2025年11月28日金曜日

ギャビン・リーズ(Gavin Rees)&ブラッドリー・プライス(Bradley Pryce)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ウェールズのライト級。「リーズ vs. ボロフ、アモアコ」「プライス vs. ホール、シンクレア」を紹介します。


ギャビン・リーズ(ウェールズ)

身長163cm:オーソドックス(右構え)


ブラッドリー・プライス(ウェールズ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)


ギャビン・リーズ 4R TKO ウラジミール・ボロフ

(WBOフェザー級インターコンティネンタル王座決定戦、2001年4月)

ギャビン・リーズ(Gavin Rees)&ブラッドリー・プライス(Bradley Pryce)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

リーズ:左ジャブ、右ストレート、フック

ボロフ:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:リーズがタイトル獲得。ウェールズのニューポート出身の白人リーズ。デビューから10連勝(6KO)。これが初のタイトル戦。ボロフはモルドバ出身で、13勝(5KO)9敗1分。デビューから連勝だったが、勝ったり負けたりに。IBOインターコンティネンタル王座(スーパーバンタム級)に挑戦してTKO負けしている。ウェールズの首都カーディフでの一戦。共に速いジャブ、ワンツー、左フック。左ボディからの左フックなど連打の回転が速いリーズ。連打されてボロフは1Rからダウン寸前のピンチ。その後もリーズが厳しいボディ攻め。4R、クリンチが増えていくボロフ。連打されたところでレフェリーストップ(ダウンシーンは無し)。リーズが速い連打で勝利。ボロフはまだ続行できそうな状態だったが、相手の勢いに押されてストップされてしまった。その後のボロフ。再起戦でブルガリア王座(フェザー級)を獲得したが、以降は負けてばかり。通算戦績18勝(8KO)65敗1分。)


ギャビン・リーズ 3R TKO サミュエル・アモアコ

(ライト級6回戦、2010年6月)

ギャビン・リーズ(Gavin Rees)&ブラッドリー・プライス(Bradley Pryce)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

リーズ:左ジャブ、右ストレート、フック

アモアコ:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:ボロフ戦後も連勝を続けたリーズ。WBA世界スーパーライト級王者に。しかし、初防衛に失敗。その後、また連勝中。アモアコはガーナ・アクラ出身の黒人。ガーナ王座(ライト級)を獲得したことがあるが英連邦王座戦(ライト級)で敗北し、初黒星。リース戦はその再起戦となる。北アイルランド・ベルファストでの一戦。同じような体格とリーチ。ジャブ、ストレート、ショートパンチ。左ボディ打ちが巧いリーズ。接近してボディ連打。アモアコは受け身。左のガードを下げた構えからジャブで応戦。3R、ロープ際で連打されるアモアコ。レフェリーストップ。リーズが攻めの姿勢で押し切った。アモアコは残念。アフリカのボクサーはクリーンな試合をするタイプが多いが、もっと積極的に手数を出して欲しかったところ。その後の二人。アモアコはWBOのアフリカ王座(ライト級)を獲得したが次第に負けが込んでいき、世界戦を経験することはなかった。リーズは次の試合で英国ライト級王座獲得。その次の試合で欧州ライト級王座獲得。しかし、WBC世界ライト級王座に挑戦してTKO負け。世界王座に返り咲くことはなかった。)


ブラッドリー・プライス 12R 判定 ジェイソン・ホール

(WBOライト級インターコンティネンタル王座決定戦、2001年4月)

ギャビン・リーズ(Gavin Rees)&ブラッドリー・プライス(Bradley Pryce)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

プライス:左ジャブ、右ストレート、フック   

ホール:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:プライスがタイトル獲得。プライスはウェールズのニューポート出身で、これまで10連勝(6KO)。ホールは英国ペリベール出身の白人で、9勝(2KO)2敗。アメリカでデビューし、このところ英国が主戦場。共にこれが初のタイトル戦。ウェールズ・カーディフでの一戦。似たタイプの二人。長いジャブ、右ストレート、振りが大きめのフックで開始から接近戦。左のガードを下げた構えのプライス。時折サウスポーにスイッチ(どうやらナジーム・ハメドを意識しているようだ)。ホールはブロックしながら攻撃。一進一退で12R終了。判定は僅差の3-0(ダウンシーンは無し)。大きな力量差は感じられなかったが、当てる巧さでプライスが競り勝った。その後、ホールは一勝二敗。タイトルには縁が無かった。)


ブラッドリー・プライス 3R 判定 ニール・シンクレア

(Prizefighter Tournamentライトミドル級戦、2010年2月)

ギャビン・リーズ(Gavin Rees)&ブラッドリー・プライス(Bradley Pryce)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

プライス:左ジャブ、右ストレート、左右フック   

シンクレア:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:「Prizefighter Tournament」なる大会で行われた英国同士の試合(ラウンド数が「3」のスペシャルな企画)。プライスはこれまで28勝(17KO)7敗。ホール戦後、勝ったり負けたりの状態に。英連邦スーパーウェルター級王座を獲得し、連続防衛。TKOで王座陥落、これが再起二戦目にあたる。シンクレアはベルファスト出身。33勝(25KO)7敗で、英国ウェルター級王座を獲得したことがある。ロンドンのベスナル・グリーンでの一戦。共に速いジャブ。シンクレアはワンツーなどを使って丁寧にパンチを当てていこうとする。プライスは斜め上からの右フックなど、パワフルにフックを振るう。一進一退。3R終了。判定は2-1(ダウンシーンは無し)。プライスのパワーが評価されたか。シンクレアはこれがラストファイト。プライスは後、勝ったり負けたり。)


①「vacant WBO Inter-Continental Featherweight Title

Gavin Rees vs. Wladimir Borov」

②「Lightweight 

Gavin Rees vs. Samuel Amoako」

③「vacant WBO Inter-Continental Lightweight Title

Bradley Pryce vs. Jason Hall」

④「Light middleweight 

Bradley Pryce vs. Neil Sinclair」

 

2025年11月26日水曜日

オマール・シェイカ(Omar Sheika)&ジャワイド・カーリック(Jawaid Khaliq)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

海外にルーツがある選手。「シェイカ vs. サンプル、ウェレ」「カーリック vs. ワイズ、ビエルスキー」を紹介します。


オマール・シェイカ(アメリカ)

身長183cm:オーソドックス(右構え)


