「超特急」と呼ばれたフェザー級のスピードスター、テーラー。エウセビオ・ペドロサ戦、カルビン・グローブ戦、ジョンジョン・モリナ戦を紹介します。
バーナード・テーラー(アメリカ)
身長168cm:オーソドックス(右構え)
①エウセビオ・ペドロサ 15R 引分 バーナード・テーラー
(WBA世界フェザー級タイトル戦、1982年)
テーラー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ペドロサ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ペドロサがタイトル防衛。そのスピードから「The B.T. Express」と呼ばれたテーラー。アマチュアでは大きな大会で優勝したこともあったが、1980年のモスクワオリンピックには出場ならず(アメリカがボイコット)。プロ入り後は連戦連勝。WBA3位で、これまで18戦全勝(11KO)。ノースカロライナ州シャーロット(プロレスのNWAでも有名)で長身の安定王者、ペドロサに挑戦。ペドロサはパナマの「長い」選手で、これが15度目の防衛戦(長身で手足も長く、長期に渡り防衛)。共にフットワークとジャブを使うタイプだが、テーラーのフットワークは「攻める」ためではなく「打ち合いを避ける」ためのもの。見た目からは「逃げている」といった印象。ペドロサも手数が少ない。頭をぶつけていくテーラー(7Rなど)。ヘンにエキサイトしてクリンチ状態で打ち合う両者(だったらもっとKOを狙うような攻めをすればいいのに)。終盤は共に足を止めて打ち合うシーンも。判定はドロー。ダウンシーンは無し。テーラーはペドロサに勝てるだけのスピードとパンチのキレがあったが、「攻め込まない試合運び」ではどうしようもない。「勝者」がいない試合だった。)
②バーナード・テーラー 11R KO カルビン・グローブ
(全米J・ライト級タイトル戦、1990年)
テーラー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
グローブ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
11R:右ストレート、右フックで2度、グローブがダウン
(感想:テーラーがタイトル獲得。無敗のままバリー・マクギガンのWBA世界フェザー級王座に挑戦したテーラーだが、TKO負け。二度目の世界挑戦も実らず。その後、北米フェザー級王座獲得、防衛。階級を上げ、全米王座に挑戦。王者グローブは元IBF世界フェザー王者。テーラーと同じく速いジャブを得意とする実力者。両者とも右ストレートを思い切って打っていくスピード&パワーの内容に。テーラーがディフェンスしながらパンチを当てていく。5R、グローブが左フックを空振りして転倒(倒れるほどの勢いで強振)。次第にクリンチが増えていくが、11R、左フックが効いたグローブ。テーラーが右ストレートでダウンを奪う。さらにダウンでレフェリーが試合を止めた。「テクニシャン」のテーラーが元世界王者を豪快にKO。ボクサーは凄いパンチを持っている人たちであることを再認識させられる試合となった。)
③ジョンジョン・モリナ 8R TKO バーナード・テーラー
(IBF世界J・ライト級タイトル戦、1993年)
テーラー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
モリナ:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:モリナがタイトル防衛。ホープのユージン・スピードを破って全米王座を防衛したテーラー。プエルトリコで三度目の世界挑戦。王者モリナはプエルトリコの選手でアグレッシブなファイター(トニー・ロペスとのライバル戦で有名)。決定戦で獲得した王座の四度目の防衛戦。1982年にペドロサの王座に挑戦したテーラーだが、この試合の時点ではさすがに全盛を過ぎた感じ。モリナがリズミカルかつアグレッシブに連打し、振りの大きいフックを時折ヒットさせる。8R、右アッパーが効いたテーラーがコーナーで連打にさらされてレフェリーストップ。ダウンシーンは無し。「勢いの差」で決着がついた。テーラーは「倒す」というよりも「テクニックをファンに見せたい」というタイプだったように思える。そういった姿勢のため世界王者にはなれなかったが、「世界レベルのパンチ」は持っていた。)
Eusebio Pedroza vs. Bernard Taylor」
②「USBA Super Featherweight Title
Calvin Grove vs. Bernard Taylor」
③「IBF World Super Featherweight Title
John John Molina vs. Bernard Taylor」
エウセビオ・ペドロサ(Eusebio Pedroza)のページ
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バリー・マクギガン(Barry McGuigan)のページ
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カルビン・グローブ(Calvin Grove)のページ
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ジョン・ジョン・モリナ(John John Molina)のページ
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