右ストレートを武器にライト級で世界挑戦したキューバ人。ヘクター・カマチョ戦、ジミー・ポール戦、メルドリック・テーラー戦を紹介します。
イルレイス・ペレス(キューバ)
身長173cm:オースドックス(右構え)
①ヘクター・カマチョ 10R 判定 イルレイス・ペレス
(ライト級10回戦、1983年)
ペレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
カマチョ:右ジャブ、左ストレート、左右フック
(感想:キューバのペレス。ロサンゼルスが主戦場。これまで25戦全勝(21KO)だが、王座戦の経験はまだ無い。北米J・ライト級王者カマチョもまた20戦全勝(11KO)。共に世界を目指すポジション。アリゾナ州フェニックスでの注目の一戦。白いトランクスのペレス。カマチョは赤い派手なトランクス(この頃は比較的普通のデザイン。次第に凝ったデザインのトランクスやコスチュームを身につけるようになっていく)。開始から積極的なカマチョ。速い動きでジャブ、左ストレート。カマチョと比べるとペレスは「普通の選手」に見える。ジャブ、ストレートで攻めるがディフェンス、クリンチされてパンチが当たらず。判定は3-0(ダウンシーンは無し)。カマチョの左ストレートが効果的だった試合。カマチョの速さばかりが目立った。ペレスは接近戦ではあまり巧いという感じはしなかった。スピードがあるサウスポーが苦手だったのだろう。後にカマチョはボクシング界を背負う人気者に。)
②ジミー・ポール 15R 判定 イルレイス・ペレス
(IBF世界ライト級タイトル戦、1986年)
ペレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
ポール:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ポールがタイトル防衛。カマチョ戦後、連勝のペレスが初の王座戦。王者はこれまで24勝(19KO)1敗のポール(アメリカ)。クロンクジム所属のハードパンチャーであり、「The Ringmaster」と呼ばれるテクニシャンでもある。ハリー・アローヨから王座を奪い、ペレス戦は二度目の防衛戦となる。ニュージャージー州での一戦。共にジャブ、ストレート。ポールのジャブ、ストレートには定評があるが、ペレスも思い切った打ち方で迫力がある。共にボクサータイプであるためか、接近戦ではクリンチが多い。ペレスが時折ジャブをヒットさせるが、ポールはワンツーからの左フックを使うなど、パンチの正確さではポールの方が上か。判定は2-0(ダウンシーンは無し)。一人のジャッジはドローと採点。ペレスの連打による反撃を評価したものと思われる。ポールは自分の距離で戦えるときは強いが、接近戦ではあまりインパクトのある攻撃をできていなかったように見えた。ペレスは右ストレートに伸びとパワーがあったがディフェンスされるシーンも多かった。その後のポール。次の防衛戦に勝利したが、グレグ・ホーゲンに番狂わせで敗れ、王座陥落。意外なことにその後、王座に返り咲くことはなかった。実力的にはハイレベルだったが、慎重なタイプ。精神的に少し問題がありそうな試合ぶりを見せることがあった。)
③メルドリック・テーラー 10R 判定 イルレイス・ペレス
(J・ウェルター級10回戦、1987年)
ペレス:左ジャブ、右ストレート、左右フック
テーラー:左ジャブ、右ストレート、左右フック
(感想:ポール戦後、再起二連勝のペレス。注目株と対決。テーラーはオリンピック・フェザー級金メダリスト。プロではJ・ウェルター級で戦い、これまで無敗。世界王座を目指す状況。アトランチックシティでの一戦。速いジャブ、右ストレートを飛ばし、左フックを振るうテーラー。ペレスも悪くない。右ストレート、左フックにはパワーがある。右ストレートからの左ジャブといったコンビネーションを使うテーラー。ペレスはテーラーのスピードに負けて手数が少なくなるシーンも。判定は3-0。テーラーがジャブで勝利。ダウンシーンは無し。その後、テーラーは回転の速い連打で世界二階級制覇。ペレスはその後、三試合やって引退。実力はあったが、名のある相手には勝てなかったペレス。カルロス・モンソンは得意の右ストレートを上手く生かして世界王者になれたが、ペレスはなれなかった。良い武器を持っていてもそれを上手に使いこなせなければ大きなタイトルは獲れない。)
①「Lightweight
Hector Camacho vs. Irleis Perez」
②「IBF World Lightweight Title
Jimmy Paul vs. Irleis Perez」
③「Junior Welterweight
Meldrick Taylor vs. Irleis Perez」
ヘクター・カマチョ(Héctor "Macho" Camacho)のページ
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ジミー・ポール(Jimmy Paul)のページ
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メルドリック・テーラー(Meldrick Taylor)のページ
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