ジャワイド・カーリック(英国)

身長179cm:オーソドックス(右構え)


オマール・シェイカ 1R KO ショーン・サンプル

(スーパーミドル級4回戦、1997年)

オマール・シェイカ(Omar Sheika)&ジャワイド・カーリック(Jawaid Khaliq)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シェイカ:右ストレート、フック   

サンプル:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:左フックでサンプルがダウン

(感想:シェイカはパレスチナにルーツがあるアメリカ人(ニュージャージ州で育った)。アマチュアで活躍後、プロ入り。デビュー以来、六連勝。トレーナーはあのケビン・ルーニー。オクラホマ州イノーラ出身の白人サンプルはデビュー以来、四連勝。ニューヨーク「マジソン・スクエア・ガーデン・シアター」での全勝対決。攻めの姿勢のシェイカ。サンプルはコンビネーションで対抗。右フックからの左フックでサンプルがダウン。倒れると同時にレフェリーは試合を止めた。シェイカが圧勝。49秒で終わったが、シェイカの右ストレート、フックは実にパワフルで世界王者レベルのパワーだった。サンプルはテクニックで勝負するタイプなのではないか? パンチが軽めだった。その後のサンプル。負けが込んでいき、特に大きな活躍はなかった。)


オマール・シェイカ 2R TKO ステファン・ウェレ

(スーパーミドル級戦、2001年4月)

オマール・シェイカ(Omar Sheika)&ジャワイド・カーリック(Jawaid Khaliq)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シェイカ:左ジャブ、右ストレート、フック   

ウェレ:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

2R:右フックでウェレがダウン

(感想:サンプル戦後も連勝だったシェイカだが、判定で初黒星。ジョー・カルザゲのWBO世界スーパーミドル級王座に挑戦したが、TKO負け。再起戦に勝利して、この試合。これまで21勝(14KO)2敗。ウェレはカナダ・ケベック出身の白人で、29勝(18KO)3敗。カナダ王座(J・ミドル級、ミドル級)、WBC米大陸王座(J・ミドル級)を獲得。デイブ・ヒルトンに敗れたが、四連勝中。ラスベガス「MGM Grand」での一戦(シェイカのセコンドにルー・デュバ)。共に速いパンチ。シェイカはオスカー・デラ・ホーヤのような動きで左フックからの右ストレート、ワンツーからの左ボディ打ち。ウェレはジャブ連打からの右ストレート、右ストレートからの左ジャブ。2R、右カウンターをヒットさせたウェレだが、連打からの右フックでダウン。立ったが、レフェリーストップ。シェイカがハンドスピードで勝利。ウェレはテクニックを持っていたが、相手の勢いに屈した。その後の二人。ウェレはこれが事実上のラストファイト。ブランク後に二試合行ったが、二連敗。シェイカは数度の世界挑戦のチャンスを得たが、勝てず。意外なことにNABO王座、北米王座といった地域王座戦でも勝てなかった。昔はスーパーミドル級はレベルが低めだったが、強い選手が参戦するようになってからは競争が激しくなった。)


ジャワイド・カーリック 12R 判定 ウィリー・ワイズ

(IBOウェルター級タイトル戦、2001年6月)

オマール・シェイカ(Omar Sheika)&ジャワイド・カーリック(Jawaid Khaliq)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

カーリック:左ジャブ、右ストレート、フック   

ワイズ:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

2R:右フックでワイズがダウン

(感想:カーリックがタイトル獲得。王者ワイズ(34歳)はバージニア州オナンコック出身の黒人。アマチュアで実績。プロ入りは1988年。これまで37勝(26KO)7敗4分。ニューヨーク州王座(ウェルター級)を獲得したが、NABF王座戦、NABO王座戦(ウェルター級)で三連敗を喫したことも。決定戦でIBO王者に。これが初防衛戦。挑戦者カーリック(30歳)は英国レディング出身。両親はパキスタン人。16歳でボクシングを始める。アマチュア王者(ウェルター級)からプロへ。14勝(9KO)1敗1分。デビュー7戦目で判定負けを喫したが、マイナー王座(スーパーウェルター級)、英国のローカル王座(ウェルター級、スーパーウェルター級)、英連邦王座(ウェルター級)を獲得してきた。英国ノッティンガムでの一戦。似たタイプの二人。ジャブが中心。ワイズがダッキングしながら左フックからの右ストレート。カーリックはワンツー。2R、右ストレートが効いたワイズ。右フックでダウン。その後も両者、ジャブ、ワンツー、左フック。カーリックは左ボディ打ちに迫力があり、勢いでやや優勢。12R終了。判定は3-0。カーリックが丁寧なボクシングで勝利。ディフェンス&ジャブで無難な勝ち方だった。ワイズは年齢的なものがあるのだろう。追い込むパワーに欠けた。その後、ワイズは三連敗で引退。ラストファイトの相手はピークを遙かに過ぎたフリオ・セサール・チャベスで、2RでのTKOだった。)


ジャワイド・カーリック 5R KO ヤセック・ビエルスキー

(IBOウェルター級タイトル戦、2001年9月)

オマール・シェイカ(Omar Sheika)&ジャワイド・カーリック(Jawaid Khaliq)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

カーリック:左ジャブ、右ストレート、フック   

ビエルスキー:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

5R:右ストレートでビエルスキーがダウン

(感想:カーリックがタイトル初防衛。挑戦者ビエルスキー(29歳)はポーランド人(エルブロンク出身)。アマチュアからプロへ。これまで15連勝(4KO)。オーストリア王座、IBOインターコンティネンタル王座(ウェルター級)を獲得してきた。ノッティンガムでの一戦(レフェリーはジョン・コイル。ロバート・デ・ニーロに似ている)。距離を取ってジャブ、ストレートのカーリック。基本的にアウトボクシングだが左ボディ打ちが巧く、長いパンチで連打も披露。ビエルスキーは慎重にガードしながら前進し、思い切りのいい右ストレート、左フック。ただ、攻撃が単発で、かわされる。5Rに大きな動き。左フックをヒットさせたビエルスキーだが、連打からの右ストレートでダウン。立てず、KO。カーリックが長いパンチで勝利。当たると効果が大きいパンチだった。ビエルスキーはクロス気味の右パンチに良さがあったが、当てるテクニックに欠けた。その後の二人。ビエルスキーは連勝したが、WBCインター王座戦(ウェルター級)でTKO負け、引退。カーリックはIBO王座を連続防衛し、王者のまま引退。意外なことにメジャー団体の世界王座に挑戦することはなかった。)


