フライ、バンタム級で二階級制覇を達成した日本の国民的英雄、原田。ポーン・キングピッチ戦(初戦)、エデル・ジョフレ戦(初戦)、ジョー・メデル戦(再戦)を紹介します。
ファイティング原田(日本)
身長160cm:オーソドックス(右構え)
①ファイティング原田 11R KO ポーン・キングピッチ
(世界フライ級タイトル戦、1962年)
原田:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ポーン:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
11R:連打でポーンがダウン
(感想:原田がタイトル獲得。東京都世田谷区出身の原田。本名は原田政彦。弟もボクサー(牛若丸原田。ルーベン・オリバレスといった世界的な選手と対戦。世界は獲れなかったが、日本王者になった)。ニックネームはそのラッシングパワーから「狂った風車」。米穀店に勤務しながら「笹崎ジム」に入門。デビュー以来、無敗を守り、「第17回東日本フライ級新人王戦」では海老原博幸に6R判定勝ち。「第7回全日本フライ級新人王」も獲得。エドモンド・エスパルサ(メキシコ)に判定負けして初黒星を喫してしまったが、世界1位の矢尾板貞雄が突然引退したことから世界挑戦のチャンスが回ってきた。ポーンはタイの正統派。「日本ボクシング界の宿敵」パスカル・ペレス(アルゼンチン)を破って王者に(タイ人初の世界チャンピオンだそうだ)。これまで三度防衛。関光徳、野口恭を相手に日本で防衛しており、その実力は日本でも既に知られている。1Rから積極的に攻める原田。ポーンはタイ人らしいジャブ、右ストレート。リズミカルにジャブを飛ばして右ストレート、左フックを使う原田。ポーンは右ストレートに威力がありそうだが押され気味。11R、右ストレートが効いたポーンにラッシュをかける原田。ダウンしたポーンは座ったまま立てず、KO。原田は一発でKOするようなタイプではないが、よどみなく連打できるバランスの良さ、攻めるときのテンポの良さがあった。)
②ファイティング原田 15R 判定 エデル・ジョフレ
(世界バンタム級タイトル戦、1965年)
原田:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ジョフレ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:原田が二階級制覇。タイでポーンと再戦して敗れた原田(初防衛ならず)。階級を上げたが、ジョー・メデルにKO負け。その後、青木勝利とのライバル対決に勝利するなど連勝し、この世界挑戦。これまで無敗のジョフレ。ブラジル出身の強打者でこれが9度目の防衛戦。正確無比な攻撃が特徴。原田が右ストレート、左フックで先制攻撃。ジョフレはガードを固めてジャブ、左ロングフック。ジャブを連打する原田。4R、右アッパーを打たれて後退するジョフレ。しかし5Rには強烈な左フックと右ストレートを原田に打ち込んで報復。パワーでジョフレ、手数で原田。判定は2-1。長いパンチがパワフルだったジョフレ。ショート連打の原田。ジャッジも採点が難しかっただろう。ダウンシーンは無かったが、ジョフレがハードパンチャーだったためスリリングな試合となった。ジョフレがインターバルの時にコーナーの方を向いて座っていたのも、試合を独特な雰囲気にしていた。)
③ファイティング原田 15R 判定 ジョー・メデル
(世界バンタム級タイトル戦、1967年)
原田:左ジャブ、右ストレート、左右フック
メデル:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:原田がタイトル防衛。ジョフレとの再戦にも勝利した原田。次の防衛戦は因縁の相手。「ロープ際の魔術師」メデルと世界タイトルを懸けて再戦。初戦でボロボロにKOされた原田はその教訓からか、ディフェンスしながらリズミカルに連打、左でボディ打ち。メデルは速いジャブ。5R、右ストレートからの連打を決める原田。判定は3-0。ダウンシーンは無し。メデルはジャブは良かったが、自分から攻めていく姿勢に欠けていた。原田の強さはリズミカルなフットワークと連打を15R続けるスタミナ。ジョフレやメデルに勝てるだけの本物の実力があった。その後、原田は減量苦からライオネル・ローズに敗れ、世界バンタム級王座陥落。フェザー級で三階級制覇を狙ったが、叶わず、引退。引退後はジムで後進の指導をしたり、TV解説を務めたり。「日本プロボクシング協会」の会長に就任し、業界を支えた。)
Pone Kingpetch vs. Fighting Harada」
②「World Bantamweight Title
Eder Jofre vs. Fighting Harada」
③「World Bantamweight Title
Fighting Harada vs. Jose Medel」
ポーン・キングピッチ(Pone Kingpetch)のページ
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エデル・ジョフレ(Eder Jofre)のページ
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ジョニー・ファメション(Johnny Famechon)のページ
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海老原博幸(Ebihara Hiroyuki)のページ
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