プエルトリコの実力者。「シントロン vs. バチスタ」「ベレス vs. モリナ」「ホセ・A・ゴンザレス vs. トレホ」ほかを紹介します。
カーミット・シントロン(プエルトリコ)
身長180cm:オーソドックス(右構え)
ジェイソン・ベレス(プエルトリコ)
身長173cm:オーソドックス(右構え)
①カーミット・シントロン 5R TKO サイド・オウアリ
(ウェルター級戦、2001年8月)
シントロン:左ジャブ、右ストレート、フック
オウアリ:右ジャブ、左ストレート、フック
(ダウンシーン)
5R:右フック、右ストレートで2度、オウアリがダウン
(感想:シントロン(21歳)はプエルトリカン(カロリーナ出身)。デビューから連勝中。オウアリ(22歳)はモロッコ・アガディール出身。コチラも経験は浅いが、全勝。コネチカット州アンカスビルでの一戦。坊主頭をプエルトリコ・カラーに染めているシントロン。長いジャブ、右ストレートが武器。オウアリはいかにもサウスポーといった感じで右ジャブ、左ストレート、右フック。ディフェンスでシントロンが優勢か? 5R、左フックが効いて足に来たオウアリ。右フックでダウン。立ったが、マズい状況。右ストレートで再び倒れたところでレフェリーストップ。シントロンがディフェンス&長いパンチで勝利。器用なところが良かった。オウアリは相手の懐の深さに敗れた。その後のオウアリ。連勝後、マニング・ギャロウェイ(元WBO世界ウェルター級王者)に判定負け。連勝後、WBCインター王座に挑戦して判定負け。WBA世界ウェルター級王座挑戦者決定戦に勝利したが、世界挑戦は無し。一定の実力はあったが、王座には縁が無かった。)
②カーミット・シントロン 10R 判定 ジョナサン・バチスタ
(ウェルター級戦、2013年8月)
シントロン:左ジャブ、右ストレート、フック
バチスタ:左ジャブ、右ストレート、フック
(ダウンシーン)
8R:左フックでバチスタがダウン
(感想:33歳になったシントロン。これまで33勝(28KO)5敗2分。オウアリ戦後も連勝でWBOの暫定王者に(ウェルター級)。アントニオ・マルガリートにTKO負け、初黒星。決定戦でIBF世界ウェルター級王座獲得。三度目の防衛戦でまたしてもマルガリートに敗北、王座陥落。サウル・アルバレスのWBC世界スーパーウェルター級王座に挑戦してTKO負け。ブランク。再起戦に引き分け。バチスタ戦は再起二戦目となる。バチスタ(27歳)はドミニカのサン・ベドロ・マコリス出身の黒人で、14勝(7KO)1敗。地元でデビュー、連勝。初のアメリカでの試合で判定負け、初黒星。地元で再起戦、勝利。そして、この試合。フロリダ州マイアミでの一戦。シントロンがジャブからの左フック、ワンツー。左ボディ打ちに巧さがあり、左のテクニックで勝負。バチスタは右ストレート、左フックにパワーを込めるが、攻撃が単発でディフェンスされる。接近戦。もみ合い、クリンチ。7R、バチスタがローブロー。8R、タイミングのいい左フックでバチスタがバランスを崩してダウン。10R、バチスタが背後からの攻撃、ラフプレーで二度の減点。10R終了。判定は3-0。微妙だった試合。共に畳み掛けるような精力的な攻めがなく、もみ合うシーンが目立った。バチスタの試合運びのマズさはともかく、シントロンは何のためにカムバックしたのだろう? その後の二人。バチスタは連敗後、勝ったり負けたり。タイトル戦を経験することはなかった。シントロンは連勝後、ペンシルベニア州王座戦(スーパーウェルター級)でKO負け。それが最後の王座戦となった。)
③ジェイソン・ベレス 5R TKO ジョン・モリナ
(フェザー級戦、2011年2月)
ベレス:左ジャブ、右ストレート、左フック
