スーパーバンタム級。「ゲレロ vs. ラシエルバ」「カバジェロ vs. ラシエルバ」「サンチェス vs. サモラ」を紹介します。
セレスティーノ・カバジェロ(パナマ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)
ファン・カルロス・サンチェス・ジュニア(メキシコ)
身長174cm:サウスポー
①アルマンド・ゲレロ 10R 引分 ホルヘ・ラシエルバ
(フェザー級戦、2004年)
ゲレロ:左ジャブ、右ストレート、右フック
ラシエルバ:ジャブ、ストレート、フック
(感想:メキシカン同士の対戦。これまで20勝(11KO)3敗5分のゲレロ。テキサスのローカル王座(スーパーバンタム級)を獲得した実績。ラシエルバ(サンタ・アニータ出身)は26勝(18KO)5敗4分。WBAの地域王座(フライ級)、IBA王座(バンタム級)などを獲得してきたが、マーク・ジョンソンとIBF王座(フライ級)を争って敗北。サンアントニオでの一戦。ゲレロはリカルド・ロペスのような選手。左右にダッキングしながらジャブ、ワンツー、踏み込んで左フック。ラシエルバもまた良いワンツー、左フック。しかしながら、中途半端にサウスポーにスイッチする。共に左フックを武器とするが、互いにディフェンスして決定打を許さない。10R終了、引き分け。個人的には常に前に出たゲレロの勝ちでいいと思うが、ラシエルバはコンビネーション(ワンツーからの左フック)に良さがあった。その後ゲレロはイスラエル・バスケスとIBF世界スーパーバンタム級王座、タカラニ・ヌドロブとIBOスーパーバンタム級王座を争って敗北。大きなタイトルを獲ることはできなかった。)
②セレスティーノ・カバジェロ 12R 判定 ホルヘ・ラシエルバ
(WBA世界スーパーバンタム級タイトル戦、2007年)
カバジェロ:左ジャブ、右ストレート、フック
ラシエルバ:ジャブ、ストレート、フック
(感想:カバジェロがタイトル防衛。これまで32勝(22KO)6敗6分のラシエルバ。IBF世界バンタム級王座挑戦者決定戦に敗れたが、「GBU」なる団体のフェザー級王座を獲得するなどこのところ連勝中。WBA13位としてアメリカで世界挑戦。王者カバジェロはスラリとしたパナマ人で26勝(18KO)2敗。決定戦で暫定王座を獲得し、正規王者との統一戦に勝利した経緯がある。テキサス州イダルゴでの一戦。長いジャブ、右ストレートを伸ばすカバジェロ。接近戦では振りが大きめのフック。ラシエルバは接近して左フックを中心とする連打。ディフェンスしながらカバジェロが左のガードを下げた構えからジャブ、スウェー、ダッキング。左フックにパワーがあるラシエルバだが、クリンチ、ホールドされて不発。6R、フラストレーションが溜まったのか、ラシエルバがヘディング、減点。共に時折サウスポーにスイッチするが、あまり効果無し。12R終了。判定は3-0。カバジェロが長いパンチで勝利。しかし正直なところ、両者ともパンチの正確さに欠き、ホールドが多く、盛り上がりにくい試合だった印象。その後の二人。ラシエルバはIBF世界フェザー級王座に挑戦したが敗北。マイナー団体の王者にとどまった。カバジェロはIBF王座も獲得し、統一に成功。さらにWBA世界フェザー級王座も獲得。しかし、プライベートで問題。薬物がらみの事件で逮捕されてしまった。)
③ファン・カルロス・サンチェス・ジュニア 7R TKO ダーウィン・サモラ
(スーパーバンタム級戦、2013年9月)
サンチェス:右ジャブ、左ストレート、フック
サモラ:右ジャブ、左ストレート、フック
(ダウンシーン)
6R:左ストレートでサモラがダウン
(感想:サンチェスはメキシカン(ロス・モチス出身)。これまで16勝(8KO)1敗1分。IBF世界スーパーフライ級王者だったが、ウェイトオーバーで王座剥奪。階級を上げて、この試合。サモラはニカラグア・マタガルパ出身で、21勝(18KO)8敗1分。地元で連勝後、メキシコで二連敗。地元でWBAの地域王座(スーパーフライ級)を獲ったが、海外では勝てない(英国でジェイミー・マクドネルに敗北)。ニカラグア・マナグアでの一戦。共にサウスポー。ジャブ、ストレート、右フック。テクニックで勝負するタイプで、パワーはそこそこ。サンチェスはストレート、サモラはフックに力を入れる。4R、サンチェスがボディ連打。6R、サモラが右眉付近をカットし、ドクターチェック。再開後、軽い連打をまとめるサンチェス。ラウンド終了直前、左ストレートでサモラを倒す。7R、キズでストップ。サンチェスがテクニックで勝利。ダウンを奪った左ストレートが良かった。サモラは器用なタイプだが、パワーの点で「平均的な選手」といったところか。これが最後の試合に。その後のサンチェス。次の試合でゾラニ・テテにKO負け。WBOインター王座戦(スーパーバンタム級)で判定負けするなど勝ったり負けたり。上の階級では通用しなかった。)
①「Featherweight
Armando Guerrero vs. Jorge Lacierva」
②「WBA World Super Bantamweight Title
Celestino Caballero vs. Jorge Lacierva」
③「Super Bantamweight
Juan Carlos Sanchez Jr vs. Darwin Zamora」