2022年2月25日金曜日

エデル・ジョフレ(Eder Jofre)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

世界バンタム、フェザー級王者。「黄金のバンタム」と呼ばれ、日本でも有名。ジョー・メデル戦(初戦)、ファイティング原田戦(再戦)、ホセ・レグラ戦を紹介します。

エデル・ジョフレ(Eder Jofre)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

エデル・ジョフレ(ブラジル)

身長163cm:オーソドックス(右構え)

エデル・ジョフレ 10R KO ジョー・メデル

(バンタム級戦、1960年)

ジョフレ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

メデル:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

10R:右ストレートでメデルがダウン

(感想:「ガロ・デ・オーロ(黄金のバンタム)」と呼ばれたジョフレ。サンパウロ出身。父と兄弟もボクサーの「ボクシング一家」。ジムを経営する父の指導で才能が開花。アマチュアではメルボルンオリンピック(1956年)に出場したが、メダルは獲得ならず。しかしながら、アマ戦績は150戦148勝2敗という驚異的なレコード。プロ入り後、これまで無敗。メデルはメキシカン。メキシコ王座(バンタム級)を獲得している実力者ではあるが、連敗したことも。ジョフレが世界王者になる前の試合。場所はロサンゼルス「オリンピック・オーディトリアム」。共に速いジャブ、ストレートが武器の似たタイプ。ただ、ジョフレの方が手数(特に左のパンチ)が多く、左フックが強烈。5R、メデルをコーナー、ロープ際に追い込んでパワフルに連打。10R、右ストレートでついにメデルがダウン、KO。ジョフレは一発で倒すのではなく、左をしつこいぐらい連打したうえでフィニッシュする試合運びをする選手。右ストレートは共に迫力があったが、最後はジョフレが止まらない攻撃で圧倒した。後、メデルはファイティング原田をノンタイトル戦でKO。)


ファイティング原田 15R 判定 エデル・ジョフレ

(世界バンタム級タイトル戦、1966年)

ジョフレ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

原田:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:原田がタイトル防衛。空位となっていたNBA世界王座を決定戦で獲得したジョフレ。王座を防衛し続けたが日本でまさかの敗戦、初黒星。再び日本に乗り込んで原田と再戦。初戦では歴史的な番狂わせでジョフレから世界王座を奪った原田。アラン・ラドキンを相手に初防衛に成功し、これが二度目の防衛戦。原田が体を左右に振りながら前進し、リズミカルにコンビネーション(左フックのボディ打ちが効果的)、そしてクリンチ。ジョフレは強い右ストレートを決めるシーンもあったが(4R、8Rなど)、原田の勢いに受け身な試合ぶり。判定は3-0。ダウンシーンは無し。メデル戦と比べるとパンチのキレが落ちていたジョフレ。全盛を過ぎていたらしい。原田がジョフレを圧倒した、というより、原田はうまくやった、という印象。)


エデル・ジョフレ 15R 判定 ホセ・レグラ

(WBC世界フェザー級タイトル戦、1973年)

ジョフレ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

レグラ:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

3R:右フックでジョフレがダウン

(感想:37歳のジョフレが二階級制覇。原田戦の後、ブランクがあったジョフレが復帰。連戦連勝。地元でレグラに挑戦。王者レグラは「スペインの選手」(キューバ出身の黒人)。あのクレメンテ・サンチェス(柴田国明をKOして王者になったメキシカン)を破って王者に。これが初防衛戦。ジョフレよりも背が高く、体格差を感じる。ジョフレがディフェンスしながらジャブ。レグラはフットワークを使いながらジャブ連打。3R終了間際、右フックでジョフレがダウン。その後、レグラはジャブ、ジョフレは右ストレートを時折ヒットさせる。判定は2-0。打ち方はジョフレの方が良かったが、映像では全体的にレグラがジャブで先手を取っていたように見えた。勝って喜ぶジョフレ。ジャッジが支持したのであればその判定が正しいのだろう。原田が獲れなかったWBC世界フェザー級王座を獲得して、ある意味、雪辱を果たした形。その後、ジョフレはかつての名王者ビセンテ・サルジバルをKOして初防衛に成功。その後、王座を剥奪されたが、地元ブラジルのリングに上がり続けた。結局、全キャリアでジョフレが負けたのは原田のみ。世界王者でも無名の選手が多い昨今、「世界的な選手」ジョフレが日本のリングに上がったことは日本のファンにとっては貴重な出来事だったと思う。引退後のジョフレ。政治家に転身し、サンパウロ市の市会議員を 16 年間務めた。その後、国有企業に勤務、伝記も出版。「国際ボクシング殿堂」入り。しかし、慢性外傷性脳症に悩まされ、病気の合併症により86歳で死去。ジョフレほどのテクニックを持つ選手でも晩年はダメージに苦しんだ。ブランク後の復帰が良くなかったのではないかと思われる。)

①「Bantamweight 

Eder Jofre vs. Jose Medel」

②「World Bantamweight Title 

Fighting Harada vs. Eder Jofre」

③「WBC World Featherweight Title 

Jose Legra vs. Eder Jofre」

ファイティング原田(Fighting Harada)のページ

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