2025年8月29日金曜日

セレスティーノ・カバジェロ(Celestino Caballero)&ファン・カルロス・サンチェス・ジュニア(Juan Carlos Sanchez Jr)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

スーパーバンタム級。「ゲレロ vs. ラシエルバ」「カバジェロ vs. ラシエルバ」「サンチェス vs. サモラ」を紹介します。


セレスティーノ・カバジェロ(パナマ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)


ファン・カルロス・サンチェス・ジュニア(メキシコ)

身長174cm:サウスポー


アルマンド・ゲレロ 10R 引分 ホルヘ・ラシエルバ

(フェザー級戦、2004年)

セレスティーノ・カバジェロ(Celestino Caballero)&ファン・カルロス・サンチェス・ジュニア(Juan Carlos Sanchez Jr)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ゲレロ:左ジャブ、右ストレート、右フック

ラシエルバ:ジャブ、ストレート、フック

(感想:メキシカン同士の対戦。これまで20勝(11KO)3敗5分のゲレロ。テキサスのローカル王座(スーパーバンタム級)を獲得した実績。ラシエルバ(サンタ・アニータ出身)は26勝(18KO)5敗4分。WBAの地域王座(フライ級)、IBA王座(バンタム級)などを獲得してきたが、マーク・ジョンソンとIBF王座(フライ級)を争って敗北。サンアントニオでの一戦。ゲレロはリカルド・ロペスのような選手。左右にダッキングしながらジャブ、ワンツー、踏み込んで左フック。ラシエルバもまた良いワンツー、左フック。しかしながら、中途半端にサウスポーにスイッチする。共に左フックを武器とするが、互いにディフェンスして決定打を許さない。10R終了、引き分け。個人的には常に前に出たゲレロの勝ちでいいと思うが、ラシエルバはコンビネーション(ワンツーからの左フック)に良さがあった。その後ゲレロはイスラエル・バスケスとIBF世界スーパーバンタム級王座、タカラニ・ヌドロブとIBOスーパーバンタム級王座を争って敗北。大きなタイトルを獲ることはできなかった。)


セレスティーノ・カバジェロ 12R 判定 ホルヘ・ラシエルバ

(WBA世界スーパーバンタム級タイトル戦、2007年)

セレスティーノ・カバジェロ(Celestino Caballero)&ファン・カルロス・サンチェス・ジュニア(Juan Carlos Sanchez Jr)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

カバジェロ:左ジャブ、右ストレート、フック

ラシエルバ:ジャブ、ストレート、フック

(感想:カバジェロがタイトル防衛。これまで32勝(22KO)6敗6分のラシエルバ。IBF世界バンタム級王座挑戦者決定戦に敗れたが、「GBU」なる団体のフェザー級王座を獲得するなどこのところ連勝中。WBA13位としてアメリカで世界挑戦。王者カバジェロはスラリとしたパナマ人で26勝(18KO)2敗。決定戦で暫定王座を獲得し、正規王者との統一戦に勝利した経緯がある。テキサス州イダルゴでの一戦。長いジャブ、右ストレートを伸ばすカバジェロ。接近戦では振りが大きめのフック。ラシエルバは接近して左フックを中心とする連打。ディフェンスしながらカバジェロが左のガードを下げた構えからジャブ、スウェー、ダッキング。左フックにパワーがあるラシエルバだが、クリンチ、ホールドされて不発。6R、フラストレーションが溜まったのか、ラシエルバがヘディング、減点。共に時折サウスポーにスイッチするが、あまり効果無し。12R終了。判定は3-0。カバジェロが長いパンチで勝利。しかし正直なところ、両者ともパンチの正確さに欠き、ホールドが多く、盛り上がりにくい試合だった印象。その後の二人。ラシエルバはIBF世界フェザー級王座に挑戦したが敗北。マイナー団体の王者にとどまった。カバジェロはIBF王座も獲得し、統一に成功。さらにWBA世界フェザー級王座も獲得。しかし、プライベートで問題。薬物がらみの事件で逮捕されてしまった。)


ファン・カルロス・サンチェス・ジュニア 7R TKO ダーウィン・サモラ

(スーパーバンタム級戦、2013年9月)

セレスティーノ・カバジェロ(Celestino Caballero)&ファン・カルロス・サンチェス・ジュニア(Juan Carlos Sanchez Jr)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

サンチェス:右ジャブ、左ストレート、フック   

サモラ:右ジャブ、左ストレート、フック   

(ダウンシーン)

6R:左ストレートでサモラがダウン

(感想:サンチェスはメキシカン(ロス・モチス出身)。これまで16勝(8KO)1敗1分。IBF世界スーパーフライ級王者だったが、ウェイトオーバーで王座剥奪。階級を上げて、この試合。サモラはニカラグア・マタガルパ出身で、21勝(18KO)8敗1分。地元で連勝後、メキシコで二連敗。地元でWBAの地域王座(スーパーフライ級)を獲ったが、海外では勝てない(英国でジェイミー・マクドネルに敗北)。ニカラグア・マナグアでの一戦。共にサウスポー。ジャブ、ストレート、右フック。テクニックで勝負するタイプで、パワーはそこそこ。サンチェスはストレート、サモラはフックに力を入れる。4R、サンチェスがボディ連打。6R、サモラが右眉付近をカットし、ドクターチェック。再開後、軽い連打をまとめるサンチェス。ラウンド終了直前、左ストレートでサモラを倒す。7R、キズでストップ。サンチェスがテクニックで勝利。ダウンを奪った左ストレートが良かった。サモラは器用なタイプだが、パワーの点で「平均的な選手」といったところか。これが最後の試合に。その後のサンチェス。次の試合でゾラニ・テテにKO負け。WBOインター王座戦(スーパーバンタム級)で判定負けするなど勝ったり負けたり。上の階級では通用しなかった。)


