2022年8月3日水曜日

カール・トンプソン(Carl Thompson)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBO世界クルーザー級王者。正統派タイプの筋肉マン。ラルフ・ロッシジャーニ戦(再戦)、クリス・ユーバンク戦(初戦)、デビッド・ヘイ戦を紹介します。

カール・トンプソン(Carl Thompson)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

カール・トンプソン(イギリス)

身長183cm:オーソドックス(右構え)

カール・トンプソン 12R 判定 ラルフ・ロッシジャーニ

(WBO世界クルーザー級タイトル戦、1997年)

トンプソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ロッシジャーニ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:トンプソンがタイトル獲得。マンチェスター出身のトンプソン。ニックネームは「The Cat(猫)」ということだが、どう見てもネコには見えない(後ろから見ると同じ英国のフランク・ブルーノに似ている)。ゴツイ身体ながらジャブ、ストレートを基本とする正統派スタイル。これまで21勝(16KO)4敗。英国王座、欧州王座、WBCのインター王座(全てクルーザー級)を獲得。WBO世界クルーザー級王座決定戦に出場したが敗北(ロッシジャーニのTKO勝ち)。そしてドイツで再戦。王者ロッシジャーニは弟グラシアノも世界王者になったドイツの「ボクシング兄弟」(グラシアノはWBCとのトラブルでも有名)で、40勝(16KO)8敗7分。これが七度目の防衛戦。どちらもガッチリした体格だが、トンプソンはボディビルダーみたいな筋肉マン。ガードを上げて、トンプソンはジャブ、右ストレート、ロッシジャーニは左フックを狙う。なかなかパワフルな打ち方をするトンプソンがジャブで先手を取る。ロッシジャーニはなぜか受け身の姿勢で、4Rには相手の勢いに押されて転倒。接近戦でもトンプソンの器用さが目立つ。判定はなぜか2-1。トンプソンが攻める姿勢で勝利。ただし、ダウンシーンが無かったことが証明しているように、トンプソンにはKOにつながるような、畳み掛けるように連打するエネルギーや勢いはあまり感じられなかった。)


カール・トンプソン 12R 判定 クリス・ユーバンク

(WBO世界クルーザー級タイトル戦、1998年)

トンプソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ユーバンク:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

4R:右フックでトンプソンがダウン

(感想:トンプソンがタイトル初防衛。マンチェスターでの英国同士の対戦。挑戦者ユーバンクは元WBO世界ミドル、S・ミドル級王者。試合中に個性的なパフォーマンスをする男。まずはユーバンクが入場。体重が増えたためか、トップロープをジャンプしてリングインするいつものパフォーマンスは無し。クルーザー級でもパンチが速いユーバンク。左ジャブ、左右フック、特に左ボディ打ちが印象的。トンプソンはジャブで前進して右ストレートを狙う。4R、連打からの右フックでトンプソンがダウン。7Rには左フックでフラつくトンプソン。しかしながら次第にパワーの差が。左目が腫れていくユーバンク。勇敢に打ち返したり、クリンチしたりしながら最終ラウンドも頑張るユーバンクだが、全体的にはトンプソンのパワーに押された印象。判定は3-0。ユーバンクはまるで映画のロッキーのようによく攻めた(観客へのパフォーマンスも)。一方、体格のアドバンテッジがあったにもかかわらずダウンしたり、フラついたりしたトンプソンはちょっとだらしなかったような印象(再戦もトンプソンが勝利)。なお、この試合のTVコメンテーターはジョニー・ネルソン(後にトンプソンからこの王座を奪取)だった。)


カール・トンプソン 5R TKO デビッド・ヘイ

(IBOクルーザー級タイトル戦、2004年)

トンプソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ヘイ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

5R:右ストレートでヘイがダウン

(感想:トンプソンがタイトル防衛。ユーバンクとの二連戦を制したトンプソンだが、ジョニー・ネルソンにWBO王座を奪われてしまった。その後、IBO王座を獲得。ロンドンで同じイギリスのヘイの挑戦を受けることに。ヘイは後に世界クルーザー級タイトルを統一し、WBA世界ヘビー級王者になる男。この試合の時点では10戦全勝(10KO)。英国の新旧クルーザー級対決。ドレッドヘアーのヘイが先制攻撃。ジャブを飛ばし、右ストレート、フックで攻める。2R、右フックでピンチになるトンプソン。このままではスタミナがもたないと考えたか、ヘイはジャブと足で距離を取る。5R、右ストレートでヘイがダウン。立ったが、さらに右ストレートでヘイが後退。セコンドからタオル投入(場外にまでタオルはすっ飛んでいった)。TKO。ヘイは非常に積極的によく攻めたが、攻撃重視でディフェンスがあまりできていなかったように見えた。後の大物を仕留めたトンプソン。次の試合に判定勝ちして引退。地味ながらも、しっかりしたパンチを打つ男だった。)

①「WBO World Cruiserweight Title 

Ralf Rocchigiani vs. Carl Thompson」

②「WBO World Cruiserweight Title 

Carl Thompson vs. Chris Eubank」

③「IBO Cruiserweight Title 

Carl Thompson vs. David Haye」

クリス・ユーバンク(Chris Eubank)のページ 

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ジョニー・ネルソン(Johnny Nelson)のページ

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デビッド・ヘイ(David Haye)のページ

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