世界フライ級王者。速いジャブ、ストレートで世界王座を三度獲得。ファイティング原田、海老原博幸との試合で有名。パスカル・ペレス戦(初戦・再戦)、野口恭戦を紹介します。
ポーン・キングピッチ(タイ)
身長169cm:オーソドックス(右構え)
①ポーン・キングピッチ 15R 判定 パスカル・ペレス
(世界フライ級タイトル戦、1960年)
ポーン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ペレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ポーンがタイトル獲得。タイ初の世界王者ポーン。「ポーン・キングピッチ」はリングネームで本名は「Mana Sridokbuab」。デビュー戦に勝利。その後、三度敗北を喫してしまったが、タイ王座、東洋王座(いずれもフライ級)獲得。東洋王座防衛戦で三迫仁志を破るなど、日本人選手とも対戦してきた。アルゼンチンの王者ペレスは白井義男から王座を奪った男。米倉健志、矢尾板貞雄の挑戦をしりぞけるなど日本ボクシング界にとっては「天敵」とも言える存在。バンコクで行われた試合。ポーンがトップロープをジャンプしてリングイン。スラリとした体型から速いジャブ、右ストレートを打つ。ペレスはジャブを使いながら左右フックを当てようとする。接近しての打ち合い。離れた距離ではポーンのジャブ、接近戦ではペレスがやや優勢か。判定は2-1。ダウンシーンは無し。ペレスのボクシングはとにかくパンチを当てていこうとする実戦的なものではあったが、悪く言えば「粗い」感じのもの。ポーンは端正な戦い方。ジャッジにはポーンのジャブ、ストレートの方が見栄えが良く見えたのではないかと思われる。)
②ポーン・キングピッチ 8R TKO パスカル・ペレス
(世界フライ級タイトル戦、1960年)
ポーン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ペレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ポーンがタイトル防衛。ロサンゼルス「オリンピック・オーディトリアム」で行われた再戦。共にフットワークとジャブ。飛び込むように左フックを打っていくペレス。ポーンは伸びのある右ストレートを思い切って打つ。精力的に攻めるペレスをポーンは持て余す。ペレスは次第にクリンチが多くなっていく。8R、レフェリーが試合ストップ。映像ではストップの理由がよくわからなかった(疲労または負傷?)。ダウンシーンは無し。ペレスは瞬発力を生かして左フックを打ち込むタイプ。動きは悪くはなかったように見えたが、積極的に攻め続けたためスタミナの消耗が早かったのではないか?)
③ポーン・キングピッチ 15R 判定 野口恭
(世界フライ級タイトル戦、1962年)
ポーン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
野口:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:ポーンがタイトル防衛。二度目の防衛戦で関光徳を判定で下したポーン。三度目の相手、野口は日本フライ級王座を獲得している選手で、負けたが矢尾板貞雄の東洋フライ級王座に挑戦したこともある。日本で行われた試合(その次の原田戦と合わせて三連続で日本での防衛戦)。サウスポーの野口がジャブを使いながら力強いストレート、右フックを振るう。ポーンは左を使って右ストレートを狙い、接近してボディ打ち。3R終了後にも手を出すポーン。その後、互いに警戒しながら打ち合うが、野口の左目が腫れていく。判定は3-0。ダウンシーンは無し。野口は左ストレートをヒットさせたりするなどパワフルな攻めを見せたが、ポイント的にはポーンのリズミカルな連打の方が見栄えが良かったように見えた。サウスポーが相手でも鋭いジャブ、ストレートを当てる巧さを見せたポーン。次の防衛戦の相手はファイティング原田。若い原田にKO負け。しかし、タイで王座奪回。海老原博幸に1RでKO負け。またしてもタイで王座奪回。通算三度の世界獲得。しかし、ここまで。サルバトーレ・ブルーニ(イタリア)にローマで敗れ、それが最後の世界戦に。タイの英雄だったが、1982年に病で死去。47歳だった。)
Pascual Perez vs. Pone Kingpetch」
②「World Flyweight Title
Pone Kingpetch vs. Pascual Perez」
③「World Flyweight Title
Pone Kingpetch vs. Noguchi Kyo」
ファイティング原田(Fighting Harada)のページ
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海老原博幸(Ebihara Hiroyuki)のページ
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