①「Featherweight 

Armando Guerrero vs. Jorge Lacierva」

②「WBA World Super Bantamweight Title

Celestino Caballero vs. Jorge Lacierva」

③「Super Bantamweight 

Juan Carlos Sanchez Jr vs. Darwin Zamora」

 

2025年8月27日水曜日

トーマス・ウリク(Thomas Ulrich)&スティーピ・ドレウス(Stipe Drews)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

欧州ライトヘビー級。「ユルゲン・ムロク vs. ジョビック」「ウリク vs. ブランコ」「ドレウス vs. ブランコ」を紹介します。


トーマス・ウリク(ドイツ)

身長185cm:オーソドックス(右構え)


スティーピ・ドレウス(クロアチア)

身長196cm:サウスポー


ユルゲン・ムロク 2R KO ジョシプ・ジョビック

(ライトヘビー級6回戦、1992年9月)

トーマス・ウリク(Thomas Ulrich)&スティーピ・ドレウス(Stipe Drews)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ムロク:右ジャブ、左ストレート、フック   

ジョビック:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

2R:右フックで2度、ジョビックがダウン

3R:左ストレートでジョビックがダウン、連打でスタンディングダウン

(感想:ドイツの新鋭ムロクはゼンデン出身。ジョビックはクロアチアの選手で、まだ勝ったことがない。ハンブルグでの一戦。攻める姿勢のムロク。サウスポースタイルでダッキングしながらジャブ、ストレート、右フック。ジョビックは右ストレートで応戦。2R、右フックが頭の固いところ付近にヒットしてジョビックがダウン。さらに右フックで二度目のダウン。3Rには左ストレートでダウン。立ったが、連打を浴びてスタンディングカウントを聞く。続行をアピールするジョビックだが、レフェリーは試合を止めた。積極的な姿勢でムロクが快勝。ディフェンスもよくできていた。ジョビックは良い右ストレートを持っていたが、攻めるときに隙があった。その後の二人のキャリアはなかなか興味深い。「BOXREC」の記録によるとジョビックは結局、一度も勝つことなくキャリア終了。ムロクは逆に負け無しで引退。共に地域王座戦に出場したが勝てず、無冠に終わった。)


トーマス・ウリク 11R TKO シルビオ・ブランコ

(欧州ライトヘビー級王座決定戦、2004年)

トーマス・ウリク(Thomas Ulrich)&スティーピ・ドレウス(Stipe Drews)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ウリク:左ジャブ、右ストレート、フック

ブランコ:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

11R:右ストレートでブランコがダウン

(感想:ウリクがタイトル獲得。これまで49勝(30KO)7敗2分のブランコ(イタリア・チビタベッキア出身)は前WBA世界ライトヘビー級王者。ファブリス・ティオーゾに王座を奪われ、これが再起戦となる。ウリクはドイツ・ベルリン出身で、26勝(18KO)1敗。アマチュアで活躍。1996年のアトランタ・オリンピックではライトヘビー級で銀メダル。プロではWBOのインターコンティネンタル王座、欧州王座、WBCインター王座(全てライトヘビー級)を獲得している。ドイツ・ツウィッカウでの一戦。共にジャブ。ブランコがアップライトな姿勢から速いワンツー、左フック。腕っぷしが強いウリクはガードを上げてジリジリ前進し、1Rから強烈な右をヒットさせる。キレイなワンツーを打つなど手数が多いブランコだが、ディフェンスに弱点がある印象。11R、右ストレートが効いたブランコ。さらに右を食ってダウン。立ったがフラついてストップされた。ウリクが強打で快勝。ブランコは手数が多かったが、それをブロックして強打を叩き込んだ。一発のパワー、ディフェンスに差があった。その後、ウリクはWBC次いでWBOの世界王座(いずれもライトヘビー級)に挑戦したが勝てず。)


スティーピ・ドレウス 12R 判定 シルビオ・ブランコ

(WBA世界ライトヘビー級タイトル戦、2007年)

トーマス・ウリク(Thomas Ulrich)&スティーピ・ドレウス(Stipe Drews)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ドレウス:右ジャブ、左ストレート、フック

ブランコ:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

8R:ワンツーでドレウスがダウン

(感想:ドレウスがタイトル獲得。これまで55勝(34KO)8敗2分のブランコ。WBA世界ライトヘビー級暫定王座を獲得したが、正規王者ファブリス・ティオーゾが引退したため、正規王者に認定。これが初防衛戦。ドレウスはクロアチア・マカルスカ出身。本名は「Stipe Drvis(スティーピ・ダービシュ)」で、主戦場のドイツでは「Stipe Drews(スティーピ・ドレウス)」と呼ばれている(なぜ?)。1996年のアトランタ・オリンピックにライトヘビー級で出場(メダルは獲得ならず)。プロでは31勝(13KO)1敗。ブランコとは空位の欧州王座(ライトヘビー級)を懸けて戦ったことがあり、ドレウスの判定勝ち。初めての世界挑戦で再びブランコを下すことができるかどうか、といったところ。ドイツ・オーバーハウゼンでの一戦。いかにもサウスポー、といった感じのドレウス。距離を取ってジャブ、左ストレート。カウンター狙いで自分からは攻めない。ブランコは上体を動かしながらひたすら前進し、右ストレート、左右フック。噛み合わない雰囲気で、時折ドレウスのカウンターがヒット。7Rにハプニング。ドレウスが相手に背を向ける無防備な体勢になり、ブランコが背後から攻撃。8Rに大きな見せ場。右が効いたドレウス。ワンツーでダウン。その後も攻めるブランコ、打ち合わないドレウスといった展開。12R、勝利を確信しているのか、ドレウスは足を使って打ち合わない。12R終了。「自分が勝った」とばかりに喜ぶドレウス。判定は3-0。ジャッジの一人は1ポイント差という僅差の判定だった。ドレウスの試合ぶりは全くエキサイティングではなかったが、これがヨーロッパのボクシング。「打たせずに打つ」のが基本。その後の二人。ドレウスは初防衛に失敗して引退。ブランコはリングに上がり続け、WBC王座への挑戦は失敗に終わったが、WBCのインター王座(クルーザー級)などを獲得する活躍を見せた。)