①「Super Middleweight 

Omar Sheika vs. Sean Sample」

②「Super Middleweight 

Omar Sheika vs. Stephane Ouellet」

③「IBO Welterweight Title

Willy Wise vs. Jawaid Khaliq」

④「IBO Welterweight Title

Jawaid Khaliq vs. Jacek Bielski」

 

2025年11月21日金曜日

ビリー・シュワー(Billy Schwer)&ジュニア・ウィッター(Junior Witter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

英国スーパーライト級。「シュワー vs. コナン、ビラリアル」「ウィッター vs. スティーブ・コンウェイ」ほかを紹介します。


ビリー・シュワー(英国)

身長174cm:オーソドックス(右構え)


ジュニア・ウィッター(英国)

身長170cm:サウスポー


ビリー・シュワー 1R TKO ピエール・コナン

(ライト級6回戦、1990年10月)

ビリー・シュワー(Billy Schwer)&ジュニア・ウィッター(Junior Witter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シュワー:左ジャブ、右ストレート、左フック

コナン:右ジャブ、左ストレート、左右フック   

(ダウンシーン)

1R:左フック、連打で2度、コナンがダウン

(感想:英国人シュワー(ルートン出身)のデビュー戦。サウスポーのコナン(フランス)はレジリオ・ツールにKOされたことがあり、直前の試合はTKO負け。ロンドンのベスナル・グリーンでの一戦。すでにスタイルが完成しているシュワー。しっかりしたジャブ、ストレート。特に左フックが強い。一方、コナンはあまり打ち方がよくない。左フックでコナンがダウン。連打で再びダウン。セコンドからタオル投入でストップ。バランスが良くないコナンにシュワーが正確にパンチを決めた。コナンは次の試合で判定負けして引退。)


ビリー・シュワー 12R 判定 ニュートン・ビラリアル

(IBOスーパーライト級タイトル戦、2001年4月)

ビリー・シュワー(Billy Schwer)&ジュニア・ウィッター(Junior Witter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シュワー:左ジャブ、右ストレート、フック

ビラリアル:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

2R:右フックカウンターでビラリアルがダウン

(感想:シュワーがタイトル獲得。31歳になったシュワー。これまで38勝(30KO)5敗。デビューから連勝で英国、英連邦ライト級王座を獲得したが、TKOで王座陥落。王座奪回、防衛。ラファエル・ルエラスのIBF世界ライト級王座に挑戦して敗北。欧州ライト級王座を獲得、防衛。しかし、スティーブ・ジョンストンのWBC世界ライト級王座への挑戦は失敗。WBU王座も獲得ならず。再起戦でIBO王座を狙う。王者ビラリアル(29歳)はコロンビア人で、18勝(16KO)2敗。ウィルフリド・ロチャ(ミゲル・アンヘル・ゴンザレスから痛烈なダウンを奪ったことで有名)にKOされたが、以来連勝でIBO王者に。これが三度目の防衛戦。英国ウェンブリーでの一戦。互いにジャブ、ディフェンス。攻めるシュワー。ビラリアルは接近戦に応じるが、基本的には距離を取って戦いたい様子。シュワーが右ストレートからの左フック、ビラリアルは荒っぽいフック。2R、右フックがカウンターで入ってビラリアルがダウン。その後、接近戦。互いにストレート、フック。フックにパワーがあるビラリアルだが、ワンツーからの左フックはやや手打ち気味。ジャブが正確なシュワーは5Rに左フックをカウンターでヒットさせる。その後もシュワーの正確なジャブが印象的。12R終了。判定は3-0。シュワーがジャブで勝利。ビラリアルはパワーが乗るパンチとそうでないパンチ。中途半端なボクシングだった。その後の二人。ビラリアルはマイナー王座を獲得するなど連勝したが、ブランクがちで大きな試合は無かった。シュワーは次の試合でTKO負け、王座陥落。それを最後に引退。)


ジュニア・ウィッター 5R TKO スティーブ・コンウェイ

(J・ウェルター級戦、2000年10月)    

ビリー・シュワー(Billy Schwer)&ジュニア・ウィッター(Junior Witter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ウィッター:右ジャブ、左ストレート、フック

コンウェイ:右ジャブ、左ストレート、フック

(感想:英国同士の一戦。ウィッター(ブラッドフォード出身)はこれまで15勝(4KO)1敗2分。デビュー以来、負け無しでWBFのスーパーライト級王座を獲得。しかし、ザブ・ジュダーのIBF世界スーパーライト級王座への挑戦は判定負け。コンウェイ戦はその再起戦となる。コンウェイ(ハートルプール出身)は20勝(1KO)3敗。WBOのインター王座(スーパーフェザー級)に挑戦してTKO負けしたことがある。「1KO」のコンウェイが上の階級のウィッターを相手にどんな試合を見せるか? 北アイルランド・ベルファストで行われた試合。共にサウスポー。開始からやけに積極的なウィッター。しかも頻繁にオーソドックスにスイッチ(忙しい男)。コンウェイはそんなウィッターに冷静に反撃。互いに右ジャブ、左ストレート。ウィッターは接近戦では左右フックボディ打ちを見せる。ウィッターは手数で、コンウェイは正確さで勝負、といったところ。ディフェンスに隙があるウィッターが左ストレートを打たれる。3R、ウィッターが右フックを連発。4R終了後にコンウェイが棄権。鼻を負傷したらしい。ウィッターが攻めの姿勢で勝利。ウィッターはKOを狙うタイプではないが、丁寧にやっていく英国人ボクサーらしい選手。頻繁にスイッチして相手に的を絞らせない作戦が功を奏した。ただ、接近戦は共に得意ではないのか、クリンチが多かった。その後、ウィッターはWBC世界スーパーライト級王座獲得。ビビアン・ハリスらを相手に防衛にも成功している。コンウェイはIBOスーパーウェルター級王座獲得。)


リー・パーディ 3R TKO ジョニー・グレーブス

(スーパーライト級6回戦、2008年10月)

ビリー・シュワー(Billy Schwer)&ジュニア・ウィッター(Junior Witter)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

パーディ:左ジャブ、右ストレート、フック   

グレーブス:右ジャブ、左ストレート、フック   

(ダウンシーン)

