ファン・マルチン・コッジ(アルゼンチン)
身長171cm:サウスポー
①ファン・マルチン・コッジ 2R KO 李相縞
(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1988年)
コッジ:右ジャブと左右フック
李:左ジャブ
(ダウンシーン)
2R:左フックで李がダウン
(感想:コッジがタイトル防衛。アルゼンチン・サンタフェ州出身のコッジ。祖父母がイタリアからアルゼンチンに移住した移民であるため、その縁もあってか、プロになってイタリアでも試合。ニックネームは「El Látigo(ラティゴ)」。英語で言うところの「The Whip(ムチ)」。まるでムチがしなうかのような強烈な左フックが武器。デビュー以来、地元で戦ってきたが、イタリアでパトリツィオ・オリバからタイトル奪取。李戦はその初防衛戦。李はアジア期待の「倒し屋」。一つの負けを除いてKOの山を築き、東洋太平洋J・ウェルター級タイトルを獲得している(日本人とも対戦多数)。イタリアで行われた試合。2R、右フックが効いた李にコッジが一気に乱打。猛烈なパンチの嵐に李は倒れ、立てなかった。異常なパワーを見せつけたコッジ。まるで「倒そうと思ったらいつでも倒せる」みたいな倒しっぷりだった。李はこれで引退。)
(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1989年)
コッジ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
平仲:左ジャブと左フック
(ダウンシーン)
1R:左フックで平仲がロープダウン
3R:左フック、右ストレートで2度、コッジがダウン
9R:右フックで平仲がダウン
(感想:コッジがタイトル防衛。沖縄の平仲。これまで全勝。凄まじい強打で日本王座を獲得、防衛してきた。共に人間離れしたパワーを持つ者同士の対決。どんな試合になるか? イタリアで行われた試合。ハンマーのようなパンチで、打つときは一気に連打するコッジ。平仲は頭から突っ込んで接近戦を仕掛けるが度々レフェリーに注意され、バッティングで減点をとられる。3R、左フックでコッジがダウン。さらに右ストレートで二度目。平仲にとってはビッグチャンスだったが、コッジがダウン後はジャブで距離を取るなど慎重な感じになり、クリンチが多く、もみ合うような展開に。結局、ジャブが評価されたか、コッジの判定勝ち(3-0)。平仲もジャブを使ってジャッジに「見栄えのよいボクシング」を見せるべきだった。この試合のレフェリーはジョン・コイル。まるで「コイルが平仲を敵視し、KO勝ちを邪魔した」かのように彼のレフェリングぶりを批判する意見がその当時あったが、「頭から突っ込む」危険な行為に厳しい扱いをするのは当然であり、平仲がまぶたを負傷したときはドクターにチェックさせるなど、正当に職務を果たした(と思う)。ボクシングは非常に危険なスポーツ。個人的には「反則に厳しいレフェリー」を歓迎したい。)
(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1993年)
コッジ:右ジャブと左右フック
吉野:左ジャブと左フック
(ダウンシーン)
5R:左ストレート、右フック、左ストレートで3度、吉野がダウン
(感想:コッジがタイトル防衛。ロレト・ガルサに王座を奪われたコッジ。王座はガルサからエドウィン・ロサリオ、平仲明信、モーリス・イーストへ。イーストから王座を取り戻したコッジ。奪回したタイトルの防衛戦。吉野は日本ウェルター級王座を防衛してきた男。左フックが得意だが、その特徴のある攻め方には隙もある。後楽園ホールで行われた一戦。共にパンチのある選手だが「パンチの質」に違いが。コッジは「頑丈そうなコブシ」で硬そうなパンチ。しかも、独特の打ち方。サウスポーが得意とする左ボディアッパーなどで吉野はボロボロに。5R、強烈なパンチの連続で試合終了。王者が圧勝。最初のダウンを奪った狙いすましたような左ストレートは本当に残酷な一撃。吉野は打った後のバランスがよくなかった。その後のコッジはちょっと微妙。レフェリーに守ってもらって王座を防衛したことも。しかし、フランキー・ランドール(フリオ・セサール・チャベスを初めて負かした男)との抗争は激しいものだった。引退後はトレーナーをしているらしい。彼からテクニックを学ぶことはできるだろうが、「ラティゴ・パンチ」を継承できる若手がいるだろうか?)
Juan Martin Coggi vs. Lee Sang-Ho」
②「WBA World Light Welterweight Title
Juan Martin Coggi vs. Hiranaka Nobuaki」
③「WBA World Light Welterweight Title
Juan Martin Coggi vs. Yoshino Hiroyuki」
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