①「Light Heavyweight 

Juergen Mloch vs. Josip Jovic」

②「vacant EBU Light Heavyweight Title

Thomas Ulrich vs. Silvio Branco」

③「WBA World Light Heavyweight Title

Silvio Branco vs. Stipe Drews」


ファブリス・ティオーゾ(Fabrice Tiozzo)のページ

2025年8月22日金曜日

バーナード・ダン(Bernard Dunne)&ニッキー・クック(Nicky Cook)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

欧州フェザー級。「ダン vs.ラミレス、バルデス」「クック vs. ウィリアムス」「フランプトン vs. ボロニン」を紹介します。


バーナード・ダン(アイルランド)

身長170cm:オーソドックス(右構え)


ニッキー・クック(英国)

身長169cm:オーソドックス(右構え)


バーナード・ダン 1R KO シモン・ラミレス

(フェザー級戦、2003年)

バーナード・ダン(Bernard Dunne)&ニッキー・クック(Nicky Cook)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ダン:左ジャブ、右ストレート、フック

ラミレス:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:左フックでラミレスがダウン

(感想:デビュー間もない者同士の対戦。アイルランド出身のダン。これがプロ三戦目。ラミレスはオクラホマの選手。直前の試合はTKO負け。オクラホマ州ノーマンでの一戦。共にジャブ、左フック。バランスが良いダン。左フックをダブルで打ったりする。右ストレート、左ボディ打ちも巧い。ラミレスも左フックを振るうが、左フックでダウン。10カウント内に立てず、KO。共に左フックを武器とする者同士の勝負はよりバランスが良いダンの圧勝。動きも良かった。その後、ラミレスは「4回戦ボクサー」でキャリア終了。)


バーナード・ダン 10R 判定 アドリアン・バルデス

(フェザー級戦、2004年)

バーナード・ダン(Bernard Dunne)&ニッキー・クック(Nicky Cook)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ダン:左ジャブ、右ストレート、フック

バルデス:右ジャブ、左ストレート、フック

(感想:これまで13連勝(8KO)のダン。バルデス(メキシコ)は14勝(6KO)2敗3分。メキシコ王座(スーパーバンタム級)を獲得したことがある。ミネソタ州メープルウッドでの一戦。サウスポーのバルデス。距離を取りながら右ジャブ、左ストレート、左フック。カウンター狙いの受け身の姿勢で、主導権を取るような戦い方ではない。ダンは左を使いながら前進。右ストレート、左フックで攻めるが、バッティングで1Rに額から出血。それでも攻めるダン。バルデスの左カウンターをディフェンス。10R終了。判定は3-0。時折右ストレート、左フックをヒットさせてダンが勝利。バルデスの左ストレートは悪くはなかったが、積極さに欠けた。その後、バルデスは北米王座(フェザー級)に挑戦してTKO負け。ダンは勝ち続け、WBA世界スーパーバンタム級王者に。)


ニッキー・クック 2R KO ダッツォ・ウィリアムス

(英国・英連邦・欧州フェザー級王座統一戦、2005年6月)

バーナード・ダン(Bernard Dunne)&ニッキー・クック(Nicky Cook)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

クック:左ジャブ、右ストレート、フック   

ウィリアムス:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

2R:左ボディフックでウィリアムスがダウン

(感想:クックがタイトル統一。ロンドン出身の白人同士の対戦。英連邦・欧州王者クック(25歳)はこれまで24連勝(14KO)。WBFインターコンティネンタル王座(スーパーフェザー級)獲得、防衛。英連邦王座、次いで欧州王座(フェザー級)獲得。英国王者ウィリアムス(31歳)は12勝(3KO)2敗。デビューから連勝後、二連敗。そこからさらに連勝。英国王座(フェザー級)獲得、防衛。ロンドン東部ダゲナムでの注目の一戦。共に坊主頭で見た目が似ている。攻める姿勢のクック。ジャブで先手を取り、右ストレート、ボディ打ち。ウィリアムスはフックで応戦。2R、左ボディでウィリアムスがダウン。立てず、10カウント。クックがボディ攻めで勝利。積極さで早く勝負がついた。ウィリアムスはこれが最後の試合に。その後のクック。決定戦でスティーブン・ルエバノにKOされてWBO世界フェザー級王座獲得ならず、初黒星。アレックス・アーサーから判定でWBO世界スーパーフェザー級王座奪取。しかし、初防衛に失敗。意外に活躍できなかった。)


カール・フランプトン 3R TKO ユーリー・ボロニン

(スーパーバンタム級戦、2010年9月)

バーナード・ダン(Bernard Dunne)&ニッキー・クック(Nicky Cook)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

フランプトン:左ジャブ、右ストレート、フック

ボロニン:右ジャブ、左ストレート

(ダウンシーン)

