2024年8月9日金曜日

ハワード・イーストマン(Howard Eastman)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ガイアナ出身の英連邦ミドル級王者。サム・ソリマン戦、スコット・ダン戦、エディソン・ミランダ戦を紹介します。

ハワード・イーストマン(Howard Eastman)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

ハワード・イーストマン(ガイアナ)

身長180cm:オーソドックス(右構え)


ハワード・イーストマン 12R 判定 サム・ソリマン

(英連邦ミドル級タイトル戦、2000年)

イーストマン:左ジャブ、右ストレート、左フック

ソリマン:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:イーストマンがタイトル獲得。南米ガイアナ出身でロンドン在住のイーストマン。ニックネームは「The Battersea Bomber」(「Battersea」はロンドンにある地区)。ホームレスだった時期もあったが、英国陸軍に入隊。そしてプロボクサーに。デビュー以来、連戦連勝。英国王座、WBAインター王座(いずれもミドル級)などを獲得。そして、ソリマンの英連邦王座に挑戦。王者ソリマンはオーストラリアの選手。デビュー二戦目でオーストラリアのクルーザー級王座を獲得。そして二連敗。階級を下げてミドルとスーパーミドル級王座を獲得。英連邦王座をTKOで獲得し、イーストマンと初防衛戦。ロンドンのベスナル・グリーンでの一戦。イーストマンは個性的な髪型(額が広く、前髪を丸く薄く残している)。構え方が似ている両者。左のガードを下げてジャブ。イーストマンは右ストレート、左フックが武器のようだが、動きとパンチにキレがない。ソリマンは受け身的な姿勢で、前進してくるイーストマンを連打で迎撃。どちらもパンチの振りが大きく、攻めるときのディフェンスが甘い印象。3Rに面白いシーン。「手を出すことなく前進するイーストマン。それを連打で迎え撃つソリマン。両者、クリンチ」のパターンを何度も繰り返す。レフェリーから両者に注意。4R、イーストマンがシャープなパンチ(どうやら「スロースターター」らしい)。互いに攻撃に粗さがあり、クリンチが目立つが試合はイーストマン優勢。ジャブで先手を取り、右ストレート、左フック。ソリマンも反撃するが、受け身のため攻めが一貫しない。12R終了。レフェリーがイーストマンの手を上げた(PTSによる判定)。イーストマンが英連邦王座奪取。ダウンシーンは無かったがイーストマンが個性的であったため、それなりに見せ場があった。一方、この試合では攻めとディフェンスが微妙だったソリマン。しかし、後、世界戦で敗北するなど経験を積んでIBF世界ミドル級王者に(2014年)。)


ハワード・イーストマン 3R TKO スコット・ダン

(英国、英連邦、欧州ミドル級タイトル戦、2003年)

イーストマン:左ジャブ、右ストレート、フック

ダン:右ジャブ、左ストレート、右フック

(ダウンシーン)

3R:右ストレートでダンがダウン

(感想:イーストマンがタイトル防衛。ウィリアム・ジョッピー(竹原慎二を倒した男)と空位のWBA世界ミドル級王座を争って2-0で敗れたイーストマン。所持する三つのベルトの防衛戦を行うことに。挑戦者のダンは英国のサウスポー。IBOのインター王座(ミドル級)を獲得したことがあり、敗北はこれまで1つだけ。イングランド・ノッティンガムでの一戦。ヒゲを生やしてそれを金髪に染めているイーストマン。左を使いながらサウスポーのダンに右を当てようとし、接近戦では左フックを振るう。ダンは受け身。右ジャブを使いながら左でカウンターを取る作戦。3R、右ストレートでダンがダウン。立ったが、ロープ際で連打からの左フックを打たれたところでレフェリーストップ。イーストマンが攻める姿勢で快勝。ソリマン戦のときとは違ってしっかりガードを上げ、最初からパンチには強さと鋭さがあった。惨敗のダン。右フックを当てるシーンもあったが、受け身の残念な試合ぶり。しかしその後、世界挑戦は無かったが英国王座、英連邦王座(いずれもミドル級)を獲得する活躍を見せた。)


エディソン・ミランダ 7R TKO ハワード・イーストマン

(IBF世界ミドル級挑戦者決定戦、2006年)

イーストマン:左ジャブ、右ストレート、左フック

ミランダ:左ジャブ、右ストレート、フック

(感想:ロサンゼルスでバーナード・ホプキンスの統一世界ミドル級王座に挑戦して判定負けしたイーストマン。再起戦でアルツール・アブラハムにも敗北。そして挑戦者決定戦に出場。ミランダはコロンビアの強打者。これまで25戦全勝(22KO)。NABO王座(ミドル級)などを獲得、防衛してきた実績。アメリカ・ハリウッドでどんな試合を見せるか?  黒人同士の一戦。見た目は共に強そうな感じ。ミランダの強打を警戒してイーストマンは足で距離を取る。ミランダはパワーを込めてジャブ、ストレート、左フック。ただ、パワーに自信がありすぎるのか、一発を狙うような粗い攻め。3R、ミランダの左フックがヒット。その後、イーストマンはジャブ、ワンツー、ミランダは強打で勝負。5R、ミランダの右カウンター、右連打でイーストマンがピンチ。6Rは逆にイーストマンの右パンチでミランダが足に来るダメージ。7R、右を当てたミランダ。イーストマンをコーナーに詰めて連打。レフェリーストップ。7Rに一気に勝負がついた。パワーの差があった印象(ダウンシーンは無し)。腕力で勝負するタイプだったミランダ。この試合には勝てたが、アルツール・アブラハムのIBF世界ミドル級王座への挑戦は判定負け。二度目の世界挑戦にも失敗し、世界は獲得できず。イーストマンはその後もリングに上がり続け、英国王座を奪回するなどの活躍もあったが三度目の世界挑戦は無し。もう少しパワーがあれば、といった選手だった。)


①「Commonwealth Boxing Council Middleweight Title 

Sam Soliman vs. Howard Eastman」

②「British, Commonwealth and EBU Middleweight Title 

Howard Eastman vs. Scott Dann」

③「IBF Middleweight Title Eliminator 

Edison Miranda vs. Howard Eastman」


ウィリアム・ジョッピー(William Joppy)のページ

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バーナード・ホプキンス(Bernard "The Executioner" Hopkins)のページ

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アルツール・アブラハム(Arthur Abraham) 

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