその後、エルネスト・マルセルに敗れて王座陥落。マルセルはアレクシス・アルゲリョを破って王者のまま引退。レベルの高い時代だった。)

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門田新一(Kadota Shinichi)

西城正三(Saijo Shozo)③「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

門田新一(日本)

身長  cm:サウスポー

門田新一 4R KO ジミー・ロバートソン

(ライト級戦、1973年)

門田:右ジャブ、左ストレート、右フック

ロバートソン:左ジャブと右ストレート

(ダウンシーン)

4R:右フックで2度、ロバートソンがダウン

(感想:「世界ライト級タイトル前哨戦」として行われた一戦。愛媛県出身の門田(三迫ジム)は元東洋ライト級王者。鈴木石松(ガッツ石松)に敗れて王座陥落。日本ライト級1位で、これまで32勝(19KO)7敗。ロバートソンはヒゲの白人選手。全米ライト級7位で25勝(12KO)8敗2分。TV映像には「カリフォルニアのライト級王者」とあるが、「BOXREC」の記録にはそのタイトルの獲得歴は無し(「北米ライト級王座獲得」の記録はある)。ロベルト・デュランのWBA王座に挑戦したこともある(KO負け)。日大講堂での一戦。ゴング前、門田と同じ三迫ジムの輪島功一がリング上であいさつ、選手激励。1R、サウスポーの門田が右ジャブ、左ストレート、右フック。特に右フックが強い印象。ロバートソンは右ストレートを狙うが、右フックを食って後退。ジャブが少ないロバートソン。右ストレートをミスしたり、モタモタした攻めを見せたり。どうやらサウスポーが苦手な様子。3R、左ストレートを決めた門田がラッシュ。4R、強烈な右フックでロバートソンがダウン。さらに右フックで二度目。立ったが、カウントアウト。ロバートソンは「まだやれる」といった態度でレフェリーの処置に不満そうだったが強打を浴びており、カウントアウトでよかったと思う。共にスピードはそれほどでもなかったが、門田の右フックが印象に残った試合。ロバートソンは次の試合にも敗北して引退。ピークを過ぎていたものと思われる。)


門田恭明 10R TKO 山龍義一

(ライト級戦、1975年)

門田:右ジャブ、左ストレート、左右フック

山龍:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

6R:右フックで門田がダウン

7R:ボディ連打で山龍がスタンディングダウン。左フックで門田がダウン。

10R:右ストレートで門田がダウン。右フックで2度、山龍がダウン。

(感想:リングネームを「門田恭明」に変えてアントニオ・セルバンテスのWBA世界J・ウェルター級王座に挑戦した門田。何度もダウンして惨敗。これが再起戦。世界J・ウェルター級9位。これまで35勝(22KO)8敗。日本ライト級2位の山龍は10勝(6KO)4敗の中堅どころ。経験で大きな差がある。ダッキングしながら攻める山龍。振りの大きな左右フック。右ストレートには伸びがある。門田はフットワークでジャブ、ストレート、右フック。思い切った打ち方をする山龍だが、門田はディフェンスして左右フックでボディ攻め。6R、一気にラッシュする山龍。連打からの右フックで門田がダウン。7R、ボディが効いてきた山龍がスタンディングカウントを聞く。攻める門田だが左フックでダウン。その後、ボディを打たれながらも大きなパンチで山龍が打ち返す展開。最終10R、右ストレートで門田がダウン。前に出る山龍だが、強烈な右フックを食ってダウン。さらに攻めるが右フックでダウン。よく立ったが、強打を連続して浴びてレフェリーストップ。巧さでは門田の方が上だったが、山龍の思い切った攻めでなかなかの激戦となった。後、山龍は日本ライト級王座獲得。門田は二度目の世界挑戦は叶わず。世界王座には手が届かなかった二人だが、「パワーだけなら世界王者」といった強さを持っていた。)


①「WBA World Featherweight Title 

Saijo Shozo vs. Antonio Gomez」

②「Lightweight 

Kadota Shinichi vs. Jimmy Robertson」

③「Lightweight 

Kadota vs. Yamaryu」

 

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