WBA世界バンタム級王者。「負傷」で二度世界王座を獲得したタイのサウスポー。ジョン・マイケル・ジョンソン戦、ナナ・コナドゥ戦(初戦・再戦)を紹介します。
ダオルン・チュワタナ(タイ)
身長 cm:サウスポー
①ダオルン・MPペトロリアム 2R TKO ジョン・マイケル・ジョンソン
(WBA世界バンタム級タイトル戦、1994年)
ダオルン:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ジョンソン:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:ダオルンがタイトル獲得。タイのダオルン。見た目が後にフライ級で一時代を築くポンサクレックに似ているサウスポー。他のタイ人ボクサー同様、複数のリングネームを持つ(他に「ダオルン・チョーシリワット」)。デビュー当初は敗北もあったが、勝つコツを掴んだか、タイ王座(フライ、バンタム級)、東洋太平洋王座(バンタム級)を獲得。元IBF王者ローランド・ボホール、タシー・マカロスに勝利。タイで初の世界挑戦。王者ジョンソンはジュニア・ジョーンズから番狂わせでこの王座を獲得したアメリカンでジャブ、ストレートを使う正統派。これが初防衛戦。WBA1位のダオルン。ジャブからの左ストレート、そしてフック連打で攻める。相手の様子をうかがう慎重姿勢のジョンソンだが、バッティングで右マブタを負傷。2R開始のゴングに応じられずTKO負け。新王者誕生。わずか1Rでのバッティングによる続行不能なのだから「ノーコンテスト」なのでは? 何だかよくわからない王座交代劇であった。ダウンシーンは無し。)
②ダオルン・チョーシリワット 10R 負傷判定 ナナ・コナドゥ
(WBA世界バンタム級タイトル戦、1996年)
ダオルン:右ジャブ、左ストレート、左右フック
コナドゥ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:ダオルンがタイトル奪回。ウィラポン(辰吉との試合でおなじみ)に判定負けでタイトルを失ったダオルン。そのウィラポンを2RでKOして王者となったナナ・コナドゥにタイで挑戦。WBA1位のダオルンはこれまで59勝(36KO)5敗3分。二階級制覇王者のコナドゥはガーナ出身のスリムなハードパンチャーで36勝(26KO)2敗1分。勢いよくジャブを連打し、右ストレートを打ち込むコナドゥ。ダオルンはガードを上げてジャブ、ストレート。コナドゥがジャブで先手を取り、右ストレートをヒットさせる。ダオルンは思うように攻められない。6R、左ストレートからの右ストレートでグラつくコナドゥ。10R終了間際、ダオルンがバッティングで負傷。10R終わりで負傷判定に。試合自体はコナドゥが手数、特にジャブで優勢だったように映像では見えたが、ダオルンがまたしても「負傷」で王座獲得。コナドゥはWBC世界J・バンタム級王座を文成吉に負傷判定負けで奪われたことがある。「負傷」に縁がある二人は似た者同士なのかも。ダウンシーンは無し。)
③ナナ・コナドゥ 7R TKO ダオルン・チョーシリワット
(WBA世界バンタム級タイトル戦、1997年)
ダオルン:右ジャブ、左ストレート、左右フック
コナドゥ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
7R:左フックでダオルンがダウン
(感想:コナドゥがタイトル奪回。コナドゥから奪った王座の初防衛に成功したダオルン。フロリダ州でコナドゥと再戦。基本的な戦い方、試合展開は前回と同じ。ただ、コナドゥの攻める勢いは前回より上。ジャブを連打し、接近戦でフック連打。ダオルンは左ストレート狙いで打ち返すがディフェンスされる。7R、左フックでダオルンが前のめりにダウン。立ったが連打を浴びてストップ。王座は再びコナドゥへ。これが妥当な結果か。タイ人ボクサーというのは不思議なところがある。地元では強気でガンガン行くが、アメリカでは妙におとなしい試合をしてしまう。ダオルンはこれで引退。二度世界王者になったが、いずれも負傷によるものであるため「世界王者」としては彼にはあまり良い印象はないが、力強いパンチを持っている良い選手であったことは確か。相手の強さに実力を上手く出せなかったのが残念。引退後は軍に入隊したとか。)
John Michael Johnson vs. Daorung Chuvatana」
②「WBA World Bantamweight Title
Nana Konadu vs. Daorung Chuvatana」
③「WBA World Bantamweight Title
Daorung Chuvatana vs. Nana Konadu」
ナナ・コナドゥ(Nana Yaw Konadu)のページ
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ジュニア・ジョーンズ("Poison" Junior Jones)のページ
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ウィラポン・ナコンルアンプロモーション(Veeraphol Nakhornluang Promotion)のページ
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