2R:右ストレートでグレーブスがダウン

(感想:英国の白人同士の対戦。パーディ(コルチェスター出身)はこれまで無敗。サウスポーのグレーブス(ロンドン出身)は頻繁にリングに上がり続けてきたが(1ヶ月に二度試合したことも)、何とまだ1回しか勝ったことがない(TKO勝ち)。パーディとは再戦で、初戦はパーディの判定勝ち。英国ノリッジでの一戦。攻める姿勢のパーディ。ジャブを使いながら、右ストレート、フック、ボディ打ち。グレーブスは距離を取って右ジャブ、左ストレート。互いにパワーはそこそこで、動きのスピードもそれほど速くない。2R、右ストレートがボディに入ってグレーブスがダウン。その後、手数でパーディ優勢。左フックからの右ストレートに強さ。3R、攻められるグレーブス。左フックで応戦するが、右ストレートを打たれたところでレフェリーストップ。積極さでパーディ勝利。一方、残念だったグレーブス。自分から攻めないタイプ。勝てるような試合ぶりではなかった。負け続けで自信を無くしてしまったのかもしれない。その後の二人。パーディはローカル王座に挑戦して判定負け、初黒星。英国王座、IBFインター王座(いずれもウェルター級)獲得。しかし、英連邦王座、欧州王座(いずれもウェルター級)は判定、TKOで獲得ならず。英国の実力者にとどまった。グレーブスはその後、4回戦、6回戦を中心に負けに負けて通算戦績は何と4勝(1KO)96敗。しかし、KO負けは「12」で意外に少なかった。)


①「Lightweight 

Billy Schwer vs. Pierre Conan」

②「IBO Super Lightweight Title

Newton Villarreal vs. Billy Schwer」

③「Junior Welterweight 

Junior Witter vs. Steve Conway」

④「Super Lightweight 

Lee Purdy vs. Johnny Greaves」


2025年11月20日木曜日

カーミット・シントロン(Kermit Cintron)&ジェイソン・ベレス(Jayson Velez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

プエルトリコの実力者。「シントロン vs. バチスタ」「ベレス vs. モリナ」「ホセ・A・ゴンザレス vs. トレホ」ほかを紹介します。


カーミット・シントロン(プエルトリコ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)


ジェイソン・ベレス(プエルトリコ)

身長173cm:オーソドックス(右構え)


カーミット・シントロン 5R TKO サイド・オウアリ

(ウェルター級戦、2001年8月)

カーミット・シントロン(Kermit Cintron)&ジェイソン・ベレス(Jayson Velez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シントロン:左ジャブ、右ストレート、フック   

オウアリ:右ジャブ、左ストレート、フック   

(ダウンシーン)

5R:右フック、右ストレートで2度、オウアリがダウン

(感想:シントロン(21歳)はプエルトリカン(カロリーナ出身)。デビューから連勝中。オウアリ(22歳)はモロッコ・アガディール出身。コチラも経験は浅いが、全勝。コネチカット州アンカスビルでの一戦。坊主頭をプエルトリコ・カラーに染めているシントロン。長いジャブ、右ストレートが武器。オウアリはいかにもサウスポーといった感じで右ジャブ、左ストレート、右フック。ディフェンスでシントロンが優勢か? 5R、左フックが効いて足に来たオウアリ。右フックでダウン。立ったが、マズい状況。右ストレートで再び倒れたところでレフェリーストップ。シントロンがディフェンス&長いパンチで勝利。器用なところが良かった。オウアリは相手の懐の深さに敗れた。その後のオウアリ。連勝後、マニング・ギャロウェイ(元WBO世界ウェルター級王者)に判定負け。連勝後、WBCインター王座に挑戦して判定負け。WBA世界ウェルター級王座挑戦者決定戦に勝利したが、世界挑戦は無し。一定の実力はあったが、王座には縁が無かった。)


カーミット・シントロン 10R 判定 ジョナサン・バチスタ

(ウェルター級戦、2013年8月)

カーミット・シントロン(Kermit Cintron)&ジェイソン・ベレス(Jayson Velez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

シントロン:左ジャブ、右ストレート、フック   

バチスタ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

8R:左フックでバチスタがダウン

(感想:33歳になったシントロン。これまで33勝(28KO)5敗2分。オウアリ戦後も連勝でWBOの暫定王者に(ウェルター級)。アントニオ・マルガリートにTKO負け、初黒星。決定戦でIBF世界ウェルター級王座獲得。三度目の防衛戦でまたしてもマルガリートに敗北、王座陥落。サウル・アルバレスのWBC世界スーパーウェルター級王座に挑戦してTKO負け。ブランク。再起戦に引き分け。バチスタ戦は再起二戦目となる。バチスタ(27歳)はドミニカのサン・ベドロ・マコリス出身の黒人で、14勝(7KO)1敗。地元でデビュー、連勝。初のアメリカでの試合で判定負け、初黒星。地元で再起戦、勝利。そして、この試合。フロリダ州マイアミでの一戦。シントロンがジャブからの左フック、ワンツー。左ボディ打ちに巧さがあり、左のテクニックで勝負。バチスタは右ストレート、左フックにパワーを込めるが、攻撃が単発でディフェンスされる。接近戦。もみ合い、クリンチ。7R、バチスタがローブロー。8R、タイミングのいい左フックでバチスタがバランスを崩してダウン。10R、バチスタが背後からの攻撃、ラフプレーで二度の減点。10R終了。判定は3-0。微妙だった試合。共に畳み掛けるような精力的な攻めがなく、もみ合うシーンが目立った。バチスタの試合運びのマズさはともかく、シントロンは何のためにカムバックしたのだろう? その後の二人。バチスタは連敗後、勝ったり負けたり。タイトル戦を経験することはなかった。シントロンは連勝後、ペンシルベニア州王座戦(スーパーウェルター級)でKO負け。それが最後の王座戦となった。)


ジェイソン・ベレス  5R TKO ジョン・モリナ

(フェザー級戦、2011年2月)

カーミット・シントロン(Kermit Cintron)&ジェイソン・ベレス(Jayson Velez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ベレス:左ジャブ、右ストレート、左フック   

