WBC世界フェザー級王者。パワフルな連打で世界王座を獲得したメキシカン。ケビン・ケリー戦、ルイ・エスピノサ戦、トニー・グリーン戦ほかを紹介します。
アレハンドロ・ゴンザレス(メキシコ)
身長173cm:オーソドックス(右構え)
①アレハンドロ・ゴンザレス 11R TKO ケビン・ケリー
(WBC世界フェザー級タイトル戦、1995年)
ゴンザレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ケリー:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
6R:左フックでケリーがダウン
8R:左フックでゴンザレスがダウン
(感想:ゴンザレスがタイトル獲得。メキシコ・グアダラハラ出身のゴンザレス。ニックネームは「La Cobríta」(意味不明)。14歳でプロデビュー。地元でのデビュー戦には勝利したが、三戦目で敗北。さらに敗北を一つ喫してしまったが、WBCのインター王座(フェザー級)を獲得、防衛(ルイシト・エスピノサをKOした星も)。連勝中の勢いで、この初の世界挑戦。サウスポーの王者ケリーはニューヨーク州ブルックリン出身の黒人。ゴンザレスと同じメキシコのファイターであるグレゴリオ・ゴーヨ・バルガスからスピードとテクニックでベルトを奪取。これが三度目の防衛戦。テキサス州サンアントニオでの一戦。右ジャブからの左ストレートが武器のケリー。ゴンザレスはジャブ、連打、そしてメキシカンらしいボディ打ち。ケリーをロープ、コーナーに追い込んで連打するゴンザレス。6R、右フックからの左フックでケリーがダウン。その後、右目が腫れていくケリー。8R、ラッシュをかけるゴンザレスだが逆に左フックでダウン。しかし試合の流れはゴンザレス。10Rにも連打されたケリーはこのラウンド終了後に棄権。ケリーのパンチにはキレがあり、動きも悪くはなかったが、ゴンザレスはパワーを感じる打ち方をし、パンチにはキレもあった。実力による決着。)
②アレハンドロ・ゴンザレス 12R 判定 ルイ・エスピノサ
(WBC世界フェザー級タイトル戦、1995年)
ゴンザレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
エスピノサ:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:ゴンザレスがタイトル初防衛。ケリーから王座を奪ったゴンザレスが経験のある実力者と初防衛戦。挑戦者エスピノサ(アリゾナ州出身)はWBA世界J・フェザー級、WBO世界フェザー級タイトルを獲得した世界二階級制覇王者(ゴンザレスと戦ったルイシト・エスピノサとは別人)。速いジャブを連打して右ストレートを打ち込む正統派。カリフォルニアでの一戦。ゴンザレスが離れた距離では伸びるジャブ、ストレート、接近戦ではフック、アッパー、左ボディ打ちをパワフルに決める。力強い右を打つエスピノサだが、ゴンザレスはディフェンスも巧い(メキシカン特有の首を振ってパンチをかわすテクニック)。8R、エスピノサが右ストレートを食って後退。12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。互いに速いパンチを打ち合った試合。有効打でゴンザレス。エスピノサは粘り強かったが、ディフェンスされてしまうシーンが多かった。)
③アレハンドロ・ゴンザレス 9R TKO トニー・グリーン
(WBC世界フェザー級タイトル戦、1995年)
ゴンザレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
グリーン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
1R:左フックでグリーンがダウン
7R:左フックでグリーンがダウン
(感想:ゴンザレスがタイトル防衛。これまで36勝(25KO)2敗のゴンザレスが二度目の防衛戦。23勝(15KO)3敗1分の挑戦者グリーン(WBC7位)はペンシルベニア州フィラデルフィア出身の黒人選手で、ニックネームは「ダイナマイト」。スラリとした体型ながら接近してのフック連打が武器のファイタータイプ。ペンシルベニア州フェザー級王座を獲得しているが、全米フェザー級王座への挑戦は失敗。このところ三連勝で、直前の試合ではルディ・サバラに判定勝ちしている。コネチカット州マシャンタケットでの一戦。1R、先制攻撃を仕掛けてきたグリーンにゴンザレスが左フックを合わせてダウンを奪う。グリーンは思い切って攻めていく勇敢な選手ではあるが、振りが大きいため隙も大きい。そんなグリーンにジャブ、右ストレート、左ボディフックをコンビネーションでヒットさせるゴンザレス。3R終了後、エキサイトして互いに打ち合う。7R、右フックからの左フックでグリーンがダウン。9R、連打でレフェリーストップ。グリーンは気が強いところを見せたが、ゴンザレスがキレとパワーのあるパンチで圧倒。レベルの高さを見せつけた。グリーンはその後、二連敗で引退。)
④アレハンドロ・ゴンザレス 10R 負傷引分 アンドニオ・ラミレス
(ライト級戦、2001年)
ゴンザレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ラミレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:グリーン戦の次の防衛戦で同じメキシコのマヌエル・メディナに王座を奪われたゴンザレス。王座奪回を目指して新WBC王者ルイシト・エスピノサに挑戦したが痛烈なKOで雪辱されてしまった(タフでパワーもある強いゴンザレスだが、「上には上がある」のがプロボクシングの怖いところ。強い選手でも勝ち続ける保証はどこにもない)。階級を上げてライト級へ。IBAライト級王座を獲得、防衛。これまで45勝(32KO)4敗。ラミレスとノンタイトル戦。ラミレスはドミニカの黒人で、17勝(13KO)3敗4分。ドミニカでデビュー。ドミニカ王座、WBC地域王座(いずれもJ・ライト級)獲得。アメリカで判定負け、初黒星。NABO王座(J・ライト級)を獲得できたが、地元で判定負け。北米J・ライト級王座決定戦でTKO負け。ゴンザレス戦はその再起戦となるが、コンディションはどうか? アリゾナ州フェニックスでの一戦(レフェリーはトニー・ウィークス)。共にガードを上げてジャブ、左フック。ゴンザレスが右ストレートからの左フック連打、左ボディからの(突き上げるかのような)左フックなど左のテクニックを1Rから見せ、右ストレート、左フックをヒットさせる。2R、積極的に攻めるラミレス。左右フック、右アッパー。ゴンザレスはディフェンスしながら隙を突くパンチを入れるが、ラミレスは構わず接近して連打。最終10R、攻めるラミレスだが、バッティングで左眉付近を大きくカット。負傷判定で、ドロー(ダウンシーンは無し)。一進一退だった試合。隙を突く巧さはゴンザレスだったが、ラミレスは精力的に攻めて時折左フックをヒットさせていた。トータル的に互角だった印象。その後の二人。ラミレスはリングに上がり続けたが、WBFスーパーライト級王座戦、エンジェル・マンフレディ戦、北米ライト級王座戦に敗北。活きのいい選手だったが、トップにはなれず。ゴンザレスは連勝後、スティーブ・ジョンストンに2-0の判定負け。再起戦に勝利して引退。息子もボクサーになり、世界挑戦を経験した。)
①「WBC World Featherweight Title
Kevin Kelley vs. Alejandro Gonzalez」
②「WBC World Featherweight Title
Alejandro Gonzalez vs. Louie Espinoza」
③「WBC World Featherweight Title
Alejandro Gonzalez vs. Tony Green」
④「Lightweight
Alejandro Gonzalez vs. Antonio Ramirez」
ケビン・ケリー(Kevin Kelley)のページ
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ルイ・エスピノサ(Louie Espinoza)のページ
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ルイシト・エスピノサ(Luisito Espinosa)のページ
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