2025年12月12日金曜日

オルランド・ソト(Orlando Soto)&アセリノ・フレイタス(Acelino Freitas)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

中南米の実力者。「ソト vs. ヘレナ、バルセナス」「フレイタス vs. フェルナンド・サウセド」を紹介します。


オルランド・ソト(パナマ)

身長170cm:オーソドックス(右構え)


アセリノ・フレイタス(ブラジル)

身長168cm:オーソドックス(右構え)


オルランド・ソト 3R TKO カルロス・ヘレナ

(WBAフェデラテン・ジュニアライト級王座決定戦、1995年9月)

オルランド・ソト(Orlando Soto)&アセリノ・フレイタス(Acelino Freitas)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ソト:左ジャブ、右ストレート、フック

ヘレナ:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

3R:右ストレートでヘレナがダウン

(感想:ソトがタイトル獲得。パナマ・トクメン出身の黒人ソト。身長170cmで、リーチは180cmある。デビューから連戦連勝。全勝のままトム・ジョンソンのIBF世界フェザー級王座に挑戦したが、判定負けで初黒星。再起戦でWBAフェデラテン・フェザー級王座を獲得したが、初防衛に失敗。その再起戦でジュニアライト級王座を狙う。ヘレナはプエルトリカン(バヤモン出身)。身長175cmで、リーチは178cm。アマチュアで実績。1992年バルセロナ・オリンピックにフェザー級で出場(メダルは獲得ならず)。プロではこれまで全勝。これが初のタイトル戦となる。ベネズエラ・マラカイでの一戦。共にガードを上げてジャブ、ワンツー。ソトはファイタータイプ。接近して左右フック、ボディ打ち。ヘレナは良いワンツー。3R、右ストレートでヘレナがダウン。再開して激しい打ち合い。攻めるソト、応戦するヘレナ。レフェリーストップ。ソトが連打をまとめて勝利。ヘレナは残念。ちょっとストップが早かったような気がする(南米ではストップが早いのが常識? まだ、戦えそうな雰囲気だったが)。その後のヘレナ。KOでこの王座を獲得、連続防衛。しかし、ヘナロ・エルナンデスのWBC世界J・ライト級王座への挑戦は判定負け。WBC米大陸王座(J・ライト級)獲得、連続防衛。フロイド・メイウェザー・ジュニアのWBC世界J・ライト級王座に挑戦してTKO負け。その後もリングに上がり続けたが、世界戦はメイウェザー戦が最後となった。)


オルランド・ソト 12R 判定 エドガル・バルセナス

(WBC米大陸フェザー級タイトル戦、2001年9月)

オルランド・ソト(Orlando Soto)&アセリノ・フレイタス(Acelino Freitas)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ソト:左ジャブ、右ストレート、フック

バルセナス:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:ソトがタイトル獲得。ヘレナ戦後、崔龍洙のWBA世界J・ライト級王座に挑戦してKO負けしたソト。ヒルベルト・セラノ、デリク・ゲイナー、アントニオ・ディアスにも敗北。アセリノ・フレイタスのWBO世界J・ライト級王座に挑戦したが、KO負け。その再起戦で米大陸王座に挑戦。王者バルセナスはメキシカンで、これまで19勝(13KO)6敗4分。三連敗を喫したこともあったが、開眼。米大陸王座を獲得、連続防衛。ただ、フィリップ・ヌドゥ(WBAフェザー級インターコンティネンタル王座戦)、ロビー・ピーデン(北米フェザー級王座戦)に敗北している。フロリダ州タンパでの一戦。互いに器用さで勝負。ディフェンスしながらジャブ、ワンツー、右ストレートからの左フック、ボディ打ち。相手の隙を突くコンビネーションで一進一退。両者譲らず、互いのパンチがヒット。次第に両者に疲れが見え始め、動きのキレが落ちてくる。終盤はディフェンス&パンチの正確さでソトがやや優勢。12R終了。判定は2-0(ダウンシーンは無し)。良いパンチで打ち合った好試合。当てる巧さで微妙にソトが勝利。ただ、手数は多かったが、共に「一発のパワー」に欠けた。その後の二人。バルセナスは再起戦にKO勝ち。しかし、再起二戦目はTKO負けで事実上のラストファイトに。ソトは米大陸王座の初防衛に成功したが、その後は四連続KO負けでキャリア終了。共に良いところがある強い選手だったが、世界王座は獲れなかった。)


アセリノ・フレイタス 10R 判定 フェルナンド・サウセド

(スーパーライト級戦、2004年12月)

オルランド・ソト(Orlando Soto)&アセリノ・フレイタス(Acelino Freitas)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

フレイタス:左ジャブ、右ストレート、フック   

サウセド:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

9R:左フックでサウセドがダウン

(感想:ブラジル・サルヴァドール出身のフレイタス(ニックネームは「ブラジリアン・ボンバー」)は世界スーパーフェザー級、ライト級の二冠王。デビューから29連続KOを記録し、これまで35勝(31KO)1敗。WBO世界ライト級王座戦でディエゴ・コラレスにTKO負け。これが再起戦となる。サウセドはアルゼンチンの選手(フロレンシオ・バレラ出身)。16勝3敗2分であるが、KO勝ちは一つもない。IBFのユース王座、WBOのアジア王座(いずれもスーパーフェザー級)に挑戦しているが、獲得できず。ブラジル・サンパウロでの一戦(リングアナはジミー・レノン・ジュニア)。攻めの姿勢のフレイタス。ジャブ連打で接近してフック攻撃(後ろ姿、動きがフリオ・セサール・チャベスに似ている)。サウセドはディフェンシブ。フットワーク&ブロック。意表を突くタイミングでストレート、フック。パンチ自体は悪くないが、攻撃のリズムがよくない(なぜこれまでKO勝ちが無かったかを物語る試合ぶり)。左ボディ打ちに迫力があるフレイタスだが、サウセドはブロックしてしぶとく反撃。9R、右アッパーからの左フックでサウセドがダウン。さらに左マブタのキズのチェック。その後もフレイタスが相手にプレッシャーを掛け、10R終了。判定は3-0(フルマーク)。フレイタスが攻勢点で勝利。KO率が高いパンチャーでもディフェンシブな相手を崩すのは難しいようだ。サウセドは粘ったが、そこまで。その後の二人。サウセドは多くの試合。アルゼンチン王座(ライト級)、南米王座(フェザー級)を獲得するなど地元で連勝。インドネシア・ジャカルタでクリス・ジョンのWBA世界フェザー級王座に挑戦して判定負け。アメリカでランセス・バルテレミーのIBF世界スーパーフェザー級王座に挑戦してこれも判定負け。地元での地域王座戦では好調だったが、世界王座は獲得ならず。フレイタスは決定戦でWBO世界ライト級王座を奪回。しかし、WBA王者ファン・ディアスとの統一戦&初防衛戦でTKO負けし、それが事実上のラストファイトに。)