2R:右フックでボロニンがダウン

(感想:ベルファスト出身のフランプトン。アマチュアからプロへ。これまで6連勝(3KO)。ニックネームは「The Jackal」「Brick Fists(煉瓦の拳)」。ウクライナのボロニンは27勝(18KO)11敗2分。WBCの地域王座(フェザー級)を獲得したことがあるが、このところ二連敗中。ベルファストでの一戦。サウスポーのボロニン。忙しく動きながら右ジャブ、左ストレート。フランプトンはブロックしてワンツー、左ボディ。テクニックで勝負するボロニン。フランプトンはパワー。特に左フックが強い。2R、右フックでボロニンがダウン。3R、ボロニンがロープ際で連打されたところでストップ。フランプトンが積極的な姿勢で勝利。ボロニンはストップに不満のようだったが、勝てそうもないほどパワーに欠けていた印象。その後、ボロニンは全敗。フランプトンは英連邦王座(スーパーバンタム級)などを獲得後、IBF世界スーパーバンタム級王座獲得。WBA王座も獲得して王座統一。WBA世界フェザー級王座、WBO世界フェザー級暫定王座も獲得し、二階級制覇達成。)


①「Featherweight 

Bernard Dunne vs. Simon Ramirez」

②「Featherweight 

Bernard Dunne vs. Adrian Valdez」

③「BBBofC, Commonwealth Boxing Council and EBU Featherweight Title

Nicky Cook vs. Dazzo Williams」

④「Super Bantamweight 

Carl Frampton vs. Yuriy Voronin」

 

2025年8月20日水曜日

アフィフ・ジェルティ(Affif Djelti)&ジャメル・リファ(Djamel Lifa)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

フランス・ライト級。「ジェルティ vs. ドゥミトレスク」「リファ vs. ワルテル」「ヨセフ・ジババ vs. ラクリブ」ほかを紹介します。


アフィフ・ジェルティ(アルジェリア)

身長170cm:オーソドックス(右構え)


ジャメル・リファ(フランス)

身長170cm:オーソドックス(右構え)


アフィフ・ジェルティ 6R KO ダニエル・ドゥミトレスク

(ライト級8回戦、1997年4月)

アフィフ・ジェルティ(Affif Djelti)&ジャメル・リファ(Djamel Lifa)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ジェルティ:左ジャブ、右ストレート、フック   

ドゥミトレスク:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

3R:左ボディでドゥミトレスクがスタンディングダウン

6R:左フックでドゥミトレスクがダウン

(感想:アルジェリア出身のジェルティ。ジュリアン・ロルシー(後、WBA世界ライト級王座獲得)には敗れたが、フランス王座(スーパーフェザー級)を獲得。これまで19勝6敗ではあるが、年齢は38歳。ドゥミトレスクはルーマニアの新鋭で、デビューから8連勝。ルーマニア・ライト級王座を獲得している。フランス・ルーアンでの一戦。足でリズムを取りながらジャブ、ワンツー、左ボディ打ちのドゥミトレスク。アップライトな姿勢で、攻めるときのディフェンスが甘い印象。ジェルティはディフェンスしながらジャブ。器用さはあるが、動きのスピードが欠けているように見える。左フックからの右ストレートといった連打で攻めるドゥミトレスク。ジェルティは受け身ながら左フックを時折当てる。次第にパンチの勢いが増していくジェルティ。3Rに左ボディでドゥミトレスクにスタンディングカウントを聞かせる。その後もよく前に出るドゥミトレスクだが、6R、左右フックからの左フックをマトモに食ってダウン、KO。痛烈なKOでジェルティが快勝。当てる巧さ、ディフェンスのテクニックがあった。ドゥミトレスクはやはりディフェンスに問題。真っ直ぐ攻める危険な動きをしていた。その後の二人。ドゥミトレスクは次の試合にも敗れて、それが最後の試合に。ジェルティはフランス王座に加え、IBO王座、欧州王座(スーパーフェザー級)を獲得・防衛。)


ジャメル・リファ 10R 判定 ブルーノ・ワルテル

(フランス・ライト級タイトル戦、1999年)

アフィフ・ジェルティ(Affif Djelti)&ジャメル・リファ(Djamel Lifa)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

リファ:左ジャブ、右ストレート、フック 

ワルテル:左ジャブ、右ストレート、フック 

(感想:リファがタイトル防衛。フランス王者のリファ。アマチュアで活躍。1992年のバルセロナ・オリンピックではフェザー級で出場(メダルは獲得ならず)。プロではフランス王座(J・ライト級、ライト級)、欧州王座(J・ライト級)を獲得してきた。ワルテルはアルジェリア出身。IBFのインター王座戦(ライト級)には敗れたが、WBCのインター王座(ライト級)を獲得。パリでの一戦。ジャブを連打するリファ。右アッパーからの左フック、左フックのダブルからの右ストレートといったコンビネーションを使いこなす。ワルテルはワンツーがパワフルで、時折大きな右フックを振るう。当てる巧さを見せるリファ。相手のガードの隙を突くパンチ。6R、ワルテルの右がヒット。互いに持ち味を発揮して10R終了。判定はPTS、王者防衛。実力的には大きな差はなかったように映像では見えたが、コンビネーションで攻める分、手数でリファが有利だった。その後、ワルテルはWBCのインター王座を防衛し続けたが、王座陥落。世界戦を経験することはなかった。)


オスカー・ガルシア・カノ 12R 判定 ジャメル・リファ

(欧州ライト級王座決定戦、1999年)

アフィフ・ジェルティ(Affif Djelti)&ジャメル・リファ(Djamel Lifa)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

