「Grim Reaper(死神)」と呼ばれた英国のS・ミドル級、リード。ヘンリー・ウォートン戦、アッシン・シェリフィー戦、スラニ・マリンガ戦を紹介します。
ロビン・リード(イギリス)
身長175cm:オーソドックス(右構え)
①ロビン・リード 12R 判定 ヘンリー・ウォートン
(WBC世界S・ミドル級タイトル戦、1997年)
リード:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ウォートン:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:リードがタイトル防衛。「Grim Reaper(死神)」と呼ばれたリード。黒人とのハーフ。アマチュアでは思うような結果を出せないことが多かったらしいが、バルセロナオリンピック(1992年)にライトミドル級で出場し、銅メダル。プロデビュー以来、無敗を続け、イタリアのミラノでビンチェンツオ・ナルディエロからWBC王座奪取。ウォートン戦は二度目の防衛戦。ウォートンもイギリスの選手でWBC1位。英国王座、英連邦王座、欧州王座(全てS・ミドル級)を獲得し、後は世界王座を獲るのみ、といった状況であるが、ナイジェル・ベンのWBC王座(S・ミドル級)、クリス・ユーバンクのWBO王座(S・ミドル級)への挑戦はいずれも判定負けに終わっている。マンチェスターでの一戦。戦い方が似ている二人。ジャブとストレートを狙う。ガッチリした筋肉質のリードはパワーよりも、ジャブを使って正確にパンチを当てていこうとするタイプ。ウォートンがジャブ・ストレートで攻め、リードがカウンターで応戦、といった展開。判定は2-0(ダウンシーンは無し)。リードの方が「パンチの正確さ」で勝っていたような感じだったが、受け身の姿勢になることが多かった。テクニシャンタイプのリード。「死神」というニックネームはちょっと違うような気がする(気のせい?)。三度目の世界挑戦も実らなかったウォートンはその後二連勝して引退。)
②ロビン・リード 12R 判定 アッシン・シェリフィー
(WBC世界S・ミドル級タイトル戦、1997年)
リード:左ジャブ、右ストレート、左右フック
シェリフィー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:リードがタイトル防衛。英国での三度目の防衛戦。挑戦者シェリフィーはフランスの選手。デビュー戦で負けてしまったが、フランス王座、欧州王座(いずれもミドル級)を獲得している。英国での試合。共に手数が多めでジャブ・連打。戦い方が似ているため、一進一退の展開。リードの振りの大きいパンチが時折ヒット(8Rなど)。シェリフィーがジャブで攻め、リードはウォートン戦のときのようにカウンターを狙う。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。王者のアドバンテッジでリードが防衛。共に一発で倒すようなパワーのある選手ではないが手数が多く、振りの大きなパンチでよく打ち合ったため好試合に。後にシェリフィーはWBC世界ミドル級タイトルを獲得。)
③スラニ・マリンガ 12R 判定 ロビン・リード
(WBC世界S・ミドル級タイトル戦、1997年)
リード:左ジャブ、右ストレート、左右フック
マリンガ:左ジャブと右ストレート
(感想:マリンガがタイトル奪回。英国で行われたリードの四度目の防衛戦。かつてこのタイトルをナイジェル・ベンを下して獲得したことがあるマリンガ(南アフリカ)はテクニシャンタイプ。王座奪回を目指してリードに挑戦。キラキラ光る、オシャレなトランクスのマリンガはひたすらジャブ、そして右ストレート。リードもジャブを使う。マリンガは打ち合いではなく、ジャブで距離を取る作戦。リードがそれに付き合ったため、どちらのジャブが優れているか、の勝負に。左のガードを下げてジャブを打つマリンガ。顔が腫れていくリード。判定は3-0。ダウンシーンは無し。リードの敗因は相手に合わせてしまったことだと思うが、マリンガのジャブが良かったため、戦い方を変えたとしても結果は同じだったかもしれない。王座を失ったリード。後にWBFやIBOのタイトルを獲得するなど息の長い活躍を見せたが、メジャーなタイトルは獲れなかった。引退後もボクシングと関わり、ジャッジを務めたことも。)
Robin Reid vs. Henry Wharton」
②「WBC World Super Middleweight Title
Robin Reid vs. Hacine Cherifi」
③「WBC World Super Middleweight Title
Robin Reid vs. Thulani Malinga」
ナイジェル・ベン("The Dark Destroyer" Nigel Benn)のページ
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