2021年9月10日金曜日

李烈雨(Yul-Woo Lee)「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

WBC世界J・フライ級、WBA世界フライ級王者。ヘルマン・トーレス戦、ウンベルト・ゴンザレス戦、ヘスス・ロハス戦ほかを紹介します。「世界の強豪ボクサー:ボクシング・ブログ」

李烈雨(Yul-Woo Lee)ボクシング・ブログ「世界の強豪ボクサー」[Google Blogger]

李烈雨(韓国)

身長165cm:オーソドックス(右構え)


①李烈雨 7R KO ロミー・ナバレッテ

(フライ級戦、1987年)

李:左ジャブ、右ストレート、フック

ナバレッテ:左ジャブ、右ストレート、フック

(ダウンシーン)

7R:右ストレートでナバレッテがダウン

(感想:日本のリングにも上がった韓国の李。非常にタフだった男。デビュー以来、連勝。ナバレッテはフィリピン人。「兄弟ボクサー」で、元WBC世界J・ライト級王者ローランドの弟。フィリピンが主戦場だが、ハワイ・ホノルル遠征で後の世界王者グレグ・リチャードソンに判定負け、ハワイ王座(バンタム級)を判定で獲得。後の世界王者で強打者のルイシト・エスピノサに判定負け。ダドイ・アンデュハルに判定勝ちでフィリピン王座(フライ級)獲得。防衛にも成功。直前の試合は判定負け。実績とタフネスがあるが、やや不安定なキャリア。韓国・仁川での一戦(「張正九 vs. エフレン・ピント(WBC世界J・フライ級タイトル戦)」のアンダーカード)。中間距離を保つ両者。李がダッキングしながらジャブ、ストレート、斜め下からのアッパー気味フック。ナバレッテは一発ずつパワーを込めるタイプで、その分、手数が少な目。ただし、右ストレート、大きく振るうフックには危険な威力。ワンツーでタフな李をたじろがせるシーンも。接近戦。力強い両者。フック、ボディ攻撃。全般的にジャブで先手を取る李。右ストレートからの左ボディに強さと巧さ。7R、李が手数。ジャブ連打からの右ストレートでナバレッテがダウン。立てず、10カウント。李が快勝。ディフェンスしながら手数で突破口を開いた。ナバレッテは力みすぎ。スムーズに打てない欠点。しかし、試合には緊迫感があった。その後のナバレッテ。日本で東洋太平洋王座(フライ級)獲得、連続防衛。強い選手だったが王座陥落後は負けが込むようになり、世界戦を経験することはなかった。)


②李烈雨 9R TKO ヘルマン・トーレス

(WBC世界J・フライ級タイトル戦、1989年)

李:左ジャブ、右ストレート、左右フック

トーレス:左ジャブ、右ストレート、左フック

(感想:李がタイトル獲得。ナバレッテ戦後、懐かしの選手アマド・ウルスアにKO勝ちした李。しかし、ミゲル・メルセデス(WBCの地域王座を獲得したことがあるドミニカ人。あのエルビス・アルバレスとWBO世界フライ級王座決定戦を行い、敗北)に判定負けして初黒星。その後、二連勝してこの世界初挑戦。王者トーレスは日本でもおなじみのメキシカン。張正九が持っていた頃に何度も挑戦して獲れなかったWBC世界J・フライ級タイトルを姜順中との王座決定戦で獲得。これが初防衛戦となる。韓国テジョンでの一戦。トーレスがガードを上げてジャブ、ストレートを打ち込む端正なボクシング。李はジャブを使いながら右ストレートを狙う。振りの大きいトーレスのパンチをかわす李。打たれてマウスピースを落とすトーレス。9R、右でグラついたトーレス。レフェリーストップ。ダウンシーンは無し。李には「突貫ファイター」というイメージがあったが、実際には左を使って正確に右を当てようとするタイプ。トーレスはジャブ、ストレートは良かったが、左フックのキレがもう一つだった。)


③ウンベルト・ゴンザレス 12R 判定 李烈雨

(WBC世界J・フライ級タイトル戦、1989年)

李:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ゴンザレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック

(感想:ゴンザレスがタイトル獲得。韓国で行われた李の初防衛戦。会場ではかつてこのベルトを持っていた張正九が観戦。挑戦者のゴンザレスは「小さな巨人」と呼ばれるメキシカン。小柄ながらパンチがある(後、マイケル・カルバハルと激闘を繰り広げる)。ジャブを使い、接近して連打するゴンザレス。李は思い切った右ストレートを打っていく。サウスポーにスイッチするゴンザレス。左目を腫らしながらも、李は勇敢に突進。判定は3-0。ダウンシーンは無し。タフな者同士が一歩も引かず打ち合った激戦。李の強打がヒットするシーンもあり(2Rなど)、一方的な試合だったわけではないが、まとめて連打するゴンザレスの方がポイントで優勢に見えた。)

                                 

④李烈雨 12R 判定 ヘスス・ロハス

(WBA世界フライ級タイトル戦、1990年)

李:左ジャブ、右ストレート、左右フック

ロハス:左ジャブと左フック

(感想:李が二階級制覇。ゴンザレスに敗れた再起戦で金容江に勝利した李(金の方もソット・チタラダとの再戦に敗れてWBC世界フライ級王座を奪われた再起戦だった)。テジョンで二階級制覇に挑む。王者ロハス(ベネズエラ)は後に何度も来日したことで日本でも有名な選手。フィデル・バッサを破ってタイトル獲得。左が得意な選手で、左ジャブと左フックを器用に使うタイプ。これが初防衛戦。李がジャブを使って右ストレートを狙い、接近してフック連打。時折、李のジャブ、右ストレートがヒット。接近戦で左フックをアッパー気味に使うロハス。判定は2-1。ダウンシーンは無し。ロハスは左が得意な男。右のパンチをほとんど使わなかった。「左は世界を制す」と言われるが、左だけでしぶとい李をさばくのは無理。なぜ、右を使わなかった?  難敵を攻略した李。初防衛戦は初の海外試合。日本でレパード玉熊と対戦したが、猛暑と玉熊の細かい連打に崩れ落ち、WBC世界J・フライ級王座に続いてまたしても初防衛に失敗。それが最後の試合に。そして、2009年、癌のため42歳で亡くなった。)


①「Flyweight 

Yul-Woo Lee vs. Romy Navarrete」

②「WBC World Light Flyweight Title 

German Torres vs. Yul-Woo Lee」

③「WBC World Light Flyweight Title 

Yul-Woo Lee vs. Humberto Gonzalez」

④「WBA World Flyweight Title 

Jesus Rojas vs. Yul-Woo Lee」


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