モリナ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:ベレス(22歳)はプエルトリコ・カグアス出身(身長173cm)。これまで14連勝(11KO)。WBCアメリカ王座(スーパーバンタム級)を獲得している。モリナ(33歳)は小柄(身長157cm)なコロンビア人(カウカシア出身)。27勝(18KO)14敗3分。WBCの地域王座(ライトフライ級)を獲得したが、WBO王座(ライトフライ級)は獲得ならず。WBAの地域王座(フライ級)も獲得できたが、勝ったり負けたり。このところ連続KO負け。プエルトリコ・ラレスでの一戦。身長差のある二人。ベレスは思い切りのいい打ち方。打ち下ろすような長い右ストレート、振りが大きめの左フック。左ボディ打ちに巧さ。モリナはかつての名選手ウィルフレド・バスケス風の選手で、踏み込んで打つ右ストレート、フックに威力。勢いでベレス優勢。ただ、振りが大きい分、バランスとガードにやや問題がある印象。対抗するモリナだが、4R終了で棄権(ダウンシーンは無し)。続行できたのではないかと思われるが、連敗のダメージを考慮しての決断だろう。ベレスが豪快なボクシングで勝利。仮にディフェンスに甘さがあるとしても個人的にはベレスのような強いパンチを勢い良く打っていく選手は好印象。その後の二人。モリナはWBCの地域王座(フライ級)を獲得したが、そこまで。以降は連敗でキャリア終了。底力はあったが、階級が上の選手との対戦にはムリがあった。ベレスは全勝のままIBF世界フェザー級王座に挑戦したが、引き分け。その後、WBCシルバー王座戦、北米王座戦(いずれもフェザー級)で連敗するなど苦戦。最後は負け続けで引退。勢いが落ちて勝てなくなっていったようだ。)


ホセ・A・ゴンザレス 10R 判定 フェルナンド・トレホ

(WBOラティノ・ライト級タイトル戦、2011年11月)

カーミット・シントロン(Kermit Cintron)&ジェイソン・ベレス(Jayson Velez)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ゴンザレス:左ジャブ、右ストレート、左フック   

トレホ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:ゴンザレスがタイトル防衛。王者ゴンザレス(28歳)はプエルトリコ・バヤモン出身。デビューから17連勝(13KO)。決定戦で王座を獲得。これが二度目の防衛戦。挑戦者トレホ(37歳)はメキシコシティ出身で、33勝(19KO)16敗5分。WBCの地域王座(スーパーフェザー級)、北米王座(ライト級、次いでスーパーフェザー級)といった王座を獲得してきた(ボビー・パッキャオ、フリオ・ディアズには敗北)。プエルトリコのトア・バハでの一戦。互いにガードを高く上げる。トレホはあのリカルド・ロペスのような構え、上体の動き。踏み込んで打つジャブ、左ボディ打ちに巧さ。ワンツーからの左ボディ打ちが主武器の様子。ゴンザレスは淡々とした姿勢。ジャブ、ストレート、左フックを正確に当てようとし、特に右ストレートに正確さ。しかしながら、盛り上がらないアウトボクシング。サウスポーにスイッチしたりするが、特に効果的ではない。トレホは攻めるが、ディフェンスされる。9Rに面白いシーン。カウンター狙いのゴンザレスにトレホが逆に距離を取って「打ってこい」アピール。しかし、ゴンザレスは攻めず、微妙な空気に。10R終了。判定は大差の3-0(ダウンシーンは無し)。ゴンザレスがカウンターで勝利。しかし、エキサイティングではない勝ち方。地元のファン以外は喜ばない(と思う)「冷めたボクシング」だった。トレホはよく攻めたが、相手のガードを崩せず。爆発力に欠けていたか。その後、二連敗で引退。ゴンザレスはその後もラティノ王座を防衛。そして、リッキー・バーンズのWBO世界ライト級王座に挑戦して敗北(初の海外試合で初黒星)。アメリカでWBOインター王座(ライト級)挑戦してTKO負け。それが事実上のラストファイトに。)


①「Welterweight 

Kermit Cintron vs. Said Ouali」

②「Welterweight 

Kermit Cintron vs. Jonathan Batista」

③「Featherweight 

Jayson Velez vs. Jhon Alberto Molina」

④「WBO Latino Lightweight Title

Jose A Gonzalez vs. Fernando Trejo」

 

2025年11月14日金曜日

アレクサンドル・ゾルキン(Alexander Zolkin)&イバン・カーパ(Ivan Kirpa)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ロシアの実力者。「ゾルキン vs. スウィンデル」「カーパ vs. アキノ」「ピーター・ペトロフ vs.  カルデナス」ほかを紹介します。


アレクサンドル・ゾルキン(ロシア)

身長196cm:サウスポー


イバン・カーパ(ロシア)

身長170cm:オーソドックス(右構え)


アレクサンドル・ゾルキン 12R 判定 フランキー・スウィンデル

(ヘビー級戦、1994年3月)

アレクサンドル・ゾルキン(Alexander Zolkin)&イバン・カーパ(Ivan Kirpa)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ゾルキン:右ジャブ、左ストレート、フック   

スウィンデル:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:WBC13位ゾルキンは大型選手(身長196cm、リーチ208cm)。ロシア・モスクワ出身のサウスポー。アメリカ・マイアミでプロデビュー。以来、連勝だったが元WBA王者トニー・タッブス(東京ドームでマイク・タイソンと対決)に初黒星。全米王座戦では2-1の判定負け。再起戦に勝利して、このスウィンデル戦。スウィンデルはノースカロライナ州出身のタフな黒人。全米王座(ライトヘビー級)を獲得したが、マイケル・モーラーとWBO世界ライトヘビー級王座を争ってTKO負け。チャールズ・ウィリアムスのIBF王座への挑戦もTKO負け。ヘビー級に進出後は勝ったり負けたりで苦戦。直前の試合はヘンリー・アキンワンデに判定負け。ラスベガス「MGM Grand」での一戦(リングアナはマイケル・バッファ)。身長差がある二人。背が低いスウィンデルはその分、ガッチリした体型。ボクサータイプのゾルキンが中間距離でジャブ、ワンツー、右フック。接近して左右フックコンビネーション。手数は多いが、パワーはあまり感じられない。スウィンデルはタフネスに任せて前進。右ストレート、フック攻撃。ディフェンス、手数、隙を突くパンチでゾルキン優勢。打ち下ろすようなチョッピング気味の右フックが個性的。スウィンデルのパンチも時折ヒットするが(4Rほか)、単発。10R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。手数でゾルキン。アマチュア試合っぽい雰囲気だった。その後のスウィンデル。ヘビー級で多くの試合。負けたが、クリス・バードといった当時の実力者と戦った。)


