右ストレートで二階級制覇(WBC世界J・フライ級、WBA世界フライ級)したタフなファイター。ヘルマン・トーレス戦、ウンベルト・ゴンザレス戦、ヘスス・ロハス戦を紹介します。
李烈雨(韓国)
身長165cm:オーソドックス(右構え)
①李烈雨 9R TKO ヘルマン・トーレス
(WBC世界J・フライ級タイトル戦、1989年)
李:左ジャブ、右ストレート、左右フック
トーレス:左ジャブ、右ストレート、左フック
(感想:李がタイトル獲得。韓国の李。非常にタフだった男。デビュー以来、連戦連勝。懐かしの選手アマド・ウルスアにKO勝ち。しかし、ミゲル・メルセデス(WBCの地域王座を獲得したことがあるドミニカ人。あのエルビス・アルバレスとWBO世界フライ級王座決定戦を行い、敗北)に判定負けして初黒星。その後、二連勝してこの世界初挑戦。王者トーレスは日本でもおなじみのメキシカン。張正九が持っていた頃に何度も挑戦して獲れなかったWBC世界J・フライ級タイトルを姜順中との王座決定戦で獲得。これが初防衛戦となる。韓国テジョンでの一戦。トーレスがガードを上げてジャブ、ストレートを打ち込む端正なボクシング。李はジャブを使いながら右ストレートを狙う。振りの大きいトーレスのパンチをかわす李。打たれてマウスピースを落とすトーレス。9R、右でグラついたトーレス。レフェリーストップ。ダウンシーンは無し。李には「突貫ファイター」というイメージがあったが、実際には左を使って正確に右を当てようとするタイプ。トーレスはジャブ、ストレートは良かったが、左フックのキレがもう一つだった。)
②ウンベルト・ゴンザレス 12R 判定 李烈雨
(WBC世界J・フライ級タイトル戦、1989年)
李:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ゴンザレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ゴンザレスがタイトル獲得。韓国で行われた李の初防衛戦。会場ではかつてこのベルトを持っていた張正九が観戦。挑戦者のゴンザレスは「小さな巨人」と呼ばれるメキシカン。小柄ながらパンチがある(後、マイケル・カルバハルと激闘を繰り広げる)。ジャブを使い、接近して連打するゴンザレス。李は思い切った右ストレートを打っていく。サウスポーにスイッチするゴンザレス。左目を腫らしながらも、李は勇敢に突進。判定は3-0。ダウンシーンは無し。タフな者同士が一歩も引かず打ち合った激戦。李の強打がヒットするシーンもあり(2Rなど)、一方的な試合だったわけではないが、まとめて連打するゴンザレスの方がポイントで優勢に見えた。)
③李烈雨 12R 判定 ヘスス・ロハス
(WBA世界フライ級タイトル戦、1990年)
李:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ロハス:左ジャブと左フック
(感想:李が二階級制覇。ゴンザレスに敗れた再起戦で金容江に勝利した李(金の方もソット・チタラダとの再戦に敗れてWBC世界フライ級王座を奪われた再起戦だった)。テジョンで二階級制覇に挑む。王者ロハス(ベネズエラ)は後に何度も来日したことで日本でも有名な選手。フィデル・バッサを破ってタイトル獲得。左が得意な選手で、左ジャブと左フックを器用に使うタイプ。これが初防衛戦。李がジャブを使って右ストレートを狙い、接近してフック連打。時折、李のジャブ、右ストレートがヒット。接近戦で左フックをアッパー気味に使うロハス。判定は2-1。ダウンシーンは無し。ロハスは左が得意な男。右のパンチをほとんど使わなかった。「左は世界を制す」と言われるが、左だけでしぶとい李をさばくのは無理。なぜ、右を使わなかった? 難敵を攻略した李。初防衛戦は初の海外試合。日本でレパード玉熊と対戦したが、猛暑と玉熊の細かい連打に崩れ落ち、WBC世界J・フライ級王座に続いてまたしても初防衛に失敗。それが最後の試合に。そして、2009年、癌のため42歳で亡くなった。)
German Torres vs. Yul-Woo Lee」
②「WBC World Light Flyweight Title
Yul-Woo Lee vs. Humberto Gonzalez」
③「WBA World Flyweight Title
Jesus Rojas vs. Yul-Woo Lee」
ヘルマン・トーレス(Germán Torres)のページ
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ウンベルト・ゴンザレス(Humberto "Chiquita" Gonzalez)のページ
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ヘスス・キキ・ロハス(Jesus Kiki Rojas)のページ
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レパード玉熊(Leopard Tamakuma)のページ
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