クルーザー級で世界を目指したカメルーン出身の強打者。レナルド・デ・バルダー戦、ジョニー・ネルソン戦、ジェームス・ワーリング戦を紹介します。
ノーベルト・エカッシ(カメルーン)
身長190cm:オースドックス(右構え)
①ノーベルト・エカッシ 2R KO レナルド・デ・バルダー
(クルーザー級戦、1991年)
エカッシ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
バルダー:左ジャブと右ストレート
(ダウンシーン)
2R:左フックでバルダーがダウン
(感想:エカッシはカメルーン出身の黒人選手で、主戦場はフランス。これまで7勝4敗。後に世界挑戦するアキム・タフェを下しているハードパンチャー。バルダーは7勝9敗4分で、勝ったり負けたりのベルギーの選手。パリでの一戦。共にガードを上げてジャブ。エカッシは足を使いながらジャブ連打。バルダーは勢いに押されて手数が少ない。2R、猛烈な連打からの左フックでバルダーがダウン、KO。相手はそれほどのレベルではなかったが、エカッシはなかなかのパワーパンチャー。相手の様子をチェックする慎重さもあった。バルダーはその後も勝ったり負けたりだった。)
②ノーベルト・エカッシ 3R TKO ジョニー・ネルソン
(クルーザー級戦、1992年)
エカッシ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ネルソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
2R:フック連打でエカッシがダウン
3R:右フックでネルソンがダウン
(感想:バルダー戦後、連勝のエカッシ。面白い相手と対戦。ネルソンは英国の黒人で、後にWBO世界クルーザー級王者になる男。スラリとした長身選手で、左のガードを下げてジャブ、右ストレートを使う個性派。フランスでの一戦。エカッシが前進し、強打。特に右のパンチを当てようとする。長いリーチとバックステップで攻撃をかわすネルソン。攻めるエカッシだが、2R、フック連打でダウン。それでも攻めるエカッシ。3R、コーナー、ロープ際にネルソンを追い込む。右フックでネルソンがダウン。立ったがレフェリーストップ。エカッシが後の世界王者をパワーで押し切った。ネルソンも結構強かったが、守りに入ってしまうクセがあり、勝てるだけの実力がありながら負けてしまった。)
③ノーベルト・エカッシ 10R 判定 ジェームス・ワーリング
(クルーザー級戦、1993年)
エカッシ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ワーリング:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
3R:右ストレートでワーリングがダウン
10R:左フックでワーリングがダウン
(感想:連勝を続けるエカッシが元IBF世界クルーザー級王者ワーリング(スラリとしたボクサータイプ)と対戦。フランスでの一戦。共にジャブ、ストレート。攻めるエカッシは後ろ姿がマイク・タイソンっぽい感じ。エカッシのディフェンスの隙を突こうとするワーリングだが、勢いに押される。3R終了間際の右ストレートでワーリングがダウン(油断したようだ)。その後もガンガン攻めるエカッシだが、空振りも多い。10R、右ストレートからの左フックでワーリングがダウン(その「左フック」は左手首を巻き込むようなパンチでクリーンヒットではなかった)。判定は3-0。右ストレートを4Rに当てるなど、ワーリングも細かいテクニックを見せたが、エカッシが大味なボクシングで勝利。後の世界王者、元世界王者を破ったエカッシ。しかしその後、欧州クルーザー級王座戦でTKO負け。その再起戦(1RでTKO勝ち)がラストファイトに(1995年6月27日)。そして1995年12月25日に29歳で死去。自宅での何らかの事故が原因だったという。世界挑戦できずに世を去ってしまったエカッシ。ボクサーとしては真っ直ぐ攻めたり、ジャブが少なくなったりするクセがあったため、パンチの正確さに欠けるところがあったのが残念。もう少し当てるテクニックがあれば世界を獲っていたに違いない。)
①「Cruiserweight
Norbert Ekassi vs. Renald De Vulder」
②「Cruiserweight
Norbert Ekassi vs. Johnny Nelson」
③「Cruiserweight
Norbert Ekassi vs. James Warring」
ジェームズ・ワーリング(James Warring)のページ
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ジョニー・ネルソン(Johnny Nelson)のページ
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