リファ:左ジャブ、右ストレート、フック 

カノ:左ジャブ、右ストレート、フック 

(感想:カノがタイトル獲得。リファが欧州王座(ライト級)に挑戦。カノはスペインの選手で、かつてこの王座を持っていたことがある。WBOの地域王座(ライト級)を獲得・防衛後、アルツール・グレゴリアンのWBO世界ライト級王座に挑戦したときは判定負けに終わっている。パリでの一戦。攻めるカノ。ジャブ、ワンツー、接近してフック。リファは連打、カウンターで応戦する。共に連打で勝負するタイプであるが、リファは手数を出し、カノは一発一発のパンチにパワーを込める。互いにディフェンス、一進一退。攻める姿勢でややカノの方が優勢か? 12R終了。判定はPTSによりカノ。大きな力の差はなかったように見えたが、パワーで精力的に攻めるカノの方がプロらしい戦いぶりだった。その後、リファは再び欧州ライト級王座戦で敗北。世界戦を経験することはなかった。カノは次の試合でジュリアン・ロルシーに判定負けで王座陥落。それが最後の試合に。ロルシーはその後、畑山隆則を下してWBA世界ライト級王者になった。)


ヨセフ・ジババ 10R TKO ナッサー・ラクリブ

(フランス・スーパーフェザー級王座決定戦、2001年8月)

アフィフ・ジェルティ(Affif Djelti)&ジャメル・リファ(Djamel Lifa)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ジババ:左ジャブ、右ストレート、フック   

ラクリブ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:ジババがタイトル獲得。ジババはマルセイユ在住の黒人。これまで6勝(1KO)3敗2分。その内の2敗はフランス・スーパーフェザー級王座に挑戦したときのもので、その内の一つはラクリブに判定負け。ノンタイトル戦でもラクリブに判定負けしている。ラクリブはフランスのコンフラン=サント・オノリーヌ出身で、11勝(5KO)1敗1分。ジババとの再戦でフランス・スーパーフェザー級王座獲得。そして、この三戦目。フランス・マルセイユでの一戦。開始から積極的に攻めるジババ。ジャブ、ストレート、振りが大きめのフック、ボディ打ち(アズマー・ネルソンのような雰囲気)。ラクリブは足で距離を取ってアウトボクシングしようとするが、攻められて応戦。ひたすら攻めるジババ。次第にキツくなってきたラクリブ。9Rに連打され、このラウンド終了後に棄権。ジババが攻めの勢いで勝利。過去にラクリブに二敗しているとは思えないほど一方的な内容だった。ラクリブは終始、受け身。ボディ打ちは悪くなかっただけに逃げの姿勢だったのは残念。その後の二人。ラクリブは欧州王座(ライト級)に挑戦したが、勝てず。フランスの実力者にとどまった。ジババはフランス・スーパーフェザー級王座戦に何度も出場。欧州連合王座(スーパーフェザー級)も獲得できたが、敗北もあって世界戦は無かった。)


①「Lightweight 

Affif Djelti vs. Daniel Dimitrescu」

②「French Lightweight Title

Djamel Lifa vs. Bruno Wartelle」

③「vacant EBU Lightweight Title

Djamel Lifa vs. Oscar Garcia Cano」

④「vacant French Super Featherweight Title

Youssouf Djibaba vs. Nasser Lakrib」

 

2025年8月16日土曜日

バート・シェンク(Bert Schenk)&デニス・インキン(Denis Inkin)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ドイツでのミドル級戦。「シェンク vs. フリーマン・バー」「ムラート vs. スティーニ」「インキン vs. スニガ」ほかを紹介します。


バート・シェンク(ドイツ)

身長176cm:サウスポー


デニス・インキン(ロシア)

身長182cm:オーソドックス(右構え)


バート・シェンク 4R KO フリーマン・バー

(WBO世界ミドル級王座決定戦、1999年)

バート・シェンク(Bert Schenk)&デニス・インキン(Denis Inkin)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シェンク:右ジャブ、左ストレート、右フック   

バー:ジャブ、ストレート、フック 

(ダウンシーン)

4R:左ストレートでバーがダウン

(感想:シェンクがタイトル獲得。ベルリン出身のシェンク。これまで全勝。全て地元ドイツで試合を行ってきた。これが初の世界戦。バーはバハマ出身。IBO王座、NABO王座(いずれもミドル級)を獲得した実績。ドイツ・コットブスでの一戦。共にサウスポー。右ジャブ、左ストレート。バーは頻繁にオーソドックスにスイッチし、ダッキングしながらボディ打ち。互いにディフェンスするが、シェンクの左ストレート、左アッパーが有効。4R、左ストレートでバーがしゃがみ込むようにダウン。10カウント、KO。最後はバーが右目を痛めて終了。ディフェンスと左パンチでシェンクの方が総合的に優れていた印象。バーはスイッチが多く、「スイッチが多い選手は攻撃が中途半端になりがち」のパターンだった。その後のシェンク。初防衛に成功したが、ケガのため王座剥奪。王座奪回を目指したが敗北、初黒星。その後もリングに上がり続けたが、意外なことに世界戦のチャンスはなかった。)


フリーマン・バー 6R TKO マイク・コッカー

(スーパーミドル級戦、2002年)

バート・シェンク(Bert Schenk)&デニス・インキン(Denis Inkin)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

バー:ジャブ、ストレート、フック

コッカー:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:シェンクに敗れた次の試合でNABO王座(スーパーミドル級)を獲得し、防衛にも成功したバーだが、その後、世界戦のチャンスはナシ。そんな状況で行われた10回戦。これまで23勝(11KO)2敗のバー。9勝(7KO)6敗1分のコッカーはフロリダ・タンパ出身の白人。タイトル戦の経験はまだない(結果的に一度もなかった)。ミシガン州ポンティアックでの一戦。ワンツー、接近してフックを連打するコッカーだが、ディフェンスに甘さ。しかも、打った後にバランスを崩したりする。バーも似たようなところがあるが、器用さで少し上。接近戦ではクリンチ、もみ合いが目立つが、バーがアッパー気味のパンチを入れる。5Rに右ストレートを決めたコッカー。しかし、6Rにピンチ。左フック、右ストレートを食う。ドクターチェック。コッカーのキズにより試合終了(ダウンシーンは無し)。隙が大きい二線級の相手にバーが勝利。ただ、大きな試合のチャンスが来ないのも仕方がない、といった感じの内容だった。)