①「vacant WBA Fedelatin Junior Lightweight Title

Orlando Soto vs. Carlos Gerena」 

②「WBC Continental Americas Featherweight Title

Edgar Barcenas vs. Orlando Soto」 

③「Super Lightweight 

Acelino Freitas vs. Fernando David Saucedo」


ファン・ディアス(Juan "Baby Bull" Díaz)のページ 

2025年12月10日水曜日

オベド・サリヴァン(Obed Sullivan)&トレイ・テリグマン(Trey Telligman)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ヘビー級戦。「サリヴァン vs. グラント、コーパス」「テリグマン vs. ウィギンス、ウィリアムス」を紹介します。


オベド・サリヴァン(アメリカ)

身長191cm:オーソドックス(右構え)


トレイ・テリグマン(アメリカ)

身長188cm:オーソドックス(右構え)


ジョナサン・グラント 4R 判定 オベド・サリヴァン

(ヘビー級4回戦、1994年6月)

オベド・サリヴァン(Obed Sullivan)&トレイ・テリグマン(Trey Telligman)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

グラント:左ジャブ、右ストレート、左右フック   

サリヴァン:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:グラント(ネバダ州。身長203cm)のデビュー戦。試合地はラスベガス「MGM Grand」(大きな舞台でデビュー戦とは。グラントはかなり期待されているようだ。レフェリーは大物カルロス・パディーリャ)。ジャブで相手に圧力をかけるグラント。サリヴァン(ミシシッピ州。これがプロ三戦目(二勝)。アメリカ海兵隊に所属していたことから「戦う海兵隊員」とも呼ばれる(元世界王者ジーン・タニーと同じ))は足を使いながら距離を取ってジャブ、右ストレートで対抗。そのまま体格のアドバンテッジを生かしてグラントが3-0で勝利(ダウンシーンは無し)。グラントは勝ったが微妙な選手。動きがあまり速くないうえに、フックの打ち方もよろしくない感じ。サリヴァンは相手の攻めをかわすので精一杯といった感じの試合ぶり。もっと仕掛けていれば、とも思うが、ボクサータイプであることから押され気味で終わってしまった。しかしながら、グラント。次の試合で判定負け。わずか5試合で引退。)  


オベド・サリヴァン 5R TKO アグスチン・コーパス

(ヘビー級6回戦、2001年3月)

オベド・サリヴァン(Obed Sullivan)&トレイ・テリグマン(Trey Telligman)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

サリヴァン:左ジャブ、右ストレート、フック

コーパス:ジャブ、ストレート、フック   

(感想:グラント戦後、サリヴァンは多くの試合。IBFのインター王座を獲得したり、実力者ハシーム・ラクマン、ビタリ・クリチコ(WBO世界ヘビー級タイトル戦)、デビッド・トゥアに敗れたり。コーパスはメキシコ・モンテレイ出身。主戦場はアメリカで、勝ったり負けたり連敗したり。ペンシルベニア州フィラデルフィアでの一戦。金色トランクスのサリヴァン。ジャブ、ワンツー、左フック。コーパスは攻めの姿勢。接近して左右フックを叩きつけ、サウスポーにスイッチして左ストレート。接近戦。フックでの打ち合い。攻撃の勢いはコーパスの方があるが、サリヴァンはボディ打ちに強さ。4R終了後、コーパスが棄権(ダウンシーンは無し)。映像ではいい勝負をしていたように見えたが、コーパスが突然ギブアップ。ボディが効いたのではないか? コーパスは負けたが、フック攻撃はパワフルで良かった。その後の二人。コーパスはローレンス・クレイ・ベイに敗れるなど多くの敗北。しかし、テキサス州王座(ヘビー級)を獲得できた。サリヴァンは次の試合で北米ヘビー級王座を獲得。世界戦は一度だけだったが、名のある選手と戦えてよかったのではないだろうか。)


トレイ・テリグマン 1R KO ウォルター・ウィギンス

(ヘビー級戦、2001年6月)

オベド・サリヴァン(Obed Sullivan)&トレイ・テリグマン(Trey Telligman)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

テリグマン:左ジャブ、右ストレート、フック

ウィギンス:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:ワンツー、左フックで2度、ウィギンスがダウン

(感想:テリグマン(30歳)はテキサス州フォートワース出身の白人。子供の頃に事故で胸に大怪我(胸部が変型している。正直なところ格闘技をすべきではない状態)。それを克服し、格闘技試合に出場してきた。プロボクシングではこれがデビュー戦となる。ウィギンス(29歳)はテネシー州コヴィントン出身の黒人。これまで三連敗。ミシシッピ州トゥニカでの一戦。互いにジャブ。前進するテリグマン。右ストレートに威力。ウィギンスは相手を警戒して距離を取り、ジャブ。しかし、早くもワンツーでダウン。右ストレートで攻めるテリグマン。ウィギンスはフックで抵抗するが、連打からの左フックで二度目のダウン、10カウント。テリグマンが圧勝。パワフルな勝ち方だった。ウィギンスは引いた試合ぶりで、早々にワンツーを食ってしまった。その後、ウィギンスは何と一度も勝つことなく全敗。0勝17敗で、KO負けは5回だった。) 


ジョナサン・ウィリアムス 1R TKO トレイ・テリグマン

(ヘビー級戦、2001年10月)

オベド・サリヴァン(Obed Sullivan)&トレイ・テリグマン(Trey Telligman)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