アレクサンドル・ゾルキン 10R 引分 エリエセール・カスティージョ

(ヘビー級戦、2000年1月)

アレクサンドル・ゾルキン(Alexander Zolkin)&イバン・カーパ(Ivan Kirpa)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ゾルキン:右ジャブ、左ストレート、フック   

カスティージョ:右ジャブ、左ストレート、フック   

(感想:スウィンデル戦後のゾルキン。カール・ウィリアムスを破ったり、北米王座を獲得してバート・クーパー、トニー・タッブス(再戦)を相手に防衛に成功したり。しかし、ヘンリー・アキンワンデのWBO世界ヘビー級王座への挑戦はTKO 負け(1996年)。これまで28勝(18KO)3敗。新鋭カスティージョはキューバ・ハバナ出身の黒人。アメリカに亡命し、1996年プロデビュー(1RでTKO勝ち)。17勝(10KO)1敗。WBC米大陸王座(クルーザー級)などを獲得した実績。ミシシッピ州ベイ・セント・ルイスで行われた一戦。共にサウスポー。動き、使うパンチが似ている。しかも、器用。しかしながら、手数に差が。ジャブが多いゾルキン。時折左アッパーも入れていく。カスティージョも負けじと右でボディを叩いたり、左ストレートをヒットさせたり(7Rほか)。最終ラウンド終了時、カスティージョが両手を上げて喜びの表情で自身の勝利をアピール。判定はドロー。映像ではゾルキンが手数で勝ったように見えたが、カスティージョには手数が少な目でも引き分けに持ち込めるほどパワーがあるらしい。ヘビー級にしては細かい打ち方だったゾルキン。結局、世界王者にはなれず、これが最後の試合に。カスティージョは後、北米王座(ヘビー級)を獲得したが敗北もあり、世界挑戦はできなかった。)


イバン・カーパ 6R TKO フリオ・アキノ

(ウェルター級6回戦、2000年1月)

アレクサンドル・ゾルキン(Alexander Zolkin)&イバン・カーパ(Ivan Kirpa)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

カーパ:左ジャブ、右ストレート、フック   

アキノ:右ジャブ、左ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:左ジャブでアキノがダウン

2R:左フックでアキノがダウン

(感想:カーパはロシア・ロスラヴリ出身の新鋭。これまで7戦全勝(6KO)。ニックネームは「The Terrible」。アキノはドミニカのサント・ドミンゴ出身の黒人サウスポーで、4勝(4KO)1敗。アトランチックシティでの一戦。1R、アキノが慎重姿勢から右ジャブ、左ストレート。カーパはジャブ、ワンツー。左ジャブが入ってアキノがダウン。しかし、レフェリーはこれをスリップ扱い。2R、左フックでアキノがダウン。その後、攻めるカーパ、応戦するアキノ。アキノは右フック、左ボディ打ち、カーパは右ストレート、左フックにパワー。全体的にカーパのパンチがよく当たる。6R、強烈な斜め下からの左フック、右ストレートがヒットしたところでレフェリーストップ。カーパが力強い勝利。ロシア系の選手はテクニックで勝負するタイプが多いが、カーパは強いパンチを当てようとするタイプだった。アキノも良いパンチを持っていたが、どこか慎重姿勢。それが結果となって現れた。その後の二人。アキノは勝ち続けたが、タイトル戦はナシ。カーパは次の試合でロシア王座&WBCの地域王座(スーパーライト級)を獲得。その後も連勝だったが、ブラッドリー・プライスに判定負けで初黒星。キャリア終盤はブランクがち。最後の試合はWBC世界ウェルター級挑戦者決定戦。これに勝利したが、世界挑戦することはなかった。)

   

ピーター・ペトロフ 8R 判定 カルロス・カルデナス

(ライト級戦、2008年7月)

アレクサンドル・ゾルキン(Alexander Zolkin)&イバン・カーパ(Ivan Kirpa)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ペトロフ:左ジャブ、右ストレート、フック   

カルデナス:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:ペトロフはロシア・リャザン出身。主戦場はスペイン。これまで18勝(8KO)2敗2分。WBCの地域王座(スーパーフェザー級)に挑戦したが、引き分け。その次の試合はドイツで判定負け。再起二連勝中。カルデナスはベネズエラ・バリナス出身の黒人で、8勝(3KO)2敗1分。デビュー戦に判定負け。TKO負けが一つ。スペイン・レオンでの一戦。互いにディフェンスしながらワンツー、左フック。似たタイプではあるがパワーでカルデナスが上回り、攻めの姿勢。ペトロフは受けに回ってワンツー、左ボディ打ち、右カウンター。カルデナスは右ストレート、左フックに加えてアッパーにも迫力があるが、ディフェンスされて空転。8R終了。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。ペトロフがボディ打ち、カウンターで勝利。地味な勝ち方だったが、ディフェンスに巧さがあった。カルデナスは残念。終始前進したが、当てさせてもらえず。その後の二人。カルデナスはWBC米大陸王座(スーパーフェザー級)獲得。防衛にも成功。しかし、WBCシルバー王座戦(スーパーフェザー級)でKO負けして以来、負けが増えていった。ペトロフは連勝。しかし、マルコス・マイダナのWBA世界スーパーライト級王座に挑戦してKO負け。NABOライト級王座などを獲得後、WBO世界ライト級王座に挑戦したが、判定負け。世界王座には手が届かなかった。)


①「Heavyweight 

Alexander Zolkin vs. Frankie Swindell」 

②「Heavyweight 

Alexander Zolkin vs. Elieser Castillo」

③「Welterweight 

Ivan Kirpa vs. Julio Aquino」

④「Lightweight 

Petr Petrov vs. Carlos Cardenas」


2025年11月12日水曜日

メルシート・ゲスタ(Mercito Gesta)&シーザー・アモンソット(Czar Amonsot)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

フィリピン・ライト級。「ゲスタ vs. ピカーダル、ニバル」「アモンソット vs. サガド、ファベラ」を紹介します。


メルシート・ゲスタ(フィリピン)

身長170cm:サウスポー


シーザー・アモンソット(フィリピン)

