2023年8月23日水曜日

ケビン・ハワード(Kevin Howard)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

レナードとの対戦で有名なウェルター級。ディック・エクランド戦、マーロン・スターリング戦、シュガー・レイ・レナード戦を紹介します。

ケビン・ハワード(Kevin Howard)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ケビン・ハワード(アメリカ)

身長177cm:オースドックス(右構え)

ケビン・ハワード 10R 判定 ディック・エクランド

(ウェルター級戦、1982年)

ハワード:左ジャブ、右ストレート、左右フック   

エクランド:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:ハワードはペンシルベニア州フィラデルフィア出身。ニックネームは「The Spoiler」(どういう意味なのだろう? 語学的な意味は「ぶち壊し屋」「妨害者」。何を壊してきた男なのか?)。これまで13勝(8KO)2敗1分。デビュー以来、好調だったがロジャー・スタフォードに二敗(スタフォードは当時の実力者。シュガー・レイ・レナードの世界ウェルター級王座に挑戦する予定だったが、レナードの網膜剥離で試合キャンセル。その後、ドナルド・カリーの世界王座に挑戦したが、惨敗だった)。エクランドはマサチューセッツ出身の白人で14勝(4KO)6敗。レナードに判定負けしたが、その次の試合でニューイングランド王座(ウェルター級)を獲得している。アトランチックシティでの一戦。気合いが入っている両者。思い切りの良いボクシング。しかしながら、攻める勢いはハワードの方が強い。攻めるハワード、応戦するエクランド。力強いハワードだが、エクランドも10Rにはフック連打を見せるなど頑張る。判定は2-1。ハワードの手数が評価されたか。ダウンシーンは無し。どちらもタフだった。その後、エクランドは勝ったり負けたりだったが、ニューイングランド王座戦に勝利。ローカルなポジションでキャリアを終えた。)


マーロン・スターリング 12R 判定 ケビン・ハワード

(全米ウェルター級・北米ウェルター級王座決定戦、1983年)

ハワード:左ジャブ、右ストレート、左右フック   

スターリング:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

1R:左フックでハワードがダウン

(感想:スターリングがタイトル獲得。エクランド戦後、連勝のハワードが一級品の実力者と対決。相手は後にWBAとWBCの世界ウェルター級王座を獲得するスターリング(映画『ロッキー』で「アポロ」を演じたカール・ウェザースに顔が似ている)。当時、スターリングはライバルのドナルド・カリーに全米ウェルター級王座を奪われ、(実力的には伯仲であるが)カリーに差を付けられてしまった状態。そして、二つのベルトを懸けた決定戦に出場。コネチカット州ハートフォードでの一戦。1R、ハワードは積極的。ジャブ、ストレート、左右フックで攻める。スターリングはいつものようにブロック。そのためスターリングには「ディフェンシブな選手」というイメージがあるが、右ストレートと左フックはかなりパワフル。左フックでハワードがダウン。これが効いたか、ハワードは攻める勢いが落ち、守りに入るシーンが多くなる。プレッシャーをかけるスターリングはガードの隙間にアッパー気味のパンチを入れる。ハワードは応戦するが、スターリングはこれをブロック。6R、相撲のようにスターリングを投げ飛ばすハワード。7R、スターリングの猛攻(投げられた仕返し?)。ハワードは右目が腫れていく。12R終了。判定は3-0。何とかKOされずに頑張ったハワード。スターリングは強かった。)


シュガー・レイ・レナード 9R TKO ケビン・ハワード

(J・ミドル級10回戦、1984年)

ハワード:左ジャブ、右ストレート、左右フック   

レナード:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

4R:右ストレートでレナードがダウン

(感想:スターリング戦後、マーク・メダルに敗れたハワード(メダルはその後、新興団体IBFの初代J・ミドル級王者に)。大きなチャンス到来。相手は統一世界ウェルター級王者のまま網膜剥離によって引退したレナード。ボクシングを愛してやまないレナードが目の検査を受けてカムバック。どんな動きを見せるか、といったところ。マサチューセッツ州ウースターでの注目の一戦。ゴング前、ドナルド・カリー、アーロン・プライアー、ハービン・ハグラーがリング上であいさつ。試合開始。ハワードがジャブで前に出る。レナードは左のガードを下げた構え。フットワークで距離を取る。4R、攻めようとするレナードだが、右ストレートがカウンターでヒットしてダウン。その後、レナードは力強いフックを打ちながらもどこか慎重な姿勢。9R、左フックでハワードの足がもつれる。倒れまいとクリンチしたところでレフェリーストップ。ハワードのセコンドはストップのタイミングに不満の様子だったが、足に来ていたのは間違いない。勝ったレナード。パンチ自体はハワードよりもパワーがあったが、自信を失って再び引退状態に(そして再びカムバックしてマービン・ハグラーのWBC世界ミドル級王座に挑戦)。ハワードは負けたが、大物相手に見せ場を作ることができた。その後のハワード。再起戦でロバート・ハインズに敗北(ハインズは後にIBF世界J・ミドル級王者になった)。ラストファイトの相手は後に二階級制覇するサイモン・ブラウンで、TKO負け。ハワードは大きなタイトルは獲れなかったが、実力のある相手と戦い、レナードからダウンを奪ったことでファンの記憶に残る選手となった。引退後、ペンシルベニア州の「ボクシング殿堂」入りを果たした。)

①「Welterweight 

Kevin Howard vs. Dick Eklund」

②「vacant NABF and USBA Welterweight Title 

Marlon Starling vs. Kevin Howard」

③「Junior Middleweight 

Ray Leonard vs. Kevin Howard」

シュガー・レイ・レナード(Sugar Ray Leonard)のページ

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マーロン・スターリング("Magic Man" Marlon Starling)のページ 

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