2024年6月21日金曜日

アルツール・アブラハム(Arthur Abraham)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

世界ミドル、スーパーミドル級王者になったアルメニア人。イアン・ガードナー戦、キンスリー・アイキキ戦、ジャーメイン・テイラー戦を紹介します。

アルツール・アブラハム(Arthur Abraham)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

アルツール・アブラハム(アルメニア)

身長175cm:オーソドックス(右構え)


アルツール・アブラハム 12R 判定 イアン・ガードナー

(WBAインター・ミドル級タイトル戦、2005年)

アブラハム:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ガードナー:右ジャブ、左ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

7R:右ストレートでガードナーがダウン

9R:連打でガードナーがロープダウン

12R:右ストレートでガードナーがダウン

(感想:アブラハムがタイトル獲得。アルメニア生まれのアブラハム。プロとして活動するためドイツへ。これまで全勝。ガードナーはカナダの黒人サウスポーでWBCの地域王座(ミドル級)、NABO王座(スーパーウェルター級)を獲得している。敗北は一つのみ。ドイツのプレンツラウアー・ベルクで行われた試合。アブラハムがガードを上げてジャブ、右ストレート。ガードナーは慎重に距離を取ってジャブ、左ストレート。左右フックは振りが大きい。互いにストレートを狙う。ガードナーは下がりながらも手数を多く出し、右フックでボディを打つなど器用さを見せる。7R、かするような右ストレートでガードナーがロープ際でダウン。9R、もみ合った状態でアブラハムが危険なラビットパンチ。反則負けでもよいほどの危険行為だったが、減点のみ。そして連打でガードナーがロープダウン。12R、右ストレートでガードナーがダウン(スロー映像ではパンチが全く当たっていなかったように見えた。ただ、スピードのある動き・パンチだったのでそう見えても仕方がないという感じも)。判定は3-0。正直なところアブラハムという選手はあまり好きになれない。ブロックしながら得意の右ストレートを狙うタイプだが、パンチの正確さに欠けるうえ、荒っぽいラビットパンチやローブロー。ガードナーもヒザをついたりするなど下半身が不安定な感じでバランスの悪さが目立った。その後のガードナー。NABO王座戦(スーパーミドル級)、ゲンナジー・ゴロフキン戦に敗北するなどいいところ無しだった。)


アルツール・アブラハム 5R KO キンスリー・アイキキ

(IBF世界ミドル級王座決定戦、2005年)

アブラハム:左ジャブ、右ストレート、左右フック

アイキキ:左ジャブ、右ストレート、左フック

(感想:アブラハムがタイトル獲得。全勝を続けるアブラハム。ジャーメイン・テイラーが返上して空位になった王座を狙う。アイキキはアメリカの黒人選手で、身長が何と193cm(ヘビー級?)。これまで北米王座、NABO王座(いずれもミドル級)などを獲得している。ドイツ・ライプツィヒでの一戦。ヘンな帽子をかぶってアブラハムが入場。ゴング。共にガードを上げてジャブ。ワンツーを使うアイキキだが、パワーはあまり無い。アブラハムがジリジリとプレッシャーをかけ、ワンツーからの左フックなどを振るう。踏み込みの速さとパワーで勝るアブラハムだが、手数はアイキキの方が多い。5R、左フックを食ってアイキキが後退。連打するアブラハム。レフェリーストップ。ストップ後にアイキキは倒れてしまった。アブラハムが腕っぷしで勝利。ブロックしながら強打で挽回するパターン(後ろから荒っぽく攻撃するシーンも)。パンチが軽めだったアイキキは足が弱点の様子。手数を出していたが、終始プレッシャーを掛けられ続けていた。その後のアイキキ。再起戦で北米王座(スーパーミドル級)に挑戦して判定負け。それが最後のタイトル戦となった。)


アルツール・アブラハム 12R KO ジャーメイン・テイラー

(スーパーミドル級12回戦、2009年)

アブラハム:左ジャブ、右ストレート、左右フック

テイラー:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

12R:右ストレートでテイラーがダウン

(感想:これまで30戦全勝(24KO)のアブラハム。IBF王座を返上し、「Super Six World Boxing Classic」なるスーパーミドル級のトーナメントに出場。テイラー(アーカンソー州リトルロック出身の黒人)は元統一世界ミドル級王者で28勝(17KO)3敗1分。王者としてはアブラハムの先輩にあたる。ドイツ・ベルリンのクロイツベルクでの一戦。ガードをしっかり上げてブロックしながらジャブを出すアブラハム。テイラーはブロックしながら手数を多く出す作戦。ジャブを連打し、ワンツー、クロス気味の右フック、左ボディ打ち。ブロックが多いアブラハム。ポイント的にはテイラーが手数で優勢。6R、ローブローでテイラーが減点。7Rから右ストレート、左フックなど手数を増やしていくアブラハム。9R、ワンツーでテイラーがピンチ。それでもポイントではテイラーが優勢。12R、残り時間わずかのところでアブラハムが左フックからの右ストレート。ダウンしたテイラーは試合終了後もしばらく倒れたままだった。アブラハムが得意の右で大逆転勝利。最後の右が当たらなければテイラーが勝っていただろうが、アブラハムはひたすらブロックしてテイラーの攻撃に耐えた。逆に言えばブロックできる程度のパンチだったということか。その後の二人。アブラハムは空位のWBC世界スーパーミドル級王座をカール・フローチと争って判定負け(3-0)したが、WBO世界スーパーミドル級を獲得して二階級制覇。テイラーもまたかつて保持していたIBF世界ミドル級王座を奪回したが、たびたびトラブルを起こして王座返上。それらの出来事の背後には試合のダメージがあるらしい。)


①「vacant WBA Inter-Continental Middleweight Title 

Arthur Abraham vs. Ian Gardner」

②「vacant IBF World Middleweight Title 

Arthur Abraham vs. Kingsley Ikeke」

③「Super Middleweight 

Arthur Abraham vs. Jermain Taylor」

 

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