カロ・ムラート 2R TKO ムスタファ・スティーニ

(スーパーミドル級戦、2007年5月)

バート・シェンク(Bert Schenk)&デニス・インキン(Denis Inkin)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ムラート:左ジャブ、右ストレート、左右フック

スティーニ:左ジャブと左フック

(感想:ムラートはアルメニアの選手でこれまで9連勝(5KO)の新鋭。スティーニはベルギーの選手で6勝(4KO)23敗1分。ドイツ・バンベルクでの一戦。共にガードを上げて開始から接近戦。ジャブと左右フックボディ打ちがパワフルなムラート。スティーニは打った後にバランスを崩すほど大振りな左フック。そして、マウスピースを落下してガードを解いたところを打たれたり、頭を低くして攻めるのをレフェリーから注意されたり。2R、左フックを打たれてスティーニが戦意喪失したところで試合終了(ダウンシーンは無し)。ムラートがしっかりした力強い打ち方で勝利。相手をじっくり観察する冷静さもあった。一方、これで24敗目となったスティーニ。ディフェンスができていなかった。後、ムラートは欧州王座やIBO王座を獲得したが、バーナード・ホプキンスの持つIBF世界ライトヘビー級王座への挑戦は失敗(判定負け)。メジャーな世界王座は獲得できなかった。) 


デニス・インキン 12R 判定 フルヘンシオ・スニガ

(WBO世界スーパーミドル級王座決定戦、2008年9月)

バート・シェンク(Bert Schenk)&デニス・インキン(Denis Inkin)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

インキン:左ジャブ、右ストレート、フック   

スニガ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:インキンがタイトル獲得。元ロシア軍人のインキン。ニックネームは「General(将軍)」。アマチュアで活躍後、プロデビュー。IBFインターコンティネンタル王座(スーパーミドル級)を獲得、防衛するなどロシアで連勝後、主戦場をドイツに。WBCインター王座(スーパーミドル級)を獲得、防衛。全勝のまま、この決定戦。スニガはコロンビアの黒人。デビューから連勝でダニエル・サントスのWBO世界スーパーウェルター級王座に挑戦したが、判定負け。IBA王座(ミドル級)、IBO王座(スーパーミドル級)獲得。連勝の勢いでWBO王座を狙う。ドイツ・ハンブルク=アルトナでの一戦。スニガは動きが素早く、手数を出す好選手。ジャブ、右クロス、左フック。左右フックからの右アッパーには迫力がある。インキンは実に地味な男。ブロックを固めて相手のガードの隙を狙う。ディフェンス、当てる巧さでインキンがポイント上、優勢。スニガは攻めるがブロックされ、逆に右パンチを「ちょこん」と食う。12R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。インキンが軽いパンチを時折当てて勝利。正直なところ全く面白くないボクシング。プロは勝たねばならないが、つまらない勝ち方をされてもファンとしては盛り上がれない。ロシア、東欧の選手にこういうタイプは多いが、ヨーロッパのファンはこういう試合を好む。彼らが満足しているのであればそれもよかろう。スニガは頑張ったが報われず、気の毒だった。その後の二人。スニガはIBF王座(ミドル級、スーパーミドル級)、地域王座に挑戦したが勝てず。マイナー王者にとどまった。インキンは次の試合でカロリー・バルザイに判定負け、初防衛に失敗(初黒星)。それが最後の試合となった。)


①「vacant WBO World Middleweight Title

Bert Schenk vs. Freeman Barr」

②「Super Middleweight 

Freeman Barr vs. Mike Coker」

③「Super Middleweight 

Karo Murat vs. Mustapha Stini」

④「vacant WBO World Super Middleweight Title

Denis Inkin vs. Fulgencio Zuniga」

 

2025年8月13日水曜日

ロバート・ブードゥアニ(Robert Boudouani)&フレデリック・セラート(Frederic Serrat)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

フランス・スーパーミドル級。「ブードゥアニ vs. オベルタン、ストークス」「セラート vs. ビアード」を紹介します。


ロバート・ブードゥアニ(フランス)

身長185cm:オーソドックス(右構え)


フレデリック・セラート(フランス)

身長183cm:オーソドックス(右構え)


ロバート・ブードゥアニ 6R TKO エティエンヌ・オベルタン

(フランス・スーパーミドル級タイトル戦、1991年)

ロバート・ブードゥアニ(Robert Boudouani)&フレデリック・セラート(Frederic Serrat)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ブードゥアニ:左ジャブ、右ストレート、フック   

オベルタン:右ジャブ、左ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:左アッパーでブードゥアニがダウン