テリグマン:左ジャブ、右ストレート、フック

ウィリアムス:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:右フックでテリグマンがダウン

(感想:これまで四連勝のテリグマン。ウィリアムスはワシントン州の白人。デビュー戦に判定負け。これがプロ二戦目。ラスベガスでの一戦。互いにジャブ、右ストレート。右ストレート、左フックがパワフルなテリグマンは攻めの姿勢で連打。しかし、強烈な右フックでダウン。立ったが、レフェリーストップ。それに不満のテリグマン。続行できたかもしれないが、強烈なパンチを食った。しかも、胸の損傷。安全面を考慮してレフェリーは試合を止めたのだろう。ボクシングは攻撃&防御。攻め一辺倒では危ない。勝ったウィリアムスは上手く相手の隙を捉えた。その後の二人。テリグマンは次の試合もKO負けでプロボクシングから撤退。ウィリアムスは勝ったり負けたり。ローカル王座を獲得できたが、ワシリー・ジロフ(元IBF世界クルーザー級王者)にTKO負けで引退。)


①「Heavyweight 

Jonathan Grant vs. Obed Sullivan」

②「Heavyweight 

Agustin Corpus vs. Obed Sullivan」

③「Heavyweight 

Trey Telligman vs. Walter Wiggins」

④「Heavyweight 

Trey Telligman vs. Jonathan Williams」


ビタリ・クリチコ(Vitali Klitschko)のページ 

2025年12月5日金曜日

アルベルト・ロセル(Alberto Rossel)&オスカー・アンドレーデ(Oscar Andrade)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

フライ級戦。「ロセル vs. パターソン、サクインガ」「アンドレーデ vs. オスバルド・ゲレロ」ほかを紹介します。


アルベルト・ロセル(ペルー)

身長155cm:オーソドックス(右構え)


オスカー・アンドレーデ(メキシコ)

身長168cm:オーソドックス(右構え)


ラマセス・パターソン 4R 判定 アルベルト・ロセル

(フライ級戦、2001年10月)

アルベルト・ロセル(Alberto Rossel)&オスカー・アンドレーデ(Oscar Andrade)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ロセル:左ジャブ、右ストレート、フック   

パターソン:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:ロセルはペルー人(ウアラル出身)。1996年アトランタ・オリンピックにライトフライ級で出場(メダルは獲得ならず)。1998年、地元でプロデビュー。初の海外試合(コロンビア・カルタヘナ)でTKO負け、初黒星。イバン・カルデロンに判定負け。パターソン戦はその再起戦。パターソンはミシガン州デトロイト出身の黒人。アマチュアではアメリカ王者に(フライ級)。プロではこれまで6連勝。ニックネームは「ランボー」。イリノイ州エルジンでの一戦。足で距離を取るボクサータイプのパターソン。カウンター、パワフルなコンビネーション(右ストレートからの左フック)。ロセルは速いジャブ、思い切りのいい右ストレート、左フックで攻めの姿勢。ただ、攻撃が単発なため、かわされるシーンが目立つ。4R、ロセルがパターソンを押し倒すハプニング。その仕返しか、パターソンが右フック攻撃。4R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。パターソンがアウトボクシングで勝利。パンチ力を感じるシーンもあった。ロセルは攻撃がコンビネーションでなかったのが残念。その後のパターソン。連勝だったが、引退。なぜ辞めたのか?) 


アルベルト・ロセル 6R TKO ホルヘ・サクインガ

(フライ級(?)戦、2011年12月)

アルベルト・ロセル(Alberto Rossel)&オスカー・アンドレーデ(Oscar Andrade)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ロセル:左ジャブ、右ストレート、フック   

サクインガ:右ジャブ、左ストレート、フック   

(ダウンシーン)

6R:右ボディストレートでサクインガがダウン

(感想:パターソン戦後のロセル。その後も北米フライ級王座戦でブライアン・ビロリアに2-0の判定負けを喫するなど海外で苦戦。地元でWBAの地域王座(フライ級)獲得。メキシコでウーゴ・カサレスのWBA世界スーパーフライ級王座に挑戦したが、TKO負け。再起二連勝中。サクインガはエクアドル・キト出身。エクアドル王座(フライ級)を獲得している。ペルー・リマでの一戦。小柄な二人、サウスポーのサクインガ。足で距離を取って右ジャブ、左ストレート。ロセルは攻めの姿勢。ジャブ、そして実にパワフルなストレート、フック。特に左ボディ打ちに迫力。ブロックしながら何とかフックで応戦していたサクインガだが、6Rに右ストレートをボディに食ってダウン。立ったが、レフェリーストップ。まだ続行できそうに見えたが1Rから押されっぱなしだったため、レフェリーは止めることにしたのだろう。ロセルが快勝。小さい体ながらエネルギッシュな攻めだった。サクインガは応戦するのに精一杯で、勝てるような動きではなかった。その後の二人。サクインガは勝ったり負けたりブランクを作ったり。ロセルは地元でWBA世界ライトフライ級暫定王座獲得、連続防衛。正規王者に昇格したが、日本で田口良一に判定負けで王座陥落。再起二連勝で引退。強かったが、海外ではもう一つだった。)


デビンド・タパ 1R NC ダン・デイビス

(フライ級6回戦、2000年3月)

アルベルト・ロセル(Alberto Rossel)&オスカー・アンドレーデ(Oscar Andrade)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

タパ:右ジャブ、左ストレート、左右フック   

デイビス:ジャブ、ストレート、左右フック

(感想:タパはネパール・シャンジャー出身。主戦場はアメリカで、これまで10戦全勝(6KO)。デイビスはペンシルベニア州フィラデルフィア出身で、プロ4連勝(2KO)。フィラデルフィアでの一戦。トリッキーなサウスポーのタパ。ジャブ、左ストレート、振りの大きい左右フック。デイビスは慎重姿勢からジャブ、大振りのフック。似たようなタイプだが、タパの方が好戦的。デイビスは左右に構えをチェンジする(スイッチヒッター)。1R終了後、バッティングによりノーコンテスト(ダウンシーンは無し)。攻める勢いは良かったが、共にディフェンスが巧くなかった印象。再戦はタパがKOで勝利して、デイビスは引退。タパはその後、大きなタイトルは獲ってはいないが、元IBF世界フライ級王者フランシスコ・テヘドールに判定勝ちしている。)


オスカー・アンドレーデ 6R KO オスバルド・ゲレロ

(スーパーフライ級戦、2001年7月)

アルベルト・ロセル(Alberto Rossel)&オスカー・アンドレーデ(Oscar Andrade)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