身長171cm:サウスポー


メルシート・ゲスタ 4R 判定 アーウィン・ピカーダル

(ライトフライ級戦、2003年10月)

メルシート・ゲスタ(Mercito Gesta)&シーザー・アモンソット(Czar Amonsot)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ゲスタ:右ジャブ、左ストレート、フック

ピカーダル:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

1R:右フックでピカーダルがダウン

(感想:フィリピン人同士の対戦で、共にデビュー戦。ゲスタ(16歳)はフィリピン・セブ出身。ピカーダル(21歳)はよくわからないが、ニックネームが「ロイ・ジョーンズ・ジュニア」。ジョーンズに憧れているのだろう。フィリピン・タギッグでの一戦。1R、サウスポーのゲスタ。ディフェンスしながら右ジャブ、ストレート、フックで正確な攻撃。ピカーダルはストレート、フック連打を使うが、攻めるときのガードに甘さ。右フックでピカーダルがダウン。その後もディフェンス、正確さでゲスタ優勢。ピカーダルは思い切った右パンチで反撃するが、空転。4R終了。判定は3-0。ディフェンスで差が付いた。その後のピカーダル。多くの試合。しかし、マービン・ソンソナに敗れるなど多くの敗北。王座戦を経験することは無かった。)


メルシート・ゲスタ 4R 判定 レナト・ニバル

(ライトフライ級戦、2003年10月)

メルシート・ゲスタ(Mercito Gesta)&シーザー・アモンソット(Czar Amonsot)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ゲスタ:右ジャブ、左ストレート、フック

ニバル:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:ゲスタのプロ三戦目。ニバル(19歳)もフィリピン。これまで2勝3敗。タギッグでの一戦。共に足でリズムを取る。踏み込んで右ストレートを打ち込むニバル。共にフィリピン人らしい力強い打ち方。この試合でもゲスタがディフェンス、正確さ。ニバルは勢いに押される形で何度もスリップダウン。4R終了。判定は2-0(ダウンシーンは無し)。ニバルの攻めも評価されたようだ。その後の二人。ニバルは多くの試合。しかし、負けの方が多く、王座戦を経験することなくキャリア終了。ゲスタは連戦連勝。それと共に階級アップ。ライトフライだった男が、何とライト級に。ミゲル・バスケスのIBF世界ライト級王座に挑戦したが、判定負け(2012年)。ホルヘ・リナレスのWBA世界ライト級王座への挑戦も判定負け(2018年)。決定戦でNABOライト級王座を獲得できたが、三度目の世界挑戦は無かった。)


シーザー・アモンソット 3R TKO フェルディナンド・サガド

(スーパーフェザー級戦、2004年3月)

メルシート・ゲスタ(Mercito Gesta)&シーザー・アモンソット(Czar Amonsot)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

アモンソット:右ジャブ、左ストレート、フック   

サガド:右ジャブ、左ストレート、フック   

(感想:アモンソット(18歳)はフィリピン・タグビララン出身。本名は「Augusto Caesar Amonsot」ということで「Czar」の綴りで「シーザー」。デビューから二連勝(2KO)。サガド(34歳)もフィリピン人で、18勝(4KO)12敗。1990年にローカル王座(バンタム級)を獲得したことがある。タギッグでの一戦。共にサウスポー。ジャブ、ストレート、フック。攻めるアモンソット、大きな振りのフックで時折反撃するサガド。勢いでアモンソット優勢。3R、ロープ際でサガドが連打されたところでレフェリーストップ。ほぼ一方的だった試合。アモンソットが攻めの姿勢&ディフェンスで楽勝。サガドは攻撃の正確さに欠けた。その後、サガドは全敗でキャリアを終えた。)


シーザー・アモンソット 8R 判定 クリスチャン・ファベラ

(ライト級戦、2006年2月)

メルシート・ゲスタ(Mercito Gesta)&シーザー・アモンソット(Czar Amonsot)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

アモンソット:右ジャブ、左ストレート、フック   

ファベラ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(感想:アモンソットはこれまで13勝(10KO)1敗1分。サガド戦後、フィリピン王座(フェザー級)、WBOの地域王座(スーパーフェザー級)を獲得。これが初めてのアメリカでの試合。ファベラ(26歳)はメキシコのロス・モチス出身で11勝(8KO)9敗4分。デビューから連勝だったが、判定で初黒星。WBC米大陸王座戦(フェザー級)に勝利、WBOインターコンティネンタル王座決定戦(フェザー級)に敗北、ウィリー・ホーリンに勝利、スティーブン・ルエバノに敗北。このところ敗北と引き分けが続いて調子がよろしくない状況。ラスベガスでの一戦(レフェリーはジェイ・ネイディ)。アモンソットがサウスポースタイルから左ストレート、右フックで攻めの姿勢。ファベラは慎重にガードするタイプで、ジャブ、ストレート、フックで相手のガードの隙を突こうとする。また、左フックからの右ストレートに巧さ。2R、アモンソットがローブローで減点。3Rにもローブローで警告。4R、バッティングでファベラが負傷、ドクターチェック。接近戦。互いにディフェンスしながらフック。映像ではパワーは同じぐらいに見える。共に手数は出しているが、KOを狙うような激しい攻めが無い。8R終了。共に両手を上げて自身の勝利をアピール。判定は3-0。ファベラが当てる巧さで勝ったように見えたが、判定はアモンソット。たぶん、パンチ力、攻めの姿勢でジャッジには優勢に見えたのだろう。正直なところファベラは地味。負け続けて自信を失っていたのかもしれないが、確かな実力があった。もう少し積極さがあれば、といったところ。その後の二人。ファベラは再起戦でIBAライト級王座に挑戦して敗北するなど勝ったり負けたり連敗したり。安定しなかったのはおそらく「決定力不足」が原因だろう。アモンソットは1RでのKO負けでWBOの地域王座から陥落。その再起戦でWBOの地域王座(ライト級)獲得。その次の試合でWBO世界ライト級暫定王座に挑戦したが、判定負け。その後、オーストラリアに主戦場を移してPABA王座(スーパーライト級)などを獲得、防衛して勝ち続けたが、二度目の世界戦は無かった。)


①「Light Flyweight 

Mercito Gesta vs. Erwin Picardal」

②「Light Flyweight 

Mercito Gesta vs. Renato Nival」

③「Super Featherweight 

Czar Amonsot vs. Ferdinand Sagado」

④「Lightweight 

Czar Amonsot vs. Cristian Favela」

 

