WBC世界フェザー級王者。事故で右手にハンデを負いながらも左ジャブで世界を獲得した正統派。関光徳戦、ジミー・アンダーソン戦、ホセ・レグラ戦を紹介します。
ハワード・ウィンストン(イギリス)
身長165cm:オーソドックス(右構え)
①ハワード・ウィンストン 9R TKO 関光徳
(WBC世界フェザー級王座決定戦、1968年)
ウィンストン:左ジャブ、右ストレート、左フック
関:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:ウィンストンがタイトル獲得。ウェールズ出身のウィンストン。10代の頃に工場での仕事中に右の手指3本を事故で失う。そのため試合では左のパンチが中心。しかしながら、アマチュアでは立派な戦績(大会で優勝したことも)。プロでは英国王座、欧州王座(いずれもフェザー級)を獲得するなど、戦績は良好。しかし、ビセンテ・サルディバルの世界王座への三度に渡る挑戦は全て失敗。左一本ではさすがに勝てず。そして、この世界挑戦。おそらく最後のチャンス。関はこれが五度目の世界挑戦となるサウスポー。サルディバルへの二度の挑戦は判定負けとKO負け。こちらも「最後のチャンス」といった状況。英国での一戦。この試合にはどうしても勝ちたいらしくウィンストンは右ストレートも積極的に出していく。サウスポーの関は力を込めて右ジャブ、左ストレート。接近してフック攻撃を仕掛ける関だが、パンチの正確さに欠ける。9R、関のキズをチェックするレフェリー。負傷によりウィンストンが新王者に(ダウンシーンは無し)。ウィンストンが執念で勝利。関はこれがラストファイトとなった。)
②ハワード・ウィンストン 10R 判定 ジミー・アンダーソン
(フェザー級戦、1968年)
ウィンストン:左ジャブ、右ストレート、左フック
アンダーソン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:右ストレート(?)でウィンストンがダウン
(感想:世界王者ウィンストンがノンタイトル戦。アンダーソンも英国の選手。英国J・ライト級王座などを獲得した実績。共にスラリとした体型でジャブ、右ストレートを使うタイプ。1Rのダウン(映像ではレフェリーの陰になってパンチがよく見えなかった。タイミング的に右ストレートだと思う)。その後はジャブの打ち合い。接近戦ではもみ合い、クリンチ。左フックからの右ストレートを見せるアンダーソン。最終ラウンドはアンダーソンが左右フックで優勢か。試合終了のゴングの後すぐにレフェリーがウィンストンの手を上げた。PTSによる判定でウィンストン勝利(PTS:レフェリーまたはジャッジが一人で試合を評価する判定方法。採点は明らかにされない。各ラウンドごとではなく、全体的な印象で優劣を決めるらしい。この試合ではレフェリーがジャッジも兼ねていたもよう)。左のテクニックが評価されたと思われる。自分と似たようなタイプの相手にかろうじて競り勝ったウィンストン。次の試合はホセ・レグラとのタイトル防衛戦。アンダーソンは後、ジョニー・ファメションらに敗れ、世界挑戦ならず。)
③ホセ・レグラ 5R TKO ハワード・ウィンストン
(WBC世界フェザー級タイトル戦、1968年)
ウィンストン:左ジャブ、右ストレート、左フック
レグラ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:右フック、連打で2度、ウィンストンがダウン
(感想:レグラがタイトル獲得。ウィンストンの初防衛戦はレグラとの再戦(初戦はウィンストンが判定勝ち)。キューバ出身でスペイン国籍の黒人レグラ。キューバでデビューしたが、革命によりメキシコへ。そして主戦場をスペインに。精力的にリングに上がり、欧州フェザー級王座を獲得。ウィンストンとの初戦(1965年)に敗れた後は全勝。速いジャブを使いながら左右フックで荒っぽく前進するレグラ。ウィンストンはジャブ、右ストレート。1Rの二度のダウン。ウィンストンはガードを上げるがレグラの右を食らい、左目が腫れていく。5R、ウィンストンの目の腫れをレフェリーがチェック。その後、ウィンストンは激しく打たれ、レフェリーストップ。レグラがパンチのキレと攻める勢いで圧勝。やはり手のハンデが大きかったウィンストン。これが最後の試合に。引退後、現役時代の功績で勲章を受賞。「困難を克服した男」として讃えられるべき人物だ。)
Howard Winstone vs. Seki Mitsunori」
②「Featherweight
Howard Winstone vs. Jimmy Anderson」
③「WBC World Featherweight Title
Howard Winstone vs. Jose Legra」
ビセンテ・サルディバル(Vicente Saldivar)①のページ
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ビセンテ・サルディバル(Vicente Saldivar)②のページ
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