5R:右ストレートでオベルタンがダウン、連打でスタンディングダウン

(感想:ブードゥアニがタイトル獲得。ローラン・ブードゥアニ(後、WBA世界J・ミドル級王者になった)の兄ロバート。アマチュアで実績。プロでのキャリアはまだ浅いが、このところ連勝中。王者オベルタンもフランスの選手(サン=クロード出身)。決定戦で王座を獲得し、これが初防衛戦。フランス・ディエップでの一戦。1R、共にアップライトな姿勢からジャブ。サウスポーのオベルタンはよく伸びるジャブ、ストレートを打ち、大きく振るう左アッパーが迫力。そして、その左アッパーでブードゥアニがダウン。その後、ブードゥアニが右ストレート、左フックを頻繁にヒットさせる。どうやらオベルタンの長いパンチ、振りの大きいパンチは隙が大きいらしい。5R、オベルタンが二度のダウン。6R、ロープ際で右を打たれたオベルタンが棄権のゼスチャー、レフェリーストップ。ブードゥアニが逆転勝利。ディフェンスと当てる巧さがあった。オベルタンは残念。ハイスペックではあるが、攻められると受け身に。攻めるときに隙があった。しかし、再戦はオベルタンが判定勝ちで王座奪回。その後、オベルタンは王座戦は無し。国内レベルの活躍でキャリアを終えた。)


ロバート・ブードゥアニ 1R KO ジェームス・ストークス

(S・ミドル級8回戦、1991年)

ロバート・ブードゥアニ(Robert Boudouani)&フレデリック・セラート(Frederic Serrat)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ブードゥアニ:左ジャブ、右ストレート、左右フック   

ストークス:左ジャブと右ストレート

(ダウンシーン)

1R:右フック、スタンディングダウン(二度)、右ストレートで4度、ストークスがダウン

(感想:ブードゥアニはフランスの選手。フランスのS・ミドル級王者。WBA世界J・ミドル級王者になったローラン・ブードゥアニの兄弟(兄か弟かはわからないが、プロデビューの年からするとローランの兄か?)。これまで8勝1敗1分。ストークスはミシシッピ州モス・ポイント出身の黒人で、12勝4敗1分。フランス・オータンでの若手対決。ややアップライトな姿勢でラッシュをかけるブードゥアニ。ジャブで抵抗するストークスを勢いで圧倒。ストークスが四度もダウンで試合終了(しかし、最後のレフェリーの「試合終了のポーズ」はわかりにくかった。ジャッジや観客にもわかるように「試合終了」をゼスチャーすべき)。圧勝したブードゥアニだが、ディフェンスがやや甘いような気がした。その後、ブードゥアニはS・ミドル級王座を失い、世界挑戦ならず。ストークスは「かませ犬」なポジションとなり、トーマス・テート、バーナード・ホプキンス、ロナルド・ライトらにKO負け(ダメージが心配)。)


フレデリック・セラート 10R 判定 オリビエ・ビアード

(フランス・スーパーミドル級タイトル戦、1999年7月)

ロバート・ブードゥアニ(Robert Boudouani)&フレデリック・セラート(Frederic Serrat)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ビアード:左ジャブ、右ストレート、フック   

セラート:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

3R:右フックでセラートがダウン

8R:左フックでビアードがスタンディングダウン

(感想:セラートがタイトル獲得。フランス同士の対戦。王者ビアードは敗北を喫しながらも王者になり、これが初防衛戦。挑戦者セラートはデビューから連勝。これが初のタイトル戦。フランスのパラヴァ=レ=フロでの一戦(TV解説席にファブリス・ティオーゾ)。開始から接近戦。ストレート、フック、ボディ打ち。共に力強く、パンチの打ち方が良い。打撃戦が続く。互いに相手のガードの隙を狙う攻撃。しかし、フック連打、右ボディからの右アッパーなど連打の勢いはややセラートの方が上。3R、右フックでセラートがダウン。それでも連打で攻めるセラート。ビアードも負けじと応戦するが、8Rに左フックを食ったところでスタンディングカウント。その後も打ち合い。10R終了。判定は3-0。セラートが勢いで勝利。ただ、ビアードも強かった。共に手数を出し合った好試合。「敗者がいない試合」だった。その後の二人。ビアードは同王座奪回を目指し、判定負け。判定で王座返り咲き。しかし、WBCインター王座(スーパーミドル級)に挑戦して1RでTKO負け。その後もリングに上がりマイナータイトルを獲得したが、欧州王座獲得ならず。セラートは次の試合でTKO負け、初黒星。その後、フランス・クルーザー級王者に。しかし、欧州王座戦、WBCインター王座戦(いずれもクルーザー級)に敗北。ビアードと同様、フランス王者にとどまった。共に間違いなく実力はあったが、当時の欧州は競争が激しかったようだ。)


①「France Super Middleweight Title

Etienne Obertan vs. Robert Boudouani」

②「Super Middleweight 

Robert Boudouani vs. James Stokes」

③「French Super Middleweight Title  

Olivier Beard vs. Frederic Serrat」


ローラン・ブードゥアニ(Laurent Boudouani)のページ 

2025年8月7日木曜日

ウィルフ・ゲンツェン(Wilf Gentzen)&ジョージ・コリンズ(George Collins)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

英連邦のウェルター級。「ゲンツェン vs. ジャンセン、ジェイコブス」「コリンズ vs. ブライアン」ほかを紹介します。


ウィルフ・ゲンツェン(オーストラリア)

身長185cm:オーソドックス(右構え)


ジョージ・コリンズ(英国)

身長178cm:オーソドックス(右構え)


ウィルフ・ゲンツェン 12R 判定 ブライアン・ジャンセン

(英連邦ウェルター級タイトル戦、1987年)

ウィルフ・ゲンツェン(Wilf Gentzen)&ジョージ・コリンズ(George Collins)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ゲンツェン:左ジャブ、右ストレート、左右フック   

