長身から繰り出すジャブが武器のウェルター級。ステファン・ジョンソン戦、パーネル・ウィテカー戦(初戦)、オスカー・デラ・ホーヤ戦を紹介します。
ウィルフレド・リベラ(プエルトリコ)
身長180cm:オースドックス(右構え)
①ウィルフレド・リベラ 12R 判定 ステファン・ジョンソン
(ウェルター級12回戦、1993年)
リベラ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ジョンソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
8R:右ストレートでジョンソンがダウン
(感想:プエルトリコ出身のリベラはボクサータイプ。レバンダー・ジョンソンと引き分けたり、元世界王者ロニー・スミスに判定勝ちしたりで、これまで17勝(10KO)1分、無敗。ジョンソンはニューヨークの選手で、23勝(15KO)4敗1分。ロイ・ジョーンズ・ジュニアにKO負け、全米王座戦(ウェルター級)でケビン・ポンペイに判定負け、後の世界王者ビンセント・ペットウェイにTKO勝ちといった実績。カリフォルニア「グレート・ウェスタン・フォーラム」で「バドワイザー・ウェルター級トーナメント決勝戦」として行われた試合(スポンサーによる「賞金トーナメント」だと思う)。似た戦い方をする二人。ディフェンスしながら速いジャブ、ストレート。接近戦ではフックを打ち合うが、距離を取った方が互いにパンチが当たる。8R、右ストレートでジョンソンがダウン。しかしダメージはそれほどでもなさそう。終盤はクリンチ。左目のキズでジョンソンがややハンデを背負う。判定は3-0。リベラのパンチを当てる巧さが評価されたか。よく攻めたがテクニックで負けたジョンソン。この後、ブランクを作ってカムバック。IBUのスーパーウェルター級王座獲得。しかし、空位の全米王座(J・ミドル級)を懸けてポール・ベイデンと戦ってKO負け。その試合のダメージが元で死去。31歳の若さだった。)
②パーネル・ウィテカー 12R 判定 ウィルフレド・リベラ
(WBC世界ウェルター級タイトル戦、1996年)
リベラ:ジャブ、ストレート、左右フック
ウィテカー:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:ウィテカーがタイトル防衛。WBC1位になったリベラが無敗のまま世界挑戦。王者「スウィートピー」ウィテカーは説明不要の有名選手。ディフェンスが巧いサウスポーで、これまで37勝(16KO)1敗1分。シント・マールテン(オランダ王国を構成している自治領のひとつ。カリブ海の島)での一戦。互いにディフェンスしながらジャブ、ストレート、左ボディ打ち。ウェルター級にしては小柄だが、踏み込みが速いウィテカー。2R終了時、ウィテカーが笑みを浮かべながらコーナーに引き上げる(彼は試合中、ニヤリと笑うことがよくある。何がおかしかったのだろう?)。3R、リベラがバッティングで負傷し、サウスポーにスイッチする。ジャブの打ち合い。左ストレートに勢いがあるウィテカーだが、クリーンヒットは少ない。リベラは頻繁にスイッチしながら攻める姿勢。最終ラウンド終了時、リベラは勝利を確信した様子。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。ウィテカーがパンチを当てるテクニックで僅かに上回った。スイッチが多かったリベラは中途半端だった印象。右でも左でも強いパンチを打てるのならともかく、サウスポーのときはストレートがイマイチだった。一貫したオーソドックススタイルでもっとしつこいぐらいジャブを連打していれば勝てたかも。再戦はウィテカーが3-0で判定勝ち、王座防衛。)
③ウィルフレド・リベラ 1R TKO マーク・ハモン
(J・ミドル級戦、1997年)
リベラ:ジャブ、右ストレート、フック
ハモン:右ジャブ
(ダウンシーン)
1R:左フック、左ボディで2度、ハモンがダウン
(感想:ウィテカーとの再戦に敗れたリベラ。その後、リビングストン・ブランブルらを相手に三連続KO勝ち。ハモンはオクラホマ州出身の黒人サウスポー。これまで34勝(16KO)11敗1NC。スティーブ・マクローリーにTKO負けするなど勝ったり負けたりの中堅どころ。直前の試合は四回戦で、判定負け(2-1)。ラスベガス「シーザース・パレス」での一戦。ドレッドヘアーのハモン。ガードを高く上げて相手を警戒。リベラは左を使いながらワンツー、左フック。コンビネーションが冴えるリベラ。左フックをアゴからボディへ打ち込み、ワンツーからの左フックでハモンをダウンさせる。立ったハモンだが、今度は左ボディでダウン。倒れると同時にレフェリーストップ。リベラがシャープな連打で快勝。ハモンはゴング前にどことなく眠そうな目をしていたが、ボディで眠らされてしまった。その後、ハモンはコーリー・スピンクスにKO負け。中堅選手としてキャリアを終えた。)
④オスカー・デラ・ホーヤ 8R TKO ウィルフレド・リベラ
(WBC世界ウェルター級タイトル戦、1997年)
リベラ:ジャブ、ストレート、左右フック
デラ・ホーヤ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
4R:右ストレートでリベラがダウン
(感想:デラ・ホーヤがタイトル防衛。ウィテカーを判定で下して新王者になった「ゴールデンボーイ」デラ・ホーヤ(これまで26戦全勝(21KO))。WBC4位のリベラがアトランチックシティでこのタイトルに三度目の挑戦。デラ・ホーヤはゴング前、かなり緊張した表情。似たスタイルの両者。ジャブが速い。左フックを狙うデラ・ホーヤ。2R、左フックでリベラがグラつく。リベラのワンツー(左ジャブからの右ストレート)も悪くないが、またしても中途半端にスイッチ。4R、右ストレートでリベラがダウン。その後、正確にジャブをヒットさせるデラ・ホーヤ。リベラの攻撃はディフェンスされてしまう。8R、リベラの右目のキズが悪化して試合終了。デラ・ホーヤが得意の左フック、回転の速い連打で勝利。三度目の挑戦も実らなかったリベラ。ウィテカー、デラ・ホーヤは当時のトップ中のトップ。勝てなかったのは仕方がない。その後もリングに上がり続けたリベラだが、シェーン・モズリー、フェルナンド・バルガスらに敗れて結局、世界王者になれなかった。それは残念なことではあるが、ボクサーは「誰と戦ったか」が重要。トップクラスの選手たちと戦えてよかったのではないかと思う。)
①「Welterweight
Wilfredo Rivera vs. Stephan Johnson」
②「WBC World Welterweight Title
Pernell Whitaker vs. Wilfredo Rivera」
③「Super Welterweight
Wilfredo Rivera vs. Mark Hammon」
④「WBC World Welterweight Title
パーネル・ウィテカー(Pernell "Sweet Pea" Whitaker)のページ
------------
オスカー・デラ・ホーヤ(Oscar De La Hoya)のページ
------------
シェーン・モズリー(Shane Mosley)のページ
------------
フェルナンド・バルガス(Fernando Vargas)のページ
0 件のコメント:
コメントを投稿