アンドレーデ:左ジャブ、右ストレート、フック   

ゲレロ:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

6R:右フックでゲレロがダウン

(感想:メキシカン対決。アンドレーデはこれまで25勝(13KO)19敗1分。デビューから二連続KO負けするなど勝ったり負けたり。WBOとIBFのストロー級王座に挑戦したが、いずれもKO負け。北米J・フライ級王座を獲得、連続防衛。NABA王座(フライ級)、NABF王座(フライ級)獲得。どうやら減量苦から解放されて本来の実力が出せるようになったようだ。ゲレロ(コパラ出身)もまたストロー級だった選手で、27勝10敗。WBCインター王座を獲得したが、IBF王座は獲れず。階級を上げ、WBC米大陸王座(J・フライ級)獲得。しかし、このところ連敗中。カリフォルニア州オーロビルでの一戦。ガードを固めて中間距離を保つアンドレーデ。攻めるときは左ジャブを中心としたコンビネーション、右カウンター、ボディ打ち。クリーンなボクシング。ゲレロも悪くない。ジャブ、ストレート、ボディ打ち。しかし、徐々に体格差が。6R、アンドレーデが左フックからの右ストレートなどで攻勢。ロープ際での右フックでゲレロがダウン。ヒザをキャンバスに着いたまま10カウント。アンドレーデがテンポの良いコンビネーションで勝利。反則やラフ行為が無い上質なボクシングだった。ゲレロは頑張ったが、相手のディフェンスに阻まれた。その後の二人。ゲレロはWBOインターコンティネンタル王座戦(バンタム級)でKO負けするなど全敗。アンドレーデは地域王座戦に多数出場。しかし、敗北もあって世界戦は無かった。)


①「Flyweight 

Alberto Rossel vs. Ramases Patterson」

②「Flyweight 

Alberto Rossel vs. Jorge Saquinga」

③「Flyweight 

Debind Thapa vs. Dan Davis」

④「Super Flyweight 

Oscar Andrade vs. Osvaldo Guerrero」

 

2025年11月28日金曜日

ギャビン・リーズ(Gavin Rees)&ブラッドリー・プライス(Bradley Pryce)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ウェールズのライト級。「リーズ vs. ボロフ、アモアコ」「プライス vs. ホール、シンクレア」を紹介します。


ギャビン・リーズ(ウェールズ)

身長163cm:オーソドックス(右構え)


ブラッドリー・プライス(ウェールズ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)


ギャビン・リーズ 4R TKO ウラジミール・ボロフ

(WBOフェザー級インターコンティネンタル王座決定戦、2001年4月)

ギャビン・リーズ(Gavin Rees)&ブラッドリー・プライス(Bradley Pryce)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

リーズ:左ジャブ、右ストレート、フック

ボロフ:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:リーズがタイトル獲得。ウェールズのニューポート出身の白人リーズ。デビューから10連勝(6KO)。これが初のタイトル戦。ボロフはモルドバ出身で、13勝(5KO)9敗1分。デビューから連勝だったが、勝ったり負けたりに。IBOインターコンティネンタル王座(スーパーバンタム級)に挑戦してTKO負けしている。ウェールズの首都カーディフでの一戦。共に速いジャブ、ワンツー、左フック。左ボディからの左フックなど連打の回転が速いリーズ。連打されてボロフは1Rからダウン寸前のピンチ。その後もリーズが厳しいボディ攻め。4R、クリンチが増えていくボロフ。連打されたところでレフェリーストップ(ダウンシーンは無し)。リーズが速い連打で勝利。ボロフはまだ続行できそうな状態だったが、相手の勢いに押されてストップされてしまった。その後のボロフ。再起戦でブルガリア王座(フェザー級)を獲得したが、以降は負けてばかり。通算戦績18勝(8KO)65敗1分。)


ギャビン・リーズ 3R TKO サミュエル・アモアコ

(ライト級6回戦、2010年6月)

ギャビン・リーズ(Gavin Rees)&ブラッドリー・プライス(Bradley Pryce)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

リーズ:左ジャブ、右ストレート、フック

アモアコ:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:ボロフ戦後も連勝を続けたリーズ。WBA世界スーパーライト級王者に。しかし、初防衛に失敗。その後、また連勝中。アモアコはガーナ・アクラ出身の黒人。ガーナ王座(ライト級)を獲得したことがあるが英連邦王座戦(ライト級)で敗北し、初黒星。リース戦はその再起戦となる。北アイルランド・ベルファストでの一戦。同じような体格とリーチ。ジャブ、ストレート、ショートパンチ。左ボディ打ちが巧いリーズ。接近してボディ連打。アモアコは受け身。左のガードを下げた構えからジャブで応戦。3R、ロープ際で連打されるアモアコ。レフェリーストップ。リーズが攻めの姿勢で押し切った。アモアコは残念。アフリカのボクサーはクリーンな試合をするタイプが多いが、もっと積極的に手数を出して欲しかったところ。その後の二人。アモアコはWBOのアフリカ王座(ライト級)を獲得したが次第に負けが込んでいき、世界戦を経験することはなかった。リーズは次の試合で英国ライト級王座獲得。その次の試合で欧州ライト級王座獲得。しかし、WBC世界ライト級王座に挑戦してTKO負け。世界王座に返り咲くことはなかった。)


ブラッドリー・プライス 12R 判定 ジェイソン・ホール

(WBOライト級インターコンティネンタル王座決定戦、2001年4月)

ギャビン・リーズ(Gavin Rees)&ブラッドリー・プライス(Bradley Pryce)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

プライス:左ジャブ、右ストレート、フック   

ホール:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:プライスがタイトル獲得。プライスはウェールズのニューポート出身で、これまで10連勝(6KO)。ホールは英国ペリベール出身の白人で、9勝(2KO)2敗。アメリカでデビューし、このところ英国が主戦場。共にこれが初のタイトル戦。ウェールズ・カーディフでの一戦。似たタイプの二人。長いジャブ、右ストレート、振りが大きめのフックで開始から接近戦。左のガードを下げた構えのプライス。時折サウスポーにスイッチ(どうやらナジーム・ハメドを意識しているようだ)。ホールはブロックしながら攻撃。一進一退で12R終了。判定は僅差の3-0(ダウンシーンは無し)。大きな力量差は感じられなかったが、当てる巧さでプライスが競り勝った。その後、ホールは一勝二敗。タイトルには縁が無かった。)