ブライアン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:ゲンツェンがタイトル獲得。共にオーストラリアの選手。王者ジャンセンはクーマ出身(まるで映画俳優のような顔立ち)。あのカークランド・レインをKOしたことがあり、これが初防衛戦。挑戦者ゲンツェンはメルボルン出身。ローカル王座(ウェルター級)を獲得するなどデビューから連勝だったが、KO負け。再起二連勝で、この挑戦。オーストラリア・メルボルンでの一戦。似たような戦い方。パンチの打ち方も良い。ジャブ、右ストレートで攻めるジャンセン。ゲンツェンはジャブ、右ストレート、左フックを使い、特に左が巧い印象。接近戦ではフックの打ち合い。互いにディフェンスするが、ゲンツェンのジャブが効果的。12R、ゲンツェンの右ストレートがクリーンヒットしてジャンセンがピンチ。判定はPTS(レフェリーまたはジャッジが一人で試合を採点する方法)。ダウンシーンは無し。大きな力の差は無かったと思う。接近した実力を持つ者同士の試合はちょっとしたことで差がつく。ゲンツェンはジャブとディフェンスが良かった。ジャンセンはこれで引退。)

 

ゲイリー・ジェイコブス 12R 判定 ウィルフ・ゲンツェン

(英連邦ウェルター級タイトル戦、1988年)

ウィルフ・ゲンツェン(Wilf Gentzen)&ジョージ・コリンズ(George Collins)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ゲンツェン:左ジャブ、右ストレート、左フック   

ジェイコブス:右ジャブ、左ストレート、右フック

(感想:ジェイコブスがタイトル獲得。ジャンセン戦の次の試合でトニー・ジョーンズとWBCインター王座(J・ウェルター級)を争ったゲンツェンだが、TKO負け。再起戦は英連邦王座の初防衛戦。挑戦者ジェイコブスはスコットランド・グラスゴー出身で、戦績は良い。スコットランドのローカル王座(ウェルター級)を獲得し、この挑戦。グラスゴーでの一戦。サウスポーのジェイコブス。ジャブを連打して、左ストレートを狙う。ゲンツェンは右ストレート、左フック。3Rに左フックを決めたゲンツェンだが、ジェイコブスの左ストレートを警戒しているのかジャブが少ない。6R、ジェイコブスの左ストレートがヒット。その後もゲンツェンの右ストレート、左フックはディフェンスされて空振りが多い。最終ラウンド終了と同時にレフェリーはジェイコブスの手を上げた(PTSによる判定)。右ストレートは悪くはなかったゲンツェン。ジャブが少なかったため、パンチの的中率が低くなってしまった。その後の二人。ゲンツェンはオーストラリア・ウェルター級王座戦で三連勝して引退。世界戦は無かった。ジェイコブスは欧州王座(ウェルター級)を連続防衛後、パーネル・ウィテカーのWBC王座に挑戦して判定負け。欧州の実力者にとどまった。)


ジョージ・コリンズ 4R TKO デル・ブライアン

(ウェルター級8回戦、1986年11月)

ウィルフ・ゲンツェン(Wilf Gentzen)&ジョージ・コリンズ(George Collins)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ブライアン:右ジャブ、左ストレート、左フック   

コリンズ:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

2R:右ストレートでブライアンがダウン

3R:左フックでブライアンがダウン

4R:右ストレートでブライアンがダウン

(感想:これまで17戦全勝(10KO)のコリンズは英国キャンバリー出身の正統派。ブライアンはノッティンガム出身の黒人サウスポーで、5勝(1KO)2敗。英国オールダムでの一戦。共にジャブ。コリンズがストレート、左フック。ブライアンは左ストレートを狙うが、打ち方が粗い。2R、右ストレートがカウンターになってブライアンがダウン。3R、正確な左フックによるダウン。4Rにもダウン。ブライアンは立ったが足がフラついており、ストップされた。ブライアンは良く言えば「パワフル」、悪く言えば「雑」。コリンズは教科書のようなキレイなボクシングだった。その後の二人。コリンズはゲーリー・ジェイコブス、カークランド・レインに連敗して引退し、何の王座も獲れなかった。ブライアンは多くの試合。ローカル王座(ウェルター級)獲得。連勝しては敗北。英国王座(ウェルター級)獲得。防衛にも成功。しかし、欧州王座はTKO負けで獲れず。なかなかタフなキャリアとなった。)


ダレン・ダイアー 3R KO イアン・マレー

(ウェルター級戦、1987年2月)

ウィルフ・ゲンツェン(Wilf Gentzen)&ジョージ・コリンズ(George Collins)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ダイアー:左ジャブ、右ストレート、左右フック   

マレー:左ジャブと右ストレート

(ダウンシーン)

3R:右フック、右ストレートで2度、マレーがダウン

(感想:これがデビュー三戦目の黒人ダイアー(ロンドン出身)。白人のマレー(バーミンガム出身。1979年デビュー)は試合数は多いが、負けが多い。ロンドンのベスナル・グリーンでの英国対決(3Rのみの映像で観戦)。両者、速くて力強いジャブ。パワフルなダイアー。接近して力強い左右フック、アッパー。右フックでマレーがダウン。右ストレートで二度目。そのままカウントアウト。実に迫力のある打ち方だったダイアー。バランスも良かった。しかし意外なことに、いくつかTKO負けを喫して大成せず。攻撃力は満点だったが、打たれ弱かったのかもしれない。マレーはその後も敗北が続いた(いわゆる「かませ」)。)


①「Commonwealth Welterweight Title

Brian Janssen vs. Wilf Gentzen」

②「Commonwealth Welterweight Title

Wilf Gentzen vs. Gary Jacobs」

③「Welterweight 

George Collins vs. Del Bryan」

④「Welterweight 

Darren Dyer vs. Ian Kid Murray」


カークランド・レイン(Kirkland Laing)のページ

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ゲーリー・ジェイコブス(Gary Jacobs)のページ