ソ連崩壊後プロ入りしたロシア出身のライト級。ロバート・オルベラ戦、レイ・オリベイラ戦、カール・グリフィス戦を紹介します。
セルゲイ・アルテミエフ(ロシア)
身長175cm:オースドックス(右構え)
①セルゲイ・アルテミエフ 1R KO ロバート・オルベラ
(J・ウェルター級戦、1990年)
アルテミエフ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
オルベラ:左ジャブと右ストレート
(ダウンシーン)
1R:右フック、右ストレート(?)で2度、オルベラがダウン
(感想:ロシア出身のアルテミエフ。あのソ連が崩壊。ユーリ・アルバチャコフ、スラフ・ヤノフスキー、オルズベック・ナザロフ、スラフ・ヤコブレフ、コンスタンチン・チューらアマチュア界の実力者がプロ入り。アルテミエフもそういった選手の一人。これはデビュー四戦目。オルベラはカリフォルニアの選手で、さしたる実績はナシ。カリフォルニア州サンディエゴ「スポーツ・アリーナ」での一戦。左を使って右ストレート、左フックを狙うアルテミエフ。オルベラはこわごわジャブ、ストレートを打つ。そんなオルベラを右フック、右ストレート(だと思う。レフェリーの背にさえぎられてパンチがよく見えなかった)で倒して終了。結果は妥当なところ。アルテミエフはやや動きが固く、狙いすぎだったような気もするが、拳の固さを感じるパンチだった。オルベラはこれが最後の試合に。)
②セルゲイ・アルテミエフ 10R 判定 レイ・オリベイラ
(J・ウェルター級戦、1992年)
アルテミエフ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
オリベイラ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:あれから経験を積んで17勝(12KO)1敗1分のアルテミエフ。オリベイラはマサチューセッツ州出身。デビュー以来、連勝だったが二連敗を喫してこれまで15勝(5KO)2敗。このところ二連勝で復調中。アメリカ・マシャンタケットでの一戦。慎重にディフェンスしながら速いジャブ、右ストレートを打つオリベイラ。アルテミエフは右ストレート、左フックを強振するが、ジャブは少な目。オリベイラは良いパンチを持っているが、やや受け身の姿勢。10R終了。判定は2-1。アルテミエフの攻める姿勢が評価されたと思われる(ラウンドカットされた映像で観戦したため、ダウンシーンがあったかどうかは不明)。オリベイラはもったいない負け方。もっと攻めれば勝っていたかもしれないぐらい実力はあった。実際、メジャー団体の世界王座は獲れなかったが、この試合の後にチャールズ・マレーやビンス・フィリップスに勝利している。アルテミエフの次の試合はカール・グリフィスとの全米ライト級王座決定戦。)
③カール・グリフィス 10R TKO セルゲイ・アルテミエフ
(全米ライト級王座決定戦、1993年)
アルテミエフ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
グリフィス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
10R:左フックでアルテミエフがダウン
(感想:グリフィスがタイトル獲得。白人同士の一戦。オハイオのグリフィスはこれまで25勝(10KO)2敗2分。元IBF世界ライト級王者ハリー・アローヨに3-0、元WBA世界ライト級王者リビングストン・ブランブルに2-1で勝ったことがある(アローヨ、ブランブルはその試合の時点ではピークは過ぎていたかもしれないが、基本がしっかりできている良い選手である)。アトランチックシティ「トランプ・タージマハール」での一戦。グリフィスはワンツーからの左ボディフックなどのコンビネーションが巧い。アルテミエフは一つ一つのパンチに力を入れるが、その分、空振りや動きのぎこちなさが見られる。左ボディ、右アッパーで攻めるグリフィス。アルテミエフはキツくなってきたのか、足を使ったり、クリンチしたり。10R、連打からの左フックでアルテミエフがダウン。立ったが、ダメージと右目の下のキズによりレフェリーストップ。アルテミエフが良いパンチを打つシーンもあったが、グリフィスが回転の速い連打で上回った。アルテミエフはこれで引退。グリフィスは後、ロジャー・メイウェザーに判定負け、オスカー・デラ・ホーヤのWBO世界ライト王座に挑戦して敗北。アルテミエフ、グリフィス共に世界には手が届かなかった。)
①「Super Lightweight
Sergey Artemiev vs. Robert Olvera」
②「Super Lightweight
Sergey Artemiev vs. Ray Oliveira」
③「vacant USBA Lightweight Title
Sergey Artemiev vs. Carl Griffith」
オスカー・デラ・ホーヤ(Oscar De La Hoya)
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