ブラッドリー・プライス 3R 判定 ニール・シンクレア

(Prizefighter Tournamentライトミドル級戦、2010年2月)

ギャビン・リーズ(Gavin Rees)&ブラッドリー・プライス(Bradley Pryce)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

プライス:左ジャブ、右ストレート、左右フック   

シンクレア:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:「Prizefighter Tournament」なる大会で行われた英国同士の試合(ラウンド数が「3」のスペシャルな企画)。プライスはこれまで28勝(17KO)7敗。ホール戦後、勝ったり負けたりの状態に。英連邦スーパーウェルター級王座を獲得し、連続防衛。TKOで王座陥落、これが再起二戦目にあたる。シンクレアはベルファスト出身。33勝(25KO)7敗で、英国ウェルター級王座を獲得したことがある。ロンドンのベスナル・グリーンでの一戦。共に速いジャブ。シンクレアはワンツーなどを使って丁寧にパンチを当てていこうとする。プライスは斜め上からの右フックなど、パワフルにフックを振るう。一進一退。3R終了。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。プライスのパワーが評価されたか。シンクレアはこれがラストファイト。プライスは後、勝ったり負けたり。)


①「vacant WBO Inter-Continental Featherweight Title

Gavin Rees vs. Wladimir Borov」

②「Lightweight 

Gavin Rees vs. Samuel Amoako」

③「vacant WBO Inter-Continental Lightweight Title

Bradley Pryce vs. Jason Hall」

④「Light middleweight 

Bradley Pryce vs. Neil Sinclair」

 

2025年11月26日水曜日

オマール・シェイカ(Omar Sheika)&ジャワイド・カーリック(Jawaid Khaliq)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

海外にルーツがある選手。「シェイカ vs. サンプル、ウェレ」「カーリック vs. ワイズ、ビエルスキー」を紹介します。


オマール・シェイカ(アメリカ)

身長183cm:オーソドックス(右構え)


ジャワイド・カーリック(英国)

身長179cm:オーソドックス(右構え)


オマール・シェイカ 1R KO ショーン・サンプル

(スーパーミドル級4回戦、1997年)

オマール・シェイカ(Omar Sheika)&ジャワイド・カーリック(Jawaid Khaliq)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シェイカ:右ストレート、フック   

サンプル:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:左フックでサンプルがダウン

(感想:シェイカはパレスチナにルーツがあるアメリカ人(ニュージャージ州で育った)。アマチュアで活躍後、プロ入り。デビュー以来、六連勝。トレーナーはあのケビン・ルーニー。オクラホマ州イノーラ出身の白人サンプルはデビュー以来、四連勝。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン・シアター」での全勝対決。攻めの姿勢のシェイカ。サンプルはコンビネーションで対抗。右フックからの左フックでサンプルがダウン。倒れると同時にレフェリーは試合を止めた。シェイカが圧勝。49秒で終わったが、シェイカの右ストレート、フックは実にパワフルで世界王者レベルのパワーだった。サンプルはテクニックで勝負するタイプなのではないか? パンチが軽めだった。その後のサンプル。負けが込んでいき、特に大きな活躍はなかった。)


オマール・シェイカ 2R TKO ステファン・ウェレ

(スーパーミドル級戦、2001年4月)

オマール・シェイカ(Omar Sheika)&ジャワイド・カーリック(Jawaid Khaliq)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シェイカ:左ジャブ、右ストレート、フック   

ウェレ:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

2R:右フックでウェレがダウン

(感想:サンプル戦後も連勝だったシェイカだが、判定で初黒星。ジョー・カルザゲのWBO世界スーパーミドル級王座に挑戦したが、TKO負け。再起戦に勝利して、この試合。これまで21勝(14KO)2敗。ウェレはカナダ・ケベック出身の白人で、29勝(18KO)3敗。カナダ王座(J・ミドル級、ミドル級)、WBC米大陸王座(J・ミドル級)を獲得。デイブ・ヒルトンに敗れたが、四連勝中。ラスベガス「MGM Grand」での一戦(シェイカのセコンドにルー・デュバ)。共に速いパンチ。シェイカはオスカー・デラ・ホーヤのような動きで左フックからの右ストレート、ワンツーからの左ボディ打ち。ウェレはジャブ連打からの右ストレート、右ストレートからの左ジャブ。2R、右カウンターをヒットさせたウェレだが、連打からの右フックでダウン。立ったが、レフェリーストップ。シェイカがハンドスピードで勝利。ウェレはテクニックを持っていたが、相手の勢いに屈した。その後の二人。ウェレはこれが事実上のラストファイト。ブランク後に二試合行ったが、二連敗。シェイカは数度の世界挑戦のチャンスを得たが、勝てず。意外なことにNABO王座、北米王座といった地域王座戦でも勝てなかった。昔はスーパーミドル級はレベルが低めだったが、強い選手が参戦するようになってからは競争が激しくなった。)


ジャワイド・カーリック 12R 判定 ウィリー・ワイズ

(IBOウェルター級タイトル戦、2001年6月)

オマール・シェイカ(Omar Sheika)&ジャワイド・カーリック(Jawaid Khaliq)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

カーリック:左ジャブ、右ストレート、フック   

ワイズ:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

2R:右フックでワイズがダウン

(感想:カーリックがタイトル獲得。王者ワイズ(34歳)はバージニア州オナンコック出身の黒人。アマチュアで実績。プロ入りは1988年。これまで37勝(26KO)7敗4分。ニューヨーク州王座(ウェルター級)を獲得したが、NABF王座戦、NABO王座戦(ウェルター級)で三連敗を喫したことも。決定戦でIBO王者に。これが初防衛戦。挑戦者カーリック(30歳)は英国レディング出身。両親はパキスタン人。16歳でボクシングを始める。アマチュア王者(ウェルター級)からプロへ。14勝(9KO)1敗1分。デビュー7戦目で判定負けを喫したが、マイナー王座(スーパーウェルター級)、英国のローカル王座(ウェルター級、スーパーウェルター級)、英連邦王座(ウェルター級)を獲得してきた。英国ノッティンガムでの一戦。似たタイプの二人。ジャブが中心。ワイズがダッキングしながら左フックからの右ストレート。カーリックはワンツー。2R、右ストレートが効いたワイズ。右フックでダウン。その後も両者、ジャブ、ワンツー、左フック。カーリックは左ボディ打ちに迫力があり、勢いでやや優勢。12R終了。判定は3-0。カーリックが丁寧なボクシングで勝利。ディフェンス&ジャブで無難な勝ち方だった。ワイズは年齢的なものがあるのだろう。追い込むパワーに欠けた。その後、ワイズは三連敗で引退。ラストファイトの相手はピークを遙かに過ぎたフリオ・セサール・チャベスで、2RでのTKOだった。)


