英国J・ミドル級王者。パワーの乗った右ストレート、フック連打が武器。ジミー・バットン戦、ミック・コートニー戦、アダム・ジョージ戦を紹介します。
プリンス・ロドニー(イギリス)
身長180cm:オースドックス(右構え)
①プリンス・ロドニー 6R KO ジミー・バットン
(英国J・ミドル級王座決定戦、1983年)
ロドニー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
バットン:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
5R:右フック、フック連打で2度、バットンがダウン
(感想:ロドニーがタイトル獲得。ロンドン出身の黒人ロドニー。英国のローカル王座(J・ミドル級)を獲得してきたが、ヘロール・グラハムに敗れるなどポジション的には中堅選手。バットンもロンドン出身で、かつて英国王座を持っていた男。ロベルト・デュランに判定負けしたこともある。イギリス・ケンジントン「ロイヤル・アルバート・ホール」での一戦。共に速いジャブ。しかしながら、ロドニーの右ストレートにはキレがあり、フックでの打ち合いはロドニー優勢。6R、右フックでバットンがダウン(横殴りな感じでダメージはそれほどでもなさそう)。さらにフック連打でダウン。立てず、KO。二度目のダウンは連打によるものだったが、特に右フックが強烈だった。バットンはこれがラストファイトになった。)
②プリンス・ロドニー 12R 判定 ミック・コートニー
(英国J・ミドル級タイトル戦、1985年)
ロドニー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
コートニー:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:ロドニーがタイトル防衛。これまで29勝5敗1分のロドニー。これが二度目の防衛戦。白人選手コートニーは11勝5敗1分。英国のローカル王座(J・ミドル級)に挑戦したが、敗北。英国王座獲得なるか、といったところ。英国での一戦。1Rから正確にジャブをヒットさせるロドニー。引っ張るように打つ左フック、横殴りのように叩きつける右フックも迫力。正統派コートニーは足とジャブを使いながら、時折右ストレートを決める。判定はPTS(レフェリーまたはジャッジが一人で採点する判定方法)でロドニー。コンビネーションで攻め、パンチも正確だった。にもかかわらず、ダウンシーンが無かったのが気になるところ。ロドニーは力強く打ってるように見えたが、パンチ自体が軽いのかも(単にコートニーが異常にタフだっただけかもしれない)。この後、コートニーは四連敗で引退。チャンスには恵まれたが、王座を獲得することはできなかった。)
③アダム・ジョージ 10R 判定 プリンス・ロドニー
(J・ミドル級戦、1985年)
ロドニー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ジョージ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:英国王者ロドニーのノンタイトル戦。ジョージはアメリカ・ルイジアナの選手で、これまで17勝1敗。王座戦の経験は無いが、このところ好調。英国で行われた黒人選手同士の一戦。ジャブを基本とするスタイル、体型などに共通点がある両者。ロドニーがジャブ、右フックで攻める。ジョージはジャブ、左右ボディ打ちで応戦。パンチの打ち方はロドニーの方が迫力がある。中盤以降、手数を出すジョージ。ロドニーは勢いが続かない様子。判定はPTS。ジョージの戦い方がそんなに良かったようには見えなかったが、ロドニーは勢いが徐々に失速してしまった。さらにロドニーは次の試合でクリス・ピアット(後のWBO世界ミドル級王者)にKOで敗れ王座陥落。その後はブランクがちでさしたる実績は無し。勢いのある時に世界挑戦できなかったのが残念。ジョージはその後、モーリス・ブロッカーにTKO負け。王座戦の機会は一度もなかった。)
①「vacant British Super Welterweight Title
Prince Rodney vs. Jimmy Batten」
②「British Super Welterweight Title
Prince Rodney vs. Mick Courtney」
③「Super Welterweight
Prince Rodney vs. Adam George」
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