IBF世界J・バンタム級王者。インドネシア初の世界王者。カオサイ・ギャラクシーとの試合でもおなじみ。全周都戦、セサール・ポロンコ戦(再戦)、李東春戦を紹介します。
エリー・ピカル(インドネシア)
身長165cm:サウスポー
①エリー・ピカル 8R KO 全周都
(IBF世界J・バンタム級タイトル戦、1985年)
ピカル:右ジャブ、左ストレート、左右フック
全:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
4R:全がダウン
8R:左フック(?)で全がダウン
(感想:ピカルがタイトル獲得。「The Exocet(フランス製のミサイルのこと)」(左強打を例えたもの)と呼ばれたピカル。子供の頃は真珠を取るダイバーだったという。プロボクサーに。ジャカルタでのデビュー戦にKO勝ち。五戦目で初黒星を喫してしまったが、インドネシア王座、東洋太平洋王座(いずれもJ・バンタム級)を獲得し、この初の世界挑戦。王者の全は大阪で春日井健とIBF世界J・バンタム級初代王座決定戦を行い、TKO勝ちで王者になった韓国人。五度の防衛に成功している。ジャカルタで行われた試合。ピカルは左が武器。ブロックしながらジャブ、左ストレート。王者の全はファイタータイプ。ジャブ、ストレートで前進し、左ボディ打ち。攻める全、左で迎え撃つピカル。4R、全がダウン(レフェリーの背に隠れる形になって映像では何のパンチか見えなかった)。その後、疲れが出てきたのか、全は振りが大きくなり、攻撃が雑になっていく。8R、左フック(?)で全がダウン。完全KO。フィニッシュのKOパンチは非常に速く、映像では左フックだったように見えた。全も良いパンチを打っていたが、サウスポーは苦手だったか。ピカルはまるで王者のような受け身のスタイル。見た目の印象も戦い方もやや地味な印象があったが、得意の左で豪快にKO勝利。インドネシア初の世界王者に地元のファンも大喜びしていた。)
②エリー・ピカル 3R KO セサール・ポロンコ
(IBF世界J・バンタム級タイトル戦、1986年)
ピカル:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ポロンコ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
3R:ボディフックでポロンコがダウン
(感想:ピカルがタイトル奪回。初防衛に成功したピカルだが、ポロンコに2-1の判定で敗れ、王座陥落。再びジャカルタで再戦(ダイレクト・リマッチ)。王者ポロンコはドミニカの選手。スラリとした体型から速いジャブ、ストレートを連打し、ショートフックを使う器用な選手。ピカルの左をかわしてカウンター。しかし3R、ピカルのボディフック連打でポロンコが少し間をおいてダウン、KO。ピカルのパンチにはキレとパワーがあった。ポロンコはきびきびしたボクシングをしていたが、パンチが軽かった印象。相手を倒せるパワーがないのならアウトボクシングに徹するべきだった。後、ポロンコはWBCのインター王座(J・バンタム級)を獲得したが、ナナ・コナドゥ(後、世界二階級制覇)に敗れ、王座陥落。世界戦はピカルとの二試合のみに終わった。)
③エリー・ピカル 10R KO 李東春
(IBF世界J・バンタム級タイトル戦、1986年)
ピカル:右ジャブ、左ストレート、左右フック
李:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
10R:左フックで李がダウン
(感想:ピカルがタイトル防衛。ジャカルタで行われた奪回した王座の初防衛戦。李は後に日本で「グレート金山」の名でリングに上がることになる韓国人。共に慎重な雰囲気。李が接近してボディ攻撃。ピカルはいつものように左を狙う。李は前に出るが攻撃のリズムが悪く、クリンチされてしまう。10R、左フックが李にヒット。倒れまいとばかりにピカルにしがみつく李だがうずくまる。レフェリーがカウントを取り、KO。韓国型ファイターはガムシャラな攻めをするため攻撃のリズムがイマイチだったり、パンチの振りが大きくなって隙も大きくなってしまう場合が多い。隙が大きい李は得意パンチを持つピカルには特に難しい相手では無かったように見えた。そんなピカルもWBA王者カオサイ・ギャラクシーにはKO負け。「上には上がある」のがボクシング界。しかしながら、その後、IBFタイトルを奪回、三度防衛。計三度、世界王者になったインドネシアの英雄。引退後、薬物がらみの事件を起こしてしまったが、アマチュアスポーツ関連の仕事をしているという。)
Ju Do Chun vs. Ellyas Pical」
②「IBF World Super Flyweight Title
Cesar Polanco vs. Ellyas Pical」
③「IBF World Super Flyweight Title
Ellyas Pical vs. Dong Chun Lee」
カオサイ・ギャラクシー(Khaosai Galaxy)のページ
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