ジャワイド・カーリック 5R KO ヤセック・ビエルスキー

(IBOウェルター級タイトル戦、2001年9月)

オマール・シェイカ(Omar Sheika)&ジャワイド・カーリック(Jawaid Khaliq)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

カーリック:左ジャブ、右ストレート、フック   

ビエルスキー:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

5R:右ストレートでビエルスキーがダウン

(感想:カーリックがタイトル初防衛。挑戦者ビエルスキー(29歳)はポーランド人(エルブロンク出身)。アマチュアからプロへ。これまで15連勝(4KO)。オーストリア王座、IBOインターコンティネンタル王座(ウェルター級)を獲得してきた。ノッティンガムでの一戦(レフェリーはジョン・コイル。ロバート・デ・ニーロに似ている)。距離を取ってジャブ、ストレートのカーリック。基本的にアウトボクシングだが左ボディ打ちが巧く、長いパンチで連打も披露。ビエルスキーは慎重にガードしながら前進し、思い切りのいい右ストレート、左フック。ただ、攻撃が単発で、かわされる。5Rに大きな動き。左フックをヒットさせたビエルスキーだが、連打からの右ストレートでダウン。立てず、KO。カーリックが長いパンチで勝利。当たると効果が大きいパンチだった。ビエルスキーはクロス気味の右パンチに良さがあったが、当てるテクニックに欠けた。その後の二人。ビエルスキーは連勝したが、WBCインター王座戦(ウェルター級)でTKO負け、引退。カーリックはIBO王座を連続防衛し、王者のまま引退。意外なことにメジャー団体の世界王座に挑戦することはなかった。)


①「Super Middleweight 

Omar Sheika vs. Sean Sample」

②「Super Middleweight 

Omar Sheika vs. Stephane Ouellet」

③「IBO Welterweight Title

Willy Wise vs. Jawaid Khaliq」

④「IBO Welterweight Title

Jawaid Khaliq vs. Jacek Bielski」

 

2025年11月21日金曜日

ビリー・シュワー(Billy Schwer)&ジュニア・ウィッター(Junior Witter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

英国スーパーライト級。「シュワー vs. コナン、ビラリアル」「ウィッター vs. スティーブ・コンウェイ」ほかを紹介します。


ビリー・シュワー(英国)

身長174cm:オーソドックス(右構え)


ジュニア・ウィッター(英国)

身長170cm:サウスポー


ビリー・シュワー 1R TKO ピエール・コナン

(ライト級6回戦、1990年10月)

ビリー・シュワー(Billy Schwer)&ジュニア・ウィッター(Junior Witter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シュワー:左ジャブ、右ストレート、左フック

コナン:右ジャブ、左ストレート、左右フック   

(ダウンシーン)

1R:左フック、連打で2度、コナンがダウン

(感想:英国人シュワー(ルートン出身)のデビュー戦。サウスポーのコナン(フランス)はレジリオ・ツールにKOされたことがあり、直前の試合はTKO負け。ロンドンのベスナル・グリーンでの一戦。すでにスタイルが完成しているシュワー。しっかりしたジャブ、ストレート。特に左フックが強い。一方、コナンはあまり打ち方がよくない。左フックでコナンがダウン。連打で再びダウン。セコンドからタオル投入でストップ。バランスが良くないコナンにシュワーが正確にパンチを決めた。コナンは次の試合で判定負けして引退。)


ビリー・シュワー 12R 判定 ニュートン・ビラリアル

(IBOスーパーライト級タイトル戦、2001年4月)

ビリー・シュワー(Billy Schwer)&ジュニア・ウィッター(Junior Witter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シュワー:左ジャブ、右ストレート、フック

ビラリアル:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

2R:右フックカウンターでビラリアルがダウン

(感想:シュワーがタイトル獲得。31歳になったシュワー。これまで38勝(30KO)5敗。デビューから連勝で英国、英連邦ライト級王座を獲得したが、TKOで王座陥落。王座奪回、防衛。ラファエル・ルエラスのIBF世界ライト級王座に挑戦して敗北。欧州ライト級王座を獲得、防衛。しかし、スティーブ・ジョンストンのWBC世界ライト級王座への挑戦は失敗。WBU王座も獲得ならず。再起戦でIBO王座を狙う。王者ビラリアル(29歳)はコロンビア人で、18勝(16KO)2敗。ウィルフリド・ロチャ(ミゲル・アンヘル・ゴンザレスから痛烈なダウンを奪ったことで有名)にKOされたが、以来連勝でIBO王者に。これが三度目の防衛戦。英国ウェンブリーでの一戦。互いにジャブ、ディフェンス。攻めるシュワー。ビラリアルは接近戦に応じるが、基本的には距離を取って戦いたい様子。シュワーが右ストレートからの左フック、ビラリアルは荒っぽいフック。2R、右フックがカウンターで入ってビラリアルがダウン。その後、接近戦。互いにストレート、フック。フックにパワーがあるビラリアルだが、ワンツーからの左フックはやや手打ち気味。ジャブが正確なシュワーは5Rに左フックをカウンターでヒットさせる。その後もシュワーの正確なジャブが印象的。12R終了。判定は3-0。シュワーがジャブで勝利。ビラリアルはパワーが乗るパンチとそうでないパンチ。中途半端なボクシングだった。その後の二人。ビラリアルはマイナー王座を獲得するなど連勝したが、ブランクがちで大きな試合は無かった。シュワーは次の試合でTKO負け、王座陥落。それを最後に引退。)


ジュニア・ウィッター 5R TKO スティーブ・コンウェイ

(J・ウェルター級戦、2000年10月)    

ビリー・シュワー(Billy Schwer)&ジュニア・ウィッター(Junior Witter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ウィッター:右ジャブ、左ストレート、フック

