2024年3月29日金曜日

セレス小林(Celes Kobayashi)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBA世界スーパーフライ級王者。テクニック&カウンター。レオ・ガメス戦、ヘスス・ロハス戦、アレクサンデル・ムニョス戦を紹介します。

セレス小林(Celes Kobayashi)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

セレス小林(日本)

身長168cm:サウスポー

セレス小林 10R KO レオ・ガメス

(WBA世界スーパーフライ級タイトル戦、2001年)

小林:右ジャブ、左ストレート、右フック

ガメス:左ジャブ、右ストレート、左フック

(ダウンシーン)

10R:ワンツーでガメスがダウン

(感想:小林がタイトル獲得。挑戦者の小林は茨城県出身。本名は小林昭司(しょうじ)。「セレス」は現役時代に勤務していた結婚式場の名。「国際ジム」所属でトレーナーはあのクラッシャー三浦(元日本バンタム級王者)。デビュー戦は判定負け。東日本新人王戦(スーパーフライ級)、A級トーナメント戦(スーパーフライ級)、日本フライ級王座挑戦で判定負け。スズキ・カバトとの三戦目で日本フライ級王座獲得。連続防衛。マルコム・ツニャカオのWBC世界フライ級王座に挑戦したが引き分けで王座獲得ならず。これまで22勝(13KO)4敗3分でWBA9位。この試合はツニャカオ戦の再起戦。王者ガメス(ベネズエラ、33勝(25KO)7敗1分)は日本でもおなじみの四階級制覇王者。小柄ながらかなりのハードパンチャーで特に右のパンチが強い。しかしながら年齢は37歳。横浜アリーナでの一戦。試合は意外にも小林のペース。ジャブ、左ストレート、右フック。左ストレートでカウンターし、右フックからの左ストレートといったコンビネーションもヒットさせる。ガメスはジャブを使いながら前進し、右ストレートを狙う。全般的にガメスの右強打がヒットするシーンもあるが、小林が左ストレート、右フック、ディフェンスで優勢。10R、ワンツーでガメスが前のめりにダウン。立ったがフラついて、レフェリーストップ。小林がカウンターとディフェンスで勝利。ガメスは強そうなパンチを打っており、決して弱くはなかった。小林のディフェンス・テクニックにしてやられた印象。その後もガメスは世界戦。五階級制覇を狙ってジョニー・ブレダルのWBA世界バンタム級王座に挑戦したが、判定負け。世界王者としてリングに上がったのは小林戦が最後となった。)


セレス小林 12R 判定 ヘスス・ロハス

(WBA世界スーパーフライ級タイトル戦、2001年)

小林:右ジャブ、左ストレート、右フック

ロハス:左ジャブ、右ストレート、左フック

(感想:小林がタイトル初防衛。日本でもおなじみのテクニシャンを相手に小林が初防衛に挑む。挑戦者ロハスはかつてこの王座を持っていたベネズエラ人。これまで35勝(19KO)8敗3分1無効試合。フィデル・バッサからWBA世界フライ級王座を獲得したが(1989年)、初防衛戦で李烈雨に判定負け。新王者、レパード玉熊に挑戦したが、引き分けで王座奪回ならず。王座が次々に移動。セーン・ソー・プルンチットに挑戦したが、判定負け。飯田覚士に挑戦してWBA世界スーパーフライ級王座獲得、二階級制覇(1998年)。戸高秀樹に敗れ、王座陥落。王座は戸高からガメスへ。ガメスから小林へ。ロハスはなかなかのテクニシャンではあるが年齢は37歳(小林は28歳)。パワー不足のため世界王座戦を落とすこともあったが、この試合ではどうか? 横浜アリーナでの一戦。左の使い方が巧いロハス。距離を取って左ジャブ、左フック、そして右ストレート。ただし、動きとパンチにあまりキレが無い。攻める小林はジャブからの左ストレート、右フック。接近戦では互いにボディ攻撃、ディフェンス。ロハスの左フック、右ストレートが時折ヒット。10R、ジャブでロハスのマウスピースが落下。11R終了後にロハスが攻撃(反則)。12R終了。ロハスは両手を上げて自身の勝利を確信している様子。判定は僅差の2-1(ダウンシーンは無し)。パンチを当てる巧さはロハスの方が上だったように映像では見えたが、ちょこっと当てるディフェンシブなロハスの戦法は正直なところ「セコいボクシング」という感じがした。小林もパワーに欠けているように見えた。ディフェンスができる者同士の試合は互いの個性を潰し合うことが多い。ロハスはこの試合が事実上のラストファイト。二年後にカムバックしたが、エリック・モレル(前WBA世界フライ級王者)に敗れてリングを去った。)


アレクサンデル・ムニョス 10R KO セレス小林

(WBA世界スーパーフライ級タイトル戦、2002年)

小林:右ジャブ、左ストレート、左右フック

ムニョス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(ダウンシーン)

2R:左フックで小林がダウン

6R:右ストレートで小林がダウン

7R:左フックで小林がダウン

8R:連打、右ストレートで2度、小林がダウン

(感想:ムニョスがタイトル獲得。またしてもベネズエラの選手との対戦になった小林の二度目の防衛戦。WBA1位の挑戦者ムニョスはこれまで21戦全勝(全KO)のハードパンチャー。ただし、これまでの試合は全て地元で、これが初の王座戦。数字だけの選手なのか、本物の強豪なのか? 日本武道館での一戦(レフェリーはスタンリー・クリストドーロー)。スリムな体型のムニョス。長いジャブ、右ストレート。そして振りの大きい左フック、しゃくり上げるような右フック。小林はブロックしながらジャブ、フック。動きやパンチの打ち方がややぎこちないムニョス(バンタムのジュニア・ジョーンズに似ている)。腕っぷしに自信があるのか、大きなパンチで前進。2R、左フックで小林がダウン。しかし、4Rに小林が右フックをヒットさせたようにムニョスの攻撃は隙も大きい。そして6R。右ストレートで小林がダウン。7R、8Rのダウンで試合終了。終わってみれば挑戦者がパワーで勝利。ムニョスの攻めは粗かったが、力で押し切った。強打に飲み込まれてこれがラストファイトになった小林。現在はジムを経営し、テレビのボクシング解説を務めることも。ムニョスはその後、王座を防衛し続けたり、奪われた王座を奪回したり。WBA世界バンタム級王座決定戦で亀田興毅と対戦するなど日本でもおなじみの選手となった。)


①「WBA World Super Flyweight Title 

Leo Gamez vs. Celes Kobayashi」

②「WBA World Super Flyweight Title 

Celes Kobayashi vs. Jesus Rojas」

③「WBA World Super Flyweight Title 

Celes Kobayashi vs. Alexander Munoz」


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