平仲明信(日本)
身長170cm:オーソドックス(右構え)
①平仲明信 5R KO 金応植
(J・ウェルター級10回戦、1991年)
平仲:左ジャブと左フック
金:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
1R:右ストレートで金がダウン
5R:左ボディフックで金がダウン
(感想:沖縄県出身の平仲。「平仲明信」はリングネームで本名は「平仲信明」。高校でボクシングを始め、1984年のロサンゼルスオリンピックにウェルター級で出場(メダルは獲得ならず)。プロ入り後、全勝で「平仲伸章」の名でファン・マルチン・コッジ(アルゼンチン)のWBA世界J・ウェルター級王座にイタリアで挑戦、判定負け。金戦は再び世界を狙う「世界前哨戦」となる。金は一体何者なのだろう? 「BOXREC」の記録によると一度も勝利したことがない選手。「後楽園ホール」で行われた一戦。1R、右ストレートで金がダウン。その後、平仲の頭が金のアゴを直撃。倒れたまま立とうとしない金にレフェリーはカウントを取る。どうやら「続行できるのに立ち上がらない」とみなされたようだ。カウントが始まるとすぐに立ち上がり、金は反撃。5R、左ボディで金がダウン。平仲が勝利。やや攻めが粗かったが、ひたすら前進して強打で金をKO。沖縄のジム所属ということでマッチメークが難しく、試合数が少ない平仲。次の試合は1年と数ヶ月後。相手はWBA世界J・ウェルター級王者エドウィン・ロサリオ。)
(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1992年)
平仲:左ジャブと左右フック
ロサリオ:左ジャブと左右フック
(感想:平仲がタイトル獲得。平仲の二度目の世界挑戦。王者ロサリオはプエルトリコのハードパンチャー。かつては全勝で大いに期待されていたが、ホセ・ルイス・ラミレスにTKO負けするなど、意外な打たれ脆さを露呈。さらにヘクター・カマチョやフリオ・セサール・チャベスといった大物との重要な試合も落とし、残念な状況に。ただ、ロレト・ガルサを痛烈にKOしてこの王座(WBA世界J・ウェルター級タイトル)を獲得するなど、パワーは健在。メキシコシティで行われた一戦。1R、左フックでグラついたロサリオに平仲が猛攻。ロープ際に追い込んで連打したところでレフェリーストップ。ダウンシーンは無し。平仲が世界的選手であるロサリオからベルトを奪う殊勲。早い決着だったが、ロサリオの「ガツン」というパンチがヒットしたシーンも。TKOの瞬間、リングサイドで観戦のヘクター・カマチョがガッツポーズ。カマチョはロサリオに勝った試合では大苦戦した。そのため平仲を応援していたと思われる。)
(WBA世界J・ウェルター級タイトル戦、1992年)
平仲:左ジャブ、左右フック
イースト:右ジャブ、左ストレート、右フック
(ダウンシーン)
11R:左ストレートで平仲がダウン
(感想:イーストがタイトル獲得。平仲の初防衛戦。相手はフィリピンのイースト。東洋太平洋J・ウェルター級タイトルを獲得している選手だが、国際的には無名。世界的選手ロサリオに勝った平仲にはさほど難しい相手ではないだろう、というのが戦前の予想。日本武道館で行われた一戦。平仲は例によって左ジャブと左右フックでひたすら前進して接近戦。サウスポーのイーストは平仲の強打に逃げることもなく左ストレートでカウンターを取り、右フックも力強い。動きが鈍くなってきた平仲が11R、左ストレートでダウン。立ったがフラついており、レフェリーは試合を止めた。平仲がまさかの王座陥落。平仲の圧力に負けじと打ち返すイーストは生中継で見ていたときは「しぶとい」と思ったものだが、改めて見てみると、伸びのある左ストレートと右フックを効果的に使える良い選手であった。名王者カオサイ・ギャラクシーが「ここぞというときに前に出ない選手は勝てない」という趣旨の発言をしたことがあるが、そういう意味ではイーストの戦い方は「合格」だった(しかしながら、初防衛戦で元王者コッジにKO負け)。平仲はイースト戦後の検査で脳内出血が確認され、引退。世界的な選手が多いJ・ウェルター級。イースト戦に勝てば世界的に名のある選手との対戦もあったのではないかと思うと、イーストに負けたのはあまりにも残念。引退後はボクシングジムを経営している。)
②「WBA World Super Lightweight Title
Edwin Rosario vs. Hiranaka Akinobu」
③「WBA World Super Lightweight Title
Hiranaka Akinobu vs. Morris East」
0 件のコメント:
コメントを投稿