コンウェイ:右ジャブ、左ストレート、フック

(感想:英国同士の一戦。ウィッター(ブラッドフォード出身)はこれまで15勝(4KO)1敗2分。デビュー以来、負け無しでWBFのスーパーライト級王座を獲得。しかし、ザブ・ジュダーのIBF世界スーパーライト級王座への挑戦は判定負け。コンウェイ戦はその再起戦となる。コンウェイ(ハートルプール出身)は20勝(1KO)3敗。WBOのインター王座(スーパーフェザー級)に挑戦してTKO負けしたことがある。「1KO」のコンウェイが上の階級のウィッターを相手にどんな試合を見せるか? 北アイルランド・ベルファストで行われた試合。共にサウスポー。開始からやけに積極的なウィッター。しかも頻繁にオーソドックスにスイッチ(忙しい男)。コンウェイはそんなウィッターに冷静に反撃。互いに右ジャブ、左ストレート。ウィッターは接近戦では左右フックボディ打ちを見せる。ウィッターは手数で、コンウェイは正確さで勝負、といったところ。ディフェンスに隙があるウィッターが左ストレートを打たれる。3R、ウィッターが右フックを連発。4R終了後にコンウェイが棄権。鼻を負傷したらしい。ウィッターが攻めの姿勢で勝利。ウィッターはKOを狙うタイプではないが、丁寧にやっていく英国人ボクサーらしい選手。頻繁にスイッチして相手に的を絞らせない作戦が功を奏した。ただ、接近戦は共に得意ではないのか、クリンチが多かった。その後、ウィッターはWBC世界スーパーライト級王座獲得。ビビアン・ハリスらを相手に防衛にも成功している。コンウェイはIBOスーパーウェルター級王座獲得。)


リー・パーディ 3R TKO ジョニー・グレーブス

(スーパーライト級6回戦、2008年10月)

ビリー・シュワー(Billy Schwer)&ジュニア・ウィッター(Junior Witter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

パーディ:左ジャブ、右ストレート、フック   

グレーブス:右ジャブ、左ストレート、フック   

(ダウンシーン)

2R:右ストレートでグレーブスがダウン

(感想:英国の白人同士の対戦。パーディ(コルチェスター出身)はこれまで無敗。サウスポーのグレーブス(ロンドン出身)は頻繁にリングに上がり続けてきたが(1ヶ月に二度試合したことも)、何とまだ1回しか勝ったことがない(TKO勝ち)。パーディとは再戦で、初戦はパーディの判定勝ち。英国ノリッジでの一戦。攻める姿勢のパーディ。ジャブを使いながら、右ストレート、フック、ボディ打ち。グレーブスは距離を取って右ジャブ、左ストレート。互いにパワーはそこそこで、動きのスピードもそれほど速くない。2R、右ストレートがボディに入ってグレーブスがダウン。その後、手数でパーディ優勢。左フックからの右ストレートに強さ。3R、攻められるグレーブス。左フックで応戦するが、右ストレートを打たれたところでレフェリーストップ。積極さでパーディ勝利。一方、残念だったグレーブス。自分から攻めないタイプ。勝てるような試合ぶりではなかった。負け続けで自信を無くしてしまったのかもしれない。その後の二人。パーディはローカル王座に挑戦して判定負け、初黒星。英国王座、IBFインター王座(いずれもウェルター級)獲得。しかし、英連邦王座、欧州王座(いずれもウェルター級)は判定、TKOで獲得ならず。英国の実力者にとどまった。グレーブスはその後、4回戦、6回戦を中心に負けに負けて通算戦績は何と4勝(1KO)96敗。しかし、KO負けは「12」で意外に少なかった。)


①「Lightweight 

Billy Schwer vs. Pierre Conan」

②「IBO Super Lightweight Title

Newton Villarreal vs. Billy Schwer」

③「Junior Welterweight 

Junior Witter vs. Steve Conway」

④「Super Lightweight 

Lee Purdy vs. Johnny Greaves」


2025年11月20日木曜日

カーミット・シントロン(Kermit Cintron)&ジェイソン・ベレス(Jayson Velez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

プエルトリコの実力者。「シントロン vs. バチスタ」「ベレス vs. モリナ」「ホセ・A・ゴンザレス vs. トレホ」ほかを紹介します。


カーミット・シントロン(プエルトリコ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)


ジェイソン・ベレス(プエルトリコ)

身長173cm:オーソドックス(右構え)


カーミット・シントロン 5R TKO サイド・オウアリ

(ウェルター級戦、2001年8月)

カーミット・シントロン(Kermit Cintron)&ジェイソン・ベレス(Jayson Velez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シントロン:左ジャブ、右ストレート、フック   

オウアリ:右ジャブ、左ストレート、フック   

(ダウンシーン)

5R:右フック、右ストレートで2度、オウアリがダウン

(感想:シントロン(21歳)はプエルトリカン(カロリーナ出身)。デビューから連勝中。オウアリ(22歳)はモロッコ・アガディール出身。コチラも経験は浅いが、全勝。コネチカット州アンカスビルでの一戦。坊主頭をプエルトリコ・カラーに染めているシントロン。長いジャブ、右ストレートが武器。オウアリはいかにもサウスポーといった感じで右ジャブ、左ストレート、右フック。ディフェンスでシントロンが優勢か? 5R、左フックが効いて足に来たオウアリ。右フックでダウン。立ったが、マズい状況。右ストレートで再び倒れたところでレフェリーストップ。シントロンがディフェンス&長いパンチで勝利。器用なところが良かった。オウアリは相手の懐の深さに敗れた。その後のオウアリ。連勝後、マニング・ギャロウェイ(元WBO世界ウェルター級王者)に判定負け。連勝後、WBCインター王座に挑戦して判定負け。WBA世界ウェルター級王座挑戦者決定戦に勝利したが、世界挑戦は無し。一定の実力はあったが、王座には縁が無かった。)


カーミット・シントロン 10R 判定 ジョナサン・バチスタ

(ウェルター級戦、2013年8月)

カーミット・シントロン(Kermit Cintron)&ジェイソン・ベレス(Jayson Velez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シントロン:左ジャブ、右ストレート、フック   

