2024年1月31日水曜日

ロドルフォ・ガト・ゴンザレス(Rodolfo "El Gato" Gonzalez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

世界挑戦の経験もある「山猫」。パワフルなフックが武器。クロード・ノエル戦、レネ・アルレドンド戦、パトリツィオ・オリバ戦を紹介します。

ロドルフォ・ガト・ゴンザレス(Rodolfo "El Gato" Gonzalez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ロドルフォ “ガト” ゴンザレス(メキシコ)

身長175cm:オースドックス(右構え)

クロード・ノエル 15R 判定 ロドルフォ・ゴンザレス

(WBA世界ライト級王座決定戦、1981年)

ゴンザレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ノエル:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:ノエルがタイトル獲得。「山猫(ガト)」と呼ばれたメキシカン、ゴンザレス。デビュー以来、連勝で19勝(16KO)1分、22歳。ビロマー・フェルナンデス(アレクシス・アルゲリョに勝利。世界挑戦の経験も)、アンディ・ガニガン(強打者。後、アルゲリョの世界王座に挑戦して負けたが、ダウンを奪った)、文泰鎮(韓国のタフ男で当時無敗だった。後、ロッキー・ロックリッジのWBA世界J・ライト級王座に挑戦、敗北)に勝利して、この初の世界挑戦。WBA2位、スラリとした体型。パンチのある選手ではあるが、「頭を使って戦いたい」という頭脳派。トリニダードトバコ出身の黒人選手ノエル(後に日本で浜田剛史と戦ったことで日本でもおなじみ)はWBA1位で、これまで26勝(17KO)3敗、33歳。エルネスト・エスパニャと空位のWBA世界ライト級王座を争ってKO負けしたことがあり、これが二度目の同王座挑戦(しかも、再び「決定戦」。今回は白人の人気者ショーン・オグラディが王座を剥奪されたことによる)。アトランチックシティで行われた「若さ」と「経験」の対決(リングサイドで元世界ヘビー級王者ジャージー・ジョー・ウォルコット、かつてこの王座(WBA世界ライト級王座)を持っていたヒルマー・ケンティが観戦)。共にジャブを使うが、ノエルは左のガードを下げた構えから軽快に打ち、ゴンザレスはパワーを込めて連打する。接近戦では互いにパワフルなフックを振るう。共に右フックが特に強い印象。攻めるノエル、応戦するゴンザレス、といった展開。大きなフックでの打ち合いは迫力はあるが、決定打に欠ける状況。12R、ゴンザレスの狙い澄ました右フックがマトモにヒットしてノエルがピンチ。15R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ノエルの攻める姿勢、ジャブ、右フックが評価されたと思われる。観客がスタンディングオベーションしたほど激しい試合だったが、意外にもゴンザレスは受け身の姿勢でやや消極的だった。ノエルの気迫に押されてしまったか。その後のノエル。初防衛戦でアルツロ・フライアスにKO負け、王座陥落。英連邦王座(ライト級)を獲得する活躍もあったが、ハワード・デービス・ジュニア、アルゲリョらに敗北するなど勝ったり負けたり。日本で浜田剛史に強烈なKO負け。その次の試合にも敗れて引退した。) 


ロドルフォ・ゴンザレス 10R 判定 レネ・アルレドンド

(J・ウェルター級戦、1985年)

ゴンザレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

アルレドンド:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

1R:右フックでアルレドンドがダウン

(感想:ノエル戦の前まで無敗だったゴンザレスだが、その後は二連敗を喫するなどイマイチ。階級を上げて顔がゴツい感じに。アルレドンドもメキシカン(「ボクシング兄弟」。兄リカルドは元世界王者)。後にWBC世界J・ウェルター級王座を獲得し、日本で浜田剛史と戦う選手。クロード・ノエルには2RでTKO勝ちしている。ロサンゼルス「スポーツ・アリーナ」での一戦。1R、共にジャブ。攻める姿勢のゴンザレス。ジャブを使って左右フック。アルレドンドはキレイなスタイル。足のスタンスを広く取って伸びるジャブ、ストレート、そして左フック。右フックでアルレドンドが「ストン」とダウン。そして激しい接近戦。攻めるゴンザレスにアルレドンドは右ストレート、左ボディ打ちで対抗。6R、アルレドンドの右ストレートがヒット。速いパンチを打ち合って10R終了。判定は2-1。ゴンザレスの攻める姿勢が評価されたか。映像では大きな実力差は感じられなかった。パンチの正確さではアルレドンドの方が良かったようにも見えた。)


パトリツィオ・オリバ 15R 判定 ロドルフォ・ゴンザレス

(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1987年)

ゴンザレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

オリバ:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

7R:左フックでオリバがダウン

(感想:オリバがタイトル防衛。アルレドンド戦後、連勝のゴンザレスが二度目の世界挑戦。王者オリバはイタリアン。1980年のモスクワ・オリンピック金メダリスト。プロではこれまで全勝。実に見事な経歴ではあるが、あまりパワーが感じられないボクサータイプ。「怖い強打者」ではないため、ゴンザレスにも勝つチャンスは十分にあるような気がするがどうか? 王者の地元イタリアで行われた試合。共にオシャレなトランクス。オリバはブルー、ゴンザレスはグリーン。いかにも「イタリア人ボクサー」といった感じのオリバ。アップライトスタイルでジャブ、ストレート。ゴンザレスはジャブを使って前進し、左右フックを叩きつける。3Rあたりから攻勢を強めるゴンザレス。オリバはブロックしたりかわしたりしながら応戦。7R、左フックでオリバがダウン。勢いに乗って攻めようとするゴンザレスだがパンチの振りが大きく、正確さに欠ける。オリバはジャブ、ワンツー、クロス気味の右、クリンチ。判定は3-0。オリバがクリンチやフットワークを使ったりしながらポイントを取って逃げ切った。ゴンザレスのボクシングは良く言えば「豪快」、悪く言えば「雑」。後、ロジャー・メイウェザーの持つWBC世界J・ウェルター級王座に挑戦したがTKO負け。パワフルな試合をするためチャンスには恵まれたが、パンチの正確さに欠ける欠点があったため世界王者にはなれず。もう少し「パンチを当てる」ことに集中すれば王座を獲れたかもしれない。ちなみにオリバは次の防衛戦でファン・マルチン・コッジに惨敗、初黒星。その後もリングに上がり続けたが、バディ・マクガートに判定負け(WBC世界ウェルター級王座戦)、引退。世界王座に返り咲くことはなかった。)

①「vacant WBA World Lightweight Title 

Claude Noel vs. Rodolfo "El Gato" Gonzalez」

②「Super Lightweight 

Rene Arredondo vs. Rodolfo "El Gato" Gonzalez」

③「WBA World Super Lightweight Title 

Patrizio Oliva vs. Rodolfo "El Gato" Gonzalez」

浜田剛史(Hamada Tsuyoshi)のページ

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レネ・アルレドンド(Rene Arredondo)のページ

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パトリツィオ・オリバ(Patrizio Oliva)のページ

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ファン・マルチン・コッジ(Juan Martin Coggi)のページ 

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