2022年6月10日金曜日

ジョニー・ファメション(Johnny Famechon)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBC世界フェザー級王者。ダウンしながらも勝利する幸運な(?)男。ホセ・レグラ戦、ファイティング原田戦(初戦・再戦)ほかを紹介します。

ジョニー・ファメション(Johnny Famechon)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

ジョニー・ファメション(オーストラリア)

身長166cm:オーソドックス(右構え)


ジョニー・ファメション 15R 判定 ホセ・レグラ

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1969年)

ファメション:左ジャブと右ストレート

レグラ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

6R:連打でファメションがダウン

7R:ワンツーでファメションがダウン

9R:左ジャブでファメションがダウン

11R:右フックでファメションがダウン

15R:連打でファメションがダウン

(感想:ファメションがタイトル獲得。ファメションはフランス・パリ出身の白人でオーストラリア国籍。メルボルンでのプロデビュー戦(1961年)は引き分け。その後、敗北もあったが連勝し、オーストラリア王座、英連邦王座(いずれもフェザー級)獲得。ついに世界挑戦のチャンス。王者レグラはキューバ出身の黒人選手。革命を逃れ、今ではスペイン国籍でリングに上がっている。英国でハワード・ウィンストン(英国)に圧勝して王座獲得。これが初防衛戦となる。英国ケンジントン「ロイヤル・アルバート・ホール」での一戦。共にフットワークとジャブ。レグラがパワーのある振りの大きいフックを使うが、パンチの正確さにやや欠ける。ファメションはジャブ、ストレートを使う正統派スタイル。ところが、なぜか頻繁に滑る(滑りやすいシューズ? レグラが滑るシーンが無かったことからリング自体が滑りやすかったわけではない)。序盤は前に出るレグラの攻撃をディフェンスし、ジャブを当てるファメションが(若干)良かった印象。その後はファメションが何度もダウン。ただ、レフェリーはそれを「スリップ」扱いしているのか、「ダウン」としてカウントを取らない。最終回にもダウン。最終ラウンド終了とほぼ同時にレフェリーはファメションの手を上げた。「PTS」の判定によりファメションが新王者に(「PTS」とはレフェリーまたはジャッジが一人で試合を採点・評価するもの。この試合の場合はレフェリーがジャッジも兼ねていたようだ)。「勝利」に大喜びするファメション(ホントに勝ったと思ってる?)。妙に何度も滑りながら、ダウンしながらファメションが世界を獲得。気の毒だったレグラ。しかし後、クレメンテ・サンチェス(柴田国明をKO)からこのタイトルを奪回。)


ジョニー・ファメション 15R 判定 ファイティング原田

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1969年)

ファメション:左ジャブ、右ストレート、左右フック

原田:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

2R:右クロスでファメションがダウン

5R:左フックで原田がダウン

11R:右フックでファメションがダウン

14R:右フックでファメションがダウン

(感想:ファメションがタイトル初防衛。シドニーで行われた試合。挑戦者の原田はフライ、バンタムで二階級制覇した日本の英雄。世界5位でこれまで54勝(21KO)5敗の26歳。王者ファメションは51勝(18KO)4敗6分の24歳。レフェリーは元世界フェザー級王者ウィリー・ペップ(サンディ・サドラーとのライバル争いで有名)。ジャブを連打して右ストレートと左フックを当てようとする原田。ファメションはディフェンスしながらジャブ。2R、ファメションがダウン(ファメションのジャブにかぶせるような感じの右パンチ)。攻める原田だが、下がりながら打つファメションのジャブも悪くない。5R、原田がダウン。終盤は11R、14Rのダウンで原田が優勢か。最終ラウンド終了と同時にペップが両者の手を上げる(引き分け?)。その後、リングアナが「ファメション防衛」をアナウンス。またしても「PTS」による判定。ペップはファメションのジャブを評価したものと思われる。攻めているから勝ち、ダウンを奪った数が多いから勝ち、というわけではないが、原田が攻勢点で勝っていたような気がする。ボクシングの評価で難しいのは「ディフェンス」。特に軽量級ではパンチが速いため、当たったのかディフェンスされたのかが映像ではわかりにくい。ペップにはファメションのスタイルの方が優れているように見えたのだろう。やはり「PTS」には問題がある。ファメションのジャブ、5Rにダウンを奪った左フックは良いパンチではあったが。)