バチスタ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

8R:左フックでバチスタがダウン

(感想:33歳になったシントロン。これまで33勝(28KO)5敗2分。オウアリ戦後も連勝でWBOの暫定王者に(ウェルター級)。アントニオ・マルガリートにTKO負け、初黒星。決定戦でIBF世界ウェルター級王座獲得。三度目の防衛戦でまたしてもマルガリートに敗北、王座陥落。サウル・アルバレスのWBC世界スーパーウェルター級王座に挑戦してTKO負け。ブランク。再起戦に引き分け。バチスタ戦は再起二戦目となる。バチスタ(27歳)はドミニカのサン・ベドロ・マコリス出身の黒人で、14勝(7KO)1敗。地元でデビュー、連勝。初のアメリカでの試合で判定負け、初黒星。地元で再起戦、勝利。そして、この試合。フロリダ州マイアミでの一戦。シントロンがジャブからの左フック、ワンツー。左ボディ打ちに巧さがあり、左のテクニックで勝負。バチスタは右ストレート、左フックにパワーを込めるが、攻撃が単発でディフェンスされる。接近戦。もみ合い、クリンチ。7R、バチスタがローブロー。8R、タイミングのいい左フックでバチスタがバランスを崩してダウン。10R、バチスタが背後からの攻撃、ラフプレーで二度の減点。10R終了。判定は3-0。微妙だった試合。共に畳み掛けるような精力的な攻めがなく、もみ合うシーンが目立った。バチスタの試合運びのマズさはともかく、シントロンは何のためにカムバックしたのだろう? その後の二人。バチスタは連敗後、勝ったり負けたり。タイトル戦を経験することはなかった。シントロンは連勝後、ペンシルベニア州王座戦(スーパーウェルター級)でKO負け。それが最後の王座戦となった。)


ジェイソン・ベレス  5R TKO ジョン・モリナ

(フェザー級戦、2011年2月)

カーミット・シントロン(Kermit Cintron)&ジェイソン・ベレス(Jayson Velez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ベレス:左ジャブ、右ストレート、左フック   

モリナ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:ベレス(22歳)はプエルトリコ・カグアス出身(身長173cm)。これまで14連勝(11KO)。WBCアメリカ王座(スーパーバンタム級)を獲得している。モリナ(33歳)は小柄(身長157cm)なコロンビア人(カウカシア出身)。27勝(18KO)14敗3分。WBCの地域王座(ライトフライ級)を獲得したが、WBO王座(ライトフライ級)は獲得ならず。WBAの地域王座(フライ級)も獲得できたが、勝ったり負けたり。このところ連続KO負け。プエルトリコ・ラレスでの一戦。身長差のある二人。ベレスは思い切りのいい打ち方。打ち下ろすような長い右ストレート、振りが大きめの左フック。左ボディ打ちに巧さ。モリナはかつての名選手ウィルフレド・バスケス風の選手で、踏み込んで打つ右ストレート、フックに威力。勢いでベレス優勢。ただ、振りが大きい分、バランスとガードにやや問題がある印象。対抗するモリナだが、4R終了で棄権(ダウンシーンは無し)。続行できたのではないかと思われるが、連敗のダメージを考慮しての決断だろう。ベレスが豪快なボクシングで勝利。仮にディフェンスに甘さがあるとしても個人的にはベレスのような強いパンチを勢い良く打っていく選手は好印象。その後の二人。モリナはWBCの地域王座(フライ級)を獲得したが、そこまで。以降は連敗でキャリア終了。底力はあったが、階級が上の選手との対戦にはムリがあった。ベレスは全勝のままIBF世界フェザー級王座に挑戦したが、引き分け。その後、WBCシルバー王座戦、北米王座戦(いずれもフェザー級)で連敗するなど苦戦。最後は負け続けで引退。勢いが落ちて勝てなくなっていったようだ。)


ホセ・A・ゴンザレス 10R 判定 フェルナンド・トレホ

(WBOラティノ・ライト級タイトル戦、2011年11月)

カーミット・シントロン(Kermit Cintron)&ジェイソン・ベレス(Jayson Velez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ゴンザレス:左ジャブ、右ストレート、左フック   

トレホ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:ゴンザレスがタイトル防衛。王者ゴンザレス(28歳)はプエルトリコ・バヤモン出身。デビューから17連勝(13KO)。決定戦で王座を獲得。これが二度目の防衛戦。挑戦者トレホ(37歳)はメキシコシティ出身で、33勝(19KO)16敗5分。WBCの地域王座(スーパーフェザー級)、北米王座(ライト級、次いでスーパーフェザー級)といった王座を獲得してきた(ボビー・パッキャオ、フリオ・ディアズには敗北)。プエルトリコのトア・バハでの一戦。互いにガードを高く上げる。トレホはあのリカルド・ロペスのような構え、上体の動き。踏み込んで打つジャブ、左ボディ打ちに巧さ。ワンツーからの左ボディ打ちが主武器の様子。ゴンザレスは淡々とした姿勢。ジャブ、ストレート、左フックを正確に当てようとし、特に右ストレートに正確さ。しかしながら、盛り上がらないアウトボクシング。サウスポーにスイッチしたりするが、特に効果的ではない。トレホは攻めるが、ディフェンスされる。9Rに面白いシーン。カウンター狙いのゴンザレスにトレホが逆に距離を取って「打ってこい」アピール。しかし、ゴンザレスは攻めず、微妙な空気に。10R終了。判定は大差の3-0(ダウンシーンは無し)。ゴンザレスがカウンターで勝利。しかし、エキサイティングではない勝ち方。地元のファン以外は喜ばない(と思う)「冷めたボクシング」だった。トレホはよく攻めたが、相手のガードを崩せず。爆発力に欠けていたか。その後、二連敗で引退。ゴンザレスはその後もラティノ王座を防衛。そして、リッキー・バーンズのWBO世界ライト級王座に挑戦して敗北(初の海外試合で初黒星)。アメリカでWBOインター王座(ライト級)挑戦してTKO負け。それが事実上のラストファイトに。)


①「Welterweight 

Kermit Cintron vs. Said Ouali」

②「Welterweight 

Kermit Cintron vs. Jonathan Batista」

③「Featherweight 

Jayson Velez vs. Jhon Alberto Molina」

④「WBO Latino Lightweight Title

Jose A Gonzalez vs. Fernando Trejo」