イギリス正統派のフェザー級ストレートパンチャー、カウデル。サルバドル・サンチェス戦、ロベルト・カスタノン戦、アズマー・ネルソン戦を紹介します。
パット・カウデル(イギリス)
身長170cm:オーソドックス(右構え)
①サルバドル・サンチェス 15R 判定 パット・カウデル
(WBC世界フェザー級タイトル戦、1981年)
カウデル:左ジャブと右ストレート
サンチェス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
15R:右フックでカウデルがダウン
(感想:サンチェスがタイトル防衛。イギリスのカウデル。アマチュアで優秀な成績。1976年のモントリオールオリンピックではバンタム級で銅メダル。プロ入り後は二敗してしまったが、英国フェザー級王座を獲得・防衛し、このところ連勝中。王者サンチェスはメキシカン。人気者で、ウィルフレド・ゴメスをKOしたことで人気はさらにアップ。これが七度目の防衛戦。ヒューストン「アストロドーム」で行われた一戦。この試合の実況はシュガー・レイ・レナード。カウデルは28歳、サンチェスは22歳。サンチェスがいつものように速いジャブとやや振りが大きい右フック。カウデルはジャブ。ただひたすらジャブ。時折、サンチェスの右がヒット。大きな見せ場があまりないまま最終ラウンドへ。15R終了間際に右フックでカウデルがダウン。判定は意外にも2-1。サンチェスの方が手数が多く優勢だったと思うが、やや手打ち気味。頑張るカウデルをKOできなかった。カウデルは15Rに渡ってよくジャブを出した。それ以外のパンチももっと使って欲しかったところ。)
②パット・カウデル 5R TKO ロベルト・カスタノン
(欧州J・ライト級タイトル戦、1984年)
カウデル:左ジャブ、右ストレート、左フック
カスタノン:左ジャブ、右ストレート、左フック
(ダウンシーン)
5R:連打でカスタノンがスタンディングダウン
(感想:カウデルがタイトル防衛。サンチェス戦の再起戦で欧州フェザー級王座を獲得したカウデル。その後、欧州J・ライト級王座も獲得。カスタノンはスペインの選手で、カウデル同様、欧州フェザー級、J・ライト級王座を獲得したことがあるベテラン。ただ、ダニー・ロペス、サルバドル・サンチェスのWBC世界フェザー級王座への挑戦はいずれもKO負けに終わっており、ここ最近は二連敗している(ただし、相手は実力者のマリオ・マルチネス、カメル・ブアリ)。バーミンガムで行われた「サンチェスに負けたことがある者」同士の対戦。いつものようにジャブが多いカウデルは1Rから右ストレートをカスタノンに決める。カスタノンは右ストレートを思い切って打つが、ややぎこちない。5R、連打を食ってカスタノンが戦意喪失気味に。レフェリーが割って入る。「試合ストップ」と思ったカウデルは「勝利」に喜ぶ。セコンドもリング・イン。レフェリーはカウデルをコーナーに行かせ、カスタノンの状態をチェック。レフェリーストップ。最後のストップのシーンに少し問題があった試合(結果は同じだったが、レフェリーが全てを裁くのがボクシング。また試合が終わっていないのに選手が勝手に「勝利宣言」したり、セコンドがリングに入ってはならない)。カウデルはサンチェス戦に比べて、右ストレートが多かったのが良かった。)
③アズマー・ネルソン 1R KO パット・カウデル
(WBC世界フェザー級タイトル戦、1985年)
カウデル:左ジャブと右フック
ネルソン:左ジャブと左右フック
(ダウンシーン)
1R:左フックでカウデルがダウン
(感想:ネルソンがタイトル防衛。サンチェス戦後、連勝を続けるカウデルがバーミンガムで二度目の世界挑戦。王者はウィルフレド・ゴメスを打ちのめしてタイトルを獲ったガーナのネルソン。いきなり出したアッパー気味の左フックでワンパンチKO。粘り強いカウデルを完全に仕留めた。カウデルはジャブを良く出していたが、ネルソンはフックでプレッシャーをかけ、最後は豪快な一発。「正統派」のカウデルは意表を突かれたのだと思う。結局カウデルは世界王者にはなれなかったが、サンチェスやネルソンといった「世界的な選手」と試合をしたことでファンの記憶に残ることになった。引退後はトレーナーとして若手を指導しているらしい。)
Salvador Sanchez vs. Pat Cowdell」
②「EBU Super Featherweight Title
Pat Cowdell vs. Roberto Castanon」
③「WBC World Featherweight Title
Azumah Nelson vs. Pat Cowdell」
サルバドル・サンチェス(Salvador Sánchez)のページ
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アズマー・ネルソン(Azumah Nelson)のページ
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