ジョニー・ファメション 14R TKO ファイティング原田

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1970年)

ファメション:左ジャブ、右ストレート、左右フック

原田:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

10R:右フックでファメションがダウン

12R:左フックで原田がダウン

14R:連打で原田がスタンディングダウン、左フックでダウン

(感想:ファメションがタイトル防衛。日本で行われた再戦。前に出る原田。ファメションはジャブ。攻める原田だが、ファメションはフットワークとディフェンス。前回の試合では有効だった原田の右フックは空を切る。5R終了間際、両者もつれ合って転倒。接近戦ではもみ合い、クリンチ。10R、右フックでファメションのグローブがキャンバスにタッチ。しかし12Rに原田がダウン。14R、二度のダウンで試合終了。全盛期の弾むような連打があまり見られなかった原田。クリンチが多く、試合すること自体がキツい、といった動き。これが最後の試合となった。)


ビセンテ・サルディバル 15R 判定 ジョニー・ファメション

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1970年)

ファメション:左ジャブ、右ストレート

サルディバル:右ジャブ、左ストレート、フック

(ダウンシーン)

13R:右フックでファメションがダウン

(感想:サルディバルがタイトル獲得。原田との決着をつけたファメション。その次の試合で後のWBA世界バンタム級王者アーノルド・テーラーに南アフリカ・ヨハネスブルグで判定勝ち(ノンタイトル戦)。そして三度目の防衛戦。サルディバルは「メキシコの赤い鷹」と呼ばれるサウスポーで元王者。王者のまま王座を返上して引退したが、カムバック。どんな動きを見せるか? イタリア・ローマでの一戦。足で距離を取りながら左ジャブを出すファメション。サルディバルはディフェンスしながら右ジャブ、ワンツーでカウンターを取り、接近して左ボディ打ち。時折右ストレートをヒットさせ、なかなか強いワンツーを打つファメションだが、なぜか攻めない。11R(?)、連打でダウンしたが、レフェリーはカウントせず。13R、右フック(?)がカウンター気味に入ってファメションがダウン。14R、左フックでファメションがダウンしたが、レフェリーはカウントせず(映像ではパンチが入ったように見えたが、スリップだったのかもしれない)。ファメションが受け身のまま15R終了。判定は3-0。サルディバルがカウンターで王座返り咲き。ファメションはもったいない負け方。ワンツーに良さがあったが、消極的だった。サウスポーが嫌いなのかもしれない。その後の二人。サルディバルは初防衛戦で柴田国明の強打を浴びて王座陥落。引退したがカムバックして懐かしの名選手エデル・ジョフレのWBC世界フェザー級王座に挑戦したが、KO負けで完全引退。1985年、癌で死去(42歳)。ファメションはこれが最後の試合。引退後、ロサンゼルスの世界ボクシング殿堂入りを果たしたり、表彰されたり。世界王者としてはイマイチだったような気もするが、強いパンチ、テクニックを持つ優れた選手であったのは間違いない。)


①「WBC World Featherweight Title 

Jose Legra vs. Johnny Famechon」

②「WBC World Featherweight Title 

Johnny Famechon vs. Fighting Harada」

③「WBC World Featherweight Title 

Johnny Famechon vs. Fighting Harada」

④「WBC World Featherweight Title 

Johnny Famechon vs. Vicente Saldivar」


ファイティング原田(Fighting Harada)のページ

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ビセンテ・サルディバル(Vicente Saldivar)①のページ

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ビセンテ・サルディバル(Vicente Saldivar)②のページ

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ハワード・ウィンストン(Howard Winstone)のページ

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