2022年7月27日水曜日

フランク・フレッチャー(Frank Fletcher)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

全米ミドル級王者。速いジャブ、フック連打が武器だったサウスポー。ウィリアム・ケイブマン・リー戦、ジェームス・グリーン戦、ジョン・ムガビ戦を紹介します。

フランク・フレッチャー(Frank Fletcher)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

フランク・フレッチャー(アメリカ)

身長170cm:サウスポー

フランク・フレッチャー 4R TKO ウィリアム・ケイブマン・リー

(ミドル級戦、1980年)

フレッチャー:右ジャブ、左ストレート、左右フック

リー:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

4R:左フックでリーがダウン

(感想:フィラデルフィア出身のフレッチャーはボクサータイプのサウスポー。これまで6勝2敗1分、と平凡な戦績(フレッチャーのニックネームは「アニマル」。いつからそう呼ばれるようになったのかはわからないが、荒々しさよりもテクニックと連打で勝負するタイプ。あまり「アニマル」というイメージは感じない)。リーは13勝1敗で、期待のホープ。「ケイブマン」は「洞窟に住む男」という意味で、「野性味あふれるパワーを持っている危険な奴」ということらしい。アトランチックシティで行われた若手対決。フレッチャーがジャブと足を使いながら左ストレートを狙う。リーは左のガードを下げてジャブを打つが、パンチのキレは今ひとつ。そんなリーにフレッチャーがキレのあるストレート、フックで積極的に攻める。4R、左フックでリーがダウン。さらに連打でレフェリーストップ。フレッチャーがホープに快勝。リーはサウスポーが苦手だったのかもしれないが、パンチのキレに欠けていた。「マービン・ハグラーへの挑戦」が目標ならばサウスポーのハグラーに勝てるだけの技量があるというところをフレッチャー戦で見せなければならなかったが、惨敗。後にハグラーに1RでKOされたのが理解できるような敗北だった。)


フランク・フレッチャー 6R TKO ジェームス・グリーン

(全米ミドル級タイトル戦、1982年)

フレッチャー:右ジャブ、左ストレート、左右フック

グリーン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:フレッチャーがタイトル防衛。決定戦で全米王者になったフレッチャー。クリント・ジャクソンらを相手にこれまで三度の防衛成功。挑戦者のグリーンはタフなファイターで、ニックネームは「岩石男」。ロビー・シムス(マービン・ハグラーの弟)には敗れたが、ウィルフォード・サイピオン(後、マービン・ハグラーの世界王座に挑戦してKO負け)に勝利するなど、戦績は良好。アトランチックシティでの注目の対決。ジャブを使いながら強引に接近し、左右フックでボディを乱打するグリーン。フレッチャーは警戒しながらジャブ、ストレートで応戦。ディフェンスなどお構いなし、とばかりに攻撃するグリーン。3R、フック連打でフレッチャーがダウン寸前に(会場ではフレッチャーのママが息子を激しく応援)。さすがに疲れてきたか、グリーンの勢いが落ちる。6R開始早々、フレッチャーがフック連打でラッシュ。グリーンが打たれっぱなしになったところでレフェリーストップ。ダウンシーンは無し(さすが「岩石男」)。相手が疲れるのを待って反撃したフレッチャー。読みが当たった、といった感じの勝利。グリーンはエキサイティングではあったが疲れる戦い方。良いジャブを持っているのに攻撃一辺倒。もう少しペース配分がうまくできれば勝てたかも。後にグリーンはジョン・ムガビと対戦してKO負け。世界挑戦ならず。)


ジョン・ムガビ 4R TKO フランク・フレッチャー

(ミドル級戦、1984年)

フレッチャー:右ジャブ、左ストレート、左右フック

ムガビ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

4R:連打でフレッチャーがダウン

(感想:グリーンに勝利したフレッチャーだが、次の防衛戦でウィルフォード・サイピオンに敗北、王座陥落。世界挑戦が決まりかけたこともあるフレッチャーとしては全米タイトルを取られてしまったのは実に痛い。さらにアルゼンチンの「剛腕」ファン・ドミンゴ・ロルダンにKO負け。そんな状況で売り出し中の「野獣」ムガビ(ウガンダ)と対戦。これまで18勝(12KO)4敗1分のフレッチャーに対し、ムガビは22戦全勝(22KO)。相手の強打を警戒して細かいジャブを使うフレッチャー。ムガビは威圧感を出しながら、ジリジリ距離を詰める。4R、右フックからの連打でフレッチャーがダウン。立ったが、レフェリーは試合を止めた。ムガビが多少打たれながらも腕力で制圧。押され気味だったフレッチャー。短い試合だったが右目が腫れていた。ムガビのパワーは相当なものだったのだろう。そんなムガビも後にマービン・ハグラーにKOされた。80年代には活きのいいミドル級が大勢いたが、結局マトモにハグラーと戦えたのは一人もいなかった。)

①「Middleweight 

Frank Fletcher vs. Caveman Lee」

②「USBA Middleweight Title 

Frank Fletcher vs. James Green」

③「Middleweight 

Frank Fletcher vs. John Mugabi」

マービン・ハグラー(Marvelous Marvin Hagler)のページ

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ウィリアム・リー(William "Caveman" Lee)のページ

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ウィルフォード・サイピオン(Wilford Scypion)のページ

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ジョン・ムガビ(John "The Beast" Mugabi)のページ

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