ショート連打でWBA世界フライ級タイトルを獲得したサウスポー。李烈雨戦、ヘスス・ロハス戦、エルビス・アルバレス戦を紹介します。
レパード玉熊(日本)
身長173cm:サウスポー
①レパード玉熊 10R KO 李烈雨
(WBA世界フライ級タイトル戦、1990年)
玉熊:右ジャブ、左ストレート、左右フック
李:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(ダウンシーン)
10R:連打で2度、李がダウン
(感想:玉熊がタイトル獲得。青森県出身の玉熊。本名は玉熊幸人(ゆきひと)。高校と大学でアマチュアを経験。「国際ジム」に入門し、本名でプロデビュー。「1983年度全日本J・フライ級新人王」獲得、A級トーナメント・フライ級優勝、日本フライ級王座獲得・防衛の実績。金容江のWBC世界フライ級タイトルに挑戦したが、判定負け。その後、三連続KO勝ちで二度目の世界挑戦。これまで26勝(12KO)4敗。KO勝利は少な目。二階級制覇王者の李は右ストレートが得意なファイター。これが初防衛戦で、初の韓国外での試合となる。ジャブを使わず、接近してフック攻撃の李。玉熊はジャブ、ストレートで応戦して右フック。李の振りが大きいフックはあまり当たらない。玉熊の連打がヒット(6R、9Rなど)。10R、玉熊の連打を浴びて李が疲れ果てたようにダウン。二度目のダウンと同時にレフェリーストップ。これが最後の試合となった李はどうやらサウスポーが苦手だった様子。ジャブを使わず、フックでラッシュする戦法は会場の暑さも加わって、かなり疲れるものだったに違いない。玉熊は李が得意とする右を時折被弾しながらもよく耐えた。)
②レパード玉熊 12R 引分 ヘスス・ロハス
(WBA世界フライ級タイトル戦、1990年)
玉熊:右ジャブ、左ストレート、左右フック
ロハス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:玉熊がタイトル初防衛。WBA2位の挑戦者ロハス(ベネズエラ)はかつてこのベルトを持っていた男。李烈雨に奪われた王座を日本で奪回できるかどうか? テクニシャンタイプであるが、チャレンジャーということで積極的に攻めるロハス。玉熊はロープを背負って応戦。接近戦でのもみ合い、互いにディフェンス。玉熊のストレート、ロハスの左フックが時折ヒット。最終ラウンド終了。両手を上げて勝利を確信している様子のロハス。レフェリーに手を上げられて大喜び(早とちり)。判定は引き分け。ダウンシーンは無し。接近戦を仕掛け、サウスポーの玉熊に距離を取らせなかったロハスの作戦は悪くなかったが、玉熊は細かい連打で何とかしのいだ。)
③エルビス・アルバレス 12R 判定 レパード玉熊
(WBA世界フライ級タイトル戦、1991年)
玉熊:右ジャブ、左ストレート、左右フック
アルバレス:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:アルバレスがタイトル獲得。玉熊の二度目の防衛戦。サウスポーの挑戦者アルバレス(コロンビア)は元WBO世界フライ級王者。大して値打ちがない、という理由から当時新興団体だったWBOタイトルを返上してWBAを狙う。右が得意なようで、右ジャブと右フックを使う。玉熊は手数が少ない。6R、玉熊は左ストレートをヒットさせるが逆に連打される。距離を取ってジャブを使うアルバレス。判定は3-0。ダウンシーンは無し。玉熊は目を痛めていたらしく、この試合がラストファイトになった。一発のパンチは無かったが、タフな李烈雨を屈服させた試合が印象に残る。)
①「WBA World Flyweight Title
Yul-Woo Lee vs. Leopard Tamakuma」
②「WBA World Flyweight Title
Leopard Tamakuma vs. Jesus Rojas」
③「WBA World Flyweight Title
Leopard Tamakuma vs. Elvis Alvarez」
金容江(キム・ヨンガン、Yong-Kang Kim)のページ
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李烈雨(Yul-Woo Lee)のページ
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ヘスス・キキ・ロハス(Jesus Kiki Rojas)のページ
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