2025年11月7日金曜日

アーデン・ディアレ(Arden Diale)&ジェッカー・ブハウェ(Jecker Buhawe)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

フィリピン・フライ級。「ディアレ vs. ミランダ」「ブハウェ vs. ペネリオ、ディアレ」を紹介します。


アーデン・ディアレ(フィリピン)

身長160cm:オーソドックス(右構え)


ジェッカー・ブハウェ(フィリピン)

身長165cm:オーソドックス(右構え)


フリオ・セサール・ミランダ 4R KO アーデン・ディアレ

(WBO世界フライ級タイトル戦、2011年2月)

アーデン・ディアレ(Arden Diale)&ジェッカー・ブハウェ(Jecker Buhawe)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ミランダ:左ジャブ、右ストレート、フック   

ディアレ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

1R:ワンツーでミランダがダウン

4R:右ストレート、右フックで2度、ディアレがダウン

(感想:ミランダがタイトル防衛。王者ミランダはメキシコ・ベラクルス出身。世界王者になる前、ポンサクレック・ウォンジョンカム、モルティ・ムザラネに判定負け。決定戦で王座を獲得し、これが三度目の防衛戦。挑戦者ディアレはフィリピン・マルンゴン出身。ニックネームは「The Jackal」。フィリピン王座戦(ライトフライ級)に敗れるなどもう一つだったが、WBOのオリエンタル王座(フライ級)を獲得。その次の試合がこの初の世界挑戦。メキシコ・ケレタロでの一戦。1R開始から両者パワーを込めてストレート、フック、ボディ打ち。サウスポーにスイッチするミランダだが、ワンツーでダウン。その後も強い右フック、当てる巧さを見せるディアレ。右アッパーも使う。ミランダはワンツーで攻めるが、ブロックされる。4R、右ストレートでディアレがダウン。ホールドでピンチを切り抜けようとするディアレだが、右フックで二度目のダウン。立てず、KO。ミランダが逆転KO勝ち。同じように打ち合ったが、ディアレが根負けした。その後のミランダ。次の防衛戦でブライアン・ビロリアに判定負け。その後はWBC米大陸王座戦(バンタム級)といった地域王座戦に敗れ、ビロリア戦が最後の世界戦となった。


エデュアルド・ペネリオ 12R 判定 ジェッカー・ブハウェ

(WBOフライ級オリエンタル王座決定戦、2011年3月)

アーデン・ディアレ(Arden Diale)&ジェッカー・ブハウェ(Jecker Buhawe)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ペネリオ:左ジャブ、右ストレート、フック   

ブハウェ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

11R:右ボディでブハウェがダウン

(感想:ペネリオがタイトル獲得。ペネリオ(22歳)はフィリピン・コタバト出身。これまで12連勝(8KO)。これが初のタイトル戦。ブハウェ(20歳)はアフリカ人のような名前だが、フィリピン・ダバオ出身。ニックネームは「ハリケーン」で11勝(7KO)3敗2分。デビュー戦にKO負け。連勝後、WBOのユース王座戦でKO負けしている。フィリピン・アンヘレスでの一戦。個性的な構えのペネリオ。左手を前に出し、左ジャブ、右ストレート、ワンツー。ブハウェは動きとパンチに速さはないが、正確に当てていこうとするタイプ。ガードを上げて前進。右ストレートに威力。接近戦では互いに左右フック。互いにヒット。基本的に距離を取って戦いたいペネリオは連打してはクリンチ。そして、また距離を取る。互いにディフェンスするが、攻撃の勢いでペネリオ。11R、ペネリオがラッシュ。右ボディでブハウェがダウン。12Rは逆にブハウェがラッシュして相手をコーナーに追い込む。12R終了。判定は小差の3-0。攻撃力でペネリオが勝利。惜しかったブハウェ。最終ラウンドのようなラッシュを序盤からやっていれば勝っていたかも。スタミナを温存するのはいいが、それを使わずに負けてしまっては意味がない。その後のペネリオ。次の試合(ノンタイトル戦)でTKO負け、初黒星。再起戦でWBOユース王座(ライトフライ級)獲得。南アフリカでゾラニ・テテに1RでKO負け。世界戦を経験することなくキャリアを終えた。)


アーデン・ディアレ 4R KO ジェッカー・ブハウェ

(フライ級戦、2011年6月)

アーデン・ディアレ(Arden Diale)&ジェッカー・ブハウェ(Jecker Buhawe)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ディアレ:左ジャブ、右ストレート、フック   

ブハウェ:左ジャブ、右ストレート、フック   

(ダウンシーン)

4R:連打、左フックで2度、ブハウェがダウン

(感想:これまで14勝(7KO)6敗3分のディアレ。ミランダに敗れた再起戦。ブハウェは12勝(7KO)5敗2分。ペネリオ戦後、WBCインター・シルバー王座(フライ級)に挑戦して判定負け。タイトルには縁がない状況。フィリピンのプエルト・プリンセサでの一戦。右ストレートの打ち方がいいブハウェ。ブロックしながらジャブ、左フック。ディアレはワンツー、フック連打からの左ボディ打ちといったコンビネーション。共に力強いが、手数はディアレの方が多め。3R、ディアレがローブロー。4Rにはヒジ打ち。右フックを食ってブハウェがピンチ。連打でダウン。立ったが、右ストレートからの左フックで痛烈なダウン、KO。ディアレが豪快な勝利。腕っぷしの強さにタイミングの良いコンビネーションが加わった良い勝ち方だった。ブハウェも悪くはなかったが、相手の勢いに押された。その後の二人。ブハウェはタイトル挑戦のチャンスを得たが、獲得ならず。不定期にリングに上がっているが、連敗中。ディアレはフィリピン王座(フライ級)を獲得、防衛。ファン・フランシスコ・エストラーダにKO負け。東洋太平洋王座、WBCインター王座(フライ級)獲得。日本で比嘉大吾にKO負け。タイトルを獲っては敗北する不安定さのため二度目の世界挑戦は無かった。)


①「WBO World Flyweight Title

Julio Cesar Miranda vs. Arden Diale」

②「vacant WBO Oriental Flyweight Title

Eduard Penerio vs. Jecker Buhawe」

③「Flyweight 

Arden Diale vs. Jecker Buhawe」