モリナ:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:ベレス(22歳)はプエルトリコ・カグアス出身(身長173cm)。これまで14連勝(11KO)。WBCアメリカ王座(スーパーバンタム級)を獲得している。モリナ(33歳)は小柄(身長157cm)なコロンビア人(カウカシア出身)。27勝(18KO)14敗3分。WBCの地域王座(ライトフライ級)を獲得したが、WBO王座(ライトフライ級)は獲得ならず。WBAの地域王座(フライ級)も獲得できたが、勝ったり負けたり。このところ連続KO負け。プエルトリコ・ラレスでの一戦。身長差のある二人。ベレスは思い切りのいい打ち方。打ち下ろすような長い右ストレート、振りが大きめの左フック。左ボディ打ちに巧さ。モリナはかつての名選手ウィルフレド・バスケス風の選手で、踏み込んで打つ右ストレート、フックに威力。勢いでベレス優勢。ただ、振りが大きい分、バランスとガードにやや問題がある印象。対抗するモリナだが、4R終了で棄権(ダウンシーンは無し)。続行できたのではないかと思われるが、連敗のダメージを考慮しての決断だろう。ベレスが豪快なボクシングで勝利。仮にディフェンスに甘さがあるとしても個人的にはベレスのような強いパンチを勢い良く打っていく選手は好印象。その後の二人。モリナはWBCの地域王座(フライ級)を獲得したが、そこまで。以降は連敗でキャリア終了。底力はあったが、階級が上の選手との対戦にはムリがあった。ベレスは全勝のままIBF世界フェザー級王座に挑戦したが、引き分け。その後、WBCシルバー王座戦、北米王座戦(いずれもフェザー級)で連敗するなど苦戦。最後は負け続けで引退。勢いが落ちて勝てなくなっていったようだ。)
④ホセ・A・ゴンザレス 10R 判定 フェルナンド・トレホ
(WBOラティノ・ライト級タイトル戦、2011年11月)
ゴンザレス:左ジャブ、右ストレート、左フック
トレホ:左ジャブ、右ストレート、フック
(感想:ゴンザレスがタイトル防衛。王者ゴンザレス(28歳)はプエルトリコ・バヤモン出身。デビューから17連勝(13KO)。決定戦で王座を獲得。これが二度目の防衛戦。挑戦者トレホ(37歳)はメキシコシティ出身で、33勝(19KO)16敗5分。WBCの地域王座(スーパーフェザー級)、北米王座(ライト級、次いでスーパーフェザー級)といった王座を獲得してきた(ボビー・パッキャオ、フリオ・ディアズには敗北)。プエルトリコのトア・バハでの一戦。互いにガードを高く上げる。トレホはあのリカルド・ロペスのような構え、上体の動き。踏み込んで打つジャブ、左ボディ打ちに巧さ。ワンツーからの左ボディ打ちが主武器の様子。ゴンザレスは淡々とした姿勢。ジャブ、ストレート、左フックを正確に当てようとし、特に右ストレートに正確さ。しかしながら、盛り上がらないアウトボクシング。サウスポーにスイッチしたりするが、特に効果的ではない。トレホは攻めるが、ディフェンスされる。9Rに面白いシーン。カウンター狙いのゴンザレスにトレホが逆に距離を取って「打ってこい」アピール。しかし、ゴンザレスは攻めず、微妙な空気に。10R終了。判定は大差の3-0(ダウンシーンは無し)。ゴンザレスがカウンターで勝利。しかし、エキサイティングではない勝ち方。地元のファン以外は喜ばない(と思う)「冷めたボクシング」だった。トレホはよく攻めたが、相手のガードを崩せず。爆発力に欠けていたか。その後、二連敗で引退。ゴンザレスはその後もラティノ王座を防衛。そして、リッキー・バーンズのWBO世界ライト級王座に挑戦して敗北(初の海外試合で初黒星)。アメリカでWBOインター王座(ライト級)挑戦してTKO負け。それが事実上のラストファイトに。)
①「Welterweight
Kermit Cintron vs. Said Ouali」
②「Welterweight
Kermit Cintron vs. Jonathan Batista」
③「Featherweight
Jayson Velez vs. Jhon Alberto Molina」
④「WBO Latino Lightweight Title
Jose A Gonzalez vs. Fernando Trejo」




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